芥川賞のすべて・のようなもの
第72回
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Last Update[H26]2014/11/28

日野啓三
Hino Keizo
生没年月日【注】 昭和4年/1929年6月14日~平成14年/2002年10月14日
受賞年齢 45歳7ヵ月
経歴 東京生まれ、朝鮮育ち。東京大学文学部社会学科卒。在学中より大岡信、佐野洋らと同人誌『二十代』を出す。卒業後、読売新聞社入社、外報部記者としてベトナム戦争やソウルを取材。そのかたわら小説執筆を続ける。
受賞歴・候補歴
芥川賞
選考委員歴
第97回~第127回(通算15.5年・31回)
備考
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芥川賞 第64回候補  一覧へ

なつ
「めぐらざる 夏」(『文學界』昭和45年/1970年10月号)
媒体・作品情報
誌名 「文學界」
巻号 第24巻 第10号  別表記10月号
印刷/発行年月日 発行 昭和45年/1970年10月1日
発行者等 編集兼発行人 印南 寛 印刷人 高橋武夫 印刷所 大日本印刷株式会社
発行所 株式会社文藝春秋(東京都)
総ページ数 264 表記上の枚数 目次 150枚 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×24行
×2段
本文ページ 102~141
(計40頁)
測定枚数 120
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書誌
>>昭和46年/1971年☆月・河出書房新社刊『還れぬ旅』所収
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候補者 日野啓三 男41歳
選考委員 評価 行数 評言
瀧井孝作
男76歳
0  
丹羽文雄
男66歳
0  
石川達三
男65歳
2 「或る断片で、断片のままで終っているように思う。」
舟橋聖一
男66歳
0  
中村光夫
男59歳
0  
大岡昇平
男61歳
0  
川端康成
男71歳
0  
永井龍男
男66歳
3 「他の作があまり持ってまわっているせいか、スッキリした少年小説とでもいうべき読後感であった。」
石川淳
男71歳
0  
井上靖
男63歳
0  
選評出典:『芥川賞全集 第八巻』昭和57年/1982年9月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和46年/1971年3月号)
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芥川賞 第70回候補  一覧へ

しがん いえ
此岸の 家」(『文芸』昭和48年/1973年8月号)
媒体・作品情報
誌名 「文芸」
巻号 第12巻 第8号  別表記8月特大号
印刷/発行年月日 発行 昭和48年/1973年8月1日
発行者等 編集者 寺田 博 発行者 佐藤晧三 印刷者 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社(東京都)
発行所 株式会社河出書房新社(東京都)
総ページ数 296 表記上の枚数 目次 90枚 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×24行
×2段
本文ページ 10~39
(計30頁)
測定枚数 86
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書誌
>>昭和49年/1974年5月・講談社刊『文学1974』所収
>>昭和49年/1974年8月・河出書房新社刊『此岸の家』所収
>>昭和55年/1980年4月・講談社/講談社文庫『現代短編名作選9 1969~1973』所収
>>昭和57年/1982年4月・河出書房新社/河出文庫『此岸の家』所収
>>平成8年/1996年12月・読売新聞社刊『日野啓三短篇選集(上)』所収
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候補者 日野啓三 男44歳
選考委員 評価 行数 評言
大岡昇平
男64歳
13 「こん回は「月山」「草のつるぎ」「此岸の家」がすぐれていて、銓衡の対象はすぐこの三作にしぼられた。」「新聞記者らしい現代社会への洞察があり、いわゆる「小説」のじめじめした感じ、感情に溺れたところがない。しかしどことなく書き落されていることがある感じもあり、新聞記者の筆癖が出て来て、感興をさまたげるところもある。」
瀧井孝作
男79歳
4 「すらすら読ませるけれど、私は可もなし不可もなしと見た。達者に描けたが、初いういしさがすくない。」
井上靖
男66歳
5 「(引用者注:「草のつるぎ」と共に)いいところもあれば、欠点もあった。」「野心作だけに読みごたえはあったが、描き切れていないところもあった。」
中村光夫
男62歳
4 「(引用者注:「草のくるぎ」と「此岸の家」では)僕は後者(引用者注:「此岸の家」)を推しました。作品に厚味の足りない点はありますが、身近かなむずかしい題材を、これだけ鮮明に描いたのは新人として非凡の手腕です。」
永井龍男
男69歳
7 「ここに描かれた夫婦生活は、解決を得ぬまま繰返し繰返し述べられなければならぬ危惧を感じさせる。」
丹羽文雄
男69歳
6 「文学賞には大へんな損な小説である。」「材料が手近かすぎるせいか。ちょっとした欠点も見のがされないのは気の毒である。しかし上手な小説であった。」
吉行淳之介
男49歳
4 「(引用者注:「月山」の他に)もう一作となると、私は「此岸の家」を推した。この作品にははじめは「草のつるぎ」を上まわる票が集まった。だが、異例の投票がおこなわれた結果、「草のつるぎ」のほうが当選作となった。」
安岡章太郎
男53歳
3 「(引用者注:「此岸の家」「月山」「石の道」「草のつるぎ」などは)過去数回の授賞作と並べて劣らざるものであり、どれが授賞しても異存ないようなものであった。」
舟橋聖一
男69歳
8 「僕は多分日野啓三に落着くだろうと思って、会場に臨んだ。果して最初の投票は日野が最多数であった。が、話合ううちに順序が逆転した。異国人を妻にしている男の悩みのようなものが、だいたい書けていると僕は思う。」
選評出典:『芥川賞全集 第十巻』昭和57年/1982年11月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和49年/1974年3月号)
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芥川賞 第71回候補  一覧へ

うか へや
浮ぶ 部屋」(『文藝』昭和49年/1974年6月号)
媒体・作品情報
誌名 「文藝」
巻号 第13巻 第6号  別表記6月特大号
印刷/発行年月日 発行 昭和49年/1974年6月1日
発行者等 編集者 寺田 博 発行者 佐藤晧三 印刷者 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社(東京都)
発行所 株式会社河出書房新社(東京都)
総ページ数 296 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×24行
×2段
本文ページ 20~46
(計27頁)
測定枚数 79
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書誌
>>昭和49年/1974年8月・河出書房新社刊『此岸の家』所収
>>『文藝春秋』昭和49年/1974年9月号
>>昭和50年/1975年5月・講談社刊『文学1975』所収
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候補者 日野啓三 男45歳
選考委員 評価 行数 評言
大岡昇平
男65歳
14 「ほぼ授賞の水準に達していると思った。」「前回の有力な候補作「此岸の家」が、最近、平林たい子賞を受けている。(引用者中略)引き続いて氏の作品が授賞するのは、よほどすぐれた作品でないと、新人が賞を受ける機会において、公平でなくなると思った。」「ところが私の評価では、「浮ぶ部屋」にはそれだけの力がない。」
丹羽文雄
男69歳
30 「平林たい子文学賞と芥川賞の銓衡委員をかねている私は、今度の芥川賞銓衡に苦しい立場に置かれた。」「先ごろ平林賞をもらったばかりだからという委員があり、別のひとりは、平林賞につづいて芥川賞を贈るというのは、平林賞に追従したというふうに解釈されるおそれもあると言い出した。」「私は前作同様に内容の充実した、きめのこまかい作品だと思った。」
中村光夫
男63歳
10 「作家としての力倆が抜群であることは、誰もがみとめるところで、欠陥はあるにしろ、才能にめぐまれた新人に違いありません。」「ただその達者すぎるところが、題材のむずかしさと相俟って、ひとり合点の印象を与えがちなのは、氏として一考すべきところでしょう。」
井上靖
男67歳
8 「すでにでき上がった作家で、危げなく読めるが、「浮ぶ部屋」には前作によりかかっているようなところがあって、独立した作品としてみると弱さのあるのを否めなかった。」「「小蟹のいる村」と「浮ぶ部屋」の二作に授賞という声もあったが、私はなしの方を主張した。」
永井龍男
男70歳
8 「前回候補作の「此岸の家」の続篇あるいは連作とみられるが、「此岸の家」がこの続篇を必要としたように、「浮ぶ部屋」もさらに同様に続篇を予想させる。」
吉行淳之介
男50歳
9 「私は(引用者中略)推し、一時は当選かと思われたが、長時間の議論の末ナシときまった。この作品についての否定的意見はいちいちもっともだが、それでも他の作品に比べて差があると考えていた。」「最終的には(引用者注:「浮ぶ部屋」と「小蟹のいる村」の)二作授賞に賛成したが、ダメだった。」
舟橋聖一
男69歳
6 「最も力量があった。私は前回作に劣らない出来栄えと思ったが、平林たい子賞とダブるのに異議のある向きもあって、授賞に到らなかった。」「(引用者注:「夏の亀裂」と共に)何かを書こうとする主題が感じられて、書き足りないところはあっても、読む者に訴えてくる誠実さと迫力がある。」
瀧井孝作
男80歳
9 「私は前作には、すらすら読ませるけど可もなし不可もなし、と批評したが、今回のこれも筆は達者だが、ズラズラのべつ(原文傍点)幕なしで、短篇としてのしめくくりがなく、長篇の連作か、前回と同じに、達者に書きすぎてあると思った。筆力はあるが、筆力の緩急が足りないようだ。」
安岡章太郎
男54歳
31 「最もすぐれていた。」「「浮ぶ部屋」は、それ(引用者注:「此岸の家」)と一連の作品である。しかし、これを独立した短篇小説として読んでも、勿論読めるものだ。ただ、文学賞の対象として取り上げる場合、こういうかたちで発表された作品は、いつも何かと面倒なことになりがちなものであろう。」「しかし、(引用者中略)これをおいて他の作品を推す気には、私はまったくなれなかった。」
選評出典:『芥川賞全集 第十巻』昭和57年/1982年11月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和49年/1974年9月号)
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芥川賞 第72受賞  一覧へ

ゆうひ
「あの 夕陽」(『新潮』昭和49年/1974年9月号)
媒体・作品情報
誌名 「新潮」  別表記表紙 「THE SHINCHO^」併記
巻号 第71巻 第9号  別表記9月号/835号
印刷/発行年月日 発行 昭和49年/1974年9月1日
発行者等 編集兼発行者 酒井健次郎 印刷者 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社(東京都)
発行所 株式会社新潮社(東京都)
総ページ数 276 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×24行
×2段
本文ページ 6~29
(計24頁)
測定枚数 72
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書誌
>>『文藝春秋』昭和50年/1975年3月号
>>昭和50年/1975年3月・新潮社刊『あの夕陽』所収
>>昭和57年/1982年11月・文藝春秋刊『芥川賞全集 第10巻』所収
>>昭和59年/1984年2月・集英社/集英社文庫『あの夕陽』所収
>>昭和63年/1988年2月・成瀬書房刊『向う側』[限定版]所収
>>平成14年/2002年10月・講談社/講談社文芸文庫『あの夕陽・牧師館―日野啓三短篇小説集』所収
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候補者 日野啓三 男45歳
選考委員 評価 行数 評言
丹羽文雄
男70歳
12 「前作の「此岸の家」「浮ぶ部屋」にくらべて、一段と冴えている。小説家としての腹のすわりを感じさせる。」「正直にいって日野君がこれほどのものを早々に書ける人とは思っていなかった。」「大物になる素質を備えている。」
吉行淳之介
男50歳
7 「私は阪田・日野両氏の作品が他作品を数歩離しているとみていた」「連作の一つともいえるわけで、(引用者中略)独立した短篇として鑑賞できにくい点があった。前作よりも良い、あるいは悪い、と意見が分れたが、当然の授賞とおもう。」
大岡昇平
男65歳
4 「むずかしい主題に取組んでるが、やや混迷の気配が見えるので、作風に転換が見られてからでよい、と思った。」
井上靖
男67歳
7 「作家としてのでき上がっている眼が感じられる点で目立っていた。」「前回、前々回の候補作と較べると、題材が地味で、小説としては見せ場のない部分を取り扱っているが、それだけに、作者の力量はこの作品に於て、最もよく出ていると思った。」
永井龍男
男70歳
8 「今回ははっきり「土の器」と「あの夕陽」に絞られるのではないかと予想した。」「冷え切った筆致は、この作者独自のもので、いささかの動揺もない。」「それにしても、この作者の連作の、読後におそってくるやりきれない暗さはなんであろう。」
瀧井孝作
男80歳
11 「前の連作、「此岸の家」と「浮ぶ部屋」と似通うが、前の二作よりも、これは筆に粘りが出て、線も太く、文章は強くなった、と私は見た。人物も部屋も風景もありありと目に映って好かった。」
中村光夫
男63歳
17 「一番すぐれていると思いましたが、これをすぐ当選作として推せるかというと、いろいろ疑問がのこりました。」「うまさの点では誰にもひけをとらぬ代りに、氏の作品には何か口のうますぎる人の打明け話をきかされているようなところがあって、主人公の心の動きに素直について行けません。」「ことによると氏の新しさかも知れませんが、いずれにせよ、氏の告白が文学作品として完成するのは、容易ならぬことでしょう。」
舟橋聖一
男70歳
6 「身辺的なこの作だけでは、評価しきれないものがある。芥川賞にそういう銓衡規定はないのであるが、前回及び前々回との三連作を通してみて、誰れもがこれを捨て切れなかった。」
安岡章太郎
男54歳
17 「二作(引用者注:「土の器」と「あの夕陽」)が最も優れていると思った。」「(引用者注:「此岸の家」「浮ぶ部屋」を含め)主題は一貫して、失われた“殖民地”の故郷をどう取戻すかであるが、主人公がそこに何を託しているかといえば、自身の“自我”というようなものであろう。」
選評出典:『芥川賞全集 第十巻』昭和57年/1982年11月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和50年/1975年3月号)
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