芥川賞のすべて・のようなもの
第154回
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平成27年/2015年下半期
(平成28年/2016年1月19日決定発表/『文藝春秋』平成28年/2016年3月号選評掲載)
選考委員  宮本輝
男68歳
小川洋子
女53歳
奥泉光
男59歳
山田詠美
女56歳
島田雅彦
男54歳
高樹のぶ子
女69歳
川上弘美
女57歳
堀江敏幸
男52歳
村上龍
男63歳
選評総行数  89 84 83 86 87 81 95 85 75
候補作 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数
滝口悠生 「死んでいない者」
211
男33歳
29 37 19 15 14 9 17 16 51
本谷有希子 「異類婚姻譚」
145
女36歳
20 14 15 10 17 32 13 15 9
石田千 「家へ」
241
女47歳
16 8 27 13 13 16 15 14 0
上田岳弘 「異郷の友人」
243
男36歳
9 8 13 17 23 0 17 14 0
加藤秀行 「シェア」
122
男32歳
12 9 8 17 12 24 7 13 0
松波太郎 「ホモサピエンスの瞬間」
132
男33歳
11 8 13 14 8 0 6 13 0
                 
年齢/枚数の説明   見方・注意点

このページの選評出典:『文藝春秋』平成28年/2016年3月号
1行当たりの文字数:13字


選考委員
宮本輝男68歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
将来性を買う 総行数89 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
滝口悠生
男33歳
29 「(引用者注:「異類婚姻譚」と共に)どちらも手練れで将来性を感じさせる。」「死者は焼かれてどこかへ消えて、生者は葬儀が終われば去って行き、またそれぞれの新しい生を生きていく。その淡々とした営みのなかに人間というもののけなげさをさりげなく描いたとすれば、この作者は相当にしたたかだと感じた。」
本谷有希子
女36歳
20 「(引用者注:「死んでいない者」と共に)どちらも手練れで将来性を感じさせる。」「夫婦の顔が似てくることへの気味悪さが、決してとげとげしくない文章で掘り下げられていくが、読み終えて、なんだかほっこりとした感情を呼び起こすのが不思議だ。その不思議さは論理的に説明できないもので、小説とはそうでなければならないと思う。」
石田千
女47歳
16 「筆力を感じたが、小説全体の「芯」が弱い。その芯の弱さが小説を脆弱にしている。「芯」とはその小説に仕掛けられた地雷のようなものだ。石田さんは自分の地雷を作ってから小説の細部を構築することを考えるべきだと思う。」
上田岳弘
男36歳
9 「前々回の「惑星」と同様に、初めに大きく風呂敷をひろげておいたにもかかわらず、その風呂敷の畳み方に窮して、最後は尻切れとんぼになってしまった。」
加藤秀行
男32歳
12 「これはいい素材を手に入れたと思わせた。しかし、この素材はもっと面白くなる。」「惜しいと思う。」
松波太郎
男33歳
11 「いったいなにを読者にもたらしたかったのかがまったくわからない。鍼やマッサージにおける漢方学的経絡を縷々書いてあっても、それがなんの暗喩なのかがわからない。」
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他の選考委員
小川洋子
奥泉光
山田詠美
島田雅彦
高樹のぶ子
川上弘美
堀江敏幸
村上龍
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選考委員
小川洋子女53歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
目に映ったままをただ見る 総行数84 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
滝口悠生
男33歳
37 「『死んでいない者』を語っているのは誰なのか。もしかしたら滝口さんにも正体は分からないのかもしれない。その不親切ゆえに生じるあいまいさを、私は魅力と受け取った。」「記憶していることより、忘れてしまったことの方がより鮮明な重みを持つ。そのことの不思議を滝口さんは描ける人なのだ。」
本谷有希子
女36歳
14 「旦那が醸し出す空気は気持悪いが、そういう夫を深く考えず丸飲みする妻は更に不気味だ。」「説話の形を借りることで、主人公の自意識が上手くコントロールされていたように思う。」
石田千
女47歳
8 「一番心ひかれたのは、主人公の新太郎ではなく、彼の母親だった。二人の男と内縁関係を結びながら、結局、男に夫の役目を負わせなかった彼女の複雑さに比べ、新太郎の存在感はどこか弱々しい。」
上田岳弘
男36歳
8 「読んでいる間、言葉の力によってしかたどり着けない場所へ連れて行ってもらえない、というもやもやが最後まで拭えなかった。」
加藤秀行
男32歳
9 「小説に必要な要素が見事に揃っている。その見事さが、作品を必要以上にお行儀のいいものにしている気がする。」
松波太郎
男33歳
8 「他人の体に触れつつ、計らずも相手の心の声と交流してしまう設定は、次の作品につながる可能性を秘めている。」
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他の選考委員
宮本輝
奥泉光
山田詠美
島田雅彦
高樹のぶ子
川上弘美
堀江敏幸
村上龍
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選考委員
奥泉光男59歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
奇を衒う 総行数83 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
滝口悠生
男33歳
19 「自在なかたりの構成が小説世界に時空間の広がりを与えることに成功している。」「総じては手法はうまく生かされ、死者も生者も、老人も子供も、人間も事物も等しく存在の輪郭を与えられ、不思議な叙情性のなかで、それぞれが確固たる手触りを伝えてくる。傑作と呼んでよいと思います。」
本谷有希子
女36歳
15 「最後、夫が芍薬の花に変身するところを頂点に、説話の持つ「異界」への感覚がどこまで描き出せているかと、評者としてはどうしても考えてしまうわけで、作者の持つ技術力への評価は前提にしたうえで、自分はやや不足を覚えました。」
石田千
女47歳
27 「一読、退屈な叙述も多く、これは推しにくいかと思ったのだけれど、ていねいに読み進むうちに、読者の労力に応えてくれるだけの魅力が滲み出てくるのを覚えた。単線的な物語を手堅くかたり進めながら、世界の広がりを作り出すリアリズムが、依然有力な技法であると教えてくれた本作を、他に賛同する選考委員があれば受賞作に推してもよいと自分は考えたのだけれど、残念ながらそうした展開にはならなかった。」
上田岳弘
男36歳
13 「(引用者注:「ホモサピエンスの瞬間」と共に)小説らしい企みのある作品だった。しかし、ともにその企みが不発に終わった感が否めない。」
加藤秀行
男32歳
8 「風俗小説として心地よく読み進んでいけはするものの、小説としての企みは少なく、であるならば、文章の推進力やキレがもっと必要なのではないか。」
松波太郎
男33歳
13 「(引用者注:「異郷の友人」と共に)小説らしい企みのある作品だった。しかし、ともにその企みが不発に終わった感が否めない。」
  「奇を衒うことは、小説と云うものの基本であると、自分は考える者である。」
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他の選考委員
宮本輝
小川洋子
山田詠美
島田雅彦
高樹のぶ子
川上弘美
堀江敏幸
村上龍
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選考委員
山田詠美女56歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
選評 総行数86 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
滝口悠生
男33歳
15 「はっとする描写やチャーミングなフレーズがいくつもある。」「数多い親族の人間模様にはさみ込まれる〈はっちゃん〉の登場場面が、何とも味わい深いので、もっと増やして欲しかった。」
本谷有希子
女36歳
10 「これまでの作品のお騒がせドラマクィーンが引っ掻き回す印象とうって変わって、何とも言えないおかしみと薄気味悪さと静かな哀しみのようなものが小説を魅力的にまとめ上げている。」
石田千
女47歳
13 「あえて主語を入れないスタイルが成功しているとは思えない。」「クライマックスの火事に行くまでが長過ぎた。もっと早く燃やしても良いと思った。」
上田岳弘
男36歳
17 「いかすアイディアがいくつも出て来る。」「知識も豊富っぽいし、頭のいい人が書いた小説なんだなーっ。でも、そんな頭のいい人が、何故それらの締めに津波を使ってしまうのか。」
加藤秀行
男32歳
17 「これではエロのない「黒い報告書」。小説とはとても言えない。」「〈人間は哺乳類であって、だからもう鰓呼吸はしないだろう? きっとそういう感じのことだ〉……って、どういう感じ? 〈そういう感じ〉であやふやにしていたら、いつまでたっても小説以前だ。」
松波太郎
男33歳
14 「実験小説まで行き着けず、実験の段階で終わってしまっている。こういうのは、独自のナンセンス加減によるおもしろさがないと。悦に入った作者の得意顔が目に見えるよう。残念ながら全然おもしろくないよ。」
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他の選考委員
宮本輝
小川洋子
奥泉光
島田雅彦
高樹のぶ子
川上弘美
堀江敏幸
村上龍
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選考委員
島田雅彦男54歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
悪政下の文学 総行数87 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
滝口悠生
男33歳
14 「死んでいない者同士が互いを観察し合っているように語り手のポジションが曖昧なところを私は面白がったが、そこに納得がいかなかった人もいた。自分の葬式の一部始終を観察できる人は現実にはいないはずだが、それを小説で試みたら、このようになると思う。」
本谷有希子
女36歳
17 「この脱力ぶりは新境地開拓かと期待したが、夫が芍薬に姿を変えてしまうオチに気持ちよく裏切られた。しかし、このように気に入らない相手をたおやかで人畜無害なものに変えてしまえる魔法が使えたら、真っ先に悪政を敷く奴らを蒲公英にしてやるのにな、といった具合に読者の妄想のスイッチを入れる効果はあった。」
石田千
女47歳
13 「一行一行をおそろかにしない誠実な描写に好感を抱いたが、一族の系図とその記録を延々見せられるのにも似た退屈さがあった。心に突き刺さってくる棘に乏しい小説はやはり弱いのである。」
上田岳弘
男36歳
23 「作者の意識の冒険を読者に追体験させることによって、リアリティを獲得することになっているので、勢い任せで推敲不十分なコトバを放り出せば、読者は唖然と作者の背中を見送るしかない。振り返ると誰もいない孤独を味わうために書いているのでなければ、アイデアマンとしての発想を説得力込みで実らせた方がよい。」
加藤秀行
男32歳
12 「風俗エンターティメントであるが、人間たちの意識の内奥に踏み込むことなく、表面に留まり続けているので物足りなかった。」
松波太郎
男33歳
8 「進化の過程で身体の変形や耐性の獲得とともに病気を背負い込むことになった現生人類の身体感覚をアクションペインティング風に素描してみたかったのだろうが、空振り三振に終わった。」
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他の選考委員
宮本輝
小川洋子
奥泉光
山田詠美
高樹のぶ子
川上弘美
堀江敏幸
村上龍
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選考委員
高樹のぶ子女69歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
美と不気味さ 総行数81 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
滝口悠生
男33歳
9 「心の琴線に触れたのはプレハブに籠もる兄と妹だけで、他はひたすら煩雑だったが、今後に期待して受賞に賛成した。」
本谷有希子
女36歳
32 「捨てられたも同然の男は、心地良さそうにひっそりと花を咲かせている。寄り添う別の花も在り、この風情がなかなか美しい。「美と不気味さ」これは「譚」の成立要素であり、日本説話の伝統から流れ来る地下水脈でもある。作者は意識しないまま汲み上げてしまった。登場人物をすべてカタカナにしたところで、この支配から自由にはなれない。」
石田千
女47歳
16 「人間関係が紛らわしく、名前を書き出して関係図を作らなければ読み進めない。」「読者に人間関係図を強いるほど「純文学」は偉いのか、などと怒るのも大人気無いし。解りやすければ良いものでもないが、伝えたいことのために「可能な限り伝わるように書こう」とする姿勢は必要だろう。」
上田岳弘
男36歳
0  
加藤秀行
男32歳
24 「小説全体も幼いが、ベトナム女性のヴィヴィッドな魅力、迷いの無さを描くことで、日本女性つまり成熟したこの国の迷ってばかりの現状が伝わってくる。」「猟犬のように颯爽とバイクを駆る(引用者注:ベトナム女性の)ミーがカッコ良いのは、エンジンの爆音がアジアの新興エネルギーそのものだからだ。」
松波太郎
男33歳
0  
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他の選考委員
宮本輝
小川洋子
奥泉光
山田詠美
島田雅彦
川上弘美
堀江敏幸
村上龍
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選考委員
川上弘美女57歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
のび 総行数95 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
滝口悠生
男33歳
17 「(引用者注:「何」を「どのように」書くかという、小説にとって大きな問題において)「何」と「どのように」が、ていねいにかつ意外性をもって協同しあっていた。ただ、4章で川に流されていった存在のことを、私は最後まで消化しきれなかったのです。」
本谷有希子
女36歳
13 「(引用者注:「何」を「どのように」書くかという、小説にとって大きな問題において)あざやかな「何」と「どうやって」の協同があった。惜しむらくは、きれいに協同するあまり、作者にも予想できない「のび」のようなものがなかったことでした」「(引用者注:「異郷の友人」と共に)二作を、少しずつ、推しました。」
石田千
女47歳
15 「(引用者注:「何」を「どのように」書くかという、小説にとって大きな問題において)「何」かが、たしかにあった。」「小説全体でもってしかあらわせない複雑な感情もあった。ただ、「どのように」が、小説の中で硬直していたように思うのです。」
上田岳弘
男36歳
17 「(引用者注:「何」を「どのように」書くかという、小説にとって大きな問題において)この小説の「どうやって」と、「何」のつながりかたは、心地よいものでした。ひとことで「何」といえるものではないものを、作者上田さんは、明瞭な「どのように」でもって、広げたり縮めたりしながら表現していった。」「(引用者注:「異類婚姻譚」と共に)二作を、少しずつ、推しました。」
加藤秀行
男32歳
7 「(引用者注:「何」を「どのように」書くかという、小説にとって大きな問題において)そこに最初から「何」かの形がはっきりあると信じている作者が書いたもの、という印象を受けました。でも、読者である私には、その「何」かは見えなかったのです。」
松波太郎
男33歳
6 「(引用者注:「何」を「どのように」書くかという、小説にとって大きな問題において)「どのように」と「何」が、連動しているようで、存外連動できていなかったもどかしさがありました。」
  「「何」を、「どのように」書くのかが、大きな問題なのです。小説にとっては、いつも。」
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他の選考委員
宮本輝
小川洋子
奥泉光
山田詠美
島田雅彦
高樹のぶ子
堀江敏幸
村上龍
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選考委員
堀江敏幸男52歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
短絡の方法 総行数85 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
滝口悠生
男33歳
16 「展開されているのは、孫が十人もいる老人の通夜の席で共有された複数の意識の波を、少し宙に浮いて自在に移動する視点のシェアだ。」「顔の似通った喪服の親族たちが揃って出かける銭湯の湯船にさえ、此岸と彼岸を短絡するしなやかな言葉の仮橋が見える。」
本谷有希子
女36歳
15 「女房になりたい旦那。その旦那に似てしまう女房。合一の危機を回避するには、あいだの橋を破壊するしかない。砕けて生まれた一輪の山芍薬は、異類ではなく立派なホモサピエンスだ。そこが切ない。」
石田千
女47歳
14 「東京の美大の彫刻科で学ぶ語り手が島の木から彫り出そうとするのは、島と本土のあいだにかける橋ではなく、人体という不安定な丸木舟だ。その揺れが全編を浸している。」
上田岳弘
男36歳
14 「「吾輩」と「僕」は「人間」になるだけで、ホモサピエンスにはならない。「吾輩」のかつての姿である猫のように、語りは板塀の上をつたい、あやうい均衡の持続を最後に壊す。見えない他者と意識をシェアするために、それは果たして有効だろうか。」
加藤秀行
男32歳
13 「民泊というグレーゾーンでは、「まず敵を倒し、報告はその後に」する殺伐さが生まれかねない。それを明るさに転じようとしているところに、新しい景色が見える。」
松波太郎
男33歳
13 「指圧師と横になった老人の語りを二層の橋で示しながらも、そこに言葉を通さずに終わる奇妙な世界だ。首と記憶のコリは、最後までほぐれない。」
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他の選考委員
宮本輝
小川洋子
奥泉光
山田詠美
島田雅彦
高樹のぶ子
川上弘美
村上龍
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選考委員
村上龍男63歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
才能とは何か 総行数75 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
滝口悠生
男33歳
51 「意欲的な作品であることは間違いない。問題は、作品の「曖昧な視点」が、読者の暗黙の共感と理解に依存している部分がどのくらいあるか、ということだろう。」「作家が自由なのは、作品のモチーフを選ぶときだけで、あとはそのモチーフが、文体、プロット、構成などを規制する。作品のテーマが、作者の構想、作業を規定するのだ。そういった意味において、『死んでいない者』は、緻密さが不足していると感じた。」
本谷有希子
女36歳
9 「技術がしっかりしていて、ディテールにも無理がなく、好感が持てる作品だった。」「読者の側に立ち、考え抜かれた小説だとわたしは判断し、受賞作として推した。」
石田千
女47歳
0  
上田岳弘
男36歳
0  
加藤秀行
男32歳
0  
松波太郎
男33歳
0  
  「ある選考委員から、ある候補作について、「この作品が意図するところを、作者は充分に描き切れていない」というようなニュアンスの発言があり、わたしは思わず「それって、才能がないということですよね」と、ミもフタもないことを言ってしまった。そのあと、「作家の才能とは何だろう」ということを、選考会が続く間、ぼんやりと考えていた。」「個人的意見だが、作家の才能とは、「どれだけ緻密に、また徹底して、読者・読み手の側に立てるか」ということではないだろうか。言うまでもないことだが、それは「読者へのサービス」などとはまったく意味合いが違う。」
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他の選考委員
宮本輝
小川洋子
奥泉光
山田詠美
島田雅彦
高樹のぶ子
川上弘美
堀江敏幸
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受賞者・作品
滝口悠生男33歳×各選考委員 
「死んでいない者」
中篇 211
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
宮本輝
男68歳
29 「(引用者注:「異類婚姻譚」と共に)どちらも手練れで将来性を感じさせる。」「死者は焼かれてどこかへ消えて、生者は葬儀が終われば去って行き、またそれぞれの新しい生を生きていく。その淡々とした営みのなかに人間というもののけなげさをさりげなく描いたとすれば、この作者は相当にしたたかだと感じた。」
小川洋子
女53歳
37 「『死んでいない者』を語っているのは誰なのか。もしかしたら滝口さんにも正体は分からないのかもしれない。その不親切ゆえに生じるあいまいさを、私は魅力と受け取った。」「記憶していることより、忘れてしまったことの方がより鮮明な重みを持つ。そのことの不思議を滝口さんは描ける人なのだ。」
奥泉光
男59歳
19 「自在なかたりの構成が小説世界に時空間の広がりを与えることに成功している。」「総じては手法はうまく生かされ、死者も生者も、老人も子供も、人間も事物も等しく存在の輪郭を与えられ、不思議な叙情性のなかで、それぞれが確固たる手触りを伝えてくる。傑作と呼んでよいと思います。」
山田詠美
女56歳
15 「はっとする描写やチャーミングなフレーズがいくつもある。」「数多い親族の人間模様にはさみ込まれる〈はっちゃん〉の登場場面が、何とも味わい深いので、もっと増やして欲しかった。」
島田雅彦
男54歳
14 「死んでいない者同士が互いを観察し合っているように語り手のポジションが曖昧なところを私は面白がったが、そこに納得がいかなかった人もいた。自分の葬式の一部始終を観察できる人は現実にはいないはずだが、それを小説で試みたら、このようになると思う。」
高樹のぶ子
女69歳
9 「心の琴線に触れたのはプレハブに籠もる兄と妹だけで、他はひたすら煩雑だったが、今後に期待して受賞に賛成した。」
川上弘美
女57歳
17 「(引用者注:「何」を「どのように」書くかという、小説にとって大きな問題において)「何」と「どのように」が、ていねいにかつ意外性をもって協同しあっていた。ただ、4章で川に流されていった存在のことを、私は最後まで消化しきれなかったのです。」
堀江敏幸
男52歳
16 「展開されているのは、孫が十人もいる老人の通夜の席で共有された複数の意識の波を、少し宙に浮いて自在に移動する視点のシェアだ。」「顔の似通った喪服の親族たちが揃って出かける銭湯の湯船にさえ、此岸と彼岸を短絡するしなやかな言葉の仮橋が見える。」
村上龍
男63歳
51 「意欲的な作品であることは間違いない。問題は、作品の「曖昧な視点」が、読者の暗黙の共感と理解に依存している部分がどのくらいあるか、ということだろう。」「作家が自由なのは、作品のモチーフを選ぶときだけで、あとはそのモチーフが、文体、プロット、構成などを規制する。作品のテーマが、作者の構想、作業を規定するのだ。そういった意味において、『死んでいない者』は、緻密さが不足していると感じた。」
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他の候補作
本谷有希子
「異類婚姻譚」
石田千
「家へ」
上田岳弘
「異郷の友人」
加藤秀行
「シェア」
松波太郎
「ホモサピエンスの瞬間」
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受賞者・作品
本谷有希子女36歳×各選考委員 
「異類婚姻譚」
短篇 145
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
宮本輝
男68歳
20 「(引用者注:「死んでいない者」と共に)どちらも手練れで将来性を感じさせる。」「夫婦の顔が似てくることへの気味悪さが、決してとげとげしくない文章で掘り下げられていくが、読み終えて、なんだかほっこりとした感情を呼び起こすのが不思議だ。その不思議さは論理的に説明できないもので、小説とはそうでなければならないと思う。」
小川洋子
女53歳
14 「旦那が醸し出す空気は気持悪いが、そういう夫を深く考えず丸飲みする妻は更に不気味だ。」「説話の形を借りることで、主人公の自意識が上手くコントロールされていたように思う。」
奥泉光
男59歳
15 「最後、夫が芍薬の花に変身するところを頂点に、説話の持つ「異界」への感覚がどこまで描き出せているかと、評者としてはどうしても考えてしまうわけで、作者の持つ技術力への評価は前提にしたうえで、自分はやや不足を覚えました。」
山田詠美
女56歳
10 「これまでの作品のお騒がせドラマクィーンが引っ掻き回す印象とうって変わって、何とも言えないおかしみと薄気味悪さと静かな哀しみのようなものが小説を魅力的にまとめ上げている。」
島田雅彦
男54歳
17 「この脱力ぶりは新境地開拓かと期待したが、夫が芍薬に姿を変えてしまうオチに気持ちよく裏切られた。しかし、このように気に入らない相手をたおやかで人畜無害なものに変えてしまえる魔法が使えたら、真っ先に悪政を敷く奴らを蒲公英にしてやるのにな、といった具合に読者の妄想のスイッチを入れる効果はあった。」
高樹のぶ子
女69歳
32 「捨てられたも同然の男は、心地良さそうにひっそりと花を咲かせている。寄り添う別の花も在り、この風情がなかなか美しい。「美と不気味さ」これは「譚」の成立要素であり、日本説話の伝統から流れ来る地下水脈でもある。作者は意識しないまま汲み上げてしまった。登場人物をすべてカタカナにしたところで、この支配から自由にはなれない。」
川上弘美
女57歳
13 「(引用者注:「何」を「どのように」書くかという、小説にとって大きな問題において)あざやかな「何」と「どうやって」の協同があった。惜しむらくは、きれいに協同するあまり、作者にも予想できない「のび」のようなものがなかったことでした」「(引用者注:「異郷の友人」と共に)二作を、少しずつ、推しました。」
堀江敏幸
男52歳
15 「女房になりたい旦那。その旦那に似てしまう女房。合一の危機を回避するには、あいだの橋を破壊するしかない。砕けて生まれた一輪の山芍薬は、異類ではなく立派なホモサピエンスだ。そこが切ない。」
村上龍
男63歳
9 「技術がしっかりしていて、ディテールにも無理がなく、好感が持てる作品だった。」「読者の側に立ち、考え抜かれた小説だとわたしは判断し、受賞作として推した。」
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他の候補作
滝口悠生
「死んでいない者」
石田千
「家へ」
上田岳弘
「異郷の友人」
加藤秀行
「シェア」
松波太郎
「ホモサピエンスの瞬間」
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候補者・作品
石田千女47歳×各選考委員 
「家へ」
中篇 241
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
宮本輝
男68歳
16 「筆力を感じたが、小説全体の「芯」が弱い。その芯の弱さが小説を脆弱にしている。「芯」とはその小説に仕掛けられた地雷のようなものだ。石田さんは自分の地雷を作ってから小説の細部を構築することを考えるべきだと思う。」
小川洋子
女53歳
8 「一番心ひかれたのは、主人公の新太郎ではなく、彼の母親だった。二人の男と内縁関係を結びながら、結局、男に夫の役目を負わせなかった彼女の複雑さに比べ、新太郎の存在感はどこか弱々しい。」
奥泉光
男59歳
27 「一読、退屈な叙述も多く、これは推しにくいかと思ったのだけれど、ていねいに読み進むうちに、読者の労力に応えてくれるだけの魅力が滲み出てくるのを覚えた。単線的な物語を手堅くかたり進めながら、世界の広がりを作り出すリアリズムが、依然有力な技法であると教えてくれた本作を、他に賛同する選考委員があれば受賞作に推してもよいと自分は考えたのだけれど、残念ながらそうした展開にはならなかった。」
山田詠美
女56歳
13 「あえて主語を入れないスタイルが成功しているとは思えない。」「クライマックスの火事に行くまでが長過ぎた。もっと早く燃やしても良いと思った。」
島田雅彦
男54歳
13 「一行一行をおそろかにしない誠実な描写に好感を抱いたが、一族の系図とその記録を延々見せられるのにも似た退屈さがあった。心に突き刺さってくる棘に乏しい小説はやはり弱いのである。」
高樹のぶ子
女69歳
16 「人間関係が紛らわしく、名前を書き出して関係図を作らなければ読み進めない。」「読者に人間関係図を強いるほど「純文学」は偉いのか、などと怒るのも大人気無いし。解りやすければ良いものでもないが、伝えたいことのために「可能な限り伝わるように書こう」とする姿勢は必要だろう。」
川上弘美
女57歳
15 「(引用者注:「何」を「どのように」書くかという、小説にとって大きな問題において)「何」かが、たしかにあった。」「小説全体でもってしかあらわせない複雑な感情もあった。ただ、「どのように」が、小説の中で硬直していたように思うのです。」
堀江敏幸
男52歳
14 「東京の美大の彫刻科で学ぶ語り手が島の木から彫り出そうとするのは、島と本土のあいだにかける橋ではなく、人体という不安定な丸木舟だ。その揺れが全編を浸している。」
村上龍
男63歳
0  
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他の候補作
滝口悠生
「死んでいない者」
本谷有希子
「異類婚姻譚」
上田岳弘
「異郷の友人」
加藤秀行
「シェア」
松波太郎
「ホモサピエンスの瞬間」
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候補者・作品
上田岳弘男36歳×各選考委員 
「異郷の友人」
中篇 243
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
宮本輝
男68歳
9 「前々回の「惑星」と同様に、初めに大きく風呂敷をひろげておいたにもかかわらず、その風呂敷の畳み方に窮して、最後は尻切れとんぼになってしまった。」
小川洋子
女53歳
8 「読んでいる間、言葉の力によってしかたどり着けない場所へ連れて行ってもらえない、というもやもやが最後まで拭えなかった。」
奥泉光
男59歳
13 「(引用者注:「ホモサピエンスの瞬間」と共に)小説らしい企みのある作品だった。しかし、ともにその企みが不発に終わった感が否めない。」
山田詠美
女56歳
17 「いかすアイディアがいくつも出て来る。」「知識も豊富っぽいし、頭のいい人が書いた小説なんだなーっ。でも、そんな頭のいい人が、何故それらの締めに津波を使ってしまうのか。」
島田雅彦
男54歳
23 「作者の意識の冒険を読者に追体験させることによって、リアリティを獲得することになっているので、勢い任せで推敲不十分なコトバを放り出せば、読者は唖然と作者の背中を見送るしかない。振り返ると誰もいない孤独を味わうために書いているのでなければ、アイデアマンとしての発想を説得力込みで実らせた方がよい。」
高樹のぶ子
女69歳
0  
川上弘美
女57歳
17 「(引用者注:「何」を「どのように」書くかという、小説にとって大きな問題において)この小説の「どうやって」と、「何」のつながりかたは、心地よいものでした。ひとことで「何」といえるものではないものを、作者上田さんは、明瞭な「どのように」でもって、広げたり縮めたりしながら表現していった。」「(引用者注:「異類婚姻譚」と共に)二作を、少しずつ、推しました。」
堀江敏幸
男52歳
14 「「吾輩」と「僕」は「人間」になるだけで、ホモサピエンスにはならない。「吾輩」のかつての姿である猫のように、語りは板塀の上をつたい、あやうい均衡の持続を最後に壊す。見えない他者と意識をシェアするために、それは果たして有効だろうか。」
村上龍
男63歳
0  
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他の候補作
滝口悠生
「死んでいない者」
本谷有希子
「異類婚姻譚」
石田千
「家へ」
加藤秀行
「シェア」
松波太郎
「ホモサピエンスの瞬間」
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候補者・作品
加藤秀行男32歳×各選考委員 
「シェア」
短篇 122
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
宮本輝
男68歳
12 「これはいい素材を手に入れたと思わせた。しかし、この素材はもっと面白くなる。」「惜しいと思う。」
小川洋子
女53歳
9 「小説に必要な要素が見事に揃っている。その見事さが、作品を必要以上にお行儀のいいものにしている気がする。」
奥泉光
男59歳
8 「風俗小説として心地よく読み進んでいけはするものの、小説としての企みは少なく、であるならば、文章の推進力やキレがもっと必要なのではないか。」
山田詠美
女56歳
17 「これではエロのない「黒い報告書」。小説とはとても言えない。」「〈人間は哺乳類であって、だからもう鰓呼吸はしないだろう? きっとそういう感じのことだ〉……って、どういう感じ? 〈そういう感じ〉であやふやにしていたら、いつまでたっても小説以前だ。」
島田雅彦
男54歳
12 「風俗エンターティメントであるが、人間たちの意識の内奥に踏み込むことなく、表面に留まり続けているので物足りなかった。」
高樹のぶ子
女69歳
24 「小説全体も幼いが、ベトナム女性のヴィヴィッドな魅力、迷いの無さを描くことで、日本女性つまり成熟したこの国の迷ってばかりの現状が伝わってくる。」「猟犬のように颯爽とバイクを駆る(引用者注:ベトナム女性の)ミーがカッコ良いのは、エンジンの爆音がアジアの新興エネルギーそのものだからだ。」
川上弘美
女57歳
7 「(引用者注:「何」を「どのように」書くかという、小説にとって大きな問題において)そこに最初から「何」かの形がはっきりあると信じている作者が書いたもの、という印象を受けました。でも、読者である私には、その「何」かは見えなかったのです。」
堀江敏幸
男52歳
13 「民泊というグレーゾーンでは、「まず敵を倒し、報告はその後に」する殺伐さが生まれかねない。それを明るさに転じようとしているところに、新しい景色が見える。」
村上龍
男63歳
0  
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他の候補作
滝口悠生
「死んでいない者」
本谷有希子
「異類婚姻譚」
石田千
「家へ」
上田岳弘
「異郷の友人」
松波太郎
「ホモサピエンスの瞬間」
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候補者・作品
松波太郎男33歳×各選考委員 
「ホモサピエンスの瞬間」
短篇 132
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
宮本輝
男68歳
11 「いったいなにを読者にもたらしたかったのかがまったくわからない。鍼やマッサージにおける漢方学的経絡を縷々書いてあっても、それがなんの暗喩なのかがわからない。」
小川洋子
女53歳
8 「他人の体に触れつつ、計らずも相手の心の声と交流してしまう設定は、次の作品につながる可能性を秘めている。」
奥泉光
男59歳
13 「(引用者注:「異郷の友人」と共に)小説らしい企みのある作品だった。しかし、ともにその企みが不発に終わった感が否めない。」
山田詠美
女56歳
14 「実験小説まで行き着けず、実験の段階で終わってしまっている。こういうのは、独自のナンセンス加減によるおもしろさがないと。悦に入った作者の得意顔が目に見えるよう。残念ながら全然おもしろくないよ。」
島田雅彦
男54歳
8 「進化の過程で身体の変形や耐性の獲得とともに病気を背負い込むことになった現生人類の身体感覚をアクションペインティング風に素描してみたかったのだろうが、空振り三振に終わった。」
高樹のぶ子
女69歳
0  
川上弘美
女57歳
6 「(引用者注:「何」を「どのように」書くかという、小説にとって大きな問題において)「どのように」と「何」が、連動しているようで、存外連動できていなかったもどかしさがありました。」
堀江敏幸
男52歳
13 「指圧師と横になった老人の語りを二層の橋で示しながらも、そこに言葉を通さずに終わる奇妙な世界だ。首と記憶のコリは、最後までほぐれない。」
村上龍
男63歳
0  
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他の候補作
滝口悠生
「死んでいない者」
本谷有希子
「異類婚姻譚」
石田千
「家へ」
上田岳弘
「異郷の友人」
加藤秀行
「シェア」
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