芥川賞のすべて・のようなもの
第114回
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平成7年/1995年下半期
(平成8年/1996年1月11日決定発表/『文藝春秋』平成8年/1996年3月号選評掲載)
選考委員  宮本輝
男48歳
河野多恵子
女69歳
石原慎太郎
男63歳
日野啓三
男66歳
池澤夏樹
男50歳
古井由吉
男58歳
黒井千次
男63歳
丸谷才一
男70歳
大庭みな子
女65歳
大江健三郎
男60歳
田久保英夫
男67歳
三浦哲郎
男64歳
選評総行数  39 35 34 36 37 33 33 33 24 34 35 34
候補作 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数
又吉栄喜 「豚の報い」
162
男48歳
15 14 29 36 11 2 14 8 14 9 23 10
柳美里 「もやし」
122
女27歳
5 4 0 0 3 0 7 0 0 7 0 0
中村邦生 「森への招待」
115
男49歳
6 4 2 0 8 0 10 0 0 6 12 23
伊井直行 「三月生まれ」
160
男42歳
7 3 0 0 5 0 0 15 15 4 0 0
原口真智子 「クレオメ」
83
女44歳
3 4 0 0 3 0 0 10 0 6 0 2
三浦俊彦 「エクリチュール元年」
146
男36歳
4 6 0 0 5 0 0 0 0 8 0 0
                       
年齢/枚数の説明   見方・注意点

このページの選評出典:『芥川賞全集 第十七巻』平成14年/2002年8月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』平成8年/1996年3月号)
1行当たりの文字数:24字


選考委員
宮本輝男48歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
選評 総行数39 (1行=24字)
候補 評価 行数 評言
又吉栄喜
男48歳
15 「これまで幾つかの文学賞の選考で沖縄を舞台にした作品を何篇か読んできたが、(引用者中略)最も優れていると思う。」「沖縄という固有の風土で生きる庶民の息づかいや生命力を、ときに繊細に、ときに野太く描きあげた。」「読み終えて、私はなぜか一種の希望のようなものを感じた。」
柳美里
女27歳
5 「作者がとにかく小説を作ろうとして、あっちこっちから思いつきの火花を寄せ集めたという感じである。」
中村邦生
男49歳
6 「誠実な筆致ではあるが、〈夜の森〉と〈私の妻〉と〈友人〉とが常に分離しつづけて、要するに作品に芯がない。」「そこが芥川賞にはいささか弱いように思えた。」
伊井直行
男42歳
7 「ほとんどを子供の視点で描くかぎり、その視点をてこ(原文傍点)としておとなの世界への深い力技が発揮されなければならないと私は思っている。」「伊井氏はてこ(原文傍点)を用意したのに、それを別の力に変えることをしなかったといったところであろうか。」
原口真智子
女44歳
3 「マニュアルにのっとって、いちおうそつなく書いているが、そのために印象が薄い」
三浦俊彦
男36歳
4 「ペダンティックな論文を小説として読ませることが新しい方法とでも錯覚しているようで、私には鼻持ちならなかった。」
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他の選考委員
河野多恵子
石原慎太郎
日野啓三
池澤夏樹
古井由吉
黒井千次
丸谷才一
大庭みな子
大江健三郎
田久保英夫
三浦哲郎
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選考委員
河野多恵子女69歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
『豚の報い』の魅力 総行数35 (1行=24字)
候補 評価 行数 評言
又吉栄喜
男48歳
14 「作者はいっさいの顕示も思惑もなしに沖縄を溌剌と描いている。沖縄の自然と人々の魅力に衝たれて、自然というもの、人間というものを見直したい気持にさせる。作者の生きている感動が伝わってくる。沖縄を描いて沖縄を超えている、この作品を敢えて沖縄文学と呼ぶのは、むしろ非礼かもしれない。」
柳美里
女27歳
4 「作中人物たちの創造に同じ密度で狭く凝りすぎていて、書きたいことの発露が見られない。」
中村邦生
男49歳
4 「何よりも、グループでナイトハイクへ出かけた森の暗さの濃淡の描き分けが未熟。一行の人たちの捌き方、主人公の妻のジャネットの人物描写に、時折成功している箇所があった。」
伊井直行
男42歳
3 「何とか創作意図を見出そうと努めたものの、暢気な作品という印象を打ち消してもらえずじまいであった。」
原口真智子
女44歳
4 「万一の場合には、『クレオメ』ならば受賞作として認めてもよいつもりだった。読後の印象は今ひとつ物足りなかったが、なかなかの才能と実力を感じさせたからである。」
三浦俊彦
男36歳
6 「最初の候補作『これは餡パンではない』は次作を期待させたが、回を追って作品の良さが減じてくる。知的で抽象的な創作への意欲が露骨になり、不毛な作品になりだした。残念に思う。」
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他の選考委員
宮本輝
石原慎太郎
日野啓三
池澤夏樹
古井由吉
黒井千次
丸谷才一
大庭みな子
大江健三郎
田久保英夫
三浦哲郎
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選考委員
石原慎太郎男63歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
一つの小さな宇宙 総行数34 (1行=24字)
候補 評価 行数 評言
又吉栄喜
男48歳
29 「沖縄の政治性を離れ文化としての沖縄の原点を踏まえて、小さくとも確固とした沖縄という一つの宇宙の存在を感じさせる作品である。主題が現代の出来事でありながら時間を逸脱した眩暈のようなものを感じるのは、いわば異質なる本質に触れさせられたからであって、風土の個性を負うた小説の成功の証しといえる。」
柳美里
女27歳
0  
中村邦生
男49歳
2 「その名の通り、なんの毒もないただ清純な山の空気みたいな小説でしかない。」
伊井直行
男42歳
0  
原口真智子
女44歳
0  
三浦俊彦
男36歳
0  
  「(引用者注:「豚の報い」「森への招待」以外の)他の作品はどれも妙にちまちましていて、今になればなるほど中身がなんであったかどうにも思い出せないようなものばかりだった。」
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他の選考委員
宮本輝
河野多恵子
日野啓三
池澤夏樹
古井由吉
黒井千次
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大庭みな子
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選考委員
日野啓三男66歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
新しい魂のドラマ 総行数36 (1行=24字)
候補 評価 行数 評言
又吉栄喜
男48歳
36 「作中の女性たちの描き方の陰影ある力強さ、おおらかに自然なユーモア、豚という沖縄では特別重要な動物を軸にした骨太の構成などはもちろんのことだが、私が目を見張ったのは伝統的な祭祀に対する若い男性主人公の態度である。」「この作品を書いた作者のモチーフの核は、若い主人公のその反伝統的な精神のドラマだと思う。」「新しい沖縄の小説である。単に土着的ではない。自己革新の魂のヴェクトルを秘めた小説である。」
柳美里
女27歳
0  
中村邦生
男49歳
0  
伊井直行
男42歳
0  
原口真智子
女44歳
0  
三浦俊彦
男36歳
0  
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他の選考委員
宮本輝
河野多恵子
石原慎太郎
池澤夏樹
古井由吉
黒井千次
丸谷才一
大庭みな子
大江健三郎
田久保英夫
三浦哲郎
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選考委員
池澤夏樹男50歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
地の力 総行数37 (1行=24字)
候補 評価 行数 評言
又吉栄喜
男48歳
11 「推した。これはまずもって力に満ちた作品である。登場人物の一人一人が元気で、会話がはずみ、ストーリーの展開にも勢いがある。」「全体としてみればこれは一つの御嶽(ルビ:ウタキ)の縁起譚だから、当然民話的な要素がたっぷり含まれているが、それが日常生活の場へそのまま通底しているのが沖縄という土地の二重性であり、力の源泉でもある。」
柳美里
女27歳
3 「現代の不幸はこういう濃密でホットなものではなく、もっと索莫としたものだと思う。」
中村邦生
男49歳
8 「おもしろかったけれども、夜の森があまり暗くないようで、圧迫感や不安感が薄い。ディズニーランド風と言えばいいだろうか。」「ナイトハイクの話とジャネットの話がお互いを励起していない。」
伊井直行
男42歳
5 「転校生の話だから出会いの物語のはずだが、都会の子と田舎の子が出会う前と後でどう変わったか、その点が不分明。また地方を舞台にしながら、ただ東京でない町というだけで、土地柄がほとんど書かれていないのはもったいない。」
原口真智子
女44歳
3 「細部では本当にうまい。それでも全体の印象が弱い理由はやはり元気の不足ではないのか。」
三浦俊彦
男36歳
5 「劇団に入る試験の寸劇で、芝居ではなくジェスチャーをやっている人のよう。基本になるアイディアにこの長さを維持する力がない。」
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他の選考委員
宮本輝
河野多恵子
石原慎太郎
日野啓三
古井由吉
黒井千次
丸谷才一
大庭みな子
大江健三郎
田久保英夫
三浦哲郎
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選考委員
古井由吉男58歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
屈伸の間 総行数33 (1行=24字)
候補 評価 行数 評言
又吉栄喜
男48歳
2 「時間がよく伸びて、節目節目で、笑いの果実をつけた、と言えるのではないか。」
柳美里
女27歳
0  
中村邦生
男49歳
0  
伊井直行
男42歳
0  
原口真智子
女44歳
0  
三浦俊彦
男36歳
0  
  「候補作の六篇ともにそれぞれ、方法を探っていると思われる。表われは言葉の乱射となる時でも、根は息をひそめるような、方法の模索なのだろう。」「労は多く功は少ないという憂き目を、作家は数嘗めさせられる。」「それでも書き手は――これも見かけによらず――かなりしんねりと、自分なりの方法を考えないわけにいかない。」「屈伸という言葉を借りれば、これは屈である。退屈の屈にも通じる。しかし伸びるためのものである。」
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他の選考委員
宮本輝
河野多恵子
石原慎太郎
日野啓三
池澤夏樹
黒井千次
丸谷才一
大庭みな子
大江健三郎
田久保英夫
三浦哲郎
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選考委員
黒井千次男63歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
島と森と 総行数33 (1行=24字)
候補 評価 行数 評言
又吉栄喜
男48歳
14 「強い印象を与えられた。沖縄をはじめ南方の島々を舞台とする新人の小説には、土地特有の信仰にもたれかかって作品を形造る傾向がよく見られるが、「豚の報い」にはその種の重苦しさがなく、神と人とが対等に言葉を交すかの如き明るさと軽やかさが漂っている。」「ただ、作品の終りに近づくにつれて言葉が弛み、やや緊迫感が薄くなる点は気にかかる。」
柳美里
女27歳
7 「人物の面白さが際立つ割には読後感が拡散して弱い。場面場面の持つ勢いを縫い合わせるもう一つの冷静な力が必要だったのではあるまいか。」
中村邦生
男49歳
10 「注目した。」「嗅覚や味覚という感覚を手がかりにして掴みにくい対象に迫ろうとする知的な営みは貴重である。しかし折角芝居作りの話まで持ち出したのであれば、それをもう少し活かして静の底を這う動の気色を捕えて欲しかった。」
伊井直行
男42歳
0  
原口真智子
女44歳
0  
三浦俊彦
男36歳
0  
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他の選考委員
宮本輝
河野多恵子
石原慎太郎
日野啓三
池澤夏樹
古井由吉
丸谷才一
大庭みな子
大江健三郎
田久保英夫
三浦哲郎
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選考委員
丸谷才一男70歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
三作の読後感 総行数33 (1行=24字)
候補 評価 行数 評言
又吉栄喜
男48歳
8 「前半は非常によかつたが、後半は崩れてゐる。生命力の奔騰を描いて読者を刺戟し、さあこれからどうなるのかと期待させて置きながら、決着がうまくついてゐない。」「文章も後半は傷が目立つて痛々しかつた。しかし属望に価する新人だとは思ふ。」
柳美里
女27歳
0  
中村邦生
男49歳
0  
伊井直行
男42歳
15 「都と鄙の関係といふ日本文化の大問題をあつかつたもので、しかもそれをちつとも大問題らしくなく、軽やかに取上げたのが嬉しい。」「それなのにさきへさきへと進むエネルギーが決定的に不足してゐる。読者にとつてこの人物たちは、誰がどうならうと一向かまはない、そんな人たちなのである。」
原口真智子
女44歳
10 「親愛感の持てる登場人物たちを描いてゐるし、人生についての感じ方が信頼できる。有望な新人だと思つた。」「調査員の問に答へて、「子供を産まなければ良かったと思うことが時々ある」に○をつけるくだりは、小説に観念を導き入れる工夫として絶妙のものだが、しかしその観念の深まつてゆく道筋がもの足りなかつた。惜しいことをした。」
三浦俊彦
男36歳
0  
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他の選考委員
宮本輝
河野多恵子
石原慎太郎
日野啓三
池澤夏樹
古井由吉
黒井千次
大庭みな子
大江健三郎
田久保英夫
三浦哲郎
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選考委員
大庭みな子女65歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
黒い森の筆力と可笑しさ 総行数24 (1行=24字)
候補 評価 行数 評言
又吉栄喜
男48歳
14 「(引用者注:「豚の報い」か「三月生まれ」の)どちらかであろうと思って選考会に臨んだ。」「読んでから時間が経って思い直すと、浮かんでくる情景の強さで、「三月生まれ」より「豚の報い」が勝つような気がして来たが、選考会場でもそうなった。」「沖縄地方の作品によくあるあまりに難解な方言は適度に調整されている。その距離のとれた視点により、背後にあるウタキの森の影を黒々と浮かび上がらせる力量は重層性のある文学世界を築いている。」
柳美里
女27歳
0  
中村邦生
男49歳
0  
伊井直行
男42歳
15 「(引用者注:「豚の報い」か「三月生まれ」の)どちらかであろうと思って選考会に臨んだ。」「読み易く書かれているのに、わずかな襞の間から、奥に絡むものがほの見える感じはなかなかのものだと思った。何人かの人物、殊に中子家の少年たちの姿は鮮やかである。」
原口真智子
女44歳
0  
三浦俊彦
男36歳
0  
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他の選考委員
宮本輝
河野多恵子
石原慎太郎
日野啓三
池澤夏樹
古井由吉
黒井千次
丸谷才一
大江健三郎
田久保英夫
三浦哲郎
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選考委員
大江健三郎男60歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
本当に書くべき小説 総行数34 (1行=24字)
候補 評価 行数 評言
又吉栄喜
男48歳
9 「物語を展開する技術が卓抜で、多様な女性像にも魅力がある。それを沖縄の女性像の独特さとして一般化できそうなのが強みで、この土地の現代生活によりそっている民俗的な古代もまた、今後の創作活動を支えるだろう。」
柳美里
女27歳
7 「しばしば文章が投げやりとなり、人間観にもヒズミがある。このヒズミはいま個性として受けとめられることがあるとしても、永い創作活動においては自分で修正するほかないものだ。」
中村邦生
男49歳
6 「夜の森の植生の新鮮さにくらべて、そこに継ぎ木される人事が思いつきめいてみえる。」
伊井直行
男42歳
4 「(引用者注:原口真智子、中村邦生と共に)自分として書かずにはいられぬ主題にいたるより前に、書き方だけみがいてこられた気がする。」
原口真智子
女44歳
6 「描写している間いいけれど、そこに朝日の「ひととき」式のコメントが入っては、小説を浅くしてしまう。」
三浦俊彦
男36歳
8 「読むにたえるものになるためには、筒井康隆氏のもっとも良質な通俗性が必要で、むしろそれは篤学な研究者なのらしい三浦氏に無縁なものではないか?」
  「アメリカに移り住むことになったので、この賞の選考に一区切つけざるをえず、そこで振り返ってみると、自分の選考の態度にこの数年変化が生じていたのがわかる。かつては、この一作ということしか考えなかった。いまはその書き手が生涯の仕事として小説を選ぶ、その全体をいつも思っている。」
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他の選考委員
宮本輝
河野多恵子
石原慎太郎
日野啓三
池澤夏樹
古井由吉
黒井千次
丸谷才一
大庭みな子
田久保英夫
三浦哲郎
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選考委員
田久保英夫男67歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
再び少数意見 総行数35 (1行=24字)
候補 評価 行数 評言
又吉栄喜
男48歳
23 「いかにも沖縄らしい太陽と海の光を感じる。」「しかし、私は「豚の報い」には幾つか抵抗があって、(引用者中略)票を投じえなかった。」「ラストで主人公が父の骨を前にして、ここに自分の御嶽を造ろう、ときめるのは、無理に思えた。」「最初から白骨を検証せず、父ときめてしまうのも不自然に思えた。」「全体に現実の重力より、作者の目ざす方向に話が走りすぎる欠点を感じる。」
柳美里
女27歳
0  
中村邦生
男49歳
12 「私は(引用者中略)推した。」「森の闇の中に、視覚、聴覚、触覚を、独特の鋭敏さで具体的に働かせている。」「ただ、前の候補作もそうだが、どこか作の根底に、知的に処理された弱さがある。せっかく森に踏みこんだのなら、もっと主要な人間から野性的な力づよい生命感や蘇生感が漲ってもいい、と思う。」
伊井直行
男42歳
0  
原口真智子
女44歳
0  
三浦俊彦
男36歳
0  
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他の選考委員
宮本輝
河野多恵子
石原慎太郎
日野啓三
池澤夏樹
古井由吉
黒井千次
丸谷才一
大庭みな子
大江健三郎
三浦哲郎
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選考委員
三浦哲郎男64歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
感想 総行数34 (1行=24字)
候補 評価 行数 評言
又吉栄喜
男48歳
10 「私はこの作者の、少々荒っぽいが読ませる力を認めるものの、沖縄の風土や習俗が適切に取り入れられているという点には賛成しかねた。この作品の主人公は、風葬された父親の骨を拾うという個人的な目的のために、御嶽(ルビ:ウタケ)へお参りして豚の厄落しをしたいと素朴に願っている女たちを利用するのである。」「私には、沖縄文学として底の浅さが感じられてならなかった。」
柳美里
女27歳
0  
中村邦生
男49歳
23 「いいと思った。」「読んでいると、自分もナイトハイクのグループに加わって夜の森を歩いているような錯覚に陥りそうになる。」「この作品が独自で、不思議な重量感を持っているのは、グループを構成している人々、ひとりひとりの人生の陰影が、実に注意深い手つきで掬い上げられ、さりげなく静寂の底に沈められているからである。」「世の中には、このような静かな作品を望んでいる読者がすくなくないことを私は確信している。」
伊井直行
男42歳
0  
原口真智子
女44歳
2 「好感を抱いた」
三浦俊彦
男36歳
0  
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他の選考委員
宮本輝
河野多恵子
石原慎太郎
日野啓三
池澤夏樹
古井由吉
黒井千次
丸谷才一
大庭みな子
大江健三郎
田久保英夫
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受賞者・作品
又吉栄喜男48歳×各選考委員 
「豚の報い」
中篇 162
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
宮本輝
男48歳
15 「これまで幾つかの文学賞の選考で沖縄を舞台にした作品を何篇か読んできたが、(引用者中略)最も優れていると思う。」「沖縄という固有の風土で生きる庶民の息づかいや生命力を、ときに繊細に、ときに野太く描きあげた。」「読み終えて、私はなぜか一種の希望のようなものを感じた。」
河野多恵子
女69歳
14 「作者はいっさいの顕示も思惑もなしに沖縄を溌剌と描いている。沖縄の自然と人々の魅力に衝たれて、自然というもの、人間というものを見直したい気持にさせる。作者の生きている感動が伝わってくる。沖縄を描いて沖縄を超えている、この作品を敢えて沖縄文学と呼ぶのは、むしろ非礼かもしれない。」
石原慎太郎
男63歳
29 「沖縄の政治性を離れ文化としての沖縄の原点を踏まえて、小さくとも確固とした沖縄という一つの宇宙の存在を感じさせる作品である。主題が現代の出来事でありながら時間を逸脱した眩暈のようなものを感じるのは、いわば異質なる本質に触れさせられたからであって、風土の個性を負うた小説の成功の証しといえる。」
日野啓三
男66歳
36 「作中の女性たちの描き方の陰影ある力強さ、おおらかに自然なユーモア、豚という沖縄では特別重要な動物を軸にした骨太の構成などはもちろんのことだが、私が目を見張ったのは伝統的な祭祀に対する若い男性主人公の態度である。」「この作品を書いた作者のモチーフの核は、若い主人公のその反伝統的な精神のドラマだと思う。」「新しい沖縄の小説である。単に土着的ではない。自己革新の魂のヴェクトルを秘めた小説である。」
池澤夏樹
男50歳
11 「推した。これはまずもって力に満ちた作品である。登場人物の一人一人が元気で、会話がはずみ、ストーリーの展開にも勢いがある。」「全体としてみればこれは一つの御嶽(ルビ:ウタキ)の縁起譚だから、当然民話的な要素がたっぷり含まれているが、それが日常生活の場へそのまま通底しているのが沖縄という土地の二重性であり、力の源泉でもある。」
古井由吉
男58歳
2 「時間がよく伸びて、節目節目で、笑いの果実をつけた、と言えるのではないか。」
黒井千次
男63歳
14 「強い印象を与えられた。沖縄をはじめ南方の島々を舞台とする新人の小説には、土地特有の信仰にもたれかかって作品を形造る傾向がよく見られるが、「豚の報い」にはその種の重苦しさがなく、神と人とが対等に言葉を交すかの如き明るさと軽やかさが漂っている。」「ただ、作品の終りに近づくにつれて言葉が弛み、やや緊迫感が薄くなる点は気にかかる。」
丸谷才一
男70歳
8 「前半は非常によかつたが、後半は崩れてゐる。生命力の奔騰を描いて読者を刺戟し、さあこれからどうなるのかと期待させて置きながら、決着がうまくついてゐない。」「文章も後半は傷が目立つて痛々しかつた。しかし属望に価する新人だとは思ふ。」
大庭みな子
女65歳
14 「(引用者注:「豚の報い」か「三月生まれ」の)どちらかであろうと思って選考会に臨んだ。」「読んでから時間が経って思い直すと、浮かんでくる情景の強さで、「三月生まれ」より「豚の報い」が勝つような気がして来たが、選考会場でもそうなった。」「沖縄地方の作品によくあるあまりに難解な方言は適度に調整されている。その距離のとれた視点により、背後にあるウタキの森の影を黒々と浮かび上がらせる力量は重層性のある文学世界を築いている。」
大江健三郎
男60歳
9 「物語を展開する技術が卓抜で、多様な女性像にも魅力がある。それを沖縄の女性像の独特さとして一般化できそうなのが強みで、この土地の現代生活によりそっている民俗的な古代もまた、今後の創作活動を支えるだろう。」
田久保英夫
男67歳
23 「いかにも沖縄らしい太陽と海の光を感じる。」「しかし、私は「豚の報い」には幾つか抵抗があって、(引用者中略)票を投じえなかった。」「ラストで主人公が父の骨を前にして、ここに自分の御嶽を造ろう、ときめるのは、無理に思えた。」「最初から白骨を検証せず、父ときめてしまうのも不自然に思えた。」「全体に現実の重力より、作者の目ざす方向に話が走りすぎる欠点を感じる。」
三浦哲郎
男64歳
10 「私はこの作者の、少々荒っぽいが読ませる力を認めるものの、沖縄の風土や習俗が適切に取り入れられているという点には賛成しかねた。この作品の主人公は、風葬された父親の骨を拾うという個人的な目的のために、御嶽(ルビ:ウタケ)へお参りして豚の厄落しをしたいと素朴に願っている女たちを利用するのである。」「私には、沖縄文学として底の浅さが感じられてならなかった。」
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他の候補作
柳美里
「もやし」
中村邦生
「森への招待」
伊井直行
「三月生まれ」
原口真智子
「クレオメ」
三浦俊彦
「エクリチュール元年」
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候補者・作品
柳美里女27歳×各選考委員 
「もやし」
短篇 122
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
宮本輝
男48歳
5 「作者がとにかく小説を作ろうとして、あっちこっちから思いつきの火花を寄せ集めたという感じである。」
河野多恵子
女69歳
4 「作中人物たちの創造に同じ密度で狭く凝りすぎていて、書きたいことの発露が見られない。」
石原慎太郎
男63歳
0  
日野啓三
男66歳
0  
池澤夏樹
男50歳
3 「現代の不幸はこういう濃密でホットなものではなく、もっと索莫としたものだと思う。」
古井由吉
男58歳
0  
黒井千次
男63歳
7 「人物の面白さが際立つ割には読後感が拡散して弱い。場面場面の持つ勢いを縫い合わせるもう一つの冷静な力が必要だったのではあるまいか。」
丸谷才一
男70歳
0  
大庭みな子
女65歳
0  
大江健三郎
男60歳
7 「しばしば文章が投げやりとなり、人間観にもヒズミがある。このヒズミはいま個性として受けとめられることがあるとしても、永い創作活動においては自分で修正するほかないものだ。」
田久保英夫
男67歳
0  
三浦哲郎
男64歳
0  
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他の候補作
又吉栄喜
「豚の報い」
中村邦生
「森への招待」
伊井直行
「三月生まれ」
原口真智子
「クレオメ」
三浦俊彦
「エクリチュール元年」
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候補者・作品
中村邦生男49歳×各選考委員 
「森への招待」
短篇 115
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
宮本輝
男48歳
6 「誠実な筆致ではあるが、〈夜の森〉と〈私の妻〉と〈友人〉とが常に分離しつづけて、要するに作品に芯がない。」「そこが芥川賞にはいささか弱いように思えた。」
河野多恵子
女69歳
4 「何よりも、グループでナイトハイクへ出かけた森の暗さの濃淡の描き分けが未熟。一行の人たちの捌き方、主人公の妻のジャネットの人物描写に、時折成功している箇所があった。」
石原慎太郎
男63歳
2 「その名の通り、なんの毒もないただ清純な山の空気みたいな小説でしかない。」
日野啓三
男66歳
0  
池澤夏樹
男50歳
8 「おもしろかったけれども、夜の森があまり暗くないようで、圧迫感や不安感が薄い。ディズニーランド風と言えばいいだろうか。」「ナイトハイクの話とジャネットの話がお互いを励起していない。」
古井由吉
男58歳
0  
黒井千次
男63歳
10 「注目した。」「嗅覚や味覚という感覚を手がかりにして掴みにくい対象に迫ろうとする知的な営みは貴重である。しかし折角芝居作りの話まで持ち出したのであれば、それをもう少し活かして静の底を這う動の気色を捕えて欲しかった。」
丸谷才一
男70歳
0  
大庭みな子
女65歳
0  
大江健三郎
男60歳
6 「夜の森の植生の新鮮さにくらべて、そこに継ぎ木される人事が思いつきめいてみえる。」
田久保英夫
男67歳
12 「私は(引用者中略)推した。」「森の闇の中に、視覚、聴覚、触覚を、独特の鋭敏さで具体的に働かせている。」「ただ、前の候補作もそうだが、どこか作の根底に、知的に処理された弱さがある。せっかく森に踏みこんだのなら、もっと主要な人間から野性的な力づよい生命感や蘇生感が漲ってもいい、と思う。」
三浦哲郎
男64歳
23 「いいと思った。」「読んでいると、自分もナイトハイクのグループに加わって夜の森を歩いているような錯覚に陥りそうになる。」「この作品が独自で、不思議な重量感を持っているのは、グループを構成している人々、ひとりひとりの人生の陰影が、実に注意深い手つきで掬い上げられ、さりげなく静寂の底に沈められているからである。」「世の中には、このような静かな作品を望んでいる読者がすくなくないことを私は確信している。」
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他の候補作
又吉栄喜
「豚の報い」
柳美里
「もやし」
伊井直行
「三月生まれ」
原口真智子
「クレオメ」
三浦俊彦
「エクリチュール元年」
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候補者・作品
伊井直行男42歳×各選考委員 
「三月生まれ」
中篇 160
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
宮本輝
男48歳
7 「ほとんどを子供の視点で描くかぎり、その視点をてこ(原文傍点)としておとなの世界への深い力技が発揮されなければならないと私は思っている。」「伊井氏はてこ(原文傍点)を用意したのに、それを別の力に変えることをしなかったといったところであろうか。」
河野多恵子
女69歳
3 「何とか創作意図を見出そうと努めたものの、暢気な作品という印象を打ち消してもらえずじまいであった。」
石原慎太郎
男63歳
0  
日野啓三
男66歳
0  
池澤夏樹
男50歳
5 「転校生の話だから出会いの物語のはずだが、都会の子と田舎の子が出会う前と後でどう変わったか、その点が不分明。また地方を舞台にしながら、ただ東京でない町というだけで、土地柄がほとんど書かれていないのはもったいない。」
古井由吉
男58歳
0  
黒井千次
男63歳
0  
丸谷才一
男70歳
15 「都と鄙の関係といふ日本文化の大問題をあつかつたもので、しかもそれをちつとも大問題らしくなく、軽やかに取上げたのが嬉しい。」「それなのにさきへさきへと進むエネルギーが決定的に不足してゐる。読者にとつてこの人物たちは、誰がどうならうと一向かまはない、そんな人たちなのである。」
大庭みな子
女65歳
15 「(引用者注:「豚の報い」か「三月生まれ」の)どちらかであろうと思って選考会に臨んだ。」「読み易く書かれているのに、わずかな襞の間から、奥に絡むものがほの見える感じはなかなかのものだと思った。何人かの人物、殊に中子家の少年たちの姿は鮮やかである。」
大江健三郎
男60歳
4 「(引用者注:原口真智子、中村邦生と共に)自分として書かずにはいられぬ主題にいたるより前に、書き方だけみがいてこられた気がする。」
田久保英夫
男67歳
0  
三浦哲郎
男64歳
0  
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他の候補作
又吉栄喜
「豚の報い」
柳美里
「もやし」
中村邦生
「森への招待」
原口真智子
「クレオメ」
三浦俊彦
「エクリチュール元年」
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候補者・作品
原口真智子女44歳×各選考委員 
「クレオメ」
短篇 83
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
宮本輝
男48歳
3 「マニュアルにのっとって、いちおうそつなく書いているが、そのために印象が薄い」
河野多恵子
女69歳
4 「万一の場合には、『クレオメ』ならば受賞作として認めてもよいつもりだった。読後の印象は今ひとつ物足りなかったが、なかなかの才能と実力を感じさせたからである。」
石原慎太郎
男63歳
0  
日野啓三
男66歳
0  
池澤夏樹
男50歳
3 「細部では本当にうまい。それでも全体の印象が弱い理由はやはり元気の不足ではないのか。」
古井由吉
男58歳
0  
黒井千次
男63歳
0  
丸谷才一
男70歳
10 「親愛感の持てる登場人物たちを描いてゐるし、人生についての感じ方が信頼できる。有望な新人だと思つた。」「調査員の問に答へて、「子供を産まなければ良かったと思うことが時々ある」に○をつけるくだりは、小説に観念を導き入れる工夫として絶妙のものだが、しかしその観念の深まつてゆく道筋がもの足りなかつた。惜しいことをした。」
大庭みな子
女65歳
0  
大江健三郎
男60歳
6 「描写している間いいけれど、そこに朝日の「ひととき」式のコメントが入っては、小説を浅くしてしまう。」
田久保英夫
男67歳
0  
三浦哲郎
男64歳
2 「好感を抱いた」
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他の候補作
又吉栄喜
「豚の報い」
柳美里
「もやし」
中村邦生
「森への招待」
伊井直行
「三月生まれ」
三浦俊彦
「エクリチュール元年」
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候補者・作品
三浦俊彦男36歳×各選考委員 
「エクリチュール元年」
短篇 146
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
宮本輝
男48歳
4 「ペダンティックな論文を小説として読ませることが新しい方法とでも錯覚しているようで、私には鼻持ちならなかった。」
河野多恵子
女69歳
6 「最初の候補作『これは餡パンではない』は次作を期待させたが、回を追って作品の良さが減じてくる。知的で抽象的な創作への意欲が露骨になり、不毛な作品になりだした。残念に思う。」
石原慎太郎
男63歳
0  
日野啓三
男66歳
0  
池澤夏樹
男50歳
5 「劇団に入る試験の寸劇で、芝居ではなくジェスチャーをやっている人のよう。基本になるアイディアにこの長さを維持する力がない。」
古井由吉
男58歳
0  
黒井千次
男63歳
0  
丸谷才一
男70歳
0  
大庭みな子
女65歳
0  
大江健三郎
男60歳
8 「読むにたえるものになるためには、筒井康隆氏のもっとも良質な通俗性が必要で、むしろそれは篤学な研究者なのらしい三浦氏に無縁なものではないか?」
田久保英夫
男67歳
0  
三浦哲郎
男64歳
0  
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他の候補作
又吉栄喜
「豚の報い」
柳美里
「もやし」
中村邦生
「森への招待」
伊井直行
「三月生まれ」
原口真智子
「クレオメ」
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