芥川賞のすべて・のようなもの
第88回
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Last Update[H26]2014/6/20

加藤幸子
Kato Yukiko
生没年月日【注】 昭和11年/1936年9月26日~
受賞年齢 46歳3ヵ月
経歴 北海道札幌市生まれ、中国北京、東京育ち。北海道大学農学部農学科卒。農業技術研究所、日本自然保護協会を経て、同人誌にて創作をはじめる。
受賞歴・候補歴
備考
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芥川賞 第88受賞  一覧へ

ゆめ かべ
夢の 壁」(『新潮』昭和57年/1982年9月号)
媒体・作品情報
誌名 「新潮」  別表記表紙 「THE SHINCHO^」併記
巻号 第79巻 第9号  別表記9月号/931号
印刷/発行年月日 発行 昭和57年/1982年9月1日
発行者等 編集兼発行者 坂本忠雄 印刷者 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社(東京都)
発行所 株式会社新潮社(東京都)
総ページ数 324 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×23行
×2段
本文ページ 31~72
(計42頁)
測定枚数 122
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書誌
>>昭和58年/1983年2月・新潮社刊『夢の壁』所収
>>『文藝春秋』昭和58年/1983年3月号
>>平成1年/1989年2月・文藝春秋刊『芥川賞全集 第13巻』所収
>>平成3年/1991年7月・新潮社/新潮文庫『夢の壁』所収
>>平成4年/1992年12月・埼玉福祉会/大活字本シリーズ『夢の壁』(上)(下)所収
>>平成10年/1998年10月・角川書店刊『女性作家シリーズ16 吉田知子・森万紀子・吉行理恵・加藤幸子』所収
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候補者 加藤幸子 女46歳
選考委員 評価 行数 評言
中村光夫
男71歳
10 「自分の心の片隅に生きつづけて来た少女期の回想を誇張なく描いています。」「全体の印象が、浮動の時期を背景とした少年少女の交遊より、むしろ時代の変遷を描いた風景画のようですが、あっさりしすぎているところが、長所でもあり、欠点とも云えましょう。」
吉行淳之介
男58歳
13 「鮮明な細部を上質の文章で生かしている部分が多い。難をいえば、多元描写でもなく視点が前後半で移動しているともいえず、赤い糸で編んでいたものが白い糸に替わり、その白い編物の中にときどき赤い糸が出てきたりする構成のために、作者の意図を掴もうとしていささか混乱した。」「私は、(引用者中略)弱点を美点が大きく上まわった、とおもった。」
安岡章太郎
男62歳
7 「いかにも新人らしい作品で、視点が中国人の少年から日本人の少女に中途で切り変ったりする点、多少散漫な印象もあるが、内容的に分裂しているわけではない。」「作者が言わなければならぬというものがあって、ちゃんとそれが描かれており、そこに小説の原点があると言っていいだろう。」
丸谷才一
男57歳
8 「よくわかる。しかし、わかったからどうだと言うのか。ただそれだけの話ではないか。」「小説であるにしてはあまりにも苦りがきいてなさすぎる。」「口あたりのいい美談であって、温良な美談佳話を一篇の作品に仕立てるだけの力量はこの人にない。わたしは、赤の他人の卒業記念アルバムをくるときのような退屈を禁じ得なかった。」
大江健三郎
男47歳
10 「戦争末期から直後の、中国人少年と日本人少女のふたつの経験は、今日の小説一般のたくらみある仕方でなら、統一した視点で書かれただろう。しかしそれすらも試みず、後半のかれらの共生へと、自然に展開してゆく。そのような書きぶりであるゆえに、もう三十年近く前の北京の自然と人間とが、みずみずしくよみがえるのである。」
丹羽文雄
男78歳
6 「好感のもてる作品であった。構成にすこし無理があったが、読み終ると、その疵も改めてとりあげるほどのものではないと思い直された。強引に事件をつみ上げる女流作家の多い中で、断片的な昔の思い出を小説風にまとめあげたこの作品には、何のケレン味もない。」
井上靖
男75歳
7 「素直な、というより素直すぎる作品である。」「私自身、積極的には推さなかったが、しかし視点を変えれば、推すに吝かでないものも持っている。」
遠藤周作
男59歳
7 「無難な当選作である。」「素直な構成、水彩画のようで時々、繊細なところもある描写、嫌味のない読後感で、他の作品よりは丁寧な筆致がかわれた。ただこの夢の壁が作品のなかでどういう意味があるのかまだはっきりしない。それが玉にきずのように私には思われる。」
開高健
男52歳
19 「第一回の採点では5.5点を獲得した。」「この作品の素直さとスケッチの的確さが好感を買ったものと思われる。」「大家であれ、新人であれ、外国人らしい外国人を描出するのがきわめて不得手だというわが国の特異な文学伝統のなかにあって、珍しく中国人らしい中国人の言動が書きとめられている。これはなかなかのことであって、作者に“眼”を感じさせられる。」
選評出典:『芥川賞全集 第十三巻』平成1年/1989年2月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和58年/1983年3月号)
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