芥川賞のすべて・のようなもの
第153回
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Last Update[H28]2016/1/25

羽田圭介
Hada Keisuke
生没年月日【注】 昭和60年/1985年10月19日~
受賞年齢 29歳8ヵ月
経歴 東京都生まれ。明治大学商学部卒。明治大学付属明治高校在学中の平成15年/2003年に「黒冷水」で文藝賞を受賞。
受賞歴・候補歴
  • 第40回文藝賞(平成15年/2003年)「黒冷水」
  • |候補| 第139回芥川賞(平成20年/2008年上期)「走ル」
  • |候補| 第142回芥川賞(平成21年/2009年下期)「ミート・ザ・ビート」
  • |候補| 第33回野間文芸新人賞(平成23年/2011年)『「ワタクシハ」』
  • |候補| 第16回大藪春彦賞(平成25年/2013年度)『盗まれた顔』
  • |候補| 第151回芥川賞(平成26年/2014年上期)「メタモルフォシス」
  • |候補| 第36回野間文芸新人賞(平成26年/2014年)『メタモルフォシス』
  • 第153回芥川賞(平成27年/2015年上期)「スクラップ・アンド・ビルド」
備考
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芥川賞 第139回候補  一覧へ

はし
走ル」(『文藝』平成20年/2008年春季号[2月])
媒体・作品情報
誌名 「文藝」  別表記「ブンゲイ」「bungei」併記
巻号 第47巻 第1号  別表記春季号/春/spring
印刷/発行年月日 発行 平成20年/2008年2月1日
発行者等 編集人 吉田久恭 発行人 若森繁男 印刷人 北島義俊 印刷 大日本印刷株式会社(東京都)
発行所 株式会社河出書房新社(東京都)
総ページ数 (304) 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
31字
×22行
×2段
本文ページ 170~227
(計58頁)
測定枚数 188
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書誌
>>平成20年/2008年3月・河出書房新社刊『走ル』
>>平成22年/2010年11月・河出書房新社/河出文庫『走ル』
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候補者 羽田圭介 男22歳
選考委員 評価 行数 評言
石原慎太郎
男75歳
23 「実に面白く読んだ。」「読んだ、というよりも作品を読みながら味合った不思議な快感、臨場感というべきものか、」「ともかくも、読みながら辺りの風景が次々に流れて変わっていくという一種の快感は希有なるものだった。」「ただ物置に長くほうりこんであった中古のロードレーサーで青森まで走って、途中パンクなどのトラブルが無い訳はなさそうだ。」
高樹のぶ子
女62歳
0  
池澤夏樹
男63歳
0  
村上龍
男56歳
0  
川上弘美
女50歳
4 「作者は作中の自転車をよく走らせてくれていて、爽快。本田くんはでも、できすぎの青年だなあ。」
黒井千次
男76歳
0  
宮本輝
男61歳
0  
小川洋子
女46歳
0  
山田詠美
女49歳
11 「こういうのを、青春の輝きとみずみずしさに満ちている、と評する親切な大人に、私はなりたい……なりたいのだが、長過ぎて、お疲れさまと言うしかない。」「突き当たり(稚内)まで行った「ハチミツとクローバー」の竹本くんの方が、もっと偉くて魅力的だ。」
選評出典:『文藝春秋』平成20年/2008年9月号
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芥川賞 第142回候補  一覧へ
「ミート・ザ・ビート」(『文學界』平成21年/2009年12月号)
媒体・作品情報
誌名 「文學界」
巻号 第63巻 第12号  別表記12月号
印刷/発行年月日 発行 平成21年/2009年12月1日
発行者等 編集人 舩山幹雄 発行人 鈴木文彦 印刷人 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社
発行所 株式会社文藝春秋(東京都)
総ページ数 328 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
27字
×25行
×2段
本文ページ 176~225
(計50頁)
測定枚数 160
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書誌
>>平成22年/2010年2月・文藝春秋刊『ミート・ザ・ビート』
>>平成27年/2015年9月・文藝春秋/文春文庫『ミート・ザ・ビート』所収
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候補者 羽田圭介 男24歳
選考委員 評価 行数 評言
池澤夏樹
男64歳
3 「(引用者注:「犬はいつも足元にいて」「ボーダー&レス」と共に)青春=生活路線」
小川洋子
女47歳
18 「もしこれが、改造車で田舎の産業道路を時速百キロで飛ばしているような、疾走感あふれる文体で書かれていたとしたら、もっと本来の魅力を発揮できたのに、と残念に思う。」
石原慎太郎
男77歳
7 「(引用者注:「犬はいつも足元にいて」と共に)論外として最初から選から外された」
高樹のぶ子
女63歳
0  
黒井千次
男77歳
4 「主人公が予備校に通う浪人中の若者であるとの設定に無理がある。」
宮本輝
男62歳
5 「作者の幼さだけでなく、実人生からの体験の少なさが、はからずも小説のなかに露呈されていた。」
山田詠美
女50歳
18 「この作者が、「文学的」描写と思い込んでいる箇所は、すべて、おおいなる勘違い。どこぞの編集者に入れ知恵されたのではないかと勘ぐりたくもなって来る。全部外すべき。あ、それだと〈すべてのものが、無に返〉っちゃうか。」
村上龍
男57歳
0  
川上弘美
女51歳
17 「問題は、「売春婦っぽい」という言葉の使いようです。そのような流通している「売春婦っぽさ」に対して、いちいち「あれ?」と思いながら書いてゆくのが、小説を書くということなのではないかと思うのです。たとえある種の典型的な登場人物たちを書く場合でも、です。」
選評出典:『文藝春秋』平成22年/2010年3月号
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芥川賞 第151回候補  一覧へ
「メタモルフォシス」(『新潮』平成26年/2014年3月号)
媒体・作品情報
誌名 「新潮」  別表記表紙・背 「The Shincho Monthly」「今年110年目の文芸誌」併記
巻号 第111巻 第3号  別表記3月号/1310号
印刷/発行年月日 発行 平成26年/2014年3月7日 発売 平成26年/2014年2月7日
発行者等 編集兼発行者 矢野 優 印刷者 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社(東京都)
発行所 株式会社新潮社(東京都)
総ページ数 340 表記上の枚数 表紙・背・目次 140枚 基本の文字組
(1ページ当り)
27字
×25行
×2段
本文ページ 27~70
(計44頁)
測定枚数 139
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書誌
>>平成26年/2014年7月・新潮社刊『メタモルフォシス』所収
>>平成27年/2015年11月・新潮社/新潮文庫『メタモルフォシス』所収
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候補者 羽田圭介 男28歳
選考委員 評価 行数 評言
高樹のぶ子
女68歳
21 「作者は現代人が失っている身体感覚を強く意識し、自己変容を遂げるというテーマを追求している。それはいま、もっとも求められるテーマだ。」「ただ今回はマゾヒズムという性的倒錯が描かれた。生死の境まで苦痛を味わいたいという強い欲望は、当然性の快楽を求めてのことだろうが、苦痛願望は読み取れても性的快感は伝わってこなかった。」
宮本輝
男67歳
16 「(引用者注:「どろにやいと」と共に)文章のうまさや安定感は評価できる。だが両作とも小説の最後のところで腰くだけとなってしまっている。」「どちらも作者の逃げだと私は感じて、まったく推せなかった。」
村上龍
男62歳
28 「わたしは三作(引用者注:「春の庭」「どろにやいと」と共に)いずれも評価できなかった。」「ハードマゾの主人公が、ふいに「ぼくは死にたくない」と思う。まるで「新しい目覚め」が起こったかのように感じられ、わたしは違和感を覚えた。」
山田詠美
女55歳
16 「熱烈に推す委員もいて、全体的に評価は高かったが、私には、変態さん(お客さんの意味。それ以上でも以下でもない)プレイのコースメニューの列挙にしか思えなかった。」「たとえば日本式に、もう少しだけ後ろ暗くなってくんないかなーなどと残念に感じた。」
奥泉光
男58歳
16 「(引用者注:最後に残った「春の庭」「どろにやいと」を含めた)三作のなかでは「メタモルフォシス」に自分は魅力を覚えた。」「証券会社勤めの男が己の「生」の在処を、「生」を支える言葉を探し求めていく姿には、古典的な小説の主人公たるべき律儀な輝きがある。」
小川洋子
女52歳
13 「劣等感に苦しまなくてもすむよう、より徹底的な劣等感の沼に自分を埋没させようとする主人公の一生懸命さが印象深い。」
島田雅彦
男53歳
22 「強く推した。ほとんど純文学伝統の闘病記かと思うほどに、死にそうになる自己の観察を徹底しており、その几帳面な描写はマルキ・ド・サドの文体を想わせもするし、自己懲罰を通じて、イエスの受難を我が身に引き受けようとするカソリックの求道小説や記録を目指すアスリートの日記に似ていないことはない。」「SMという使い古された素材を選んだ時点でアウェイの戦いを強いられ、SMには一家言ある選考委員たちの厳しいチェックに晒されてしまった。」
川上弘美
女56歳
18 「(引用者注:「春の庭」「どろにやいと」と共に)それぞれに香るものがありました。」「実直な描きように、気持ちが明るみました。」「主人公サトウの心の内が、一歩一歩、素朴なほどにていねいに描かれていました。」「(引用者注:「春の庭」と共に)推しました。」
堀江敏幸
男50歳
17 「ここでのMは限りない中途半端さに支えられていて、自ら恃むところ頗る厚くない彼にはそれがよくわかっている。だから、猫ではなくもっと獰猛な獣になっても、尊大ではない羞恥心と言葉を捨てようとせず、生きることに執着する。そう読むと、グロテスクな印象が一転、輝きを放つ。」
選評出典:『文藝春秋』平成26年/2014年9月号
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芥川賞 第153受賞  一覧へ
「スクラップ・アンド・ビルド」(『文學界』平成27年/2015年3月号)
媒体・作品情報
誌名 「文學界」
巻号 第69巻 第3号  別表記3月号
印刷/発行年月日 発行 平成27年/2015年3月1日 発売 平成27年/2015年2月6日
発行者等 編集人 武藤 旬 発行人 吉安 章 印刷人 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社 DTP制作 株式会社ローヤル企画
発行所 株式会社文藝春秋(東京都)
総ページ数 312 表記上の枚数  160枚 基本の文字組
(1ページ当り)
27字
×23行
×2段
本文ページ 9~59
(計51頁)
測定枚数 153
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書誌
>>平成27年/2015年8月・文藝春秋刊『スクラップ・アンド・ビルド』
>>『文藝春秋』平成27年/2015年9月号
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候補者 羽田圭介 男29歳
選考委員 評価 行数 評言
宮本輝
男68歳
22 「まだこれから長い生が待ち受けている青年と、老いて、家族に負担をかけながら残り少ない年月を生きるしかない老人の、微妙な愛憎をユーモアを交えて描いてみせた。」「このユーモアは作者が企んだものではないと感じさせるのも羽田さんの技量であろうと思い、私は受賞に賛成した。」
川上弘美
女57歳
19 「こういう家族、知っている(というか、自分の家族の中にもこれと同じような感じがあるなあ)と、確かに私は感じたのです。」「(引用者注:「火花」と共に)人間が存在するところにある、矛盾と、喜びと、がっかりと、しょぼい感じと、輝くような何か(それはとてもささやかなものですが)が、(引用者中略)たくさんありました。」
山田詠美
女56歳
13 「この作品の中に埋め込まれたセオリー。それは、主人公の浅はかで姑息なアフォリズムをまといながら、その実、生き伸びるのに必要な知恵とユーモアを芯に持つ。介護小説ではないが、高齢化社会の今、読まれるべき。」
小川洋子
女53歳
11 「評価は、幼稚な健斗をどれだけ受け入れられるかにかかっていた。その上で、とぼけたユーモアのある小説にも、あるいは祖父と孫の間に不気味な闇が立ち上ってくる小説にもなる可能性があった。しかし結局、そのどちらにもなりきれなかったのでは、との思いが残った。」
高樹のぶ子
女69歳
20 「死にたい、と口癖のように言う祖父のために、孫息子は死を叶えてやろうとするが、本当は生にしがみついているのを知る。祖父のずるさがユーモラスでかなしく、ここにある生と死の息苦しさは、日本中に蔓延している社会問題でもある。」
堀江敏幸
男51歳
18 「作者は介護レベルをニュートラルからいきなりトップギアに持っていきたいという欲望を巧みに抑えた。この平衡感覚は、むしろ過激なものかもしれない。」
村上龍
男63歳
8 「共感を覚えなかった。だが作者の技量は高く、他の何人もの選考委員が魅了されたのも理解できる。描かれた世界が、わたしの個人的な好みと合わなかっただけだ。」
島田雅彦
男54歳
22 「羽田圭介得意の論理を畳み掛けてくる語り口は健在だが、実は語り手は天然ぼけでもあるところが笑える。」「前作はSMで、今度は介護かよ、と突っ込みたくもなったが、羽田はあらゆるテーマに対応可能な何でも屋フィガロになったと祝福するしかない。」
奥泉光
男59歳
14 「方法的なスリルはない単線的な小説で、である以上は、素朴に心を揺さぶるような展開や描写がもっと欲しいとは思ったものの、受賞作に、との声には反対しなかった。」
選評出典:『文藝春秋』平成27年/2015年9月号
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