芥川賞のすべて・のようなもの
第156回
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Last Update[H29]2017/2/15

岸政彦
Kishi Masahiko
生没年月日【注】 昭和42年/1967年8月☆日~
経歴 大阪市立大学大学院文学研究科後期博士課程単位修得退学。
受賞歴・候補歴
  • |候補| 第156回芥川賞(平成28年/2016年下期)「ビニール傘」
備考
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芥川賞 第156回候補  一覧へ

がさ
「ビニール 傘」(『新潮』平成28年/2016年9月号)
媒体・作品情報
誌名 「新潮」  別表記表紙 「The Shincho Monthly」「今年112年目の文芸誌」併記
巻号 第113巻 第9号  別表記9月号/1340号
印刷/発行年月日 発行 平成28年/2016年9月7日 発売 平成28年/2016年8月6日
発行者等 編集兼発行者 矢野 優 印刷者 北島義俊 印刷所 大日本印刷株式会社(東京都)
発行所 株式会社新潮社(東京都)
総ページ数 388 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
27字
×25行
×2段
本文ページ 95~112
(計18頁)
測定枚数 56
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書誌
>>平成29年/2017年1月・新潮社刊『ビニール傘』所収
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候補者 岸政彦 男49歳
選考委員 評価 行数 評言
吉田修一
男48歳
20 「例えば科学者がマウスを使って実験するように、社会学者が顔のない若者たちをサンプルのように扱い描く。」「ただ、読み終えたとき、サンプル扱いされた彼らをどう見ればいいのか分からなくなった。」「では、岸さんが描くもっと希望のある世界を読みたかったのか。いや、違う。逆にもっと残酷な世界を読みたかったのだと思う。」
小川洋子
女54歳
27 「(引用者注:「しんせかい」と共に)作家の本能に逆らうようにして書かれた、ユニークな作品だった。」「『ビニール傘』が面白いのは、若者たち一人一人の個性を際立たせるのではなく、彼らの共通する部分に意義を見出している点だ。パッチワークを作る時、普通は柄の違いに気を取られるが、岸さんは縫い代を見ている。」「じっくり時間をかけて議論したいと思わせる魅力を持っていたにもかかわらず、早い段階で落選が決まったのは残念だった。」
村上龍
男64歳
0  
高樹のぶ子
女70歳
15 「こうした作品は苦手だが、重ねた何枚かのガラスを通して見るようなズレが、作者の視力不足や逃げやごまかしでないのは解る。」
奥泉光
男60歳
21 「それが誰であっても変わらぬ、その意味で個性を欠いた、互換可能な「俺」が交錯する前半部は、「個」を描くのが近代小説であるとの前提を逆手にとる方法意識に貫かれて、興味を牽き、面白く読めた。が、後半に至って、主人公が一女性に収斂して以降、方法意識はやや希薄となり、平凡な物語の様相を呈してしまったのが惜しまれる。」
山田詠美
女57歳
19 「題名が効いていない感じ。(引用者中略)小説の短かさにおいて、思わせぶりは邪魔になる。」「ただ、このはきだめ感は悪くない。もう少しだけ、すり切れた魅力が出ていればなあ、と感じた。シャビーな情景で読者を引き付けておくのは難しいのだ。」
宮本輝
男69歳
26 「最初に登場するタクシー運転手が、次にどのように再登場したのか。あのガールズバーの女と、次に出てくる女は同じ人間なのか。そこのところをもう少し読む人にわかるように書くべきであろう。あえてわからなくさせることが純文学的だと考えているなら、それはおおいなる錯誤である。」「岸さんのディテールの描写が卓越しているだけに、苦言を呈しておきたい。」
堀江敏幸
男53歳
18 「ここに並んでいるのは、自分の居場所を探している途中で誰かに接したときに生まれる、使い捨て可能な、距離のある思いやりだ。困っている相手に差し出しても、返して欲しいとは思わないビニール傘。これは貸し借りをはみ出した何かのあらわれだろう。」「第二部では、そのような意味での傘にわずかな破れ目が生じている。」
島田雅彦
男55歳
17 「場末の光景を点描した写真集のキャプション集としては秀逸。」「社会現象のサンプリングは社会学の得意とするところではあるが、名付け得ぬものを前にした時、人はその具体性に拘泥したがるもので、そのために小説というジャンルが存在するといっても過言ではない。そんな気づきをそっと私どもに授けてくれただけでもありがたい。」
川上弘美
女58歳
12 「言葉に余分な負荷がかかっていないのに、これだけのそぎ落とされた長さの中でこれだけの濃密なものを書き上げたことがすばらしかった。ただ、作中のさまざまな断片の、つながり具合は(つながっていない具合もふくめ)、もっと意図してつくってもよかったのではないか。」
選評出典:『文藝春秋』平成29年/2017年3月号
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