直木賞のすべて
第120回
  • =受賞者=
  • 宮部みゆき
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Last Update[H28]2016/10/17

宮部みゆき
Miyabe Miyuki
生没年月日【注】 昭和35年/1960年12月23日~
受賞年齢 38歳0ヵ月
経歴 本名=矢部みゆき。東京都生まれ。東京都立墨田川高校卒。
受賞歴・候補歴
処女作 「我らが隣人の犯罪」(『オール讀物』昭和62年/1987年12月号)
直木賞
選考委員歴
第140回~(通算8.5年・17回)
サイト内リンク 小研究-記録(候補回数)
小研究-ミステリーと直木賞
直木賞受賞作全作読破への道Part1
リンク集
備考
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直木賞 第105回候補  一覧へ

りゅう ねむ
龍は 眠る』(平成3年/1991年2月・出版芸術社刊)
媒体・作品情報
印刷/発行年月日 発行 平成3年/1991年2月22日(第1刷)
測定媒体発行年月日 発行 平成5年/1993年11月22日(第10刷)
発行者等 発行者 原田 裕 印刷所 慶昌堂印刷株式会社、近代美術株式会社 製本所 大口製本印刷株式会社
発行所 株式会社出版芸術社(東京都) 形態 四六判 上製
装幀/装画等 装幀 森下年昭 装画 岡田弥生 カバー装画 岡田弥生「FURNISHING SENERY(II)」(第35回一陽会美術展出品作)
総ページ数 318 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
24字
×22行
×2段
本文ページ
  • 3
  • 7~316
(計310頁)
測定枚数 820
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書誌
>>書下ろし
>>平成7年/1995年2月・新潮社/新潮文庫『龍は眠る』
>>平成18年/2006年6月・双葉社/双葉文庫 日本推理作家協会賞受賞作全集67『龍は眠る』
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候補者 宮部みゆき 女30歳
選考委員 評価 行数 評言
田辺聖子
女63歳
10 「超能力のテーマと、あとの誘拐事件の推理小説風テーマの乖離がやや苦しい。」「私には主人公の新聞記者が魅力があった。シリーズで読みたくなった。」
山口瞳
男64歳
14 「力のある作家だ。文章の密度が濃い。ただ私としては超能力とか輪廻転生には拒絶反応が働き、そもそもこれは反則ではないかという考えがある。それに女流作家が男を主人公にすると、男が子供っぽくなって、そのぶん少女小説や童話に近くなって、ゴツンとくるものがなくなる。」
陳舜臣
男67歳
11 「プロットが巧妙であり、文章もすぐれている。超能力の問題をとりあげた勇気を評価したい。冒険した分だけ減点されたかんじだが、向こう傷とおもってほしい。日本のミステリー界に新しい星が誕生したとおもう。」
五木寛之
男58歳
0  
黒岩重吾
男67歳
5 「最初の展開は面白いが、話が二つに割れたため、読むのが辛くなった。」
井上ひさし
男56歳
20 「随所にユーモアの感覚が閃き、会話もうまく、その上、作者は、破綻を恐れることなく(ということは、行儀作法を無視して)誘拐ものと超常能力者ものとの二つのジャンルを一つの物語にまとめあげようとしている。この知的冒険心を高く評価したい。」「ただし、物語の裏でひそかに進行している別の物語(引用者中略)の目鼻立ちがやや曖昧だったのは残念である。」
渡辺淳一
男57歳
5 「かなりの長篇であるが、長さに甘えて冗長で、オカルトとしても推理としても中途半端で終っている。」
平岩弓枝
女59歳
15 「面白さにおいては五作の中の随一だった。殊に前半のマンホールの殺人に関しては秀逸で、息を詰めて読まされてしまった。超能力者を、ミステリーに扱うことの是非はともかくとして、後半の高校の副理事長夫人の事件がややお手軽になってしまったのは残念至極。」
藤沢周平
男63歳
22 「主題が分裂している印象をあたえる作品だった。」「読者は迷路のような超能力者の内面よりは、すっきりした物語を読みたがるのではなかろうか。宮部さんは構想にすぐれうまい文章の推理小説を書くひとだが、この作品ではどこか計算違いがあって、せっかくの文章も生きなかったように思えた。」
選評出典:『オール讀物』平成3年/1991年9月号
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文量
長篇
章立て
「第一章 遭遇」「第二章 波紋」「第三章 過去」「第四章 予兆」「第五章 暗転」「第六章 事件」「エピローグ」
時代設定 場所設定
[同時代]  千葉県佐倉~東京
登場人物
私(語り手、高坂昭吾、雑誌「アロー」記者)
稲村慎司(高校生、超能力者)
織田直也(慎司の知人、超能力者)
水野佳菜子(「アロー」編集部手伝い)
川崎小枝子(昔の私の恋人、結婚直前に破談)
川崎明男(小枝子の夫、私立高校副理事長)
三村七恵(直也の友達、唖者)
垣田俊平(絵描きの卵)
宮永聡(垣田の友人、自殺)





ほんじょふかがわ ぞうし
本所深川ふしぎ 草紙』(平成3年/1991年4月・新人物往来社刊)
書誌
>>平成7年/1995年9月・新潮社/新潮文庫『本所深川ふしぎ草紙』
>>平成9年/1997年5月・埼玉福祉会/大活字本シリーズ『本所深川ふしぎ草紙』(上)(下)
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収録作品
「片葉の芦」「送り提灯」「置いてけ堀」「落葉なしの椎」「馬鹿囃子」「足洗い屋敷」「消えずの行灯」
 
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他文学賞 吉川英治文学新人賞 13受賞 一覧へ
候補者 宮部みゆき 女31歳
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし
男57歳
21 「安全ではあるが常套の枠組を遠ざけて事件を常にその内側から核心から書き、うんと遠景に探偵役を配したことで、作品の間口が拡がり深さもました。」「この作者の専売ともいうべき読後の爽やかさ温かさもむろん健在で、間然する所のない佳品である。」「才能はみごとに開花しつつある。」
尾崎秀樹
男63歳
13 「商家の奉公人や職人など下町の庶民たちのこまやかな情やつましい暮らしを温かく描いており、しみじみとした味をつくり出す。宮部みゆき氏はミステリーの分野で注目されたが、世話物も描ける資質がある。」
佐野洋
男63歳
0  
野坂昭如
男61歳
7 「一つまちがえば、こじつけが目立つところ、まことすんなりと、筋を運ぶ腕前は、とても新人とは思えない。」「親分的存在を、あくまで傍においたことも、見事なこしらえのうち。」
半村良
男58歳
15 「個人的なことだが、(引用者中略)妙に推すことをためらう心理が働いた。」「どことなく親戚の子が出てきたような気分になってしまったのだ。」「育った場所が同じで、そこの江戸時代の話を書くのだから、私にとっては無条件で推すのがだいぶ照れ臭かったのだ。」「さいわい選考の場で満場一致だったから、私の妙な照れもけし飛んで、支持にまわることができた。」
選評出典:『現代』平成4年/1992年5月号
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直木賞 第106回候補  一覧へ

へんじ
返事はいらない』(平成3年/1991年10月・実業之日本社刊)
媒体・作品情報
測定媒体 平成6年/1994年12月・新潮社/新潮文庫『返事はいらない』
形態 文庫判 並製
総ページ数 284 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
41字
×17行
×1段
本文ページ 7~276
(計270頁)
測定枚数 409
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書誌
>>平成6年/1994年12月・新潮社/新潮文庫『返事はいらない』
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収録作品の書誌
返事はいらない
>>平成16年/2004年2月・新潮社/新潮文庫『七つの危険な真実』所収
ドルシネアにようこそ
>>平成14年/2002年5月・角川春樹事務所/ハルキ文庫『危険な関係―女流ミステリー傑作選』所収
言わずにおいて
>>平成9年/1997年10月・角川書店/カドカワ・エンタテインメント『幻想ミッドナイト』所収
聞こえていますか
>>平成11年/1999年4月・リブリオ出版/大きな活字で読みやすい本『げんだいミステリーワールド 第10巻 宮部みゆき集』所収
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候補者 宮部みゆき 女31歳
選考委員 評価 行数 評言
陳舜臣
男67歳
9 「好感がもてる」「あまりにも「毒」が無さすぎる。むしろ前回の『竜は眠る』のほうが問題性があってよかったとおもう。才能はまちがいないのだから、もっと人間観察の眼力を磨いてほしい。」
平岩弓枝
女59歳
14 「面白かった。こういうふうに、現実の社会から距離をおいたところで作品を成立させる方法も、それはそれでエンターティメントとして悪くはないと思う。けれども、それとは別に人間と深く取り組む作品も書かれては如何。」「才気だけで終らせてしまうにはもったいないものを持っている作家だと思う故である。」
五木寛之
男59歳
8 「風俗的な現代を描くのは資質に合わないのではないか。物語の背景と登場人物を、地味で生活感のあるものにすれば、きっとこの作者の本来の才能が発揮できるだろう。」
田辺聖子
女63歳
9 「たいへん生産性のたかい作家で、その筆力には脱帽する。みな水準以上の作品ではあるが、どうしてもこれを推したいという切実な作品ではなく、長篇を待ちたい。」
黒岩重吾
男67歳
0  
渡辺淳一
男58歳
0  
井上ひさし
男57歳
12 「結末の温かさと爽やかさで、いつも評者を楽しませてくれるが、今回の『返事はいらない』にもその美点が満載されている。ただし、作中人物を少し動かしすぎ、弄りすぎるような気がする。」
山口瞳
男65歳
0  
藤沢周平
男64歳
9 「最近とみに筆力が安定し、またつねに人間を描こうとしているところに好感が持てるのだが、候補になった短篇集には三作ほど話のつくり過ぎ、ひねり過ぎの作品があって、みずからリアリティを壊していたのは残念だった。」
選評出典:『オール讀物』平成4年/1992年3月号
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文量
短篇集〔6篇〕
返事はいらない
章立て
「1」~「7」
時代設定 場所設定
[同時代]  東京
登場人物
羽田千賀子(マンション住人)
滝口(丸ノ内中央署刑事)
森永宗一(大京銀行員、千賀子と同じマンションの住人)
森永久子(宗一の妻)
ドルシネアにようこそ
章立て
「1」~「4」
時代設定 場所設定
[同時代]  東京
登場人物
篠原伸治(専門学校生)
守山喜子(不動産会社事務員)
秦野小百合(「ドルネシア」の客、消費病)
言わずにおいて
章立て
「1」~「6」
時代設定 場所設定
[同時代]  東京
登場人物
長崎聡美(経理課女子社員)
黒坂(経理課長)
芦原庄司(レストラン経営者、黒坂の友人)
水田令子(庄司の愛人、聡美に瓜二つ)
聞こえていますか
章立て
「1」~「8」
時代設定 場所設定
[同時代]  ある町~川崎
登場人物
峪勉(小学生)
鬼瓦健司(大学生、引越し会社アルバイト)
三井明(大手企業の技術者、勉の新居の前住人)
三井光次郎(明の父、死亡)
裏切らないで
章立て
「1」~「3」
時代設定 場所設定
[同時代]  東京
登場人物
加賀美敦夫(城南警察署捜査課刑事)
大浦道恵(殺人の被害者、画廊勤務)
浅田陽子(道恵の隣人)
私はついてない
章立て
「1」~「5」
時代設定 場所設定
[同時代]  千葉県佐倉~東京
登場人物
僕(語り手、裕ちゃん、高校生)
逸美(僕の従姉、会社員)
迫田洋一(逸美の恋人)
井口幸江(逸美の会社の先輩)




直木賞 第108回候補  一覧へ

かしゃ
火車』(平成4年/1992年7月・双葉社刊)
媒体・作品情報
作品名 別表記 カバー 「Kasya」併記
印刷/発行年月日 発行 平成4年/1992年7月15日(第1刷)
測定媒体発行年月日 発行 平成5年/1993年7月10日(第17刷)
発行者等 発行者 井上功夫 印刷所 大日本印刷株式会社 製本所 株式会社若林製本工場
発行所 株式会社双葉社(東京都) 形態 四六判 上製
装幀/装画等 装画 藤田新策 装幀 金澤孝之
総ページ数 358 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
24字
×22行
×2段
本文ページ 3~355
(計353頁)
測定枚数 932
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書誌
>>平成10年/1998年2月・新潮社/新潮文庫『火車』
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候補者 宮部みゆき 女32歳
選考委員 評価 行数 評言
田辺聖子
女64歳
34 「息もつがせずという感じで読まされた。」「出色のミステリーであろう。謎ときの面白さは抜群。ただ読み終ってみると、設定の不自然さが気になった。(引用者中略)たぶんそういうことは、作品中にそれを圧倒してしまう魅力があれば消滅してしまう欠点であろう。」「私は本間刑事の環境がもっと面白ければ、という、ないものねだりをせずにいられなかった。」
黒岩重吾
男68歳
35 「これまでの氏の作品の中では力作といえよう。」「ただ作者が力を込めている割合には小説としての印象が薄い。」「私が納得出来なかったのは、新城喬子が説明でしか書かれていないことだった。大事な人物なのに人物像が不明確である。」
山口瞳
男66歳
0  
陳舜臣
男68歳
14 「今日的なテーマを、掘り下げて描いた秀作だが、すこし肥満気味である。会話などにやや冗長な部分があり、それを苅りこんで、もっとスリムにできたのではないか。いずれにしても、宮部氏の力量が安定感を増したことを証明する作品といえるだろう。」
渡辺淳一
男59歳
37 「導入部が巧みで、かなりの長篇を最後まで飽きもせず読み通せたが、ラストを読み切った途端、肩すかしをくらったような失望を覚えた。その最大の理由は、いったいこの作者はなにを書きたかったのか、そこがわからず、ただ筆を流しているとしか思えなかったことである。」「むろんこのようなお遊びの小説があっても一向にかまわないが、思いつきだけで書くかぎり、所詮、心を打つものとはなりえない。」
平岩弓枝
女60歳
21 「大変、面白かった。」「一つだけ、これは私自身、若い日に恩師から教えられたことだが、資料や調査は百パーセントやり抜くこと、ただ、作品にとりかかる時はその八十パーセントは思いきりよく捨てる、それも自分の内部に完全に消化させて捨てるのが、作品を成功させる秘訣だという真実である。」
井上ひさし
男58歳
47 「大いに感心し、選考という立場を忘れて夢中で読んだ(文章がいいから読者の邪魔をしない)。」「じつによく出来た風俗小説として読んだ。たとえばバルザックのようなという形容句を呈しても褒め過ぎにはならないだろう。持てる力と才能を振り絞って「現在そのもの」に挑戦し、立派に成功をおさめたその驚くべき力業に何度でも最敬礼する。」
藤沢周平
男65歳
25 「小さな疑問点が目につくものの、この作品には着想の非凡さとすぐれた推理小説だけが持つ、興味を先へ先へとつなぐ綿密な論理性がある。」「作品の最終場面には、表現をみがいて作品の質を高めようとする禁欲的な意志と、そのことに物を書く喜びを見ている作者の姿勢が出ている。それらを総合して「火車」も十分に受賞の水準に達していた。」
五木寛之
男60歳
0  
選評出典:『オール讀物』平成5年/1993年3月号
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他文学賞 山本周五郎賞 6受賞 一覧へ
候補者 宮部みゆき 女32歳
選考委員 評価 行数 評言
阿刀田高
男58歳
49 4点「本当の主人公を書かないという方法で、しかも水際立ったラストシーンをちゃんと作るという、推理小説として非常に珍しい手法を生み出しています。」「どういうふうに他人とすり替わったのか、どんな心境で殺したのか、といった見せ所を書けなかった。そのあたりがなんとなくもの足りなく感じる理由になっています。」
井上ひさし
男58歳
51 5点「現代というものを見るのにクレジットカードという窓口から体当たりして見ているところに作家的な機智や強さを感じました。」「みなさんがおっしゃった間接性とか、そのために生じるいろいろな弱さは、作者自身も気がついていると思います。ただ、そこにも作家的決断があって、すべてを捨てても、カードという問題は、やはりこういう形でしか書けないと考えた。」「本間は、そんなに平べったい人間だと思いません。人間としてきちっと書けているというふうに僕は読んでいるんですが。」
逢坂剛
男49歳
69 4点「宮部さんは、四人の候補の中で、いちばん才気のある作家だと思っているのですが、この小説には、ミステリーとして見ても、普通の小説として見ても、どうしても見逃せない弱点があります。」「クレジット産業に対して、この小説の中では、社会学的な分析はされていますが、行動心理学的な考察というものが欠けているように思えます。」「(引用者注:宮部みゆき、高村薫、中島らもの中では)宮部さんが一番これから伸びる。発展途上の作家という感じがしますね。」
長部日出雄
男58歳
58 4点「とくに、破産した個人より犯人をつくり出す現代社会のシステムの方がずっと悪いのではないかという、いわば常識が逆転させられるところでは、非常にショックを受けました。」「この作品の問題点は、良い点も悪い点も、その間接性にあると思います。」「中盤がちょっと説明的で平板な感じを受けました。」
山田太一
男58歳
52 5点「女が男抜きの犯罪を犯す時代になってきた、そういう犯罪を書いてみようという意気込み、それからカードというものの、いわば構造的な魔力、それに対する日本人の抵抗力のなさを教えられて、たいへん面白く読みました。」「ただ、物語が間接的であるということと、刑事の本間が休職中にもかかわらず、この事件を調べ続ける情熱の動機が、これだけの長さを貫くほどの説得力がないのではと感じました。」「他の二作(引用者注:「リヴィエラを撃て」「ガダラの豚」)に比べて、完成度は高いと思うのです。」
最終投票     1回目○2票、2回目○3票
選評出典:『小説新潮』平成5年/1993年7月号
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文量
長篇
章立て
「1」~「29」
時代設定 場所設定
1992年  東京~宇都宮~三重県伊勢市など
登場人物
本間俊介(休職中の捜査課刑事)
栗坂和也(本間の親戚、銀行員)
関根彰子(栗坂の婚約者、自己破産者、失踪者)
溝口悟郎(弁護士)
本多保(彰子の古くからの友人)
新城喬子(関根彰子の名を騙る女)




直木賞 第115回候補  一覧へ

ひとじち
人質カノン』(平成8年/1996年1月・文藝春秋刊)
媒体・作品情報
印刷/発行年月日 発行 平成8年/1996年1月30日(第1刷)
発行者等 発行者 湯川 豊 印刷 凸版印刷 製本 加藤製本
発行所 株式会社文藝春秋(東京都) 形態 四六判 上製
装幀/装画等 装画 井筒啓之 装幀 木本百子
総ページ数 274 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
43字
×18行
×1段
本文ページ 5~274
(計270頁)
測定枚数 444
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書誌
>>平成13年/2001年9月・文藝春秋/文春文庫『人質カノン』
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収録作品の書誌
人質カノン
>>初出『オール讀物』平成7年/1995年1月号
>>平成8年/1996年6月・講談社刊『推理小説代表作選集1996』所収
>>平成11年/1999年4月・講談社/講談社文庫『ミステリー傑作選35 どたん場で大逆転』所収
>>平成24年/2012年10月・講談社/講談社文庫『謎 スペシャル・ブレンド・ミステリー007』所収
十年計画
>>初出『小説新潮』平成5年/1993年9月号
>>平成13年/2001年7月・角川春樹事務所/ハルキ文庫『悪魔のような女―女流ミステリー傑作選』所収
過去のない手帳
>>初出『オール讀物』平成7年/1995年5月号
八月の雪
>>初出『オール讀物』平成5年/1993年8月号
>>平成27年/2015年11月・集英社刊『冒険の森へ 傑作小説大全12』所収
過ぎたこと
>>初出『小説新潮』平成6年/1994年7月号
>>平成7年/1995年6月・光文社/カッパ・ノベルス『「傑作推理」大全集(上)』所収
>>平成10年/1998年6月・光文社/光文社文庫『日本ベストミステリー選集25 仮面のレクイエム』所収
生者の特権
>>初出『オール讀物』平成7年/1995年7月号
漏れる心
>>初出『オール讀物』平成7年/1995年11月号
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候補者 宮部みゆき 女35歳
選考委員 評価 行数 評言
黒岩重吾
男72歳
5 「表題の作品を除くと、小器用に纏められてはいるが平板で感動を伴わない。」
津本陽
男67歳
10 「巧みな技巧において、手にいったものである。」「ただ人間の諸相を読者にうなずかせる、シンバルのひと打ちといえるような鋭い切りこみがほしいものである。」
田辺聖子
女68歳
23 「小説のうまい作者でねえ……とまず最初にいいたくなるような作家である。」「ことに氏は子供を描かれると生彩がある。」「ただ、凹凸なく、もいいけれど、望蜀の嘆をいうなら、これらの諸作のうえに一篇、突出したショッキングな作品があれば、と思った。」
渡辺淳一
男62歳
6 「小説の上がりがいささか淡いというか、浅すぎる。才のある人だが、推理に気をとられて、本体が呆けたとでもいうべきか。」
阿刀田高
男61歳
15 「どの作品も楽しく読めるのだが、訴えてくるものが乏しい。」「この作家の実力はこんなものではないはずだ。これが候補作となったのは(これも酷な言い方だが、ありていに言えば)まことに不運であった、と私は思う。」
平岩弓枝
女64歳
27 「実績もあり、面白い作品を読ませてもらっていたので推したい気持は充分にあったのだが、この短篇集が候補作になったのは宮部さんのために不運としかいいようがない。」「いじめという重いテーマを才気にまかせて手軽くまとめてしまったり、「八月の雪」の二・二六事件の扱いなど、どうも小手先の芸のようで感動が薄かった。」「本当に残念でたまらない。」
五木寛之
男63歳
12 「作家自身にも不本意な候補推挙ではないかという声があった。なんといっても実力のある書き手である。受賞するならやはり自ら恃むところのある作品で受けたほうがいい。」「この作家の最良の部分が見えてこないうらみがあった。」
井上ひさし
男61歳
7 「「あまりにも軽い作品」が候補作になったのが不運だった。」
選評出典:『オール讀物』平成8年/1996年9月号
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文量
短篇集〔7篇〕
人質カノン
章立て
「1」~「3」
時代設定 場所設定
[同時代]  ある町
登場人物
遠山逸子(会社員)
眼鏡くん(中学生、コンビニの客)
佐々木修一(自動車修理工)
今井(逸子の近所の婦人、痴呆老人を世話)
十年計画
章立て
なし
時代設定 場所設定
[同時代]~約30年前  車内
登場人物
わたし(語り手)
彼女(運転手)
過去のない手帳
章立て
「1」~「3」
時代設定 場所設定
[同時代]  東京
登場人物
田中和也(大学生)
吉屋静子(手帳に記入されていた名前、行方不明)
八月の雪
章立て
「1」~「5」
時代設定 場所設定
[同時代]  ある町
登場人物
石野充(中学生、事故で右足切断)
飯田浩司(いじめられっ子、自殺)
石野勝一郎(充の祖父、元・歩兵三連隊員)
過ぎたこと
章立て
「1」~「4」
時代設定 場所設定
[同時代]~5年前  東京
登場人物
私(語り手、警備会社員)
少年(中学生、いじめられっ子)
生者の特権
章立て
「1」~「3」
時代設定 場所設定
[同時代]  ある町
登場人物
田坂明子(会社員、失恋)
島田健太郎(小学3年生、いじめられっ子)
漏れる心
章立て
「1」~「4」
時代設定 場所設定
[同時代]  東京
登場人物
照井和子(主婦)
照井利之(和子の夫、エンジニアで松山勤務)
浅井英司(照井家の上の階の住人、大学生)
浅井夫人(英司の母親)




直木賞 第116回候補  一覧へ

がもうていじけん
蒲生邸事件』(平成8年/1996年10月・毎日新聞社刊)
媒体・作品情報
作品名 別表記 表紙・背 「GAMOU-TEI JIKEN」併記
印刷/発行年月日 印刷 平成8年/1996年9月25日 発行 平成8年/1996年10月10日
発行者等 編集人 光田 烈 発行人 田中正延 印刷 精興社 製本 大口製本
発行所 毎日新聞社(東京都・大阪市・北九州市・名古屋市) 形態 四六判 上製
装幀/装画等 装幀 坂川事務所 装画 峰岸 達
総ページ数 427 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
24字
×22行
×2段
本文ページ 5~425
(計421頁)
測定枚数 1112
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書誌
>>初出『サンデー毎日』平成6年/1994年5月1日号~平成7年/1995年6月4日号/単行本化にあたり大幅改稿
>>平成11年/1999年1月・光文社/カッパノベルス『蒲生邸事件』
>>平成12年/2000年10月・文藝春秋/文春文庫『蒲生邸事件』
>>平成14年/2002年5月・大活字/大活字文庫『蒲生邸事件』(1)-(6)
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候補者 宮部みゆき 女36歳
選考委員 評価 行数 評言
渡辺淳一
男63歳
13 「どこといって悪いところはない。アイデアも文章も、それなりのレベルではあるが、圧倒的魅力に欠ける。」「小説として書くときは、もう少しモチーフを熟成させてから、とりかかるべきだろう。」
阿刀田高
男62歳
21 「みごとに構築された作品である。」「サービスがよすぎて、と言っては語弊があろうが、平仄が合い過ぎて、作品の印象がどこか幼くなってしまい、せっかくのモチーフが強く訴えてくれない。」「薄闇の中から読後に昂然と、歴史の生命力が現われるような作品であってくれれば、と、この力作を惜しんだ。」
津本陽
男67歳
8 「説得力に乏しい。推理小説では強みになっている作者の明快な文章が、この作品では軽みになったように思う。」
田辺聖子
女68歳
21 「時間旅行者を二・二六事件に結んだ奇想にまず脱帽。着地はむつかしかったろうと思われるが、みごとにきまった。」「私はこんな冒険をみとめてあげるべきだと思う。」「ことにキメ手というべきは〈黒井〉の出しかただった。」「読後感がさわやかでいい。」
黒岩重吾
男72歳
0  
平岩弓枝
女64歳
14 「才筆だが、主人公とタイムスリップして出会う人々との間に本質的な接点がないのが如何にも弱い。」「宮部さんの才能とエネルギーを、こうした形で使われてしまうことが、とても心配である。」「一人の作家にとって大事な時というのは、そう何度も廻って来ない。」
井上ひさし
男62歳
11 「なんといっても結末の、時空を超えた大きな恋物語の締め括り方が手が込んでいてすばらしく、そういえばこの作家はいつも結末が立派だと感嘆した」「受賞するにふさわしい内容をそなえていると考えたが、やはりてる(引用者注:「山妣」の登場人物)の妖しさに惜しくも半歩、及ばなかった。」
五木寛之
男64歳
0  
選評出典:『オール讀物』平成9年/1997年3月号
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文量
長篇
章立て
「第一章 その夜まで」「第二章 蒲生家の人びと」「第三章 事件」「第四章 戒厳令」「第五章 兵に告ぐ」「終章 孝史」
時代設定 場所設定
平成4年/1992年~[昭和11年/1936年]  東京
登場人物
尾崎孝史(大学受験生、現代人)
蒲生憲之(陸軍大将、二・二六事件当日に自決)
平田次郎(時間旅行者、蒲生邸の使用人)
向田ふき(蒲生邸の女中)
蒲生貴之(憲之の息子、東京帝大出の無職)
蒲生珠子(憲之の娘)
蒲生鞠恵(憲之の後妻)
蒲生嘉隆(憲之の末弟、商人)
葛城悟郎(医師)




直木賞 第120受賞  一覧へ

りゆう
理由』(平成10年/1998年6月・朝日新聞社刊)
媒体・作品情報
作品名 別表記 カバー ルビ有り「りゆう」
印刷/発行年月日 発行 平成10年/1998年6月1日(第1刷)
測定媒体発行年月日 発行 平成11年/1999年3月10日(第24刷)
発行者等 発行者 岡本行正 印刷所 凸版印刷
発行所 朝日新聞社(東京都) 形態 四六判 上製
装幀/装画等 装幀 神田昇和 カバー写真 黒杉政之
総ページ数 573 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
45字
×19行
×1段
本文ページ 7~571
(計565頁)
測定枚数 1088
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書誌
>>初出『朝日新聞 夕刊』平成8年/1996年9月2日~平成9年/1997年9月20日/単行本化にあたり加筆
>>平成13年/2001年9月・朝日新聞社/朝日文庫『理由』
>>平成16年/2004年7月・新潮社/新潮文庫『理由』
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候補者 宮部みゆき 女38歳
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし
男64歳
35 「バブル期の日本人のいくつかの典型を、もっと言えば、「世間が怖い、隣人が怖い」とおびえる日本人の現在を真正面から書き切った秀作である。」「つねに進んで現在と取り組もうという気丈な作家魂と、新工夫を怠たらぬ精進と、作者得意の定番の三つが一つになって、ここに巨きな作品が生まれたのである。」
田辺聖子
女70歳
44 「今回ようやく満場一致、各委員が積極的に支持されたのは喜ばしい。」「家族とはなにか。血縁とはなにか。そのテーマに説得力があるのは、作者の裡なる庶民感覚がすこやかでまっとうな点に、信頼感がもてるせいだろう。氏の小説的テクニックも完熟し、インタビューと証言でつないで事件の真実に迫っていくドキュメンタリータッチも、いやみなく興ふかい。」
渡辺淳一
男65歳
29 「単なる推理をこえて、現代の家族というか、人間模様を書きこんでいく幅の広さが魅力的である。」「いい面を認めたうえで、あえて不満をいえば、現代のいろいろな問題をそれなりに過不足なく描きはするが、そこから一歩すすめて、作家的な執念というか、こだわりのようなものが立上ってこない。」
阿刀田高
男64歳
26 「あるマンションで起きた四人の殺人事件を提示し、その真相を探査していくうちに、さまざまな家族のありようが見えてくる、というフィクションである。この家族の設定が巧みで舌をまく。宮部さんの長所がよく現われ筆致もよどみなく伸びている。」
黒岩重吾
男74歳
23 「最終投票において満票となった。大抵の場合、一、二票欠けるから、今回は珍しい受賞といえよう。」「作者は、現代の病弊を徹底的に取材し、小説的に構築する手腕に優れている。」「ただ気になるのは、作者の人間に対するこだわり方である。奥深いところまで届いていない。それにも拘らず満票となったのは、作者の小説に対する執念の成果であろう。」
平岩弓枝
女66歳
72 「大変な力作だと私も思った。」「ここ数年の宮部さんのめざましい仕事ぶりからしても、今回の受賞は極めて妥当だと思い、賛成した。」「満一歳にもならない赤ん坊が、父親を母親に殺されたという怖しい十字架を背負ったということに対して、作者はどう考え、どう対処しようとしているのかが明らかにされていない。(引用者中略)「理由」という作品に唯一、私が不満を感じたのは、その点であることを書いておきたい。」
津本陽
男69歳
20 「細部の書きこみがあまりにも多く、容易に話が進まないのにいらだつ思いであったが、実はそれが作者の狙いであるのであろうと、今度はじめて分った。」「読者は漠然としてとらえがたい社会環境の形をこの小説によってとらえたような気分になり、語り手を身近な訳知りの人のように感じる。」「こういう理解と共感を読者に与える独特の工夫を、作者はなしとげていたのである。」
五木寛之
男66歳
37 「発表当初から世評の高かった秀作で、今回の受賞も当然のことのような印象がある。」「宮部さんは、人間を社会に生きる存在として克明に描くという、小説の王道を臆することなくたどりながら、そのなかに人間の内面を鮮かに彫りおこすミステリーを創りあげることに成功した。」
選評出典:『オール讀物』平成11年/1999年3月号
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文量
長篇
章立て
「1 事件」「2 入居者」「3 片倉ハウス」「4 隣人たち」「5 病む女」「6 逃げる家族」「7 買受人」「8 執行妨害」「9 家を求む」「10 父と子」「11 売家」「12 幼い母」「13 写真のない家族」「14 生者と死者」「15 帰宅」「16 不在の人びと」「17 家出人」「18 綾子」「19 信子」「20 逃亡者」「21 出頭」
時代設定 場所設定
1996年  東京
登場人物
小糸信治(殺人事件のあった部屋の住人)
小糸静子(信治の妻)
石田直澄(物流会社運転手、殺人事件の容疑者)
室井綾子(未婚の母親)
八代祐司(綾子の恋人、結婚しない主義の持ち主)
砂川信夫(家出人)
秋吉勝子(家出人)
三田ハツエ(老人ホームに入居していた独居老人)




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