芥川賞のすべて・のようなもの
第21回
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Last Update[H26]2014/8/5

藤枝静男
Fujieda Shizuo
生没年月日【注】 明治40年/1907年12月20日~平成5年/1993年4月16日
経歴 本名=勝見次郎。静岡県藤枝市生まれ。千葉医科大学(現・千葉大学医学部)卒。勤務医を経て、昭和25年/1950年より浜松市で眼科医院を開業。
受賞歴・候補歴
  • |候補| 第21回芥川賞(昭和24年/1949年上期)「イペリット眼」
  • |候補| 第34回芥川賞(昭和30年/1955年下期)「痩我慢の説」
  • |候補| 第36回芥川賞(昭和31年/1956年下期)「犬の血」
  • |候補| 第13回読売文学賞[小説賞](昭和36年/1961年)『凶徒津田三蔵』
  • |候補| 第15回読売文学賞[小説賞](昭和38年/1963年)『ヤゴの分際』
  • |候補| 第10回新潮社文学賞(昭和38年/1963年)『ヤゴの分際』
  • |候補| 第19回読売文学賞[小説賞](昭和42年/1967年)『空気頭』
  • 第18回芸術選奨文部大臣賞[文学部門](昭和42年/1967年度)『空気頭』
  • |候補| 第22回読売文学賞[小説賞](昭和45年/1970年)『欣求浄土』
  • 第2回平林たい子文学賞[小説部門](昭和49年/1974年)『愛国者たち』
  • 第12回谷崎潤一郎賞(昭和51年/1976年)『田紳有楽』
  • 第31回中日文化賞(昭和53年/1978年)「着実な文学活動」
  • 第32回野間文芸賞(昭和54年/1979年)『悲しいだけ』
個人全集 『藤枝静男著作集』全6巻(昭和51年/1976年7月~昭和52年/1977年5月・講談社刊)
備考
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芥川賞 第21回候補  一覧へ

がん
「イペリット 眼」(『近代文學』昭和24年/1949年3月号)
媒体・作品情報
誌名 「近代文學」  別表記代文學」
巻号 第4巻 第3号  別表記3月号/通巻31号
作品名 別表記 「イペリツト眼」
印刷/発行年月日 発行 昭和24年/1949年3月1日
発行者等 編集兼発行人 本多秋五 印刷所 大同印刷株式会社(東京都)
発行所 近代文學社(東京都)
総ページ数 80 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
30字
×27行
×2段
本文ページ 54~79
(計26頁)
測定枚数 98
上記のうち紫の太字はブラウザでの表示が困難な異体字(主に正字など)
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書誌
>>昭和32年/1957年6月・文藝春秋新社刊『犬の血』所収
>>昭和40年/1965年11月・東都書房刊『戦争の文学7』所収
>>昭和43年/1968年6月・学芸書林刊『全集・現代文学の発見 第10巻 証言としての文学』所収
>>昭和46年/1971年9月・講談社/現代文学秀作シリーズ『凶徒津田三蔵』所収
>>昭和47年/1972年1月・毎日新聞社刊『戦争文学全集5』所収
>>昭和47年/1972年12月・筑摩書房刊『現代日本文学大系48 滝井孝作・網野菊・藤枝静男集』所収
>>昭和49年/1974年2月・筑摩書房刊『藤枝静男作品集』所収
>>昭和52年/1977年1月・講談社刊『藤枝静男著作集 第4巻』所収
>>昭和56年/1981年6月・成瀬書房刊『路』所収
>>平成16年/2004年4月・学芸書林刊『全集現代文学の発見 第10巻 証言としての文学』[新装版]所収
>>平成19年/2007年6月・藤原書店刊『戦後占領期短篇小説コレクション4 1949年』所収
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候補者 藤枝静男 男41歳
選考委員 評価 行数 評言
舟橋聖一
男44歳
11 「三点(引用者中略)として投票した。」「作者の批評精神が、もっと痛烈に、出ていれば、もっと強力に推したかった」「私としては、「イペリット眼」の作者のもつ思想性に対して期待し、それがもっと、強く鍛えられるように、激励したい。」
川端康成
男50歳
2 「強いが、手法は物足りない。」
岸田國士
男58歳
2 「興味ある題材だが人物の捉え方が浅く、」
石川達三
男43歳
10 「良き題材を選びそれを書きこなすという努力は小説の本道であって、非難にはならない。一つの良き題材を描き得た人は他の題材だって書ける筈だと思う。私はこの作者の将来には期待をもってもいいと思う。院長という人物の描き方などは凡手でない。」
丹羽文雄
男44歳
13 「主人公の在り方が、通り一遍である。これは特種な材料で得をしている。」「この小説の主人公の在り方に、作者が安心している。作者として、そのことを反省していない。主人公はもっと躍動すべきだ。」「これだけの材料を擁しながら、傍観者的な冷静さにとどまっていることが、不満であった。」
坂口安吾
男42歳
0  
佐藤春夫
男57歳
2 「材料の負けで作家としての手腕が足りないとは云えちょっと新しい趣がある。」
瀧井孝作
男55歳
13 「医者でなければ描けない細かい記述もあり、神経のとおった文章で、記録文学として出色の作だと思った。」
宇野浩二
男57歳
9 「ちょっとした『うまさ』にひかれて、読んでゆくうちに、しだいに、題材のおもしろさの方が、勝っていることに、気が、ついて来た。そのうちに、『うまさ』が、だんだん、なくなってきた。いうまでもなく、題材がいくらよくても、それだけでは、よい小説には、決して、ならない。」「学校の教師がするように、『かけもち』などで、小説を書くことなども、やはり、無理である。」
選評出典:『芥川賞全集 第四巻』昭和57年/1982年5月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和24年/1949年9月号)
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芥川賞 第34回候補  一覧へ

やせがまん せつ
瘠我慢の 説」(『近代文學』昭和30年/1955年11月号)
媒体・作品情報
誌名 「近代文學」  別表記代文學」 表紙 「KINDAI BUNGAKU」併記
巻号 第10巻 第11号/通巻 第100号  別表記11月号
作品名 別表記 「瘠我慢の
印刷/発行年月日 印刷 昭和30年/1955年10月20日 発行 昭和30年/1955年11月1日
発行者等 編集兼発行人 埴谷雄高 印刷所 大同印刷株式会社
発行所 近代文學社(東京都)
総ページ数 192 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
30字
×25行
×2段
本文ページ 172~187
(計16頁)
測定枚数 57
上記のうち紫の太字はブラウザでの表示が困難な異体字(主に正字など)
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書誌
>>昭和31年/1956年5月・大日本雄弁会講談社刊『創作代表選集 第17巻 昭和三十年後期』所収
>>昭和32年/1957年6月・文藝春秋新社刊『犬の血』所収
>>昭和43年/1968年7月・筑摩書房刊『日本短篇文学全集 第19巻 志賀直哉・網野菊・藤枝静男』所収
>>昭和49年/1974年2月・筑摩書房刊『藤枝静男作品集』所収
>>昭和51年/1976年7月・講談社刊『藤枝静男著作集 第1巻』所収
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候補者 藤枝静男 男48歳
選考委員 評価 行数 評言
石川達三
男50歳
0  
井上靖
男48歳
4 「最後で作品の主題がはっきりと出てみごとであり、これはこれで書き切った作品ではあったが、よく書けているというだけで強いて新人の作として推すだけの意義が認められなかった。」
中村光夫
男44歳
15 「なかで一番しっかり書かれていて、(引用者中略)いわゆる戦後学生の生きかたを冷静に偏見なく理解しようとする作者の意図に同感できるのですが、作者を代弁する中年の医者が、もっともらしい顔をした狂言廻しの役しか振られていないので、その批判も対象の奥まで徹しない気がします。」
丹羽文雄
男51歳
5 「いちばんがっちりとまとまっていた。が、力が弱い。それは叔父の立場からアプレ・ガールを描いているもどかしさにもよるのだろう。強いて授賞とまでは推せなかったが、好意のもてるものであった。」
佐藤春夫
男63歳
17 「二篇(引用者注:「痩我慢の説」と「太陽の季節」)の優劣を断じる結論に到って、僕は他の諸君、主として石川、舟橋の両君と対立して「痩我慢の説」を採ろうと云いつづけた。」「単純な風俗小説の域を超えた一個の文明批評を志しているところをおとなの文学(原文傍点)と思った。」「その立体的な描法、重厚な興味は当選作とは雲泥の相違があることは文学を理解するおとな(原文傍点)が虚心に見るなら誰にもわかると思う。僕は今も尚、この落選作を推す。」
瀧井孝作
男61歳
13 「一番よいと思った。」「「イペリット眼」(引用者中略)も一寸よかったが、こんどの方が、手法もずっと進歩して、筆もよく利いて、この人はやはり勉強しているのだと思われた。」「アプレ青年少女の行動がいきいきとして、よく分り、本当に深切に描いてあって、これは、大人の小説だと思った。しまいの所、医者が深酔して怪我して傷つく所なども、小説の末尾として感じのふかいものがあった。」
宇野浩二
男64歳
14 「見方の程度を下げて云うと、(引用者中略)一番うまいかもしれない、」「登場人物も、まず手際よく書かれている上に、全体に心よい諧謔がゆきわたり、適度の諷刺もうかがわれるからである。(くりかえし云う、ここのところは点を甘くして書いたことを。)」
川端康成
男56歳
0  
舟橋聖一
男51歳
0  
選評出典:『芥川賞全集 第五巻』昭和57年/1982年6月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和31年/1956年3月号)
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芥川賞 第36回候補  一覧へ

いぬ
犬の 血」(『近代文學』昭和31年/1956年12月号)
媒体・作品情報
誌名 「近代文學」  別表記代文學」 表紙 「KINDAI BUNGAKU」併記
巻号 第11巻 第12号/通巻 第113号  別表記12月号
印刷/発行年月日 印刷 昭和31年/1956年11月25日 発行 昭和31年/1956年12月1日
発行者等 編集兼発行人 埴谷雄高 印刷所 大同印刷株式会社
発行所 近代文學社(東京都)
総ページ数 121 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
30字
×25行
×2段
本文ページ 52~77
(計26頁)
測定枚数 91
上記のうち紫の太字はブラウザでの表示が困難な異体字(主に正字など)
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書誌
>>『文藝春秋』昭和32年/1957年3月号
>>昭和32年/1957年6月・文藝春秋新社刊『犬の血』所収
>>昭和32年/1957年10月・大日本雄弁会講談社刊『創作代表選集 第20巻 昭和32年前期』所収
>>昭和45年/1970年10月・中央公論社刊『日本の文学80 名作集4』所収
>>昭和49年/1974年2月・筑摩書房刊『藤枝静男作品集』所収
>>昭和52年/1977年1月・講談社刊『藤枝静男著作集 第4巻』所収
>>平成23年/2011年12月・集英社刊『コレクション戦争と文学7 日中戦争:曠』所収
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候補者 藤枝静男 男49歳
選考委員 評価 行数 評言
石川達三
男51歳
8 「瀧井さんが推したが、私はやはり物足りない。この小説が終ったところから、本当の小説が始まるのだと思う。」「主人公が相手と正面切って対決した、その対決からこの主題は展開すべきだ。」「日本人の小説にはこういう終り方がよくあるように思うが、これでは終りにならない。もっと正面から取組んでほしいと思った。」
瀧井孝作
男62歳
24 「一番佳いと思った。」「北満の殺風景な兵隊の雑事にも、端的な自然描写が実にいきいきした色彩と滋味とを加えて、うまいと思った。人物の性格もよく描き分けられて、実によく見て見抜いてあると思った。このような眼の確かな克明な描写の小説は、日本人ばなれがしていると思った。」「青年の清潔な心持が世俗の邪悪にいかに対抗したか、これがテーマだが、この清潔な心持は、この人の独特のもので、そうざらにはない得難いものではないかしら。」
丹羽文雄
男52歳
5 「単なるお話にすぎないとまず私は言った。そういうのも、「イペリット眼」や「痩我慢の説」のよさをよく知っているからである。この程度の人物の描き分け、風景描写なら、とくにとりあげるまでもない。藤枝静男の本質はこんなものに現われてはいないからだ。」
中村光夫
男45歳
9 「どっしり厚味のある作品で、辺地の駐屯軍の澱んですえたような空気がよく描かれていて、一本気すぎる正義派の主人公の気持にも同感できるのですが、終りに難があり、全体としても単調で今一歩の魅力がかけています。」「着実に進歩もしているので、推すならこれと思いながら、あえて強く支持できなかったのは、そのためです。」
舟橋聖一
男52歳
10 「「痩我慢の説」より、手がこんでいるようだが、最後で破綻して、まとまりが悪いのは、惜しいというものの、瀧井さんがあんなに推賞するほどの出来ではない。藤枝も岡と同じ明治生れの老人の部で、芥川賞はもっと若い世代に期待したい。私はこの人のものでは「イペリット眼」が一番好きだ。」
川端康成
男57歳
6 「前に候補となった「イペリット眼」や「痩我慢の説」よりも、よくない」「もし、「イペリット眼」や「痩我慢の説」が今期の候補作になっていれば、授賞されたかもしれない。妙なことである。」
井上靖
男49歳
5 「手堅い作風で、こんどの候補作の中では唯一の、ともかく一人の人間を描き出そうとしている作品である。その意味では一番まっとうな作品と言えよう。併し、結末が読物的で、折角の主人公を造りものにしてしまったのは、いかにも残念だった。」
宇野浩二
男65歳
13 「かなり特殊な題材であるのに、何となくありふれた感じがするのが『キズ』である。それから、最後の方の試験のために犬の血を取る緊張した場面の最後は、私は、蛇足のように考えるのである。」
選評出典:『芥川賞全集 第五巻』昭和57年/1982年6月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和32年/1957年3月号)
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