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第114回
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Last Update[H26]2014/6/20

小池真理子
Koike Mariko
生没年月日【注】 昭和27年/1952年10月28日~
受賞年齢 43歳2ヵ月
経歴 東京都生まれ。成蹊大学文学部卒。夫は、直木賞受賞作家の藤田宜永。第114回では両名で候補に上り、話題となった。
受賞歴・候補歴
処女作 『知的悪女のすすめ』(昭和53年/1978年10月・山手書房刊)《随筆》
サイト内リンク 小研究-ミステリーと直木賞
直木賞受賞作全作読破への道Part2
備考
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むばんそう
無伴奏』(平成2年/1990年7月・集英社刊)
書誌
>>平成6年/1994年9月・集英社/集英社文庫『無伴奏』
>>平成17年/2005年3月・新潮社/新潮文庫『無伴奏』
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他文学賞 山本周五郎賞 4回候補 一覧へ
候補者 小池真理子 女38歳
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし
男56歳
40 3点「むやみに前ぶりが多いんですね。」「どうも、最初の読者に対する働きかけと、物語の方向が違うんじゃないか。これはすごい話だぞと、のっけからうるさく言わないほうがよかったのではないかと思います。」「高校卒業前後の女子高生の娘心の描写はじつに巧みです。だけど、それが物語の部分にはめこまれてみると、何かもの足りない。」
田辺聖子
女63歳
22 3点「小池さんの作品としては、一番よかったんではないかな。青春のノスタルジアというか、一九七〇年代の雰囲気がよく出ていて、主人公も書けていると思いました。」「すこしお話づくりに凝りすぎて、設定に無理があるんじゃないかという気がしました。」
野坂昭如
男60歳
38 0点「この作品をお選びになった新潮文芸振興会の責任じゃないかと思う。なんだか、無理して入れてきた感じがあって、小池さんに気の毒な感じがする。」「誰の目にも、この作品は、小池さんの他の作品と比べれば、あまりよくないということは見えてますよ。」「一九七〇年代について言うんならば、こっちもよく知っている。それを、こう簡単にあしらわれては困ると、そんなふうに思いました。」「小池さんの小説とか雑文とか、僕はよく読んでいるんだけども、こんなふうに無理にこしらえた小説になって、文章も駄目になってきましたね。」
藤沢周平
男63歳
31 3点「のびのびと、気持ちよく書いているな、とは思ったんですが、なんというのかな、話の展開が遅いんですね。」「それから、この小説の重要なテーマになっている主人公の罪悪感ですが、(引用者中略)自分が話さなかったから、エマは祐之介の子供を堕さず、祐之介に殺されてしまったという主人公の思い込みは、正しいのかどうか。このへん、小説として未熟ではないかと感じました。」
山口瞳
男64歳
18 2点「主人公の罪悪感が、どうもピンとこない、」「渉と祐之介を、主人公はさかんに素敵だ素敵だと言います。けれど、私にはちっとも素敵に見えない。わがままで、頭の悪い青年としか読み取れないんですね。」「文章で言うとね、「抜けるような青空」という、高校生の作文のような表現が随所にあるんですよ。あれはとてもひっかかる。」
最終投票      
選評出典:『小説新潮』平成3年/1991年7月号
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直木賞 第114受賞  一覧へ

こい
恋』(平成7年/1995年10月・早川書房/ハヤカワ・ミステリワールド)
媒体・作品情報
作品名 別表記 奥付 ルビ有り「こい」
印刷/発行年月日 発行 平成7年/1995年10月31日(初版)
測定媒体発行年月日 発行 平成9年/1997年4月15日(28版)
発行者等 発行者 早川 浩 印刷所 中央精版印刷株式会社 製本所 中央精版印刷株式会社
発行所 株式会社早川書房(東京都) 形態 四六判 上製
装幀/装画等 カバー写真 サラ・ムーン(PPS) カバーデザイン スタジオV フォーマットデザイン 多田 進
総ページ数 355 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
46字
×21行
×1段
本文ページ 5~355
(計351頁)
測定枚数 760
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書誌
>>書下ろし
>>平成11年/1999年4月・早川書房/ハヤカワ文庫JA『恋』
>>平成15年/2003年1月・新潮社/新潮文庫『恋』
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候補者 小池真理子 女43歳
選考委員 評価 行数 評言
阿刀田高
男60歳
18 「化けましたね。まことに、まことに、舌を巻く巧みさだ。深い意味での文章の力を痛感した。」「――これが小説だな――と、わけもなく納得した。」「今後の活躍については太鼓判を押してもよい、と私は信じている。」
黒岩重吾
男71歳
31 「信太郎助教授と雛子夫人の人物描写には虚を感じさせない存在感がある。二人の会話や動作が織りなす物語は、夢幻的な絨毯の一角獣にも似ている。このような絨毯に私ほどの年齢の読者を安心して寝転がせる作者の才能は尋常ではない。」「信太郎と雛子が異母兄妹であったとするくだりで、手品の種明かしめいたものを感じたが、作品の酔いを醒ますほどではなかった。」
井上ひさし
男61歳
35 「文章力において(引用者中略)最高の達成をみている」「死者が語るという工夫は巧者なものであった。」「読み終わったとき、読者に『恋』という題名が、ちがった意味に見えてくる。凝縮度の高い華麗な文体で語られた不思議な恋の始まりと行く末、読んだかいがあった。」
田辺聖子
女67歳
36 「推理小説的な構成をとっていることも成功の一つだろうし、軽井沢の描写も、ラストのマルメロの扱いも効果的だ。――軽井沢の風のようにすぎてゆく人生の一瞬を見る思いのする佳篇であった。作者の体温と脈搏が感じられた。」
平岩弓枝
女63歳
32 「委員の殆んどが指摘したように、主人公の男女が兄妹である必要は全くないと私も思った。(引用者中略)少くとも、この小説では不要というか、マイナスであった。」「けれども、それでも、この作品を受賞からはずせなかったのは、感嘆するほどの作者の筆力、文章力で、結局、私もなんのかのといいながら、その魅力に溺れてしまった。」
渡辺淳一
男62歳
53 「久しぶりに大人の男女の小説をわくわくしながら読む楽しみを味わった。」「軽井沢のシーンまでの瑞々しさはなかなかのもので、この作家の並々ならぬ力量を示している。最後に謎解きを見せてからは、やたらに理に落ちてつまらなくなったが、それは作者が推理小説を書いてきたせいかと、一種の情状酌量のような気持から、受賞に賛成した。」
津本陽
男66歳
44 「作品の基調に破滅を暗示する重い韻律が流れており、それを軽井沢の夏の風景を繊細にえがくことによって、こころよいリリシズムの色調にまとめてゆく手際は、隙がない。」「隙があるとすれば、このようなおおかたの人々にとっては異質であろう男女の関係を、文句なしに読者に納得させ、小説世界へひきずりこむほどの熱がさほど感知できなかったことである。」
五木寛之
男63歳
36 「ほとんど満票と言っていい支持を受けてのダブル受賞である。」「なにかを言いたい作家の息遣いが感じられるという点で、(引用者中略)際立っていたと思う。」「文体とか、文章とかいったものを新しい意匠として意識せずに、ひとつの機能としてぐいぐい駆使してゆく逞しさに才能があるのではあるまいか。」
選評出典:『オール讀物』平成8年/1996年3月号
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文量
長篇
章立て
「序章」「1」~「27」「終章」
時代設定 場所設定
同時代~昭和40年代  仙台~東京~軽井沢~鎌倉など
登場人物
矢野布美子(大学生、殺人犯)
片瀬信太郎(大学助教授)
片瀬雛子(信太郎の妻、元子爵の長女)
大久保勝也(電機店の従業員)
半田紘一(金持ちの大学院生)
鳥飼三津彦(ノンフィクション作家)




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