芥川賞のすべて・のようなもの
第73回
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Last Update[H29]2017/3/1

林京子
Hayashi Kyoko
生没年月日【注】 昭和5年/1930年8月28日~平成29年/2017年2月19日
受賞年齢 44歳10ヵ月
経歴 本名=宮崎京子。長崎県長崎市生まれ。長崎医科大学附属厚生女学部専科中退。高等女学校時代、兵器工場に学徒動員中、長崎で被爆。
受賞歴・候補歴
  • 第18回群像新人文学賞[小説部門](昭和50年/1975年)「祭りの場」
  • 第73回芥川賞(昭和50年/1975年上期)「祭りの場」
  • |候補| 第17回女流文学賞(昭和53年/1978年)『ギヤマン ビードロ』
  • |候補| 第6回川端康成文学賞(昭和54年/1979年)「野に」
  • |候補| 第19回女流文学賞(昭和55年/1980年)『ミッシェルの口紅』
  • |候補| 第17回谷崎潤一郎賞(昭和56年/1981年)『無きが如き』
  • |候補| 第20回女流文学賞(昭和56年/1981年)『無きが如き』
  • 第22回女流文学賞(昭和58年/1983年)『上海』
  • 第11回川端康成文学賞(昭和59年/1984年)「三界の家」
  • 第26回谷崎潤一郎賞(平成2年/1990年)『やすらかに今はねむり給え』
  • 第53回野間文芸賞(平成12年/2000年)『長い時間をかけた人間の経験』
  • 第50回神奈川文化賞[文学](平成13年/2001年)
  • 朝日賞(平成17年/2005年度)"『林京子全集』(全8巻)にいたる文学活動の業績"
個人全集 『林京子全集』全8巻(平成17年/2005年6月・日本図書センター刊)
備考
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芥川賞 第73受賞  一覧へ

まつ
祭りの 場」(『群像』昭和50年/1975年6月号)
媒体・作品情報
誌名 「群像」
巻号 第30巻 第6号  別表記6月号
印刷/発行年月日 印刷 昭和50年/1975年5月5日 発行 昭和50年/1975年6月1日
発行者等 編集人 大村彦次郎 発行人 三木 章 印刷人 澤村嘉一 印刷所 凸版印刷株式会社
発行所 株式会社講談社(東京都)
総ページ数 292 表記上の枚数 目次 100枚 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×23行
×2段
本文ページ 24~60
(計37頁)
測定枚数 105
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書誌
>>昭和50年/1975年8月・講談社刊『祭りの場』所収
>>『文藝春秋』昭和50年/1975年9月号
>>昭和53年/1978年7月・講談社/講談社文庫『祭りの場』所収
>>昭和57年/1982年11月・文藝春秋刊『芥川賞全集 第10巻』所収
>>昭和58年/1983年9月・ほるぷ出版刊『日本の原爆文学3 林京子』所収
>>昭和63年/1988年8月・講談社/講談社文芸文庫『祭りの場・ギヤマンビードロ』所収
>>平成6年/1994年5月・埼玉福祉会/大活字本シリーズ『祭りの場』所収
>>平成11年/1999年3月・角川書店刊『女性作家シリーズ15 三枝和子・林京子・富岡多惠子』所収
>>平成17年/2005年6月・日本図書センター刊『林京子全集 第1巻 祭りの場・ギヤマンビードロ』所収
>>平成23年/2011年6月・集英社刊『コレクション戦争と文学19 ヒロシマ・ナガサキ:閃』所収
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候補者 林京子 女44歳
選考委員 評価 行数 評言
井上靖
男68歳
9 「戦後三十年、漸くにして、このような作品が、芥川賞候補作として登場して来たといった、ある感慨があった。」「このような題材の前には、よく書けているも、書けていないもないと思った。原爆を直接体験し、そして三十年生きてきた人だけの持つ突き放し方、皮肉、そうしたものが文体を造っている。」
大岡昇平
男66歳
20 「今回は際立ってすぐれた作品がなく、素材の持つ力によって、最初から「祭りの場」に票が集まった。」「文章と表現の細部に、こなれていないところや、あいまいさがある、などの欠点があるため、採決となって、僅差当選となった。」「十四歳の少女だった被爆者が、三十年経って、その体験を小説に結晶させた努力と才能を私は評価したい。」
瀧井孝作
男81歳
12 「私は読みながら、むごたらしさに、あわれさに、涙が出てきた。何よりも、筆が冴えて、いきいきして、惹きこまれた。」「いろいろのことが混乱して、わかりにくい箇所もあるが、これも実感の表現とみた。」「私は、この作家の長崎原爆体験のモチーフと、冴えた筆力と、両方を推奨したい。」
中村光夫
男64歳
16 「印象にのこりました。」「(引用者注:「青い沼」と共に)当選圏内ですが、それぞれに難もあり、取捨に迷いました。」「この作者の処女作のようですが、処女作の長所と欠点をはっきりと兼ね備えた作品です。」「技術の幼稚さに初心の執念ともいうべき力が感じられるところが、おそらく作者の無意識の才能なので、これが体験にうらづけられ、周到に蒐集され、配分された題材と相まって、読者に生の感動をあたえます。」
永井龍男
男71歳
9 「作者の体験をもとに、記録や他人の体験記にも多く接した上の作品で、一読眼を覆わしめるものがある。」「省略された文章のために、判断しがたい個所もあるが、なんとしてもこの主題は、激しくわれわれに迫る。」
丹羽文雄
男70歳
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舟橋聖一
男70歳
16 「圧倒的な重みがあった。」「芥川賞にははじめての原爆もので、九委員のうち、七・五票を得たのも当然だ。」「「夏の花」(原民喜)以来、原爆ものは殆んど読んでいるが、林さんの強みはその犠牲に三十年の歳月を費しながら、なおこの一篇をまとめるのに耐えたところにあった。少々の瑕瑾、例えば伯父さんからの聞書などに誇張があっても、全体がそれを乗り越えている。」
安岡章太郎
男55歳
5 「私には、事実としての感動は重く大きかったが、それが文学の感動にはならなかった。とくに《学徒動員したのは》というような名詞を勝手に動詞につくりかえる言い方には、私は非常に抵抗をおぼえた。」
吉行淳之介
男51歳
5 「しっかりした文章で感心したが、各節のおわりに必ず捨てゼリフのような数行があり、(引用者中略)その部分の発想が不統一で、戦争体験に十分モトデをかけたかどうか疑わしくなるところがある。」
選評出典:『芥川賞全集 第十巻』昭和57年/1982年11月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和50年/1975年9月号)
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