芥川賞のすべて・のようなもの
第113回
  • =受賞者=
  • 保坂和志
受賞作家の群像 トップページ
直木賞・芥川賞受賞作一覧
受賞作・候補作一覧
候補作家の群像
選考委員の群像
選評の概要
マップ

受賞作家の一覧へ
前の回へ後の回へ
Last Update[H26]2014/8/23

保坂和志
Hosaka Kazushi
生没年月日【注】 昭和31年/1956年10月15日~
受賞年齢 38歳9ヵ月
経歴 山梨県生まれ、神奈川県鎌倉市育ち。早稲田大学政治経済学部卒。西武百貨店に入社、作家デビュー後の平成5年/1993年まで勤めた。
受賞歴・候補歴
備考
  - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -


芥川賞 第113受賞  一覧へ

ひと いき
「この 人の (いき)」(『新潮』平成7年/1995年3月号)
媒体・作品情報
誌名 「新潮」  別表記表紙 「THE SHINCHO^」併記
巻号 第92巻 第3号  別表記3月特大号/1082号
印刷/発行年月日 発行 平成7年/1995年3月1日
発行者等 編集兼発行者 坂本忠雄 印刷者 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社(東京都)
発行所 株式会社新潮社(東京都)
総ページ数 452 表記上の枚数 目次 96枚 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×24行
×2段
本文ページ 233~263
(計31頁)
測定枚数 93
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
書誌
>>平成7年/1995年8月・新潮社刊『この人の閾』所収
>>『文藝春秋』平成7年/1995年9月号
>>平成8年/1996年4月・講談社刊『文学1996』所収
>>平成10年/1998年8月・新潮社/新潮文庫『この人の閾』所収
>>平成14年/2002年8月・文藝春秋刊『芥川賞全集 第17巻』所収
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
候補者 保坂和志 男38歳
選考委員 評価 行数 評言
日野啓三
男66歳
33 「他の都合もあって合計四回読んだが、読む度に快かった。(引用者中略)いまこの頃、私が呼吸しているまわりの空気(あるいは気配)と、自然に馴染む。こういう作品は珍しい。」「バブルの崩壊、阪神大震災とオウム・サリン事件のあとに、われわれが気がついたのはとくに意味もないこの一日の静かな光ではないだろうか。」「その意味で、この小説は新しい文学のひとつの(唯一のではない)可能性をそっと差し出したものと思う。」
河野多恵子
女69歳
17 「本当に新しい男女を活々と表現していた。」「二人(引用者注:〈ぼく〉と〈真紀さん〉)は互いに異性意識から全く解放されていて、そのために却って男が、女が、どこまでも自由に――つまり、豊かに、鋭く、描出されている。男女共学の収穫の達成を想わせる人たちの創造に成功した文学作品が、遂に出現したのである。」
黒井千次
男63歳
17 「他人の既成の家庭を覗き込むという形で書かれているために、語りのしなやかさと人物の主婦像とがくっきり浮かびあがり、三十八歳の女性の精神生活の姿が過不足なく出現した。」「女主人公の精神的な自立と自足とが、どこまで確かであるかは必ずしも定かではない。しかしもし危機が訪れるとしても、それがいかなる土壌の上に発生するかを確認しておく作業も等閑には出来まい。その意味でも、この一編は貴重な試みであると感じた。」
三浦哲郎
男64歳
15 「正直いって、読後にいささかの物足りなさが残らぬでもなかった。なにも波瀾が欲しいのではない、どこかに、たった一つだけでも、読む者の心に文学的表現としての文章なり情感のひと搏ちがあれば、という気がしたのである。」
大江健三郎
男60歳
13 「特質を認めながら、最初の投票でこの作品を受賞作におさなかったのには、理由があった。」「なにひとつ事件らしい事件が起こらぬ日常を語るのが保坂氏の作風だが、これから作家生活を続けてゆかれるには、やはり小説らしい物語をつくる能力が――あるいは、それを試みてみようとする意欲が――必要ではないだろうか。」
丸谷才一
男69歳
17 「文章が明快でいいし、作風が素直でそのくせ意外にたちが悪い。」「しかし人生そのものはこんな調子だとしても、小説のなかの人生としてはこれでは退屈なのぢやないか。小説のなかに生の人生を切り取つて貼付けたとて、それが小説家の手柄なのかしら。」「保坂さんはずいぶん苦労してゐるやうだが、実はもう一工夫なければならない。」
大庭みな子
女64歳
8 「よく見知っているなつかしい世界のように思っていただけに、もの足りない淡さがあった。しかしこの優しさ、快さは、不快にぎすぎすしたものに疲れている読者を魅きつける。」
古井由吉
男57歳
7 「今の世の神経の屈曲が行き着いたひとつの末のような、妙にやわらいだ表現の巧みさを見せた。」「三年後に、これを読んだら、どうだろうか。前提からして受け容れられなくなっている、おそれもある。」
田久保英夫
男67歳
33 「(引用者注:私たちは)小説を読む時、日常の舞台をステップにして、それを一瞬でも超える歓びや充足感を味わいたい、と願う。(引用者中略)私はそうした感覚を味わえなかった。」「ここで終始くり返される会話は、あまりに日常的で散漫すぎる。」「この(引用者注:登場人物の)女性の微妙な識閾を表わそう、という意図はわかるが、それがさまざまなお喋りの見解を通して出てくるところに、問題がある。これらの知的見解は、すべて正反対の意見も可能なのだ。」
選評出典:『芥川賞全集 第十七巻』平成14年/2002年8月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成7年/1995年9月号)
        - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -



ページの先頭へ

トップページ直木賞・芥川賞受賞作一覧受賞作・候補作一覧候補作家の群像選考委員の群像
選評の概要マップ || 受賞作家の一覧へ前の回へ次の回へ