芥川賞のすべて・のようなもの
第94回
  • =受賞者=
  • 米谷ふみ子
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Last Update[H26]2014/6/20

米谷ふみ子
Kometani Fumiko
生没年月日【注】 昭和5年/1930年11月15日~
受賞年齢 55歳2ヵ月
経歴 本名=米谷富美子。大阪府大阪市生まれ。大阪女子大学(現・大阪府立大学)国文科卒。画家として二科展出品、昭和35年/1960年に渡米、アメリカ人画家と結婚。その後、文筆活動を開始する。
受賞歴・候補歴
  • 第60回文學界新人賞(昭和60年/1985年)「遠来の客」
  • 第17回新潮新人賞(昭和60年/1985年)「過越しの祭」
  • 第94回芥川賞(昭和60年/1985年下期)「過越しの祭」
  • |候補| 第31回女流文学賞(平成4年/1992年)『プロフェッサー・ディア』
  • |候補| 第33回女流文学賞(平成6年/1994年)『0線に向かって』
  • 第37回女流文学賞(平成10年/1998年)『ファミリー・ビジネス』
備考
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芥川賞 第94受賞  一覧へ

すぎこ まつり
過越しの 祭」(『新潮』昭和60年/1985年7月号)
媒体・作品情報
誌名 「新潮」  別表記表紙 「THE SHINCHO^」併記
巻号 第82巻 第7号  別表記7月特大号/966号
作品名 別表記 本文 ルビ有り「すぎこ」
印刷/発行年月日 発行 昭和60年/1985年7月1日
発行者等 編集兼発行者 坂本忠雄 印刷者 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社(東京都)
発行所 株式会社新潮社(東京都)
総ページ数 404 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
26字
×24行
×2段
本文ページ 6~49
(計44頁)
測定枚数 131
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書誌
>>昭和60年/1985年10月・新潮社刊『過越しの祭』所収
>>『文藝春秋』昭和61年/1986年3月号
>>平成1年/1989年5月・文藝春秋刊『芥川賞全集 第14巻』所収
>>平成3年/1991年2月・新潮社/新潮文庫『過越しの祭』所収
>>平成11年/1999年8月・角川書店刊『女性作家シリーズ23 現代秀作集』所収
>>平成14年/2002年8月・岩波書店/岩波現代文庫 文芸『過越しの祭』所収
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候補者 米谷ふみ子 女55歳
選考委員 評価 行数 評言
吉行淳之介
男61歳
7 「(引用者注:すべての候補作を見ていくと)安定した筆力が、際立ってくる。いくらモトデをかけてもそれが生きない場合があるが、この作者の二十数年間の苦闘は、作品に十分生きている。」「人間が書けている。」
水上勉
男66歳
19 「推すつもりで出かけた。」「何ともきめこまかく、目こぼしのない文章で、自分でえらんだ結婚ながら、人生の愁苦を描いて十全なのである。自分の思い入れは大阪弁で挿入され、これが上質なユーモアをうんで風通しがよくなる。」
田久保英夫
男57歳
10 「頭一つほど抜いているのではないか、と思っていた。」「私たちの生半可な西欧への観念や理解に、重いひび割れを起す力を持っている。ただ小説が容易に動き出さず、姑や小姑への女の感情が、ときにナマすぎる欠点もいなめない。」
安岡章太郎
男65歳
22 「(引用者注:「果つる日」と共に)安心して読めた」「両者とも五十歳過ぎ、(引用者中略)とにかく他の若い人たちと違って文章は堅固で、鑑賞に耐えるのである。」「率直にいって小説としての完結性に欠けるかもしれない。」「しかし、これまで描かれたことにない異人種や、異民族文化との衝突が、断片的、かつ一方的なものであるにしろ、極めてリアルに切実に述べられていて、読みながら劇的な昂奮を覚えさせられた。」
古井由吉
男48歳
33 「ほかの作品よりはやや抜けた支持を集めた。何事かにしかと触れたという、手答えが買われたのだと思う。」「うしろの幽霊がいつのまにか前にまわりこんで、いっそうなまなましい姿となって立ち現われたような、そんなやりきれなさにひきこまれる。その辺の筆力には確かなものがある。」「読み手の私も、主人公のかりそめの脱走には息をこらし、外に出て吸いこんだ空気は、主人公とともに、理窟抜きに甘かった。それからが問題なのだろう。」
中村光夫
男74歳
17 「無雑作すぎるとも思われる作者の語り口にのせられて、異国で暮す中年女の怨恨と愚痴に思わずつきあわされてしまったといった印象でした。」「しかしこの作品の特色は、登場人物が溌剌と生きていることで、文章の粗雑さに対する不満をおぎなっています。」「生活の鬱憤を吐露する話が、充分小説になっているのは、米谷氏の並々ならぬ才能をもの語るものと思われました。」
遠藤周作
男62歳
7 「「過越しの祭」については他の選衡委員が書かれるであろう」「私の気持としてはこれら四作(引用者注:「過越しの祭」「ベッドタイムアイズ」「エチオピアからの手紙」「果つる日」)はほんの僅かの差しかない。」
三浦哲郎
男54歳
15 「重厚な作品である。」「力量を充分認めた上でいうのだが、この作品を読んでいるうちにところどころ文章が主婦の作文めいてきて、そこから作者の生の声がきこえてくるのが気掛かりであった。読後の重い感銘のなかに、婦人の口から二十年間のうらみつらみを聞かされたような一種の鬱陶しさが混じるのは、多分そのせいである。」
開高健
男55歳
11 「泥か泡のようにつかみどころのない作品が多いなかで、この作品はあちらこちらに手ごたえがある。何よりも固有なるものが定着されている。」「全体としての出来栄えからするとこの作品に点が集る。ただし、難らしい難をあげると、“作品”というよりは主婦体験の作文を出ていないということが、ある。」
選評出典:『芥川賞全集 第十四巻』平成1年/1989年5月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和61年/1986年3月号)
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