芥川賞のすべて・のようなもの
第111回
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Last Update[H27]2015/7/27

笙野頼子
Shono Yoriko
生没年月日【注】 昭和31年/1956年3月16日~
受賞年齢 38歳3ヵ月
経歴 本名=市川頼子。三重県四日市市生まれ、伊勢市育ち。立命館大学法学部卒。在学中より創作を始める。
受賞歴・候補歴
備考
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芥川賞 第110回候補  一覧へ

にひゃくかいき
二百回忌」(『新潮』平成5年/1993年12月号)
媒体・作品情報
誌名 「新潮」  別表記表紙 「THE SHINCHO^」併記
巻号 第90巻 第12号  別表記12月号/1067号
印刷/発行年月日 発行 平成5年/1993年12月1日
発行者等 編集兼発行者 坂本忠雄 印刷者 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社(東京都)
発行所 株式会社新潮社(東京都)
総ページ数 356 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×24行
×2段
本文ページ 68~93
(計26頁)
測定枚数 79
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書誌
>>平成6年/1994年5月・新潮社刊『二百回忌』所収
>>平成9年/1997年8月・新潮社/新潮文庫『二百回忌』所収
>>平成19年/2007年1月・河出書房新社/河出文庫『笙野頼子三冠小説集』所収
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候補者 笙野頼子 女37歳
選考委員 評価 行数 評言
大江健三郎
男58歳
6 「最初に特殊な調性で語りはじめた小説は、ごく短いものならいざ知らず、中篇に近い長さでは、転調が必要となる。それがなされないことに不満が残る。」
大庭みな子
女63歳
3 「頷きながら読んだが、少し詰め込みすぎてイメージが拡散するのが惜しい。」
丸谷才一
男68歳
0  
吉行淳之介
男69歳
3 「時間や距離の捩れも面白く、二百回忌でのいろいろの趣向は、うっかりすると子供だましになるところを持ちこたえている。」
日野啓三
男64歳
0  
田久保英夫
男65歳
2 「注目した。」
黒井千次
男61歳
6 「油絵具を厚く塗りたくったような書き方の内に、怒りと勢いが感じられて面白かった。」
三浦哲郎
男62歳
0  
河野多恵子
女67歳
7 「先祖や身内や郷里との、無関係をも含む関係を、反リアリズムで表現しようとした作品で、一見荒唐無稽な内容にしたたかなリアリティがある。致命的ではないけれども、見逃し得ない二、三の部分的な欠点が授賞を阻んだ。」
古井由吉
男56歳
0  
選評出典:『芥川賞全集 第十六巻』平成14年/2002年6月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成6年/1994年3月号)
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芥川賞 第111受賞  一覧へ
「タイムスリップ・コンビナート」(『文學界』平成6年/1994年6月号)
媒体・作品情報
誌名 「文學界」
巻号 第48巻 第6号  別表記6月号
印刷/発行年月日 発行 平成6年/1994年6月1日
発行者等 編集人 寺田英 発行人 田所省治 印刷人 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社
発行所 株式会社文藝春秋(東京都)
総ページ数 392 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×24行
×2段
本文ページ 104~134
(計31頁)
測定枚数 93
上記のうち紫の太字はブラウザでの表示が困難な異体字(主に正字など)
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書誌
>>『文藝春秋』平成6年/1994年9月号
>>平成6年/1994年9月・文藝春秋刊『タイムスリップ・コンビナート』所収
>>平成10年/1998年2月・文藝春秋/文春文庫『タイムスリップ・コンビナート』所収
>>平成14年/2002年8月・文藝春秋刊『芥川賞全集 第17巻』所収
>>平成19年/2007年1月・河出書房新社/河出文庫『笙野頼子三冠小説集』所収
>>平成27年/2015年4月・講談社/講談社文芸文庫『現代小説クロニクル 1990~1994』所収
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候補者 笙野頼子 女38歳
選考委員 評価 行数 評言
大江健三郎
男59歳
16 「夢に呼びさまされた言葉を、できるかぎりその風味をそこなわずに輸送する、その技術をみがきあげて、しかもこの小説は(引用者中略)、はっきり眼ざめている観察に実力が見える。両者を結ぶ独特なユーモアもある仕事。」
古井由吉
男56歳
33 「このたびの受賞の両作を見ると、むやみに強調することは控えたいが、若い世代の文学がある段階に差しかかってきたことは否定しがたい。新しいとは敢えて言わず、むしろ難儀な段階と呼んだほうがふさわしいだろう。」「どちらの作品も小説になる以前の境を、いきなり小説の瀬戸際としてひきうけているように見られる。」「もうひとつ、両作品に共通のものとして、成熟不全の問題がある。(引用者中略)これは時代の自己認識に入りつつあると言ってもよいのだろう。」
河野多恵子
女68歳
12 「名作である。」「まさにリアリズムでは捉え得ない、その微妙で深く有機的な首都と郷里の主人公における関係を、作者は実に巧妙な抽象性を用いて表現している。文章の鮮やかさに支えられた一行一行の転換の妙味は、快感を与えるほどである。」
日野啓三
男65歳
10 「前回の「二百回忌」よりすぐれているか劣るか、という点で評価が分かれた。」「私は「二百回忌」の方が印象強かったが、地方都市で十何歳かまで育ってから、いきなり東京に住むと、東京はこんな風に見えるものだ、という河野多惠子さんの意見にはそうかもしれない、と思った。」
丸谷才一
男68歳
17 「じつに惜しいところで佳作になりそこねてゐる短篇小説です。もちろん前作よりずつといい。」「むきだしな感覚の氾濫を、分別と才覚によつて口当りよく水わりにして、ただしちつとも水つぽくしなかつたところがすばらしい。」「しかしかういふ具合に、横へ横へと感覚をずるずるつないでゆく作風は(文章の藝のかずかずはじつに見事なのですが)、おしまひにうんと花やかな業を一つ決めてくれなければ見物衆が困ります。」
大庭みな子
女63歳
6 「自然に流れ出る生得の力で余裕をもって書いている。現代日本の風景をこれほど鮮やかに描く笙野頼子の存在が、行き止まりの海とどう対決するかを見守ろう。」
田久保英夫
男66歳
18 「語り口に、とぼけた味のあるユーモアが漂い、虚と実のあわいのような世界に、自然に誘いこまれる。」「過去、現在、未来がぬるりと浸し合う存在の描出は、巧みだが、作品の力は前回の「二百回忌」の方がつよいと思う。この夢と現実を支える主体の意識が、根底で曖昧なのだ。」「私はつくづく考えた結果、(引用者中略)次作を待とう、と判断した。」
黒井千次
男62歳
12 「二作受賞という結果に異論はない。」「浮遊する感覚にリアリティーがあり、実在する固有名詞に幻想性が宿り、東京という土地のイメージが奇妙な風景画のように浮かび上ってくる。」「ただ、前回候補作「二百回忌」の泥絵具を塗りたくったようなエネルギーが影をひそめた点に、いささかの物足りなさも覚えた。」
三浦哲郎
男63歳
16 「氏の作風が、私のようなリアリズムの作家には容易に納得できないものを持っている、ということは前にも書いたような気がするが、今回の作品は、これまでになく淡泊な印象で、(引用者中略)しみじみとした味わいさえ感じられ、意外であった。けれども、だからといって、この作品が、前のたとえば「二百回忌」よりも優れているかどうかの判断は、やはり私にはできなかった。」
選評出典:『芥川賞全集 第十七巻』平成14年/2002年8月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成6年/1994年9月号)
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