芥川賞のすべて・のようなもの
第150回
  • =受賞者=
  • 小山田浩子
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Last Update[H28]2016/9/13

小山田浩子
Oyamada Hiroko
生没年月日【注】 昭和58年/1983年☆月☆日~
受賞年齢 30歳
経歴 広島県広島市生まれ。広島大学文学部卒。出版社、眼鏡販売店などの勤務を経て、平成22年/2010年「工場」で新潮新人賞を受賞。
受賞歴・候補歴
備考
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芥川賞 第150受賞  一覧へ

あな
穴」(『新潮』平成25年/2013年9月号)
媒体・作品情報
誌名 「新潮」  別表記表紙・背 「The Shincho Monthly」併記
巻号 第110巻 第9号  別表記1304号
印刷/発行年月日 発行 平成25年/2013年9月7日 発売 平成25年/2013年8月7日
発行者等 編集発行者 矢野 優 印刷者 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社(東京都)
発行所 株式会社新潮社(東京都)
総ページ数 372 表記上の枚数 表紙・背・目次 160枚 基本の文字組
(1ページ当り)
27字
×24行
×2段
本文ページ 7~58
(計52頁)
測定枚数 160
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書誌
>>平成26年/2014年1月・新潮社刊『穴』所収
>>『文藝春秋』平成26年/2014年3月号
>>平成28年/2016年8月・新潮社/新潮文庫『穴』所収
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候補者 小山田浩子 女30歳
選考委員 評価 行数 評言
村上龍
男61歳
31 「わたしは、『穴』を推したが、複雑な構造の作品ではなかったことにまず好感をもった。」「嫁として、知らない土地に引っ越すというどこにでもあるモチーフを通して、新しく出現してきたものと、失われたものが、一見無秩序に、実は高度な技術で巧みに構築されて提示される。」「「穴」が何を象徴するか、絶対に明らかにしないという意思さえ感じた。それは現代を描く作家として、正統的である。」
川上弘美
女55歳
19 「見えているのに、見えていないものが、この小説にはたくさん出てきます。「幻想的な」という言葉では処理できないものとして、それらを書きとめたのが、この作品の素晴らしさだと思いました。」「言葉が、大切に使われていた。言葉を並べるためではなく、小説を書くために、言葉が使われていた。そしてそれらの文章の奥底に、笑いがあった。強く、推しました。」
小川洋子
女51歳
28 「人はしょっちゅう穴に落ちている。けれど面倒がって、落ちなかった振りをしたり、そもそも穴など開いていなかったと思い込んでいる。取り繕おうとすればするほど滑稽な振る舞いになるのにも、気づいていない。不穏の底からじわじわと滑稽さがにじみ出てくるまで、もう少しじっくりその場に踏みとどまれる小説であったなら、迷いなく一番に推しただろう。」
宮本輝
男66歳
14 「平凡な一主婦がなべて抱くであろう心の穴を普遍化している。」「だがそれを幻想や非日常や、マジックリアリズムの手法で描きながら、突然あらわれた穴も、得体の知れない獣も、たくさんの子供たちなども、小説の最後ですべて消えてしまうことに、私は主題からの一種の逃げを感じて推さなかった。」
堀江敏幸
男50歳
35 「他の人たちからは見えていないらしい元気なようでいてどこか影の薄い子どもたちや義兄だという謎めいた男、あるいはいつも携帯電話をいじっている夫までが、現実と非現実の境目に用意されたトランプの絵柄みたいに見えてくる。」「地方の町や義理の親族たちの持つ奇妙さが、穴のなかで《鼻》を利かせる手探りのリズムで描かれている」「過度なユーモアを抑えた生真面目さも、日常の《定説》を外れる力になっている。」
高樹のぶ子
女67歳
22 「作者は才能がある。」「しかしそれでも、じくじくと不可解な出来事が続き、思わせぶりに終わってしまった感じが残った。もうすこし突き詰めるか妖しく爆発して欲しかった。」「夫は日常と非日常のどちらの住人なのか。夫の存在が都合良く後退しているのが気になった。」
山田詠美
女54歳
33 「今回、一番、おもしろく読んだのがこれ。ファンタスティックな風景のあちこちに読み手を躓かせる硬い石が散らばっているみたい。転びそうになって、ふと現実に引き戻されるような隅に置けない仕掛け。それらによって、読者は、この作品世界を二重に楽しめる。」「(引用者注:「コルバトントリ」の世界と)ネガとポジのようにも感じられ、両方に心惹かれて、どちらにも丸を付けた。」
奥泉光
男57歳
26 「(引用者注:「コルバトントリ」と共に)推してもよいと考えて自分は選考会に臨んだ。」「「不思議の国のアリス」を導きの糸にして呼び込まれる幻想の物語が小説世界を巧みに彩り、細部へ行き届いた筆の運びとあいまって深い印象を残す。さりげないけれど、高い言葉の技術がここにはあって、堅固でしなやかな構築物の手触りを残す。」
島田雅彦
男52歳
39 「語り手の他人との接触の仕方が皮膚感覚をベースにしているので、読者にもその緊張が伝わりやすい。」「一文の情報量が多く、語り手は雑念だらけで、本筋から逸脱してばかりいるので、普通はすぐに飽きるところだが、リズムの良さがそれを補ってあまりある。」「イッセー尾形の人間観察にも通じる作者の眼差しは最良の意味で散文的である。」
選評出典:『文藝春秋』平成26年/2014年3月号
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