芥川賞のすべて・のようなもの
第61回
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Last Update[H26]2014/6/20

田久保英夫
Takubo Hideo
生没年月日【注】 昭和3年/1928年1月25日~平成13年/2001年4月14日
受賞年齢 41歳5ヵ月
経歴 旧名義=塩野俊彦。東京市浅草区生まれ。慶應義塾大学文学部仏文科卒。山川方夫らと第二次・第三次『三田文学』に参加。
受賞歴・候補歴
芥川賞
選考委員歴
第94回~第124回(通算15.5年・31回)
備考
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芥川賞 第46回候補  一覧へ

かいきん
解禁」(『新潮』昭和36年/1961年8月号)
媒体・作品情報
誌名 「新潮」  別表記表紙 「THE SHINCHO」併記
巻号 第58巻 第8号  別表記8月号/676号
印刷/発行年月日 発行 昭和36年/1961年8月1日
発行者等 編輯者発行者 齋藤十一 印刷者 高橋武夫 印刷所 大日本印刷株式会社(東京都)
発行所 株式会社新潮社(東京都)
総ページ数 260 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
30字
×25行
×2段
本文ページ 97~136
(計40頁)
測定枚数 143
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書誌
>>昭和38年/1963年2月・新潮社刊『解禁』所収
>>昭和47年/1972年4月・河出書房新社/新鋭作家叢書『田久保英夫集』所収
>>昭和48年/1973年1月・講談社刊『現代の文学34 柴田翔・丸谷才一・柏原兵三・田久保英夫』所収
>>昭和56年/1981年9月・新潮社刊『新潮現代文学75 田久保英夫』所収
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候補者 田久保英夫 男33歳
選考委員 評価 行数 評言
瀧井孝作
男67歳
3 「この小説の繊細な心持も捨て難い」
石川達三
男56歳
0  
中村光夫
男50歳
5 (引用者注:「解禁」「めじろ塚」「海の屑」は)みなそれぞれにいい気になっていて、それが作品に生きていない感じです。」
丹羽文雄
男57歳
3 「苦悩と恍惚を描こうとしたものだったが、無駄なものが多すぎて、主題がよたよたとしていた。」
永井龍男
男57歳
0  
舟橋聖一
男57歳
11 「後半の構成を崩さなかったら、私は彼を推したろう。」「井伏氏も書面では田久保を推した。然し他の委員からは完全に黙殺されていた。」「今回の候補作の中では、田久保が一番クロっぽい。」「こういう才能が、先ゆき、通俗的に使い廻されないためには、作品以前の作家精神が問題である。」「「解禁」には、そういう威力と厳格さが足りない。とは云え、読ませる力は随一だ。」
井上靖
男54歳
0  
井伏鱒二
男63歳
12 「自分は『解禁』を推したいと思う。この作品は前半が意識のよく行き届いた方法で書かれており、決して張子ではないように人間の姿が表現されていると思った。」「後半の瑕瑾は問題でないと思ったほど前半に感心した。」「当日、私は欠席したが、たいてい「解禁」が受賞するだろうと思っていた。」
佐藤春夫
男69歳
0  
選評出典:『芥川賞全集 第六巻』昭和57年/1982年7月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和37年/1962年3月号)
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芥川賞 第47回候補  一覧へ

すいれん
睡蓮」(『文學界』昭和37年/1962年5月号)
媒体・作品情報
誌名 「文學界」  別表記表紙 「文藝春秋編集」併記
巻号 第16巻 第5号  別表記5月号
印刷/発行年月日 印刷 昭和37年/1962年4月20日 発行 昭和37年/1962年5月1日
発行者等 編集兼発行人 小林米紀 印刷人 高橋武夫 印刷所 大日本印刷株式会社
発行所 文藝春秋新社(東京都)
総ページ数 246 表記上の枚数 目次 130枚 基本の文字組
(1ページ当り)
31字
×25行
×2段
本文ページ 91~118
(計28頁)
測定枚数 103
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書誌
>>昭和44年/1969年9月・文藝春秋刊『遠く熱い時間』所収
>>昭和53年/1978年5月・集英社/集英社文庫『奢りの春』所収
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候補者 田久保英夫 男34歳
選考委員 評価 行数 評言
中村光夫
男51歳
8 「或る水準にはたしかに達しています。ただ、それをつきぬける何かがかけていて、それが文学作品にもっとも本質的なもののように思われるのは、作者も考えてほしいと思います。」
瀧井孝作
男68歳
4 「稍古くさい感じのものになって、これは失敗作だろうが、この新作家が、世俗の題材に勇ましく取組んだ意欲は、認めてもよいかと思った。」
石川淳
男63歳
0  
永井龍男
男58歳
0  
石川達三
男57歳
0  
舟橋聖一
男57歳
10 「(引用者注:「石の微笑」「猫のいる風景」と共に)他の諸作の素人っぽさを脱していると見た。」「達者すぎて、低俗をまぬがれず、(引用者中略)最後の部分、風呂場の中の男女の会話に至って、致命傷となったが、」「(引用者注:吉村昭と共に)文壇的には新進作家の腕前を認められている。」
井上靖
男55歳
4 「達者ではあるが、厭なものもあった。」
井伏鱒二
男64歳
0  
丹羽文雄
男57歳
0  
川端康成
男63歳
0  
高見順
男55歳
6 「「睡蓮」は感心しなかったし、去年の「埠頭」「解禁」「樹蔭」はいささかストーリー・テラーの観があって、私は吉村を推したが、頭角をあらわす作家だと思う。」
選評出典:『芥川賞全集 第六巻』昭和57年/1982年7月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和37年/1962年9月号)
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芥川賞 第48回候補  一覧へ

おご はる
奢りの 春」(『文學界』昭和37年/1962年12月号)
媒体・作品情報
誌名 「文學界」  別表記表紙 「文藝春秋編集」併記
巻号 第16巻 第12号  別表記12月号
印刷/発行年月日 印刷 昭和37年/1962年11月20日 発行 昭和37年/1962年12月1日
発行者等 編集兼発行人 小林米紀 印刷人 高橋武夫 印刷所 大日本印刷株式会社
発行所 文藝春秋新社(東京都)
総ページ数 246 表記上の枚数 目次 170枚 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×26行
×2段
本文ページ 67~115
(計49頁)
測定枚数 159
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書誌
>>昭和44年/1969年9月・文藝春秋刊『遠く熱い時間』所収
>>昭和47年/1972年4月・河出書房新社/新鋭作家叢書『田久保英夫集』所収
>>昭和53年/1978年5月・集英社/集英社文庫『奢りの春』所収
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候補者 田久保英夫 男34歳
選考委員 評価 行数 評言
瀧井孝作
男68歳
7 「小説の中に、女優と学生とは、話が二つにわれて、フィクションとしては、よくまとまらない。私小説としては、筆も眼も冗漫で、未だしであろう。」
石川達三
男57歳
0  
高見順
男55歳
4 「書きにくい青春像とはいえ、以前のものより見劣りがした。なんでも書ける感じにいささか疑問があるが、実力のある人に違いない。」
中村光夫
男51歳
5 「三度の登場だけに、たしかな力倆は感じられますが、いずれも前の作品と同じところで、あるいはそれより下で低徊している風なのは歯がゆい気がします。」
石川淳
男63歳
2 「素質があり才能がある。」
舟橋聖一
男58歳
3 「(引用者注:以前の「睡蓮」は)冴えていた」
川端康成
男63歳
0  
丹羽文雄
男58歳
0  
井上靖
男55歳
3 「期待して読んだが、作品に分裂しているところがあり、氏の作品としてはいいものとは言えないと思った。」
永井龍男
男58歳
2 「私は「光芒」と「カナダ館」と「奢りの春」の三つに絞った」「贅肉があり過ぎる。」
選評出典:『芥川賞全集 第六巻』昭和57年/1982年7月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和38年/1963年3月号)
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芥川賞 第61受賞  一覧へ

ふか かわ
深い 河」(『新潮』昭和44年/1969年6月号)
媒体・作品情報
誌名 「新潮」  別表記表紙 「THE SHINCHO^」併記
巻号 第66巻 第6号  別表記6月号/770号
印刷/発行年月日 発行 昭和44年/1969年6月1日
発行者等 編集兼発行者 酒井健次郎 印刷者 高橋武夫 印刷所 大日本印刷株式会社(東京都)
発行所 株式会社新潮社(東京都)
総ページ数 260 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×24行
×2段
本文ページ 158~199
(計42頁)
測定枚数 123
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書誌
>>『文藝春秋』昭和44年/1969年9月号
>>昭和44年/1969年9月・新潮社刊『深い河』所収
>>昭和47年/1972年4月・河出書房新社/新鋭作家叢書『田久保英夫集』所収
>>昭和48年/1973年1月・講談社刊『現代の文学34 柴田翔・丸谷才一・柏原兵三・田久保英夫』所収
>>昭和56年/1981年9月・新潮社刊『新潮現代文学75 田久保英夫』所収
>>昭和57年/1982年9月・文藝春秋刊『芥川賞全集 第8巻』所収
>>昭和63年/1988年8月・小学館刊『昭和文学全集 第24巻 辻邦生・小川国夫・加賀乙彦・高橋和巳・倉橋由美子・田久保英夫・黒井千次』所収
>>平成16年/2004年8月・講談社/講談社文芸文庫『深い河・辻火―田久保英夫作品集』所収
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候補者 田久保英夫 男41歳
選考委員 評価 行数 評言
三島由紀夫
男44歳
14 「二作(引用者注:「赤頭巾ちゃん気をつけて」と「深い河」)に賞が与えられたことは、私にとっては勿怪の幸であった。私はこの二作の間で非常に迷っていたからである。」「私は規矩のキチンとした新しい反戦小説として読んだ。とりわけ感心したのは、ラストの数行」「話の運びも、あざやかで簡潔な自然描写も、この作品の的確さをよく示している。」
丹羽文雄
男64歳
6 「うまい小説であった。」「悪戦苦闘の末にやっと(引用者注:馬の)始末が出来たのなら悪戦苦闘ぶりをもっと書いてもらいたかった。あれだけでは疑いを誘うだけである。が、この小説のうまさは際立っている。」
石川達三
男64歳
3 「疑問の点がいくつか有って、私は積極的には推さなかった。実直な描写は買うが、その描写が抜け出たもう一つ新しいものがほしいと思った。」
瀧井孝作
男75歳
6 「描写がリアルにハッキリして佳かった。」「しまいの学生一人で馬の屠殺は、少し唐突のようで、書き足りないが、何か智恵のない感じがした。」
舟橋聖一
男64歳
12 「私は田久保英夫と阿部昭を念頭に置いて出席した。」「まともな力作で、殊にアメリカ軍の同じ要員である女子学生との不即不離の関係が上手に書けている。馬殺しとその運搬に関するリアリズムが、果して間違いないかどうかに疑問が残ったが、これは銓衡委員が何時間議論しても決ることではない。」「二作授賞に私も同意した。」
大岡昇平
男60歳
7 「朝鮮戦争時代、占領軍と日本人との間に生じた忌まわしい間隙が、二人のアルバイト学生の生活を通してよく描けています。」「描写力がしっかりしている上に、題材には沖縄問題が深刻化している今、現代的興味もあるといえます。」
井上靖
男62歳
12 「二篇(引用者注:「赤頭巾ちゃん気をつけて」と「深い河」)いずれが授賞作になってもいいという気持で銓衡の席に臨んだ。」「庄司氏が未知数の面白さを持っているのに対して、田久保氏はもうできあがっている作家である。」
中村光夫
男58歳
9 「達者な小説です。達者という点では全候補作のなかでずばぬけています。しかしうますぎるせいか、読後感にどこか空虚なところがあります。「それでどうしたんだ」と読者に反問されることは、小説にとって致命傷でしょう。」
川端康成
男70歳
12 「ただこの一編によって、私は救われた思いをした。」「なによりも文章、表現が明晰であった。そして沈着であった。その結果、鮮明な印象を与えながら、読者の解釈を自由のまま確実にしている。」「委員会で議論になった、一人で死馬を動かせるかという疑問はあるにしても、明晰と沈着によって、確かな作品となっている。田久保氏に作家としての敬意を感じた。」
永井龍男
男65歳
4 「小説技法の練達を示した。」「(引用者注:同様に練達を示した「青年よ、大志をいだこう」に比べて)スタイルにも題材にも新鮮さを感じさせるのが授賞の対象となったものであろう。」
石川淳
男70歳
0  
選評出典:『芥川賞全集 第八巻』昭和57年/1982年9月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和44年/1969年9月号)
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