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第135回
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三浦しをん
Miura Shion
生没年月日【注】 昭和51年/1976年9月23日~
受賞年齢 29歳9ヶ月
経歴 東京都生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。古本屋でのアルバイト後、インターネット上で読書エッセイの連載を始める。平成12年/2000年に『格闘する者に○』で作家デビュー。
受賞歴・候補歴
  • |候補| 第11回島清恋愛文学賞(平成16年/2004年)『私が語りはじめた彼は』
  • |第9位| 第2回2005年本屋大賞(平成17年/2005年)『私が語りはじめた彼は』
  • |候補| 第18回山本周五郎賞(平成16年/2004年度)『私が語りはじめた彼は』
  • |候補| 第133回直木賞(平成17年/2005年上期)『むかしのはなし』
  • 第135回直木賞(平成18年/2006年上期)『まほろ駅前多田便利軒』
  • |第3位| 第4回2007年本屋大賞(平成19年/2007年)『風が強く吹いている』
  • |第4位| 第7回2010年本屋大賞(平成22年/2010年)『神去なあなあ日常』
  • |候補| 第27回織田作之助賞(平成22年/2010年)『天国旅行』
  • |候補| 第28回織田作之助賞(平成23年/2011年)『木暮荘物語』
  • 埼玉県の高校図書館司書が選んだイチオシ本2011[第1位](平成23年/2011年度)『舟を編む』
  • 第9回2012年本屋大賞(平成24年/2012年)『舟を編む』
  • 第2回Osaka Book One Project(平成26年/2014年)『仏果を得ず』
  • 第32回織田作之助賞(平成27年/2015年)『あの家に暮らす四人の女』
サイト内リンク 小研究-記録(年少受賞)
備考
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わたし かた かれ
私が 語りはじめた 彼は』(平成16年/2004年5月・新潮社刊)
書誌
>>平成19年/2007年7月・新潮社/新潮文庫『私が語りはじめた彼は』
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他文学賞 山本周五郎賞 18回候補 一覧へ
候補者 三浦しをん 女28歳
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎
男53歳
18 「近視眼的、というのが包み隠さぬ読後感である。これを顕微鏡的と言い換えれば褒めたことになるのだが、細部に捉われる余り全体像を見失っているという気がした。むしろ連作とせずに、それぞれ独立した短篇として完成させたほうがよかったのではあるまいか。」
北村薫
男55歳
40 「書物を愛する三浦さんが、喜びを感じながら、これからの物語を作り上げて行こうという姿勢が、よく伝わって来る。」「全体として「作る」作業がうまく運んでいたかと問われれば肯定し難い。最も気になるのは、物語の要の位置にいる村川の像が、それぞれの語りを通して、焦点を合わせるように浮かんでは来ないことだ。」
小池真理子
女52歳
32 「一点、決定的な弱点があった。」「肝心の村川の素顔が最後まで見えてこない。」「あまりに姿が見えてこないので、この作品を連作にするための道具に使われたにすぎない架空の人物、という印象すら残る。」「光る描写、才気のあるペダンティックな文章力を随所に感じさせもするが、大仰な表現も多出する傾向にある。」
重松清
男42歳
35 「小説を「つくる」作者の強い意志を感じた。」「残念ながら、僕には〈先生〉のくっきりとした像を見ることができなかった。」「特に冒頭の「結晶」の章に顕著な大仰な言い回しは、どうなのだろう。」「「結晶」の「文学臭」が後半の伸びやかさをも減じてしまった気がして、ああ、もったいない、と読後に嘆じたのである。」
篠田節子
女49歳
21 「主人公、村川先生から距離のある、間接的にしか彼を知らない青年たちの物語が面白い。」「話のサイズに比して、表現もテーマも大仰なのではないかという気がした。」「「愛」「理解」という言葉が、観念的に使われているが、むしろこの作者の持ち味は美意識にある。不道徳の美学をきちんと描ける希有な作家であるような気がする。」
選評出典:『小説新潮』平成17年/2005年7月号
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大衆選考会 131回推薦候補 一覧へ
大衆選考会での推薦
推薦者 推薦日 推薦文
kohei 平成16年/2004年7月3日 管理人さんの採点は辛いですが、今期はこの作品以外にないと思います。じつに巧みな構成と人物造形です。
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直木賞 第133回候補  一覧へ
『むかしのはなし』(平成17年/2005年2月・幻冬舎刊)
媒体・作品情報
作品名 別表記 カバー 「A LONG LONG TIME AGO」併記
印刷/発行年月日 発行 平成17年/2005年2月25日(第1刷)
発行者等 発行者 見城 徹 印刷・製本所 株式会社光邦
発行所 株式会社幻冬舎(東京都) 形態 四六判 上製
装幀/装画等 表紙写真 横山孝一(多摩川・東京都狛江市付近) ブックデザイン 鈴木成一デザイン室
総ページ数 267 表記上の枚数 奥付前頁 340枚 基本の文字組
(1ページ当り)
40字
×17行
×1段
本文ページ 7~264
(計258頁)
測定枚数 380
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書誌
>>書下ろし
>>平成20年/2008年2月・幻冬舎/幻冬舎文庫『むかしのはなし』
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候補者 三浦しをん 女28歳
選考委員 評価 行数 評言
平岩弓枝
女73歳
15 「無理に昔話にこだわらなくともホストクラブのホストを主人公にした「ラブレス」は好短篇として読める。」「地球に隕石が衝突する話をテーマにした短篇が続くのは種切れの感がしてマイナスになったと思う。」
阿刀田高
男70歳
10 「古いものがたりも、現代のエピソードも、近未来の出来事も、みんないつかは“むかしのはなし”になってしまう、という意図で創られているのだろうが、その意図がうまく小説化されていないように思った。」
五木寛之
男72歳
13 「今回の候補作品のなかで、私がもっとも楽しんで読んだ佳作である。」「湿り気のないヒューマンな人物描写に新鮮味がある。失敗は、なにやら民俗学的前説を各章にくっつけたことだろう。」
林真理子
女51歳
6 「日常と非日常とがうまく接着出来ていない。地球の滅亡、などということをせずふつうの青春小説でもよかったのではないか。」
宮城谷昌光
男60歳
3  
渡辺淳一
男71歳
0  
津本陽
男76歳
7 「どれもまとまった作品であるが、印象が薄いというか、弱い感じがする。才筆の持主だから、もっと工夫をすればいいと思うのだが。」
北方謙三
男57歳
10 「エピグラフと本篇に有機的な繋がりが感じられず、また隕石の衝突による地球の滅亡という設定も、大きな必然性はないという気がした。」「無駄な作為が、足を引っ張ったという感じだった。」
井上ひさし
男70歳
24 「「ラブレス」がいい。緊迫感あふれる傑作である。」「この調子で行ってくれと祈りながら読みつぐうちに、口惜しいことに次第に調子が落ちて行った。各篇の冒頭に掲げられた日本昔話と本体とのつながり具合がよくわからないし、各篇を貫く〈隕石の接近〉という仕掛けも、それほどうまくは活用されていない。」
選評出典:『オール讀物』平成17年/2005年9月号
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文量
連作短篇集〔7篇〕
ラブレス
時代設定 場所設定
[同時代]  東京
登場人物
俺(語り手、ホスト)
神保(俺の客)
田山(城之崎組の幹部)
ロケットの思い出
時代設定 場所設定
[同時代]  東京
登場人物
俺(語り手、空き巣)
犬山(俺の高校時代の同級生)
ロケット(俺の昔の飼い犬)
ディスタンス
時代設定 場所設定
[同時代]  東京
登場人物
あたし(語り手、高校生)
鉄八(あたしの叔父、司法試験勉強中)
入江は緑
時代設定 場所設定
[同時代]  ある入江
登場人物
ぼく(語り手)
修ちゃん(ぼくの隣人)
カメオカタツコ(修ちゃんの婚約相手、研究員)
たどりつくまで
時代設定 場所設定
[同時代]  東京~横浜
登場人物
私(語り手、タクシー運転手)
彼女(私の乗客)
時代設定 場所設定
[同時代]  あるドーム内
登場人物
私(語り手)
サル(私の夫、花の開発研究者)
浅田(私の元彼、サルの友人)
懐かしき川べりの町の物語せよ
時代設定 場所設定
[同時代]  東京
登場人物
僕(語り手、高校生)
モモちゃん(神保百助、僕の同級生)
宇田鳥子(モモちゃんの恋人)
有馬真白(モモちゃんの友人)




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えきまえ べんりけん
『まほろ 駅前 便利軒』(平成18年/2006年3月・文藝春秋刊)
媒体・作品情報
作品名 別表記 奥付 ルビ有り「えきまえただべんりけん」
印刷/発行年月日 発行 平成18年/2006年3月25日(第1刷)
発行者等 発行者 白幡光明 印刷所 凸版印刷 製本所 中島製本
発行所 株式会社文藝春秋(東京都) 形態 四六判 並製
装幀/装画等 写真 前 康輔 本文イラスト 下村富美 装幀 大久保明子
総ページ数 334 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
43字
×18行
×1段
本文ページ 7~334
(計328頁)
測定枚数 577
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書誌
>>初出『別冊文藝春秋』255号~260号[平成17年/2005年1月~11月]
>>平成21年/2009年1月・文藝春秋/文春文庫『まほろ駅前多田便利軒』
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候補者 三浦しをん 女29歳
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし
男71歳
40 「感服した。」「街のたたずまいや人びとの息吹きがよく書けている。」「友情小説としても上出来である。」「本作は、ため息が出るほどみごとで爽やかな成長小説でもあった。」
平岩弓枝
女74歳
23 「候補作の中で、ずば抜けた秀作と思った」「登場人物を描く作者の目線がまことに快い。」「暗いものを背負って生きている行天さんから愛敬をひき出してみせた手腕なぞ羨しいほど見事だ。この作者の年齢の時、私はとてもこれだけの作品は書けなかったと思い知って、また一段と羨しくなった。」
宮城谷昌光
男61歳
6 「他の選考委員の評にゆずる。私は(引用者中略)好意をもって読んだ。」
阿刀田高
男71歳
27 「私自身まったく迂闊なことだが(これが二度目の候補であるにもかかわらず)作者が男性だと思い込んで読んでいた。」「若い才能の赴くまま無理なく書いているように見えて、その実、これが女性の作家の手によるとなると、背後に相当な企みや修練が伏在していると考えるべきだろう。」「才能の淵源がどのあたりにあるのかつかみきれず、これもまた大きな期待となった。」
北方謙三
男58歳
32 「読んでいてひたすら面白いという、小説の本質のひとつを充分に持っている作品だった。」「主人公のトラウマの過剰さに、いくらかひっかかりを覚えた。」「読後感はいい。」「今回は、三浦氏が一番手で、次に伊坂氏と森氏が並ぶという評価で、選考会に臨んだ。」
林真理子
女52歳
12 「若さが前面に出ている。若者ふたりの生活が、ややありきたりのイマドキ小説っぽく、私には物足りなかった。しかし受賞作にふさわしい才能であることには間違いない。」
五木寛之
男73歳
12 「上手な小説である。しかし、この作家の本領は、もっとちがうタイプの小説にあるのかもしれない。思いがけない化けかたをする予感を信じて、(引用者中略)一票を投じた。」
渡辺淳一
男72歳
18 「妖しげな小説である。」「現代的な雰囲気を描こうとした著者の狙いはそれなりにわかるが、やや受けを狙いすぎて筆がすべりすぎたようである。とくに男二人の生活はボーイズ・ラブの延長のつもりか、大人の男の切実さとリアリティーに欠ける。」
選評出典:『オール讀物』平成18年/2006年9月号
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大衆選考会 135回推薦候補 一覧へ
大衆選考会での推薦
推薦者 推薦日 推薦文
kohei 平成18年/2006年6月15日 版元が文藝春秋ですし、2度めの候補作になるのは間違いないでしょう。ただし、受賞するかというと、現在の一部の選考委員がどこまで三浦しをんの小説を読解できるか、第133回の選評を読むと大いに疑問です。想像するに、今回の作品での受賞は、なかなかむずかしいのではないでしょうか。
というのは、三浦しをんの今回の作品において、軽いように見えて、じつはその奥にしっかりと描かれている、家族の絆とか人と人との関係性とか、そうした著者がいつもこだわり続けるテーマにピンとくる感性が読み手には求められるからです。何人の選考委員がそれを感じ、共感できるかということに、三浦しをんの受賞の成否ははかかっているとわたしは思っています。
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文量
長篇
章立て
「〇 曽根田のばあちゃん、予言する」「一 多田便利軒、繁盛中」「二 行天には、謎がある」「三 働く車は、満身創痍」「四 走れ、便利屋」「四・五 曽根田のばあちゃん、再び予言する」「五 事実は、ひとつ」「六 あのバス停で、また会おう」
時代設定 場所設定
[同時代]  東京都まほろ市[架空]など
登場人物
多田啓介(便利屋)
行天春彦(多田の高校時代の同級生、無職)
ルル(自称コロンビア人の娼婦)
星(クスリの売人)
田村由良(小学四年生)




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