芥川賞のすべて・のようなもの
第70回
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Last Update[H29]2017/1/26

野呂邦暢
Noro Kuninobu
生没年月日【注】 昭和12年/1937年9月20日~昭和55年/1980年5月7日
受賞年齢 36歳3ヵ月
経歴 本名=納所邦暢(ノウショ・クニノブ)。長崎県長崎市生まれ。長崎県立諫早高校卒。職を転々とし、昭和32年/1957年に佐世保陸上自衛隊入隊、翌年除隊。以後、故郷の諫早市で家庭教師やラジオ作家として働くかたわら創作を続ける。
受賞歴・候補歴
  • 第21回文學界新人賞[佳作](昭和40年/1965年)「ある男の故郷」
  • |候補| 第56回芥川賞(昭和41年/1966年下期)「壁の絵」
  • |候補| 第57回芥川賞(昭和42年/1967年上期)「白桃」
  • |候補| 第68回芥川賞(昭和47年/1972年下期)「海辺の広い庭」
  • |候補| 第69回芥川賞(昭和48年/1973年上期)「鳥たちの河口」
  • 第70回芥川賞(昭和48年/1973年下期)「草のつるぎ」
  • |候補| 第13回谷崎潤一郎賞(昭和52年/1977年)『諫早菖蒲日記』
  • |予選候補| 第26回日本エッセイスト・クラブ賞(昭和53年/1978年)『失われた兵士たち――戦争文学試論』
備考
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芥川賞 第56回候補  一覧へ

かべ
壁の 絵」(『文學界』昭和41年/1966年8月号)
媒体・作品情報
誌名 「文學界」  別表記表紙 「文藝春秋編集」併記
巻号 第20巻 第8号  別表記8月号
印刷/発行年月日 印刷 昭和41年/1966年7月20日 発行 昭和41年/1966年8月1日
発行者等 編集兼発行人 杉村友一 印刷人 高橋武夫 印刷所 大日本印刷株式会社
発行所 文藝春秋新社(東京都)
総ページ数 230 表記上の枚数 目次 130枚 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×24行
×2段
本文ページ 65~100
(計36頁)
測定枚数 109
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書誌
>>昭和48年/1973年2月・冬樹社刊『十一月・水晶』所収
>>昭和52年/1977年1月・角川書店/角川文庫『壁の絵』所収
>>平成7年/1995年5月・文藝春秋刊『野呂邦暢作品集』所収
>>平成24年/2012年6月・集英社刊『コレクション戦争と文学1 朝鮮戦争:断』所収
>>平成25年/2013年6月・文遊社刊『野呂邦暢小説集成1 棕櫚の葉を風にそよがせよ』所収
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候補者 野呂邦暢 男29歳
選考委員 評価 行数 評言
三島由紀夫
男42歳
0  
瀧井孝作
男72歳
7 「筋も何もメチャクチャの小説のようだが、朝鮮戦争の志願兵が帰還して精神分裂症になった、その手記をつづった後の半分はこのメチャクチャも本当らしかった。」「武器だけにたより、戦争の目的のない兵隊は負けるにきまって居るようだ。」
井上靖
男59歳
0  
石川達三
男61歳
0  
丹羽文雄
男62歳
0  
石川淳
男67歳
0  
永井龍男
男62歳
2 「才能ある作品だったが、ここには筆を略させていただく。」
大岡昇平
男57歳
5 「(引用者注:「伊吹山」と共に)戦争の描写はそれぞれに優れている。」「しかし(引用者中略)「わたし」の位置の混乱が指摘され、見送られた。」
川端康成
男67歳
0  
中村光夫
男55歳
0  
舟橋聖一
男62歳
0  
選評出典:『芥川賞全集 第七巻』昭和57年/1982年8月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和42年/1967年3月号)
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芥川賞 第57回候補  一覧へ

はくとう
白桃」(『三田文学』昭和42年/1967年2月号)
媒体・作品情報
誌名 「三田文学」
巻号 第54巻 第2号  別表記2月号
印刷/発行年月日 発行 昭和42年/1967年2月1日
発行者等 編集兼発行人 石坂洋次郎 編集所 三田文学編集部(東京都) 印刷所 図書印刷株式会社(東京都)
発行所 三田文学会(東京都)
総ページ数 96 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
30字
×25行
×2段
本文ページ 84~92
(計9頁)
測定枚数 31
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書誌
>>昭和48年/1973年2月・冬樹社刊『十一月・水晶』所収
>>昭和52年/1977年1月・角川書店/角川文庫『壁の絵』所収
>>平成7年/1995年5月・文藝春秋刊『野呂邦暢作品集』所収
>>平成14年/2002年7月・講談社/講談社文芸文庫『草のつるぎ・一滴の夏―野呂邦暢作品集』所収
>>平成23年/2011年5月・みすず書房/大人の本棚『白桃 野呂邦暢短篇選』所収
>>平成25年/2013年6月・文遊社刊『野呂邦暢小説集成1 棕櫚の葉を風にそよがせよ』所収
>>平成28年/2016年3月・講談社/講談社文芸文庫Wide『草のつるぎ・一滴の夏―野呂邦暢作品集』所収
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候補者 野呂邦暢 男29歳
選考委員 評価 行数 評言
石川達三
男62歳
0  
丹羽文雄
男62歳
0  
中村光夫
男56歳
0  
大岡昇平
男58歳
0  
永井龍男
男63歳
0  
瀧井孝作
男73歳
4 「子供の感情は、美しく書けて居た。」
石川淳
男68歳
0  
舟橋聖一
男62歳
0  
三島由紀夫
男42歳
0  
川端康成
男68歳
0  
選評出典:『芥川賞全集 第七巻』昭和57年/1982年8月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和42年/1967年9月号)
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芥川賞 第68回候補  一覧へ

うみべ ひろ にわ
海辺の 広い 庭」(『文學界』昭和47年/1972年11月号)
媒体・作品情報
誌名 「文學界」
巻号 第26巻 第11号  別表記11月号
印刷/発行年月日 発行 昭和47年/1972年11月1日
発行者等 編集兼発行人 西永達夫 印刷人 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社
発行所 株式会社文藝春秋(東京都)
総ページ数 304 表記上の枚数 目次 200枚 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×24行
×2段
本文ページ 144~205
(計62頁)
測定枚数 188
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書誌
>>昭和48年/1973年3月・文藝春秋刊『海辺の広い庭』所収
>>昭和53年/1978年4月・角川書店/角川文庫『海辺の広い庭』所収
>>平成25年/2013年9月・文遊社刊『野呂邦暢小説集成2 日が沈むのを』所収
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候補者 野呂邦暢 男35歳
選考委員 評価 行数 評言
中村光夫
男61歳
0  
永井龍男
男68歳
2 「平面的にひろがり、中心がなかった。」
安岡章太郎
男52歳
0  
吉行淳之介
男48歳
3 「才能を随所に感じさせたが、この作品は欲張りすぎて焦点がぼけ、失敗作である。」
瀧井孝作
男78歳
0  
大岡昇平
男63歳
0  
舟橋聖一
男68歳
0  
丹羽文雄
男68歳
2 「文章の歯切れのよさが快かったが、あまり間口をひろげすぎたようである。」
井上靖
男65歳
0  
選評出典:『芥川賞全集 第九巻』昭和57年/1982年10月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和48年/1973年3月号)
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芥川賞 第69回候補  一覧へ

とり かこう
鳥たちの 河口」(『文學界』昭和48年/1973年3月号)
媒体・作品情報
誌名 「文學界」
巻号 第27巻 第3号  別表記3月号
印刷/発行年月日 発行 昭和48年/1973年3月1日
発行者等 編集兼発行人 西永達夫 印刷人 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社
発行所 株式会社文藝春秋(東京都)
総ページ数 264 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×24行
×2段
本文ページ 46~73
(計28頁)
測定枚数 82
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書誌
>>『文藝春秋』昭和48年/1973年9月号
>>昭和48年/1973年9月・文藝春秋刊『鳥たちの河口』所収
>>昭和53年/1978年2月・集英社/集英社文庫『鳥たちの河口』所収
>>平成6年/1994年5月・ぎょうせい刊『ふるさと文学館 第49巻 長崎』所収
>>平成7年/1995年5月・文藝春秋刊『野呂邦暢作品集』所収
>>平成23年/2011年5月・みすず書房/大人の本棚『白桃 野呂邦暢短篇選』所収
>>平成25年/2013年9月・文遊社刊『野呂邦暢小説集成2 日が沈むのを』所収
>>平成27年/2015年2月・新潮社/新潮文庫『日本文学100年の名作 第6巻』所収
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候補者 野呂邦暢 男35歳
選考委員 評価 行数 評言
舟橋聖一
男68歳
9 「二作(引用者注:「鶸」と「鳥たちの河口」)が優劣を争ったので、銓衡が暇取った。」「病人の妻のアンカを寝ているうちに抜きとり、主人公がボール箱へ入れて、鳥の傷ついた部分を暖めてやるが、妻がおこるので、大型の水筒に熱湯を入れて、タオルで巻いて湯タンポにしてやると、腹を立てた妻が、それを蒲団の外へ蹴りだすところがある。そういう情景と心理が、鮮やかに描かれていた。」
中村光夫
男62歳
5 「現代的な素材が抜け目なく配置されていますが、肝腎の主人公の印象が稀薄で、作者の配慮が行きとどきすぎているのが、かえって散漫な感じをあたえます。「鶸」と対照をなし、似ているところもある作品です。」
大岡昇平
男64歳
11 「(引用者注:「鶸」と)ほぼ同じぐらいの出来だと思っていた」「よくできているが、少し道具立てが整いすぎている、という評があった。殊に最後に鷹に教われるところが、(引用者中略)物語の形が整っているということは、それを裏付ける感動が伴わない場合、欠点となることがある例だった。」
吉行淳之介
男49歳
8 「文章の点では私の好みからいえば抜群なのだが、作品が狭いのは一向にかまわないにしても、いささか浅い。」「当選作なしになりかかり、つづいて三木一人授賞となりかかり、そうとなれば私は野呂に一票を入れたが、僅差だった。」
瀧井孝作
男79歳
6 「広い天地と疎らの鳥類と孤独の男とがスッキリ描けて居た。私はこの作は今回(引用者注:「蛇いちごの周囲」に次いで)二番目によいと見たが、四票きりで落選した。」
永井龍男
男69歳
9 「(引用者注:「鶸」に一票入れたのは)「鳥たちの河口」が作品として劣るからではない。」「全篇にそつ(原文傍点)がない。」
安岡章太郎
男53歳
9 「(引用者注:「鶸」と共に)短篇として一応のマトマリは見せているが、じつは(引用者中略)前回の候補作にくらべて、万遍なく欠点をとりつくろったようなところがあり、それだけ作品自体の生命力は失われているのである。」「こういう結末は甚だ技巧的であって、本当の結末にいたらないし、また本当の意味の技巧でもない。」
井上靖
男66歳
16 「書き出しの部分はなかなかいいと思った。」「しかし、(引用者中略)ハゲタカとの闘いも余分なら、妻の登場も作りものめいてしまっている。短い小説にこれだけのものを詰めこむのは無理である。」「二作(引用者注:「鶸」と「鳥たちの河口」)が候補作の中では目立っていたが、私には二作とも強く推す気にはなれなかった。」
丹羽文雄
男68歳
12 「(引用者注:青木八束と共に)テレビ、ラジオの台本作家であることを審査場で初めて知った。」「八篇の中ではいちばん達者な筆つきであった。が、(引用者中略)最後の見せ場をつくり上げる台本作家の習性がマイナスとなったようである。タカも病人の妻も要らないのだ。それなら大手をふって当選したであろう。」
選評出典:『芥川賞全集 第十巻』昭和57年/1982年11月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和48年/1973年9月号)
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芥川賞 第70受賞  一覧へ

くさ
草のつるぎ」(『文學界』昭和48年/1973年12月号)
媒体・作品情報
誌名 「文學界」
巻号 第27巻 第12号  別表記12月特別号
印刷/発行年月日 発行 昭和48年/1973年12月1日
発行者等 編集兼発行人 西永達夫 印刷人 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社
発行所 株式会社文藝春秋(東京都)
総ページ数 280 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×24行
×2段
本文ページ 18~68
(計51頁)
測定枚数 154
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書誌
>>『文藝春秋』昭和49年/1974年3月号
>>昭和49年/1974年4月・文藝春秋刊『草のつるぎ』所収
>>昭和53年/1978年2月・文藝春秋/文春文庫『草のつるぎ』所収
>>昭和57年/1982年11月・文藝春秋刊『芥川賞全集 第10巻』所収
>>平成2年/1990年10月・埼玉福祉会/大活字本シリーズ『草のつるぎ』(上)(下)所収
>>平成7年/1995年5月・文藝春秋刊『野呂邦暢作品集』所収
>>平成14年/2002年7月・講談社/講談社文芸文庫『草のつるぎ・一滴の夏―野呂邦暢作品集』所収
>>平成24年/2012年10月・集英社刊『コレクション戦争と文学3 冷戦の時代:謀』所収
>>平成26年/2014年5月・文遊社刊『野呂邦暢小説集成3 草のつるぎ』所収
>>平成28年/2016年3月・講談社/講談社文芸文庫Wide『草のつるぎ・一滴の夏―野呂邦暢作品集』所収
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候補者 野呂邦暢 男36歳
選考委員 評価 行数 評言
大岡昇平
男64歳
13 「こん回は「月山」「草のつるぎ」「此岸の家」がすぐれていて、銓衡の対象はすぐこの三作にしぼられた。」「これまで旧軍隊を書いた多くの小説よりも、現実性を持って書かれている。長篇小説の書き出しのような印象を与えるくらい、延び延びと書かれているのに感心した。」「私は「月山」「草のつるぎ」二作授賞に投票した。」
瀧井孝作
男79歳
8 「自衛隊の初期訓練、演習なども克明に書いて、班員の性格も描き分けて、地面に喰いついたようなひたむきな粘りがみえた。この人は、気の利いた作も書けるのに、今回は更に無器用なものを出して、私は、今回九篇の中ではこれが一番よいと思った。」
井上靖
男66歳
6 「(引用者注:「此岸の家」と共に)いいところもあれば、欠点もあった。」「この作品の明るさと、健康さは、やはりこれはこれで一つの資質と見るべきであろう。」
中村光夫
男62歳
7 「前回の候補作とまったく違った筆致と作風なので、とまどいを感じました。」「この変化が、作者の内面の発展とどう結びつくのか、この作品だけでは、見当がつきません。」
永井龍男
男69歳
7 「単純な題材に、若さが充実していた。なまじいな批判や自省を捨てたところに、爽快な世界が生れた。」「これはこれで完結した一篇である。」
丹羽文雄
男69歳
8 「「鳥たちの河口」の作者とは別人のようである。きらきらした才能を押えて、深刻がるふうもなく、思わせぶりなところもなく、百五十枚を一気に読ませて、さわやかな感銘をあたえた。」
吉行淳之介
男49歳
8 「悪い作品ではないが、私には思わせぶりにおもえるところと平板なところが目立ち、不満であった。しかし、(引用者中略)その授賞には反対ではなく、慶賀したい。」
安岡章太郎
男53歳
9 「(引用者注:「此岸の家」「月山」「石の道」「草のつるぎ」などは)過去数回の授賞作と並べて劣らざるものであり、どれが授賞しても異存ないようなものであった。」「素直でいい作品であった。」「素直になるというのは、この作品の場合、勇気のいることであっただろう。」
舟橋聖一
男69歳
6 「前回の「鳥たちの河口」のほうを僕は評価したい。」「「鳥たちの河口」には、新しい人の持つ特有の鋭さがあった。今度はそれが消えている。」
選評出典:『芥川賞全集 第十巻』昭和57年/1982年11月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和49年/1974年3月号)
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