芥川賞のすべて・のようなもの
第118回
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Last Update[H28]2016/4/22

弓透子
Yumi Toko
生没年月日【注】 昭和8年/1933年☆月☆日~
経歴 本名=大石聖子、旧姓=江藤。大阪府大阪市生まれ、和歌山県和歌山市育ち。大阪大学法学部卒。
受賞歴・候補歴
  • 第1回大阪女性文芸賞[佳作](昭和58年/1983年)「メイン州のある町で」
  • 第5回大阪女性文芸賞(昭和62年/1987年)「北の国」
  • 第13回神戸文学賞[佳作](昭和63年/1988年)「インディアナの長い影」
  • |候補| 第118回芥川賞(平成9年/1997年下期)「ハドソン河の夕日」
備考
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芥川賞 第118回候補  一覧へ

がわ ゆうひ
「ハドソン 河の 夕日」(『季刊文科』第5号[平成9年/1997年10月])
媒体・作品情報
誌名 「季刊文科」
巻号 第5号  別表記1997秋季号
印刷/発行年月日 発行 平成9年/1997年10月10日
発行者等 編集・製作 田中徳雄(三朋舎企画) 印刷・製本 株式会社眞珠社
発行所 季刊文科編集部 道坂春雄(東京都) 発売元 紀伊國屋書店(東京都)
総ページ数 160 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
25字
×23行
×2段
本文ページ 85~130
(計46頁)
測定枚数 130
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書誌
>>『文藝春秋』平成10年/1998年3月号
>>平成11年/1999年10月・邑書林/季刊文科叢書『ハドソン河の夕日』所収
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候補者 弓透子 女(65歳)
選考委員 評価 行数 評言
丸谷才一
男72歳
20 「話の筋のある小説らしい仕立てなのがいい。本当はそこに問題がひそんでゐるのだが、一応のところこれは取り柄である。」「話の筋にはいろいろ無理があるし、きれい事にしたいといふ欲求が作者の心の底にあるため、小説的な際どい所への迫り方が足りない。何もむやみ汚すことはないけれど、触れなければならないことはやはりはふつて置いてはいけないはずなのに、それを怠ることで小説の形を整へてゐる気配なのは残念な気がした。」
石原慎太郎
男65歳
12 「エイズに関しての小説として新しい視点を構えてはいるが、焦点がばらばらで迫力に欠ける。」「なるほどニューヨークになら在り得るだろう男同士のレイプという悲劇の鍵はショッキングではあるが、それに対する主人公や語り手である母親の反応が鈍すぎる。」
古井由吉
男60歳
6 「この世に短期滞在するような幸せな息子と、それにたいする畏愛とでもいうような母親の情とを、抑えのぎりぎり利いた甘やかさで表わしたのは、今の世では作品の功徳だと私は受けた。レイプの衝撃を男親に受け止めさせたら、母子の情の美しさは、さらに残酷に浮き出したことだろう。」
日野啓三
男68歳
5 「いわばマリアの嘆きと恍惚を書こうとした意欲作、と私は読んだが、神話的表現の自覚と技術がいまひとつ足らない。」
田久保英夫
男69歳
4 「三男のエイズ発症に当面した夫が、あざやかに描けている。しかし、この母親の視点は肝心な部分で情合いに流され、作者としての事態の追求が甘くなっている。」
河野多恵子
女71歳
11 「惜しい作品だった。」「(引用者注:主人公である母親の鈴子と夫が)やがて、息子の感染がレイプによるものだったらしいことに気づく。その時の鈴子の反応こそ、この作品の核であるべきだった。」「成功しておれば、エイズを扱った作品に新機軸をもたらしたであろうし、さらに母親なるものにとっての息子というものの未知の部分に光を当て得て、新鮮な普遍性を示すことにもなったであろう。」
三浦哲郎
男66歳
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黒井千次
男65歳
9 「死に臨む美しい息子に対する母親の鎮魂の賦の趣きがある。」「土地がニューヨークであるために母子の関係が抽象性を帯びているのも頷ける。しかしそれなら、レイプの問題を含めて抽象の方向にもう一歩踏み込んで書いて欲しかった。経過の道幅が狭く、なだらかに作品が終ってしまった点が惜しまれる。」
宮本輝
男50歳
5 「最終的に最も得点の多かった」「レイプされてエイズにかかった息子を見る母親の視線は、あまりにも淡彩すぎて、作者自らが小説の正念場との葛藤を避けたという印象をぬぐい切れない。」
池澤夏樹
男52歳
9 「母親の視点というところに拘束されて話が充分に展開しない。奔放なものが足りない。」
選評出典:『芥川賞全集 第十八巻』平成14年/2002年10月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成10年/1998年3月号)
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