芥川賞のすべて・のようなもの
第111回
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Last Update[H26]2014/10/25

室井光広
Muroi Mitsuhiro
生没年月日【注】 昭和30年/1955年1月7日~
受賞年齢 39歳6ヵ月
経歴 福島県南会津郡下郷町生まれ。慶應義塾大学文学部卒。大学図書館勤務、主夫、予備校英語講師などを経て、創作を始める。
受賞歴・候補歴
  • |候補| 第28回群像新人文学賞[評論部門](昭和60年/1985年)「物語のなかの文学――ドン・キホーテにはじまる」《評論》
  • |候補| 第2回早稲田文学新人賞(昭和60年/1985年)「劇のなかの日常――寺山修司論序説」《評論》
  • |候補| 第19回新潮新人賞(昭和62年/1987年)「火のあるところに」
  • 第31回群像新人文学賞[評論部門](昭和63年/1988年)「零の力――J.L.ボルヘスをめぐる断章」《評論》
  • 第111回芥川賞(平成6年/1994年上期)「おどるでく」
備考
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芥川賞 第111受賞  一覧へ
「おどるでく」(『群像』平成6年/1994年4月号)
媒体・作品情報
誌名 「群像」
巻号 第49巻 第4号  別表記4月号
印刷/発行年月日 印刷 平成6年/1994年3月5日 発行 平成6年/1994年4月1日
発行者等 編集人 渡辺勝夫 発行人 天野敬子 印刷人 藤田弘道 印刷所 凸版印刷株式会社
発行所 株式会社講談社(東京都)
総ページ数 356 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×21行
×2段
本文ページ 56~100
(計45頁)
測定枚数 119
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書誌
>>平成6年/1994年7月・講談社刊『おどるでく』所収
>>『文藝春秋』平成6年/1994年9月号
>>平成13年/2001年10月・講談社刊『福島県文学全集 第1期小説編 第6巻 現代編2』所収
>>平成14年/2002年8月・文藝春秋刊『芥川賞全集 第17巻』所収
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候補者 室井光広 男39歳
選考委員 評価 行数 評言
大江健三郎
男59歳
25 「意味と言葉を切りはなし、その言葉をさらにバラバラにする作業と、意味を思いがけない光で照らしてみる作業は、しばしばひとつのものである。その手法で新鮮になった眼で、地方の民俗を見なおし、そこから根こそぎ引っこぬかれて異国におかれた人間のトマドイやら歓喜やらをよみがえらせる。」「思考と文体とが明確なので、抽象的なものも具体的な手ざわりにおいて読み手に受けとめられる。」
古井由吉
男56歳
33 「このたびの受賞の両作を見ると、むやみに強調することは控えたいが、若い世代の文学がある段階に差しかかってきたことは否定しがたい。新しいとは敢えて言わず、むしろ難儀な段階と呼んだほうがふさわしいだろう。」「どちらの作品も小説になる以前の境を、いきなり小説の瀬戸際としてひきうけているように見られる。」「もうひとつ、両作品に共通のものとして、成熟不全の問題がある。(引用者中略)これは時代の自己認識に入りつつあると言ってもよいのだろう。」
河野多恵子
女68歳
7 「一部によさは見られるので、最初から退けることはしなかったが、受賞には反対した。書きたい気持の沸っていることは分るけれども、まだ無闇に書きたいだけで、創作衝動以前のものにしか感じられなかった。」
日野啓三
男65歳
7 「どうしてもごてごてして読みにくかった。旧来の保証ずみでない新しい小説の作り方、書き方に、私は無理解ではないつもりだが、もう一段、小説的抽象性への想像力の集中が必要なように思われる。」
丸谷才一
男68歳
8 「作品の世界へはいつてゆけなくて困りました。評論体の小説といふのはわたしの縄張りのはずなのだが、読んでゐてどうも力がこもらないのですね。いろんな本の話もピンと来なかつたし、登場人物たちも印象が淡かつた。」
大庭みな子
女63歳
18 「ユーモラスなメタファーにあふれた場面が一種抽象的な図柄で絵巻物ふうにページを追うごとに読者をひきつける。知的な刺戟にあふれているが、イマジナティヴな面白さがある。」「文学の愉しさと、新しい世代の感性の手ごたえがあっていい気分だった。」
田久保英夫
男66歳
22 「魅力的な主題である。」「ことに面白いのは、「コリャード懺悔録」と啄木の「ローマ字日記」の性的叙述を対照し、告解をうける神父と、男の体に馴れきった娼婦を重ねるところだろう。」「しかし反面で、こうした文献的な道具立てが多すぎる。」「私はつくづく考えた結果、(引用者中略)次作を待とう、と判断した。」
黒井千次
男62歳
19 「二作受賞という結果に異論はない。」「小説より評論に近い性格を備えてもいるが、両者の境界線ギリギリを辿る書き方がスリリングで面白かった。」「「おどるでく」という一種の「霊的存在」を手掛りにしてすくい取られようとした「表層」自体が小説として出現するあたりに、今日の小説の置かれた立場が示されているようにも感じられた。」
三浦哲郎
男63歳
9 「面白く読んだが、これはエッセーであろう。作者が相当な知識人であり、従来の小説の枠を打ち破ろうといろいろ工夫を凝らしていることはわかるが、私はこの作品を小説と認めることができなかった。」「もし純粋なエッセーとして書いていたら定めし稀有な作品が生まれていただろうにと、惜しまれる。」
選評出典:『芥川賞全集 第十七巻』平成14年/2002年8月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成6年/1994年9月号)
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