芥川賞のすべて・のようなもの
第154回
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Last Update[H28]2016/11/9

滝口悠生
Takiguchi Yusho
生没年月日【注】 昭和57年/1982年10月18日~
受賞年齢 33歳3ヵ月
経歴 東京都八丈町生まれ、埼玉県育ち。早稲田大学第二文学部中退。
受賞歴・候補歴
  • 第43回新潮新人賞(平成23年/2011年)「楽器」
  • |候補| 第36回野間文芸新人賞(平成26年/2014年)『寝相』
  • |候補| 第28回三島由紀夫賞(平成26年/2014年度)『愛と人生』
  • |候補| 第153回芥川賞(平成27年/2015年上期)「ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス」
  • 第37回野間文芸新人賞(平成27年/2015年)『愛と人生』
  • 第154回芥川賞(平成27年/2015年下期)「死んでいない者」
  • 第59回埼玉文化賞[芸術部門](平成28年/2016年)
備考
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芥川賞 第153回候補  一覧へ
「ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス」(『新潮』平成27年/2015年5月号)
媒体・作品情報
誌名 「新潮」  別表記表紙 「The Shincho Monthly」「今年111年目の文芸誌」併記
巻号 第112巻 第5号  別表記5月号/1324号
印刷/発行年月日 発行 平成27年/2015年5月7日 発売 平成27年/2015年4月7日
発行者等 編集兼発行者 矢野 優 印刷者 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社(東京都)
発行所 株式会社新潮社(東京都)
総ページ数 324 表記上の枚数 表紙・背・目次 140枚 基本の文字組
(1ページ当り)
27字
×25行
×2段
本文ページ 7~49
(計43頁)
測定枚数 138
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書誌
>>平成27年/2015年8月・新潮社刊『ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス』
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候補者 滝口悠生 男32歳
選考委員 評価 行数 評言
宮本輝
男68歳
23 「主人公がバイクのギアの操作を誤って田圃に落ちたところから無傷で再びツーリングへと戻るまでを、過去への追憶ではなく、現在に起こるなにかによって書いて欲しかった。それを書けたらたいしたものなのだが、追憶でつないだことで凡庸になった気がして推せなかった。」
川上弘美
女57歳
16 「この小説の「うまい」も、曲者なのでは。と、なぜ自分が感じるのかを、実はいまだにうまく分析できません。小説は享受するものであって、分析するものではないとすると、分析を誘うものであること自体に問題があるのかもしれません。」
山田詠美
女56歳
14 「ジミ・ヘン成分少なすぎ。でも、普通言葉にしないものをあえてしようとする気構えが良い。」「それにしても、近頃、時間フリークな小説が多いね。多いと特別感もない。」
小川洋子
女53歳
30 「ほんのわずかの差で(引用者中略)受賞を逃したのは、残念なことだった。」「滝口さんにしか生み出せない独自の光を放っていた。特に、楽器の使われ方が印象深い。過去と楽器が結び付く時、思い出せない空白にあふれている記憶の強度が増し、肉体的な実感を持って時間が動きはじめる。」
高樹のぶ子
女69歳
14 「青春のみずみずしい記憶がノスタルジックで新鮮な感動を与えてくれる。」「曖昧な時制や夢妄想に頼るのではなく「わかりやすい構造」で「深い感興」を生み出すことこそ、もっとも困難な文学的試みである。実人生の実感が無ければそれは不可能なことなのだから。」
堀江敏幸
男51歳
14 「現在と過去の出し入れ、冒頭が最後に戻る本作の構造は、まさにロータリー式だ。」「「まだ生まれていない音のために動いて」いる手の動きが、終わりを始めに送り出す。そこに音楽が生まれる。」
村上龍
男63歳
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島田雅彦
男54歳
14 「高校時代の日々を回想する三十男のバラードである。この間に過ぎ去った十五年の歳月への感傷がスタイリッシュな語りによって、浮き彫りにされていて、同世代の人間の共感をおおいに集めるだろう。」
奥泉光
男59歳
20 「推した」「過去の出来事を、ノスタルジーの滑らかな物語に回収せず、出来事と主人公の不安定な距離のなかに浮遊させることで、時間のたしかな手触りを生み出すことに成功している。」「奥行きのある時空のなかで「青春」をかたる方法には刺激を受けた。」
選評出典:『文藝春秋』平成27年/2015年9月号
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もの
死んでいない 者」(『文學界』平成27年/2015年12月号)
媒体・作品情報
誌名 「文學界」
巻号 第69巻 第12号  別表記12月号
印刷/発行年月日 発売 平成27年/2015年11月7日 発行 平成27年/2015年12月1日
発行者等 編集人 武藤 旬 発行人 吉安 章 印刷人 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社 DTP制作 株式会社ローヤル企画
発行所 株式会社文藝春秋(東京都)
総ページ数 312 表記上の枚数 表紙・目次 210枚 基本の文字組
(1ページ当り)
27字
×25行
×2段
本文ページ 9~75
(計67頁)
測定枚数 211
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書誌
>>平成28年/2016年1月・文藝春秋刊『死んでいない者』
>>『文藝春秋』平成28年/2016年3月号
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候補者 滝口悠生 男33歳
選考委員 評価 行数 評言
宮本輝
男68歳
29 「(引用者注:「異類婚姻譚」と共に)どちらも手練れで将来性を感じさせる。」「死者は焼かれてどこかへ消えて、生者は葬儀が終われば去って行き、またそれぞれの新しい生を生きていく。その淡々とした営みのなかに人間というもののけなげさをさりげなく描いたとすれば、この作者は相当にしたたかだと感じた。」
小川洋子
女53歳
37 「『死んでいない者』を語っているのは誰なのか。もしかしたら滝口さんにも正体は分からないのかもしれない。その不親切ゆえに生じるあいまいさを、私は魅力と受け取った。」「記憶していることより、忘れてしまったことの方がより鮮明な重みを持つ。そのことの不思議を滝口さんは描ける人なのだ。」
奥泉光
男59歳
19 「自在なかたりの構成が小説世界に時空間の広がりを与えることに成功している。」「総じては手法はうまく生かされ、死者も生者も、老人も子供も、人間も事物も等しく存在の輪郭を与えられ、不思議な叙情性のなかで、それぞれが確固たる手触りを伝えてくる。傑作と呼んでよいと思います。」
山田詠美
女56歳
15 「はっとする描写やチャーミングなフレーズがいくつもある。」「数多い親族の人間模様にはさみ込まれる〈はっちゃん〉の登場場面が、何とも味わい深いので、もっと増やして欲しかった。」
島田雅彦
男54歳
14 「死んでいない者同士が互いを観察し合っているように語り手のポジションが曖昧なところを私は面白がったが、そこに納得がいかなかった人もいた。自分の葬式の一部始終を観察できる人は現実にはいないはずだが、それを小説で試みたら、このようになると思う。」
高樹のぶ子
女69歳
9 「心の琴線に触れたのはプレハブに籠もる兄と妹だけで、他はひたすら煩雑だったが、今後に期待して受賞に賛成した。」
川上弘美
女57歳
17 「(引用者注:「何」を「どのように」書くかという、小説にとって大きな問題において)「何」と「どのように」が、ていねいにかつ意外性をもって協同しあっていた。ただ、4章で川に流されていった存在のことを、私は最後まで消化しきれなかったのです。」
堀江敏幸
男52歳
16 「展開されているのは、孫が十人もいる老人の通夜の席で共有された複数の意識の波を、少し宙に浮いて自在に移動する視点のシェアだ。」「顔の似通った喪服の親族たちが揃って出かける銭湯の湯船にさえ、此岸と彼岸を短絡するしなやかな言葉の仮橋が見える。」
村上龍
男63歳
51 「意欲的な作品であることは間違いない。問題は、作品の「曖昧な視点」が、読者の暗黙の共感と理解に依存している部分がどのくらいあるか、ということだろう。」「作家が自由なのは、作品のモチーフを選ぶときだけで、あとはそのモチーフが、文体、プロット、構成などを規制する。作品のテーマが、作者の構想、作業を規定するのだ。そういった意味において、『死んでいない者』は、緻密さが不足していると感じた。」
選評出典:『文藝春秋』平成28年/2016年3月号
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