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第106回
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Last Update[H28]2016/4/29

高橋克彦
Takahashi Katsuhiko
生没年月日【注】 昭和22年/1947年8月6日~
受賞年齢 44歳5ヵ月
経歴 岩手県生まれ。早稲田大学商学部卒。
受賞歴・候補歴
処女作 『写楽殺人事件』(昭和58年/1983年9月・講談社刊)
サイト内リンク 小研究-ミステリーと直木賞
直木賞受賞作全作読破への道Part2
リンク集
備考
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そうもんだに
総門谷』(上)(下)(昭和60年/1985年10月・講談社刊)
書誌
>>昭和62年/1987年9月・講談社/講談社ノベルス『総門谷』
>>平成1年/1989年8月・講談社/講談社文庫『総門谷』
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他文学賞 吉川英治文学新人賞 7受賞 一覧へ
候補者 高橋克彦 男38歳
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし
男51歳
33 「これはまことに壮大な物語である。」「われこそは宇宙の中心である。ならば机上に、一管の筆をたよりに、己の思うがままの宇宙史を創り出してみせよう。そういう気迫がどの行間からもはっきりと噴き出している。なによりもそこに打たれてこれを推した。」「たしかに後半にいくつかの破綻がないでもないが、それらはいってみれば必要悪のようなものである。」
尾崎秀樹
男57歳
24 「そのスケールの大きさに圧倒された。」「後半になるといささか収拾がつかなくなり、つじつまを合わすのに苦慮している。だがこの壮絶な失敗はむしろ歓迎すべきだ。こぢんまりとまとまった作品が多い中で、このような大きなテーマに全力でぶつかっているのが、かえって印象に残る。」
佐野洋
男57歳
30 「下巻にはいって、印象は一転する。大風呂敷を拡げ過ぎたせいか、収拾がつかなくなり、作者自身さえあわてたのではないかとさえ思われて来た。明らかな失敗作である。」「この作品は、比較的早い時期に選考対象からはずされた。ところが、最後に残った二作は、どちらも一応のまとまりはあるが、魅力に乏しい。誰言うともなく、この二作よりはむしろ『総門谷』の意欲を買いたいということになったのだった。」
野坂昭如
男55歳
14 「まことに奔放な構想、気宇壮大、いささかまとまりにかけるが、知ったこっちゃない。時運もまた高橋さんの才能に味方している。登龍雲をよんで、思うまま天駆ければいい。」
半村良
男52歳
33 「伝奇ロマンというタイプの小説は、読むには大変面白いのだが、文学賞の最終選考などで、他のタイプの小説にまじって議論の対象にされると、評価されにくい傾向がある。」「虚構のスケールや嘘の構成力に対する評価法が確立されていないのではないか。私はずっとそう感じて来た。」「『総門谷』受賞の連絡を受けて心中快哉を叫んだ。」
選評出典:『群像』昭和61年/1986年5月号
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直木賞 第106受賞  一覧へ

あか きおく
緋い 記憶』(平成3年/1991年10月・文藝春秋刊)
媒体・作品情報
作品名 別表記 表紙・扉・背・奥付 ルビ有り「あか」
印刷/発行年月日 発行 平成3年/1991年10月30日(第1刷)
測定媒体発行年月日 発行 平成4年/1992年2月10日(第2刷)
発行者等 発行者 豊田健次 印刷 理想社印刷 付物印刷 凸版印刷 製本所 加藤製本
発行所 株式会社文藝春秋(東京都) 形態 四六判 上製
装幀/装画等 装丁 峰岸 達
総ページ数 301 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
43字
×18行
×1段
本文ページ 5~296
(計292頁)
測定枚数 489
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書誌
>>平成6年/1994年10月・文藝春秋/文春文庫『緋い記憶』
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収録作品の書誌
緋い記憶
>>初出『小説新潮』昭和63年/1988年8月臨時増刊号
>>平成1年/1989年1月・新潮社/新潮文庫『ミステリー日本地図 ミステリー大全集2』所収
>>『オール讀物』平成4年/1992年3月号
>>平成18年/2006年9月・光文社/光文社文庫『ホラーミステリー傑作選 ふるえて眠れない』所収
>>平成20年/2008年6月・出版芸術社/ふしぎ文学館『おそれ』所収
>>平成24年/2012年7月・大和書房刊『ふるさと文学さんぽ岩手』所収
ねじれた記憶
>>初出『問題小説』昭和63年/1988年11月号
>>『オール讀物』平成4年/1992年3月号
>>平成4年/1992年12月・角川書店刊『高橋克彦自薦短編集 眠らない少女』所収
>>平成12年/2000年8月・徳間書店/徳間文庫『異形ミュージアム1 妖魔ヶ刻―時間怪談傑作選』所収
>>平成15年/2003年12月・文藝春秋刊『推理作家になりたくて:マイベストミステリー第4巻 謀』所収
>>平成18年/2006年8月・角川書店/角川文庫『高橋克彦自薦短編集 眠らない少女』所収
>>平成19年/2007年10月・文藝春秋/文春文庫『マイ・ベスト・ミステリー4』所収
>>平成21年/2009年12月・講談社/講談社文庫『高橋克彦自選短編集2 恐怖小説編』所収
言えない記憶
>>初出『小説宝石』平成3年/1991年3月号
遠い記憶
>>初出『別冊小説宝石』昭和62年/1987年初夏特別号[5月]
>>『オール讀物』平成4年/1992年3月号
>>平成5年/1993年4月・角川書店/角川ホラー文庫『現代ホラー傑作選 第1集 それぞれの夜』所収
>>平成20年/2008年6月・出版芸術社/ふしぎ文学館『おそれ』所収
>>平成21年/2009年11月・講談社/講談社文庫『高橋克彦自選短編集1 ミステリー編』所収
>>平成27年/2015年5月・集英社刊『冒険の森へ 傑作小説大全16』所収
膚の記憶
>>初出『オール讀物』平成3年/1991年7月号
霧の記憶
>>初出『別冊小説宝石』平成2年/1990年初夏特別号[5月]
冥い記憶
>>初出『別冊小説宝石』昭和63年/1988年初夏特別号[5月]
>>平成18年/2006年10月・祥伝社/祥伝社文庫『高橋克彦の怪談』所収
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候補者 高橋克彦 男44歳
選考委員 評価 行数 評言
陳舜臣
男67歳
33 「通しのテーマをもつ作品集は、同工異曲におちいりやすい危険性と、同工異曲に読まれやすい不安をはらんでいる。それに挑戦した勇気に敬意を払いたい。」「「ねじれた記憶」がとくにすぐれている。「冥い記憶」は登場人物よりも作者の苦しげな息づかいがかんじられた。」「私は氏の将来に一点の疑念も抱いていない。」
平岩弓枝
女59歳
13 「実に巧緻な作品集であった。一つ間違うと才智だけが目立ってしまうところを、人間の記憶の怖しさでまとめ上げたのが成功していると思う。」
五木寛之
男59歳
18 「すでに独自の作風を確立している小説家である。そういう作家が受賞するためには、一種、新しい境地を切りひらく野心的な作品が現れなければならない。その困難を見事にクリアした」「モダンな描写の底に、どこか縄文的な粘りが感じられるのが、この作家の資質をこえた才能だろう。」
田辺聖子
女63歳
12 「一話一話が精緻に作られている。(「冥い記憶」はちょっと作りすぎ、という感がなくもないが)しかし、「ねじれた記憶」のショック性というものは物凄い。これだけ怖い小説を作る作者の蓄積に感じ入った。」
黒岩重吾
男67歳
32 「三作(引用者注:「狼奉行」「緋い記憶」「人体模型の夜」)を受賞圏内の作品とし、選考会に出席した。」「各作品にはそれぞれ味があり、比較的佳作が多い。」「感性豊かな新しい才能の持ち主といえよう。」
渡辺淳一
男58歳
13 「記憶という不確かなものに挑んだ意欲はかうが、全体に抽象化が不完全で、生でぶつけすぎるところがある。このため、やや同工異曲の嫌いあり、ここから一歩すすめて妖しい深層心理に行きつくためには、いまの明晰な文体では無理かもしれない。」
井上ひさし
男57歳
21 「物凄い秀作があった。「ねじれた記憶」がそれで、深夜、ひとり個室で合わせ鏡の中の自分の姿を見たときのような怖ろしさを味わった。」「小説の題材も形式もすべて書きつくされたという噂さえあるのに、これはまったく新手の物語構造である。」
山口瞳
男65歳
29 「「遠い記憶」が傑作だと思っている。」「誰にでもある甘美な記憶、思いだしたくない怖しい記憶という狙いは面白いが、同時に無理が生ずる。」「設定が似てきてしまって、通読するとやや靠れる感じを免れない。」「「遠い記憶」と視覚的に鮮やかな「言えない記憶」があるので、私は中島らもさんが除外された後ではこの短篇集を支持することになった。」
藤沢周平
男64歳
33 「恐怖小説という形になっているにもかかわらず、作品には実在の世界の手ざわりがあり、またこの短篇集には、小説でなければ表現出来ないものが書けていて、この作品にも私は底力を感じた。」「この作家にはむかしからどこかに未完成な感じがあり、(引用者中略)私はむしろその未完成の気配に魅力を感じる。」
選評出典:『オール讀物』平成4年/1992年3月号
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文量
短篇集〔7篇〕
緋い記憶
章立て
「1」~「9」
時代設定 場所設定
[同時代]~昭和39年/1964年  東京~盛岡
登場人物
私(語り手、デザイナー)
加藤(私の高校からの友人)
史子(謎の家に住む少女)
ねじれた記憶
章立て
「1」~「8」
時代設定 場所設定
[同時代]~30年前  岩手
登場人物
私(語り手、竹内和雄、小説家)
依子(私の母、30年前に自殺)
静子(岩手の宿の女)
言えない記憶
章立て
「1」~「4」
時代設定 場所設定
[同時代]~十数年前  ある街
登場人物
私(語り手、デザイナー)
大城健三(私の幼少時の知人)
大城典子(健三の妹)
遠い記憶
章立て
「1」~「6」
時代設定 場所設定
[同時代]~30年前  盛岡
登場人物
私(語り手、作家)
母(かつて盛岡の住民)
相沢世里子(私の幼馴染)
膚の記憶
章立て
「1」~「8」
時代設定 場所設定
[同時代]~太平洋戦争戦中  東京~岩手
登場人物
私(語り手、原因不明のジンマシンで悩む)
霧の記憶
章立て
「1」~「6」
時代設定 場所設定
[同時代]~20年前  仙台~東京~ロンドン
登場人物
私(語り手、荒木孝志、設計士)
早良哲也(私の古い知人、小説家)
進藤咲子(失踪した娘)
冥い記憶
章立て
「1」~「8」
時代設定 場所設定
[同時代]~14年前  青森
登場人物
ぼく(語り手、井上毅、バスツアーの参加者)
淳子(ぼくの恋人、謎の死を遂げる)




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