芥川賞のすべて・のようなもの
第85回
受賞作家の群像 トップページ
直木賞・芥川賞受賞作一覧
受賞作・候補作一覧
候補作家の群像
選考委員の群像
選評の概要
マップ

受賞作家の一覧へ
前の回へ後の回へ
Last Update[H27]2015/10/10

吉行理恵
Yoshiyuki Rie
生没年月日【注】 昭和14年/1939年7月8日~平成18年/2006年5月4日
受賞年齢 42歳0ヵ月
経歴 本名=辻理恵子。東京千代田区生まれ。早稲田大学第二文学部国文科卒。在学中より『ユリイカ』に詩を投稿、卒業後も詩作を続ける。父親は作家・詩人の吉行エイスケ、兄は芥川賞作家の吉行淳之介、姉は女優の吉行和子。
受賞歴・候補歴
  • 第2回円卓賞(昭和40年/1965年度)「私は冬枯れの海にいます」《詩》
  • 第8回田村俊子賞(昭和42年/1967年)『夢の中で』《詩集》
  • 第9回野間児童文芸賞推奨作品賞(昭和46年/1971年)『まほうつかいのくしゃんねこ』
  • 第18回産経児童出版文化賞[推薦](昭和46年/1971年)『まほうつかいのくしゃんねこ』
  • |候補| 第74回芥川賞(昭和50年/1975年下期)「針の穴」
  • 第85回芥川賞(昭和56年/1981年上期)「小さな貴婦人」
  • |候補| 第13回川端康成文学賞(昭和61年/1986年)「赤い庭」
  • 第28回女流文学賞(平成1年/1989年)『黄色い猫』
備考
  - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -


芥川賞 第74回候補  一覧へ

はり あな
針の 穴」(『群像』昭和50年/1975年11月号)
媒体・作品情報
誌名 「群像」
巻号 第30巻 第11号  別表記11月号
印刷/発行年月日 印刷 昭和50年/1975年10月5日 発行 昭和50年/1975年11月1日
発行者等 編集人 橋中雄二 発行人 三木 章 印刷人 澤村嘉一 印刷所 凸版印刷株式会社
発行所 株式会社講談社(東京都)
総ページ数 260 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×23行
×2段
本文ページ 14~26
(計13頁)
測定枚数 37
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
書誌
>>昭和56年/1981年2月・講談社刊『井戸の星』所収
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
候補者 吉行理恵 女36歳
選考委員 評価 行数 評言
吉行淳之介
男51歳
4 「私は棄権した。この作品の長所短所を述べるのは易しいことだが、やはり差しひかえる。」
丹羽文雄
男71歳
0  
井上靖
男68歳
0  
永井龍男
男71歳
2 「散文としては断片的であり過ぎた。」
瀧井孝作
男81歳
0  
中村光夫
男64歳
0  
安岡章太郎
男55歳
4 「彼女が何かしらモノを持っていることは、一読して感じられる。ただし、この作品自体はあまりにも弱い。」
選評出典:『芥川賞全集 第十巻』昭和57年/1982年11月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和51年/1976年3月号)
        - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -



芥川賞 第85受賞  一覧へ

ちい きふじん
小さな 貴婦人」(『新潮』昭和56年/1981年2月号)
媒体・作品情報
誌名 「新潮」  別表記表紙 「THE SHINCHO^」併記
巻号 第78巻 第2号  別表記2月号/912号
印刷/発行年月日 発行 昭和56年/1981年2月1日
発行者等 編集兼発行者 谷田昌平 印刷者 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社(東京都)
発行所 株式会社新潮社(東京都)
総ページ数 244 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×24行
×2段
本文ページ 60~79
(計20頁)
測定枚数 58
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
書誌
>>昭和56年/1981年7月・新潮社刊『小さな貴婦人』所収
>>『文藝春秋』昭和56年/1981年9月号
>>昭和57年/1982年4月・講談社刊『文学1982』所収
>>昭和58年/1983年1月・文藝春秋刊『芥川賞全集 第12巻』所収
>>昭和61年/1986年3月・新潮社/新潮文庫『小さな貴婦人』所収
>>平成10年/1998年10月・角川書店刊『女性作家シリーズ16 吉田知子・森万紀子・吉行理恵・加藤幸子』所収
>>平成19年/2007年5月・文園社刊『吉行理恵レクイエム「青い部屋」』所収
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
候補者 吉行理恵 女42歳
選考委員 評価 行数 評言
安岡章太郎
男61歳
16 「私はイヌ派であり、したがつてネコ派の文学には同調し兼ねるはずであるが、(引用者中略)おもしろかつた。主題はネコにちがひないが、それよりはむしろ都会で生れ都会で死んで行く都市生活者の心情といつたものが全篇の基調になつてをり、その甘酸つぱいやうな抒情性が、近頃にはめづらしく、おもしろいものに感じられたのである。」
丸谷才一
男55歳
17 「小説としては中身があまりにも他愛ないが、作者自身そんなことは百も承知で書いてゐるのが強味だらう。」「この坐りのよさは、おそらく、自分の本当に書きたいことを自分の書きたい流儀で書いたせゐで生じたものだらう。これは近頃珍しいことで、わたしはその珍しさに見とれながら、しかしそれにしてももうすこし何とかならないものかと惜しみつづけた。」
大江健三郎
男46歳
17 「僕はその受賞に、消極的に賛成する。つまり最後の投票で、僕は反対に一票を投じたが、多数派による授賞の決定には賛成する。すでに中年にいたって、自他の自閉的な狂気に接する(しかし正気の側の)感受性を、このように安定した書きぶりで表現できれば、その人はもう作家だ。」
吉行淳之介
男57歳
24 「私の実妹なので、銓衡委員としての立居振舞に困惑した。」「今回の作品はなかなか良いとおもった。」「今度はひとつ、自分なりに客観的になって、票を入れてみようと考えた。十五歳年下の妹というのは、他人のようで他人でない厄介な存在だ。」「もはや病膏肓、猫が自分か自分が猫か、猫の人相学や手相まで出てくる始末で、ここまでくれば許せるとおもいはじめた。」「入り組んだ話なので分りにくくて閉口した。もうすこし行替えでもしてみたら、どうだろう。」
中村光夫
男70歳
10 「小品ながら段違ひの出来栄えです。」「これが小説といへるか、(引用者中略)といふやうな疑問はいくらでも出せませう。」「しかし作者の純潔な、同時に宿命的な猫への執心が、或るものに達してゐることはたしかなので、小説を文学的感動を生む散文とする大正期の思想が、ここにひとつの実を結んでゐます。」
遠藤周作
男58歳
3 「(引用者注:候補作のうち)自分の感覚と自分の文章を持っているのは吉行理恵さんだけで、この事は誰の眼からみても明らかだった。」
丹羽文雄
男76歳
3 「詩人としての繊細な感覚には心をひかれましたが、すこしごたごたしてます。もたついた分だけ、小説が弱くなっていると感じました。」
井上靖
男74歳
11 「なかなかいい資質を持った作家であり、詩人であることは知っていたが、こんどの作品は小説としては弱いと思って、私の場合は初めから銓衡の外に置いていたが、結局、候補作の中から文学作品として最もでき上がっているものを一篇選ぶとなると、この作より他にはなかった。」
瀧井孝作
男87歳
6 「短篇だが、文体に持味があり、読ませるものを持っている。うまいと思った。」
開高健
男50歳
6 「素質もいいし感性の閃めきもある。」「授賞作とするかしないかで票が割れ、決をとってみると七対三で授賞作となった。残念ながら私は手をあげることのできなかった者の一人であるが、結果には拍手を送る。」
選評出典:『芥川賞全集 第十二巻』昭和58年/1983年1月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和56年/1981年9月号)
        - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -



ページの先頭へ

トップページ直木賞・芥川賞受賞作一覧受賞作・候補作一覧候補作家の群像選考委員の群像
選評の概要マップ || 受賞作家の一覧へ前の回へ次の回へ