芥川賞のすべて・のようなもの
第31回
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昭和29年/1954年上半期
(昭和29年/1954年7月21日決定発表/『文藝春秋』昭和29年/1954年9月号選評掲載)
選考委員  石川達三
男49歳
佐藤春夫
男62歳
宇野浩二
男62歳
舟橋聖一
男49歳
丹羽文雄
男49歳
川端康成
男55歳
瀧井孝作
男60歳
坂口安吾
男47歳
選評総行数  35 31 56 39 41 27 29  
選評なし
候補作 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数
吉行淳之介 「驟雨」他
48
男30歳
7 11 6 10 15 7 6    
曾野綾子 「遠来の客たち」
79
女22歳
21 12 6 7 13 3 7    
野口冨士男 「耳のなかの風の声」
64
男43歳
0 0 5 14 0 0 4    
江口榛一 「近所合壁」
62
男40歳
0 0 4 11 0 0 0    
庄野潤三 「黒い牧師」等
137
男33歳
0 6 6 2 0 2 3    
小沼丹 「村のエトランジェ」
56
男35歳
2 9 7 3 0 2 5    
富士正晴 「競輪」
121
男40歳
0 0 9 0 0 0 0    
大田洋子 「半人間」
122
女50歳
3 0 6 0 0 2 0    
小島信夫 「星」等
100
男39歳
0 0 7 0 0 0 3    
鎌原正巳 「土左日記」
78
男49歳
0 0 2 0 0 0 2    
曾田文子 「引越前後」
83
女29歳
0 0 3 0 0 0 0    
松谷文吾 「たき女抄」
23
男(51歳)
0 2 5 0 8 0 3    
川上宗薫 「その掟」
105
男30歳
8 0 4 0 5 3 3    
              欠席
年齢/枚数の説明   見方・注意点

このページの選評出典:『芥川賞全集 第五巻』昭和57年/1982年6月・文藝春秋刊 再録(初出:『文藝春秋』昭和29年/1954年9月号)
1行当たりの文字数:26字


選考委員
石川達三男49歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
少数意見 総行数35 (1行=26字)
候補 評価 行数 評言
吉行淳之介
男30歳
7 「委員会の翌日、もう一度(驟雨)を読んでみたが、私には満足できなかった。吉行君には気の毒だが、この当選作について世評は芳しくあるまいと想像する。」「しかし当選と定ったからには今後の吉行君の努力、殊に文学態度についての反省を望みたい。」
曾野綾子
女22歳
21 「二つ(引用者注:「遠来の客たち」「その掟」)を支持したのは丹羽君と私だけであったのは意外だった。」「(遠来の客たち)の新しさについて、私と丹羽君だけが強く認めたのに、他の誰もが認めなかった。」「これこそは戦後のものであって、私には舟橋君にも宇野浩二さんにも書けない新しい性格の文学だと思う。」「私にとって、又は今日までの日本文学にとって、「異種」である。」「作者がまだ二十三歳ぐらいの若い人だから、今度は見送って、今後の成長を見ようという説もあったが、単に年が若いというだけのことがハンディキャップになる筈はない。」
野口冨士男
男43歳
0  
江口榛一
男40歳
0  
庄野潤三
男33歳
0  
小沼丹
男35歳
2 「私の考えでは(村のエトランジェ)(遠来の客たち)(その掟)この三つの中だと思っていた。」
富士正晴
男40歳
0  
大田洋子
女50歳
3 「もはや新人ではない堂々たる作家であるという意味から除外された。落選ではない。落選と思われては気の毒だから付記しておく。」
小島信夫
男39歳
0  
鎌原正巳
男49歳
0  
曾田文子
女29歳
0  
松谷文吾
男(51歳)
0  
川上宗薫
男30歳
8 「二つ(引用者注:「遠来の客たち」「その掟」)を支持したのは丹羽君と私だけであったのは意外だった。作家としての力倆から言えば(その掟)が第一だ。」「こういう感覚的な描写が案外委員に支持されていないということを知ったのは、私にとって一つの勉強になった。だが、この作者は必らず伸びる。」
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他の選考委員
佐藤春夫
宇野浩二
舟橋聖一
丹羽文雄
川端康成
瀧井孝作
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選考委員
佐藤春夫男62歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
曾野・小沼・吉行・庄野 総行数31 (1行=26字)
候補 評価 行数 評言
吉行淳之介
男30歳
11 「候補作家の古顔でもあり、今回の作は同君の作としても傑作、また今回の最優秀作というのではなくとも、一作毎に商量の跡もあり作に気品も加えたから「驟雨」その他の作者として当選したのは決して不当ではあるまい。幸い一しお奮励して乃父の遺業を遂げよという席上一同の期待にそむかざらん事を。」
曾野綾子
女22歳
12 「題からして心憎い作品で、余も喜んで読み、一つの新しい境地を拓いたものと思い、淡々たる叙述の間に閃くものを認めては必ずしも駐留軍の人々という取材の新しさだけでも無いとは思うが、作者は弱年でもありこの一作だけで急いで授賞するにも及ぶまい。」「もう一作これ程の作があれば当選は誰しも異議のないところであろう。」
野口冨士男
男43歳
0  
江口榛一
男40歳
0  
庄野潤三
男33歳
6 「「黒い牧師」を優秀な作と思い、他の二作をマイナスとする衆議にも一応は注釈を施して置いたが、敢てそれ以上に衆議に抗しなかった。前回の「流木」以来庄野はも早授賞を要しない文壇の座を獲ている。黙ってほって置いても発育すると信じて、今更屋上に屋を築く必要を認めなかったからである。」
小沼丹
男35歳
9 「好もしく軽妙に手なれた作である。井伏の影響が多すぎるような意見もあったが余はそうも思わず、一般の少年ものという以上に独自の詩趣も認めたが、推賞には(引用者中略)もう一度様子を見て後でもよくはないかという気がした。」
富士正晴
男40歳
0  
大田洋子
女50歳
0  
小島信夫
男39歳
0  
鎌原正巳
男49歳
0  
曾田文子
女29歳
0  
松谷文吾
男(51歳)
2 「松谷文吾君の「たき女抄」もよかった。」
川上宗薫
男30歳
0  
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他の選考委員
石川達三
宇野浩二
舟橋聖一
丹羽文雄
川端康成
瀧井孝作
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選考委員
宇野浩二男62歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
読後感 総行数56 (1行=26字)
候補 評価 行数 評言
吉行淳之介
男30歳
6 「この小説だけでは推薦しにくいけれど、この前に何度か候補になった幾つかの作品より、いくらか上手になっている上に、作品としても増しなものである、それで、「吉行のこれまでの努力と勉強に対して。」という事に、銓衡委員たちがはげしく討論した上で、やっと、こんどの『芥川賞』と極まったのである。」
曾野綾子
女22歳
6 「今度の数多い作品のなかで一ばん新鮮味が感じられた、これは、と思わせられるようなところがあった。しかし、まだたどたどしいところがあって、この小説ひとつ読んだだけでは推奨できない。」
野口冨士男
男43歳
5 「筆法もまず熟練しており、題材も一と通り器用にまとめられており、心を打たれるところもあるが、何か肝心のものが欠けている。」「それに、この作家の小説を今さら芥川賞……という説が出て、私もそれに同感した。」
江口榛一
男40歳
4 「題材は変っていて面白く、それをまず面白く書いてはいるが、それを書く作者の心がまえがよくない、全体に悪ふざけをしているのがよくない。」
庄野潤三
男33歳
6 「『黒い牧師』は、この作者としては一と工夫も二た工夫もしたものであろう。そうして、それだけの甲斐はいくらかあった。しかし、この小説は、この前に候補になった作品より、しいて比較すれば、いくらか落ちる。その上、参考作品の『桃李』『団欒』が少し手軽すぎる。」
小沼丹
男35歳
7 「諧謔のある作品の少ない日本の文壇では、まず珍しいものであろう、作者もそれを狙っているのであろう。それとしてこの小説はちょいと面白く出来ている。しかし、肝心の人間たちが殆んど書けていないためか、目のある読者には、作者がいたずらに諧謔を弄していることが見えすく。これが困りものである。」
富士正晴
男40歳
9 「よい意味の諷刺などは殆んど全くなく、題材は市井の庶民の風変りの生活であるから面白いものであるのに、それを殊更に面白おかしそうに書きまくり、その上いたるところに露骨にイデオロギイが振りかざしてあるので、読者をうんざりさせる。これではどうにもならぬ。」
大田洋子
女50歳
6 「(引用者注:この作家の小説を今さら芥川賞でもあるまいという理由で)除外されることになった。私は、作者がこういう小説を書こうとした事は大へん結構であると思うが、肝心の書き方があまり旨くないのを残念に思った。」
小島信夫
男39歳
7 「『星』は、なかなか工夫をこらしたものではあるが、この前の候補になった『吃音学院』などより、出来がわるい、それに、この小説よりもっと出来そこないの、参考作品、『殉教』などを読むと、この人はわざと分かりにくく書いているのではないか、とさえ思われる。」
鎌原正巳
男49歳
2 「感じはわるくないが、それだけで、小説としては物たりない。」
曾田文子
女29歳
3 「一と通り書けてあるというだけで、これでは、いくら甘く考えても、凡作である。」
松谷文吾
男(51歳)
5 「すらすら読める、器用に書いてある、しかし、それだけで、読んでしまってから、後に残るものがない、それは、筋の面白さだけを考えて肝心の「人間」を書くことが疎になったからであろう。」
川上宗薫
男30歳
4 「丹念に、克明に、書いてあるので、主人公その他の人たちの気もちは、或る程度までわかるけれど、又、あまりに作者があまり意気ごんで書いたために、折角の小説を読みづらくした。」
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他の選考委員
石川達三
佐藤春夫
舟橋聖一
丹羽文雄
川端康成
瀧井孝作
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選考委員
舟橋聖一男49歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
野口・江口・吉行 総行数39 (1行=26字)
候補 評価 行数 評言
吉行淳之介
男30歳
10 「僅かな差で、吉行が小沼を競りおとした。」「前に、小生が「原色の街」を推したときは、反対が多かったのに「驟雨」は、「原色の街」ほどいいものではないが、認められたのは、一寸皮肉な気がする。」「故吉行エイスケとは、新興芸術派時代「近代生活」の同人であった。その子淳之介は病体である。これで元気になって、快方に向いて貰わなければならない。」
曾野綾子
女22歳
7 「曾野を一緒に一所けんめいに推していた丹羽と石川が、曾野が落ちたので大層口惜しがり、「あとは棄権じゃ」と云って二人共、席を立ってトイレットへ入ってしまったのは、ユーモラスな風景であった。」
野口冨士男
男43歳
14 「野口と江口を推した。」「野口は、一時スランプだった。病気ばかりしているし、書くものにも精気がなかったが「耳の中の風の声」から、スランプを脱し、立直りを示した。ここらで元気をつけてやれば、更にいいものを書き、中堅作家として、地味であるが、真面目な仕事をやりそうな気がする。」
江口榛一
男40歳
11 「野口と江口を推した。」「江口は文章上手である。よく読ませる。そして、有情滑稽がある。泡鳴も文壇人にきらわれたが、文壇人の江口に対する評価には、誤解が少くないのではないか。もっとも彼は、度々、禁酒を宣言するが、すぐ破ってしまう。酒癖がいいとは云えない。」「面白く読んだ。」
庄野潤三
男33歳
2 「野口、吉行、曾野、小沼、庄野あたりが競合ったが、つづいて野口、庄野、曾野が落ちた。」
小沼丹
男35歳
3 「僅かな差で、吉行が小沼を競りおとした。」
富士正晴
男40歳
0  
大田洋子
女50歳
0  
小島信夫
男39歳
0  
鎌原正巳
男49歳
0  
曾田文子
女29歳
0  
松谷文吾
男(51歳)
0  
川上宗薫
男30歳
0  
  「今度の銓衡は、稀れに見る白熱戦だった。」
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他の選考委員
石川達三
佐藤春夫
宇野浩二
丹羽文雄
川端康成
瀧井孝作
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選考委員
丹羽文雄男49歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
曾野綾子を推す 総行数41 (1行=26字)
候補 評価 行数 評言
吉行淳之介
男30歳
15 「他に推薦作のない場合は、私も吉行の度々の候補作を出した功績に対して授賞ということに吝ではないが、曾野綾子がある以上、不賛成であった。ことに「薔薇」はみとめない。」
曾野綾子
女22歳
13 「断然光っている。」「新鮮な感覚であり、感度もユニークである。これは素質的のものではないか。」「そんなに天才じゃないですよ、丹羽君の好きな作品でしょうと川端さんは笑ったが、惚れこんだ私はすこしも後悔していない。」「瀧井、佐藤両氏も一応はみとめてはいた。が、この一作だけでは心細い、見送ると言うのである。私も時々は見送る場合はあるが、これは見送る必要はないと抗弁した。」
野口冨士男
男43歳
0  
江口榛一
男40歳
0  
庄野潤三
男33歳
0  
小沼丹
男35歳
0  
富士正晴
男40歳
0  
大田洋子
女50歳
0  
小島信夫
男39歳
0  
鎌原正巳
男49歳
0  
曾田文子
女29歳
0  
松谷文吾
男(51歳)
8 「佐藤(引用者注:春夫)さんは「たき女抄」をこれでよいとほめた。私は、キリシタンのたき女が家康の妾になることに苦悶があるはずだ、それがあれば最後の島流しもひきたつと主張したところ、たき女の書くのが作者の目的でなく、家康から見たたき女だからこのままでよいと言った。」
川上宗薫
男30歳
5 「川上宗薫の「その掟」もよかった。」「なかなか勉強家である。勉強のあとがギザギザになって残っているところが気になったが、この人はこれからがたのしみである。」
  「意見の合ったことのない石川達三と完全に同意見であったのは愉快であった。」
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他の選考委員
石川達三
佐藤春夫
宇野浩二
舟橋聖一
川端康成
瀧井孝作
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選考委員
川端康成男55歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
作品より作家を 総行数27 (1行=26字)
候補 評価 行数 評言
吉行淳之介
男30歳
7 「候補作だけを考えていると、私は推すものがないので、候補の一作だけでなく候補作家という考えにひろめて、吉行淳之介氏を推すことにきめた。一旦そうきめると、吉行氏の他にはないと思った。吉行氏の「驟雨」の多少の物足りなさは、私たちの知る吉行氏のその他の作品が補ってくれる。」
曾野綾子
女22歳
3 「一作を決定打とするには不安である。」「作者の才能は感じられる。」
野口冨士男
男43歳
0  
江口榛一
男40歳
0  
庄野潤三
男33歳
2 「「桃李」「団欒」は安易過ぎるとしても、「黒い牧師」は認められる。」
小沼丹
男35歳
2 「一作を決定打とするには不安である。」
富士正晴
男40歳
0  
大田洋子
女50歳
2 「今回も私は特に推したい作品は見出せなかった。(大田洋子氏の「半人間」は別である。)」
小島信夫
男39歳
0  
鎌原正巳
男49歳
0  
曾田文子
女29歳
0  
松谷文吾
男(51歳)
0  
川上宗薫
男30歳
3 「川上宗薫氏の心理手法にも、私は興味をひかれたが、習作のように読まれるところがある。」
  「残念ながら、今回も私は特に推したい作品は見出せなかった。(引用者中略)総じて気力に乏しく、新人としての個性も強くないと思った。」「いい作品が出るまで、何回でも待つとの考えもあるが、半年間の作品のうちから必ず選ぶとの考えもある。私はむしろ後者の考えが、このような賞だとする。」
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他の選考委員
石川達三
佐藤春夫
宇野浩二
舟橋聖一
丹羽文雄
瀧井孝作
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選考委員
瀧井孝作男60歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
前作を超える佳い作 総行数29 (1行=26字)
候補 評価 行数 評言
吉行淳之介
男30歳
6 「『驟雨』は、以前の候補作『原色の街』と似た素材だが、野獣派風の荒い筆触の前作よりは、亦幾分うまくなったようで、前作よりは佳いという点で、採ればとれるかと思った。」
曾野綾子
女22歳
7 「素材は佳いが、文章は生ぬるい。文章にはまだ自覚がない、少女小説と見た。この人は未だ若いし今回は見送ってもよかろうと思った。」
野口冨士男
男43歳
4 「前に読んだ時は、左程に思わず、いまこれを書きながら再読して、地味だが、力がこもっていると分り、これを推せばよかった、惜しい事をした、作者にもすまなかったと思った。」
江口榛一
男40歳
0  
庄野潤三
男33歳
3 「前回の作品の方が佳かった。前作を超える佳作を出すことは、余程精進しなければ、安易な心持では不可のようだ。」
小沼丹
男35歳
5 「小沼氏の作は、文藝の六月号の『汽船』という短篇もよんで、これもユーモラスな筆で面白かったので、この独特の持味のある人もよかろうかと思った。」
富士正晴
男40歳
0  
大田洋子
女50歳
0  
小島信夫
男39歳
3 「前回の作品の方が佳かった。前作を超える佳作を出すことは、余程精進しなければ、安易な心持では不可のようだ。」
鎌原正巳
男49歳
2 「しずかな美しい作だが、紀行随筆とみられて、殆ど賛成がなかった。」
曾田文子
女29歳
0  
松谷文吾
男(51歳)
3 「簡素な描写の歴史小説。これは佳いが、この小品一つより知らないから、これだけでは推せなかった。」
川上宗薫
男30歳
3 「恋愛の三角関係四角関係を執拗に追求してある、この手法の意欲は認めるが、好もしい出来栄とは云えなかった。」
  「今回は、沢山候補作が出たが、各々一寸佳い位の所で、特にこれと云う抽ん出た作はなく、私は今回も当選なしかと考えられた。」
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他の選考委員
石川達三
佐藤春夫
宇野浩二
舟橋聖一
丹羽文雄
川端康成
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受賞者・作品
吉行淳之介男30歳×各選考委員 
「驟雨」他
短篇 48
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
石川達三
男49歳
7 「委員会の翌日、もう一度(驟雨)を読んでみたが、私には満足できなかった。吉行君には気の毒だが、この当選作について世評は芳しくあるまいと想像する。」「しかし当選と定ったからには今後の吉行君の努力、殊に文学態度についての反省を望みたい。」
佐藤春夫
男62歳
11 「候補作家の古顔でもあり、今回の作は同君の作としても傑作、また今回の最優秀作というのではなくとも、一作毎に商量の跡もあり作に気品も加えたから「驟雨」その他の作者として当選したのは決して不当ではあるまい。幸い一しお奮励して乃父の遺業を遂げよという席上一同の期待にそむかざらん事を。」
宇野浩二
男62歳
6 「この小説だけでは推薦しにくいけれど、この前に何度か候補になった幾つかの作品より、いくらか上手になっている上に、作品としても増しなものである、それで、「吉行のこれまでの努力と勉強に対して。」という事に、銓衡委員たちがはげしく討論した上で、やっと、こんどの『芥川賞』と極まったのである。」
舟橋聖一
男49歳
10 「僅かな差で、吉行が小沼を競りおとした。」「前に、小生が「原色の街」を推したときは、反対が多かったのに「驟雨」は、「原色の街」ほどいいものではないが、認められたのは、一寸皮肉な気がする。」「故吉行エイスケとは、新興芸術派時代「近代生活」の同人であった。その子淳之介は病体である。これで元気になって、快方に向いて貰わなければならない。」
丹羽文雄
男49歳
15 「他に推薦作のない場合は、私も吉行の度々の候補作を出した功績に対して授賞ということに吝ではないが、曾野綾子がある以上、不賛成であった。ことに「薔薇」はみとめない。」
川端康成
男55歳
7 「候補作だけを考えていると、私は推すものがないので、候補の一作だけでなく候補作家という考えにひろめて、吉行淳之介氏を推すことにきめた。一旦そうきめると、吉行氏の他にはないと思った。吉行氏の「驟雨」の多少の物足りなさは、私たちの知る吉行氏のその他の作品が補ってくれる。」
瀧井孝作
男60歳
6 「『驟雨』は、以前の候補作『原色の街』と似た素材だが、野獣派風の荒い筆触の前作よりは、亦幾分うまくなったようで、前作よりは佳いという点で、採ればとれるかと思った。」
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他の候補作
曾野綾子
「遠来の客たち」
野口冨士男
「耳のなかの風の声」
江口榛一
「近所合壁」
庄野潤三
「黒い牧師」等
小沼丹
「村のエトランジェ」
富士正晴
「競輪」
大田洋子
「半人間」
小島信夫
「星」等
鎌原正巳
「土左日記」
曾田文子
「引越前後」
松谷文吾
「たき女抄」
川上宗薫
「その掟」
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候補者・作品
曾野綾子女22歳×各選考委員 
「遠来の客たち」
短篇 79
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
石川達三
男49歳
21 「二つ(引用者注:「遠来の客たち」「その掟」)を支持したのは丹羽君と私だけであったのは意外だった。」「(遠来の客たち)の新しさについて、私と丹羽君だけが強く認めたのに、他の誰もが認めなかった。」「これこそは戦後のものであって、私には舟橋君にも宇野浩二さんにも書けない新しい性格の文学だと思う。」「私にとって、又は今日までの日本文学にとって、「異種」である。」「作者がまだ二十三歳ぐらいの若い人だから、今度は見送って、今後の成長を見ようという説もあったが、単に年が若いというだけのことがハンディキャップになる筈はない。」
佐藤春夫
男62歳
12 「題からして心憎い作品で、余も喜んで読み、一つの新しい境地を拓いたものと思い、淡々たる叙述の間に閃くものを認めては必ずしも駐留軍の人々という取材の新しさだけでも無いとは思うが、作者は弱年でもありこの一作だけで急いで授賞するにも及ぶまい。」「もう一作これ程の作があれば当選は誰しも異議のないところであろう。」
宇野浩二
男62歳
6 「今度の数多い作品のなかで一ばん新鮮味が感じられた、これは、と思わせられるようなところがあった。しかし、まだたどたどしいところがあって、この小説ひとつ読んだだけでは推奨できない。」
舟橋聖一
男49歳
7 「曾野を一緒に一所けんめいに推していた丹羽と石川が、曾野が落ちたので大層口惜しがり、「あとは棄権じゃ」と云って二人共、席を立ってトイレットへ入ってしまったのは、ユーモラスな風景であった。」
丹羽文雄
男49歳
13 「断然光っている。」「新鮮な感覚であり、感度もユニークである。これは素質的のものではないか。」「そんなに天才じゃないですよ、丹羽君の好きな作品でしょうと川端さんは笑ったが、惚れこんだ私はすこしも後悔していない。」「瀧井、佐藤両氏も一応はみとめてはいた。が、この一作だけでは心細い、見送ると言うのである。私も時々は見送る場合はあるが、これは見送る必要はないと抗弁した。」
川端康成
男55歳
3 「一作を決定打とするには不安である。」「作者の才能は感じられる。」
瀧井孝作
男60歳
7 「素材は佳いが、文章は生ぬるい。文章にはまだ自覚がない、少女小説と見た。この人は未だ若いし今回は見送ってもよかろうと思った。」
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他の候補作
吉行淳之介
「驟雨」他
野口冨士男
「耳のなかの風の声」
江口榛一
「近所合壁」
庄野潤三
「黒い牧師」等
小沼丹
「村のエトランジェ」
富士正晴
「競輪」
大田洋子
「半人間」
小島信夫
「星」等
鎌原正巳
「土左日記」
曾田文子
「引越前後」
松谷文吾
「たき女抄」
川上宗薫
「その掟」
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候補者・作品
野口冨士男男43歳×各選考委員 
「耳のなかの風の声」
短篇 64
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
石川達三
男49歳
0  
佐藤春夫
男62歳
0  
宇野浩二
男62歳
5 「筆法もまず熟練しており、題材も一と通り器用にまとめられており、心を打たれるところもあるが、何か肝心のものが欠けている。」「それに、この作家の小説を今さら芥川賞……という説が出て、私もそれに同感した。」
舟橋聖一
男49歳
14 「野口と江口を推した。」「野口は、一時スランプだった。病気ばかりしているし、書くものにも精気がなかったが「耳の中の風の声」から、スランプを脱し、立直りを示した。ここらで元気をつけてやれば、更にいいものを書き、中堅作家として、地味であるが、真面目な仕事をやりそうな気がする。」
丹羽文雄
男49歳
0  
川端康成
男55歳
0  
瀧井孝作
男60歳
4 「前に読んだ時は、左程に思わず、いまこれを書きながら再読して、地味だが、力がこもっていると分り、これを推せばよかった、惜しい事をした、作者にもすまなかったと思った。」
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他の候補作
吉行淳之介
「驟雨」他
曾野綾子
「遠来の客たち」
江口榛一
「近所合壁」
庄野潤三
「黒い牧師」等
小沼丹
「村のエトランジェ」
富士正晴
「競輪」
大田洋子
「半人間」
小島信夫
「星」等
鎌原正巳
「土左日記」
曾田文子
「引越前後」
松谷文吾
「たき女抄」
川上宗薫
「その掟」
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候補者・作品
江口榛一男40歳×各選考委員 
「近所合壁」
短篇 62
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
石川達三
男49歳
0  
佐藤春夫
男62歳
0  
宇野浩二
男62歳
4 「題材は変っていて面白く、それをまず面白く書いてはいるが、それを書く作者の心がまえがよくない、全体に悪ふざけをしているのがよくない。」
舟橋聖一
男49歳
11 「野口と江口を推した。」「江口は文章上手である。よく読ませる。そして、有情滑稽がある。泡鳴も文壇人にきらわれたが、文壇人の江口に対する評価には、誤解が少くないのではないか。もっとも彼は、度々、禁酒を宣言するが、すぐ破ってしまう。酒癖がいいとは云えない。」「面白く読んだ。」
丹羽文雄
男49歳
0  
川端康成
男55歳
0  
瀧井孝作
男60歳
0  
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他の候補作
吉行淳之介
「驟雨」他
曾野綾子
「遠来の客たち」
野口冨士男
「耳のなかの風の声」
庄野潤三
「黒い牧師」等
小沼丹
「村のエトランジェ」
富士正晴
「競輪」
大田洋子
「半人間」
小島信夫
「星」等
鎌原正巳
「土左日記」
曾田文子
「引越前後」
松谷文吾
「たき女抄」
川上宗薫
「その掟」
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候補者・作品
庄野潤三男33歳×各選考委員 
「黒い牧師」等
短篇3篇 137
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
石川達三
男49歳
0  
佐藤春夫
男62歳
6 「「黒い牧師」を優秀な作と思い、他の二作をマイナスとする衆議にも一応は注釈を施して置いたが、敢てそれ以上に衆議に抗しなかった。前回の「流木」以来庄野はも早授賞を要しない文壇の座を獲ている。黙ってほって置いても発育すると信じて、今更屋上に屋を築く必要を認めなかったからである。」
宇野浩二
男62歳
6 「『黒い牧師』は、この作者としては一と工夫も二た工夫もしたものであろう。そうして、それだけの甲斐はいくらかあった。しかし、この小説は、この前に候補になった作品より、しいて比較すれば、いくらか落ちる。その上、参考作品の『桃李』『団欒』が少し手軽すぎる。」
舟橋聖一
男49歳
2 「野口、吉行、曾野、小沼、庄野あたりが競合ったが、つづいて野口、庄野、曾野が落ちた。」
丹羽文雄
男49歳
0  
川端康成
男55歳
2 「「桃李」「団欒」は安易過ぎるとしても、「黒い牧師」は認められる。」
瀧井孝作
男60歳
3 「前回の作品の方が佳かった。前作を超える佳作を出すことは、余程精進しなければ、安易な心持では不可のようだ。」
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他の候補作
吉行淳之介
「驟雨」他
曾野綾子
「遠来の客たち」
野口冨士男
「耳のなかの風の声」
江口榛一
「近所合壁」
小沼丹
「村のエトランジェ」
富士正晴
「競輪」
大田洋子
「半人間」
小島信夫
「星」等
鎌原正巳
「土左日記」
曾田文子
「引越前後」
松谷文吾
「たき女抄」
川上宗薫
「その掟」
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候補者・作品
小沼丹男35歳×各選考委員 
「村のエトランジェ」
短篇 56
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
石川達三
男49歳
2 「私の考えでは(村のエトランジェ)(遠来の客たち)(その掟)この三つの中だと思っていた。」
佐藤春夫
男62歳
9 「好もしく軽妙に手なれた作である。井伏の影響が多すぎるような意見もあったが余はそうも思わず、一般の少年ものという以上に独自の詩趣も認めたが、推賞には(引用者中略)もう一度様子を見て後でもよくはないかという気がした。」
宇野浩二
男62歳
7 「諧謔のある作品の少ない日本の文壇では、まず珍しいものであろう、作者もそれを狙っているのであろう。それとしてこの小説はちょいと面白く出来ている。しかし、肝心の人間たちが殆んど書けていないためか、目のある読者には、作者がいたずらに諧謔を弄していることが見えすく。これが困りものである。」
舟橋聖一
男49歳
3 「僅かな差で、吉行が小沼を競りおとした。」
丹羽文雄
男49歳
0  
川端康成
男55歳
2 「一作を決定打とするには不安である。」
瀧井孝作
男60歳
5 「小沼氏の作は、文藝の六月号の『汽船』という短篇もよんで、これもユーモラスな筆で面白かったので、この独特の持味のある人もよかろうかと思った。」
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他の候補作
吉行淳之介
「驟雨」他
曾野綾子
「遠来の客たち」
野口冨士男
「耳のなかの風の声」
江口榛一
「近所合壁」
庄野潤三
「黒い牧師」等
富士正晴
「競輪」
大田洋子
「半人間」
小島信夫
「星」等
鎌原正巳
「土左日記」
曾田文子
「引越前後」
松谷文吾
「たき女抄」
川上宗薫
「その掟」
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候補者・作品
富士正晴男40歳×各選考委員 
「競輪」
短篇 121
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
石川達三
男49歳
0  
佐藤春夫
男62歳
0  
宇野浩二
男62歳
9 「よい意味の諷刺などは殆んど全くなく、題材は市井の庶民の風変りの生活であるから面白いものであるのに、それを殊更に面白おかしそうに書きまくり、その上いたるところに露骨にイデオロギイが振りかざしてあるので、読者をうんざりさせる。これではどうにもならぬ。」
舟橋聖一
男49歳
0  
丹羽文雄
男49歳
0  
川端康成
男55歳
0  
瀧井孝作
男60歳
0  
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他の候補作
吉行淳之介
「驟雨」他
曾野綾子
「遠来の客たち」
野口冨士男
「耳のなかの風の声」
江口榛一
「近所合壁」
庄野潤三
「黒い牧師」等
小沼丹
「村のエトランジェ」
大田洋子
「半人間」
小島信夫
「星」等
鎌原正巳
「土左日記」
曾田文子
「引越前後」
松谷文吾
「たき女抄」
川上宗薫
「その掟」
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候補者・作品
大田洋子女50歳×各選考委員 
「半人間」
短篇 122
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
石川達三
男49歳
3 「もはや新人ではない堂々たる作家であるという意味から除外された。落選ではない。落選と思われては気の毒だから付記しておく。」
佐藤春夫
男62歳
0  
宇野浩二
男62歳
6 「(引用者注:この作家の小説を今さら芥川賞でもあるまいという理由で)除外されることになった。私は、作者がこういう小説を書こうとした事は大へん結構であると思うが、肝心の書き方があまり旨くないのを残念に思った。」
舟橋聖一
男49歳
0  
丹羽文雄
男49歳
0  
川端康成
男55歳
2 「今回も私は特に推したい作品は見出せなかった。(大田洋子氏の「半人間」は別である。)」
瀧井孝作
男60歳
0  
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他の候補作
吉行淳之介
「驟雨」他
曾野綾子
「遠来の客たち」
野口冨士男
「耳のなかの風の声」
江口榛一
「近所合壁」
庄野潤三
「黒い牧師」等
小沼丹
「村のエトランジェ」
富士正晴
「競輪」
小島信夫
「星」等
鎌原正巳
「土左日記」
曾田文子
「引越前後」
松谷文吾
「たき女抄」
川上宗薫
「その掟」
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候補者・作品
小島信夫男39歳×各選考委員 
「星」等
短篇2篇 100
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
石川達三
男49歳
0  
佐藤春夫
男62歳
0  
宇野浩二
男62歳
7 「『星』は、なかなか工夫をこらしたものではあるが、この前の候補になった『吃音学院』などより、出来がわるい、それに、この小説よりもっと出来そこないの、参考作品、『殉教』などを読むと、この人はわざと分かりにくく書いているのではないか、とさえ思われる。」
舟橋聖一
男49歳
0  
丹羽文雄
男49歳
0  
川端康成
男55歳
0  
瀧井孝作
男60歳
3 「前回の作品の方が佳かった。前作を超える佳作を出すことは、余程精進しなければ、安易な心持では不可のようだ。」
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他の候補作
吉行淳之介
「驟雨」他
曾野綾子
「遠来の客たち」
野口冨士男
「耳のなかの風の声」
江口榛一
「近所合壁」
庄野潤三
「黒い牧師」等
小沼丹
「村のエトランジェ」
富士正晴
「競輪」
大田洋子
「半人間」
鎌原正巳
「土左日記」
曾田文子
「引越前後」
松谷文吾
「たき女抄」
川上宗薫
「その掟」
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候補者・作品
鎌原正巳男49歳×各選考委員 
「土左日記」
短篇 78
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
石川達三
男49歳
0  
佐藤春夫
男62歳
0  
宇野浩二
男62歳
2 「感じはわるくないが、それだけで、小説としては物たりない。」
舟橋聖一
男49歳
0  
丹羽文雄
男49歳
0  
川端康成
男55歳
0  
瀧井孝作
男60歳
2 「しずかな美しい作だが、紀行随筆とみられて、殆ど賛成がなかった。」
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他の候補作
吉行淳之介
「驟雨」他
曾野綾子
「遠来の客たち」
野口冨士男
「耳のなかの風の声」
江口榛一
「近所合壁」
庄野潤三
「黒い牧師」等
小沼丹
「村のエトランジェ」
富士正晴
「競輪」
大田洋子
「半人間」
小島信夫
「星」等
曾田文子
「引越前後」
松谷文吾
「たき女抄」
川上宗薫
「その掟」
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候補者・作品
曾田文子女29歳×各選考委員 
「引越前後」
短篇 83
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
石川達三
男49歳
0  
佐藤春夫
男62歳
0  
宇野浩二
男62歳
3 「一と通り書けてあるというだけで、これでは、いくら甘く考えても、凡作である。」
舟橋聖一
男49歳
0  
丹羽文雄
男49歳
0  
川端康成
男55歳
0  
瀧井孝作
男60歳
0  
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他の候補作
吉行淳之介
「驟雨」他
曾野綾子
「遠来の客たち」
野口冨士男
「耳のなかの風の声」
江口榛一
「近所合壁」
庄野潤三
「黒い牧師」等
小沼丹
「村のエトランジェ」
富士正晴
「競輪」
大田洋子
「半人間」
小島信夫
「星」等
鎌原正巳
「土左日記」
松谷文吾
「たき女抄」
川上宗薫
「その掟」
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候補者・作品
松谷文吾男(51歳)×各選考委員 
「たき女抄」
短篇 23
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
石川達三
男49歳
0  
佐藤春夫
男62歳
2 「松谷文吾君の「たき女抄」もよかった。」
宇野浩二
男62歳
5 「すらすら読める、器用に書いてある、しかし、それだけで、読んでしまってから、後に残るものがない、それは、筋の面白さだけを考えて肝心の「人間」を書くことが疎になったからであろう。」
舟橋聖一
男49歳
0  
丹羽文雄
男49歳
8 「佐藤(引用者注:春夫)さんは「たき女抄」をこれでよいとほめた。私は、キリシタンのたき女が家康の妾になることに苦悶があるはずだ、それがあれば最後の島流しもひきたつと主張したところ、たき女の書くのが作者の目的でなく、家康から見たたき女だからこのままでよいと言った。」
川端康成
男55歳
0  
瀧井孝作
男60歳
3 「簡素な描写の歴史小説。これは佳いが、この小品一つより知らないから、これだけでは推せなかった。」
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他の候補作
吉行淳之介
「驟雨」他
曾野綾子
「遠来の客たち」
野口冨士男
「耳のなかの風の声」
江口榛一
「近所合壁」
庄野潤三
「黒い牧師」等
小沼丹
「村のエトランジェ」
富士正晴
「競輪」
大田洋子
「半人間」
小島信夫
「星」等
鎌原正巳
「土左日記」
曾田文子
「引越前後」
川上宗薫
「その掟」
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候補者・作品
川上宗薫男30歳×各選考委員 
「その掟」
短篇 105
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
石川達三
男49歳
8 「二つ(引用者注:「遠来の客たち」「その掟」)を支持したのは丹羽君と私だけであったのは意外だった。作家としての力倆から言えば(その掟)が第一だ。」「こういう感覚的な描写が案外委員に支持されていないということを知ったのは、私にとって一つの勉強になった。だが、この作者は必らず伸びる。」
佐藤春夫
男62歳
0  
宇野浩二
男62歳
4 「丹念に、克明に、書いてあるので、主人公その他の人たちの気もちは、或る程度までわかるけれど、又、あまりに作者があまり意気ごんで書いたために、折角の小説を読みづらくした。」
舟橋聖一
男49歳
0  
丹羽文雄
男49歳
5 「川上宗薫の「その掟」もよかった。」「なかなか勉強家である。勉強のあとがギザギザになって残っているところが気になったが、この人はこれからがたのしみである。」
川端康成
男55歳
3 「川上宗薫氏の心理手法にも、私は興味をひかれたが、習作のように読まれるところがある。」
瀧井孝作
男60歳
3 「恋愛の三角関係四角関係を執拗に追求してある、この手法の意欲は認めるが、好もしい出来栄とは云えなかった。」
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他の候補作
吉行淳之介
「驟雨」他
曾野綾子
「遠来の客たち」
野口冨士男
「耳のなかの風の声」
江口榛一
「近所合壁」
庄野潤三
「黒い牧師」等
小沼丹
「村のエトランジェ」
富士正晴
「競輪」
大田洋子
「半人間」
小島信夫
「星」等
鎌原正巳
「土左日記」
曾田文子
「引越前後」
松谷文吾
「たき女抄」
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