芥川賞のすべて・のようなもの
第44回
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Last Update[H26]2014/8/29

三浦哲郎
Miura Tetsuo
生没年月日【注】 昭和6年/1931年3月16日~平成22年/2010年8月29日
受賞年齢 29歳10ヵ月
経歴 青森県八戸市生まれ。早稲田大学文学部仏文学科卒。大学在学中に同人誌『非情』の創刊に参加、新潮社の同人雑誌賞を受賞。
受賞歴・候補歴
個人全集 『三浦哲郎自選全集』全13巻(昭和62年/1987年9月~昭和63年/1988年9月・新潮社刊)
芥川賞
選考委員歴
第91回~第133回(通算21.5年・43回)
備考
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芥川賞 第44受賞  一覧へ

しの がわ
忍ぶ 川」(『新潮』昭和35年/1960年10月号)
媒体・作品情報
誌名 「新潮」  別表記表紙 「THE SHINCHO」併記
巻号 第57巻 第10号  別表記10月号/666号
印刷/発行年月日 発行 昭和35年/1960年10月1日
発行者等 編輯者発行者 齋藤十一 印刷者 高橋武夫 印刷所 大日本印刷株式会社(東京都)
発行所 株式会社新潮社(東京都)
総ページ数 260 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
30字
×25行
×2段
本文ページ 114~134
(計21頁)
測定枚数 74
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書誌
>>『文藝春秋』昭和36年/1961年3月号
>>昭和36年/1961年3月・新潮社刊『忍ぶ川』所収
>>昭和40年/1965年5月・新潮社/新潮文庫『忍ぶ川』所収
>>昭和47年/1972年7月・講談社刊『現代の文学30 北杜夫・三浦哲郎』所収
>>昭和47年/1972年8月・青娥書房刊『忍ぶ川』
>>昭和52年/1977年9月・講談社刊『三浦哲郎短篇小説全集 第1巻』所収
>>昭和55年/1980年2月・講談社刊『新潮現代文学57 三浦哲郎』所収
>>昭和57年/1982年7月・文藝春秋刊『芥川賞全集 第6巻』所収
>>昭和58年/1983年4月・埼玉福祉会/Large print booksシリーズ『忍ぶ川』所収
>>昭和62年/1987年9月・新潮社刊『三浦哲郎自選全集 第1巻』所収
>>昭和62年/1987年9月・小学館刊『昭和文学全集23 吉田健一・福永武彦・丸谷才一・三浦哲郎・古井由吉』所収
>>平成21年/2009年6月・アーツ・アンド・クラフツ刊『私小説の生き方』所収
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候補者 三浦哲郎 男29歳
選考委員 評価 行数 評言
井伏鱒二
男62歳
6 「清純である点に私は心をひかされた。沈痛な感もあるようだ。美しく貧乏することは難しいが、そういう貧乏をまた美しく書いてある。」「私は(引用者中略)この作品を第一候補にあげ、」
中村光夫
男49歳
15 「一口に云えばいかにも古めかしいので、童話のように幸福な恋愛と結婚を物語りながら、恋愛が一方的に前提とされているだけで、少しも描かれていないという気がします。」「ともかく一応できた作品であり、作者の性格の或る強さが感じられることはたしかです。」
瀧井孝作
男66歳
12 「一番佳いと思った。」「筆致が清澄で、事物がわかりやすい。短篇としての構成も、うまい。」「十七字音の定型の俳句を見るような古風なもので、この古風なのも却って面白いと思った。」
石川達三
男55歳
19 「推す決心をして委員会に出席した。二度読み返してみて、これを推すことに自信を得た。」「何よりも私がこれを推そうと考えたのは、この作品が報告書や作文や記録や日記や、そう云ったかたちのものではなくて、小説の原型とも云うべき正しい形のものであることと、表現の一字一句がまさしく小説であって、それ以外のものではないと云うことであった。」「小説の大きな要素の一つである「美の表現」ということを感覚的に正しく知っている人だと私は信じ得た。」
佐藤春夫
男68歳
18 「当選圏内に入れる作品」「起承転結のよく調ったなかなか作法を心得た出来栄えで、結末のさびしいハッピーエンドもよく利いているとは思ったがその題に表われているようなふるさ(原文傍点)が少々気にならないでもなかった。」「誰でも好意が持たれそうなところにふるさと甘さがあるようでもある。それにしても九篇のうち第一等ではないにしても第一級の作品であることに疑いない。」「当選に不満はなかった。」
丹羽文雄
男56歳
5 「私は第二位に置いていた。」「上手な小説である。小説のコツをのみこんでいる。新しい感じはすこしもないが、気持のよい小説である。」
永井龍男
男56歳
6 「読んでいる間は、ホッとした気分だった。神経の行き届いた文章で、安心して物語りについて行くことが出来、美しいと思ったが、芥川賞というものが新風を重んずるとすれば、その点どういうものだろうと発言して、他の委員から余計な心配はいらぬというような言葉でたしなめられた。」
川端康成
男61歳
6 「(引用者注:「忍ぶ川」と「蕃婦ロポウの話」の決選投票の時)困って、迷ったが、「忍ぶ川」をとった。」「幼くて、古いが、純な感銘があったからである。」「自分の結婚を素直に書いて受賞した、三浦氏は幸いだと思える。」
井上靖
男53歳
15 「清純な小説であり、これだけ汚れのない作品になると、却って新しくさえ見える。これが当選作たることにいささかも異存はないが、きびしく言えば非難するところのない作品としての物足りなさは、やはりあるようだ。」
舟橋聖一
男56歳
13 「正直な作風であった。そこが買われた。」「わかりよくって、明るいのがいい。今までの私小説につきものの、ジメジメした退嬰味がなくて、善意に満ちた闘魂がある。」「石川(達)氏が最大級にほめていたが、私は石川氏ほどには思わないが、こんどの候補作の中では、好意のもてるものだった。」
宇野浩二
男69歳
9 「古めかしい感じがし、主人公の恋愛も幼稚であり、書き方も弱弱しくたどたどしいのに、それらが今もてはやされている勢いのよい露骨な主人公が活躍する作品となにもかも違って大へん穏かである、」「私も、芥川賞には該当しないけれど、まずその候補ぐらいなら、と云った」
選評出典:『芥川賞全集 第六巻』昭和57年/1982年7月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和36年/1961年3月号)
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