直木賞のすべて

直木賞受賞作
全作読破への道
part 1

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Last Update[H12]2000/8/7

連載企画、スタートです。

現在、「芥川賞受賞作を全部読もう」と一念発起したとして、その実現への道は、あまり遠くありません。
文藝春秋が『芥川賞全集』という全集を刊行しており、これが多くの図書館に所蔵されているからです。
全集刊行後の受賞作についても、文庫や単行本などで、ほとんど容易に手に入ります。

しかし、直木賞のほうは、そうはいきません。
「大衆文芸のくせに、なぜこれほどまでに、大衆が読める環境になっていないのだ」
と、嘆きたくなるほどです。
直木賞受賞作は、現在のところ、145作家、159作品
(この数は公式のものではありません。
第1回受賞作を「鶴八鶴次郎」のみ、第3回受賞作を「天正女合戦」のみ、
とする文献もあるので、それに依れば、157作品となります)。
このすべてを読もうと思うと、かなりの努力を要します。

そこで、私個人の経験をもとに、
「これから直木賞受賞作を読んでみたい」と考える人たちに
少しはお役に立てることもあると思い、
以下、「直木賞受賞作全作読破への道」をまとめてみたいと思います。

この連載について、情報をお持ちの方は、ぜひお教えください。
mail to P.L.B


超初級者篇
最近の受賞作を、単行本で読む。


第123回受賞
『GO』
金城一紀

平成12年/2000年3月・講談社刊
本体1,400円
ISBN4-06-210054-1

第123回受賞
『虹の谷の五月』
船戸与一

平成12年/2000年5月・集英社刊
本体1,900円
ISBN4-08-774467-1

第122回受賞
『長崎ぶらぶら節』
なかにし礼

平成11年/1999年11月・文藝春秋刊
本体1,524円
ISBN4-16-318820-7

第121回受賞
『王妃の離婚』
佐藤賢一

平成11年/1999年2月・集英社刊
本体1,900円
ISBN4-08-775248-8

第121回受賞
『柔らかな頬』
桐野夏生

平成11年/1999年4月・講談社刊
本体1,800円
ISBN4-06-207919-4

第120回受賞
『理由』
宮部みゆき

平成10年/1998年6月・朝日新聞社刊
本体1,800円
ISBN4-02-257244-2

第119回受賞
『赤目四十八瀧心中未遂』
車谷長吉

平成10年/1998年1月・文藝春秋刊
本体1,619円
ISBN4-16-317420-6

第109回受賞
『マークスの山』
高村 薫

平成5年/1993年3月・早川書房刊
本体1,800円
ISBN4-15-203553-6
まず何と言っても、読破への道の王道中の王道は、書店で単行本を探して、買って読む、という手です。

そして最も入手しやすいのが、最近の作品(つまり、まだ絶版・品切れになる前のもの)であるのは、自明の理。

とくに、最直近の受賞作は、書店でもかなり目立つところに平積みされている場合が多いので、迷わず見つけられるでしょう。ちょっと前の受賞作は、たいてい棚差しになっていますが、これもまた入手しやすいことに変わりはありません。

近くの書店に行けば(極端に小さな店でなければ)、左に紹介する数冊は、確実に読むことができるでしょう。

「しかしねえ。単行本は値段が高いので、いずれ文庫になるまで待つよ」という向きもあるでしょう。確かに、それはそれで、一つの手です。

しかし、この手は「直木賞受賞作」の場合に限られます。「直木賞候補作」を、可能な限り読んでやろう、という向きは、あまりこの手を使いすぎるのは危険です。受賞作は、かならずといっていいほど、やがて文庫になりますが、候補作はその法則が通用しません。ちょっと前の候補作でも、文庫になっていないし単行本は品切れだし、すでに入手できない、というものが結構あるのです。油断できません。

もう一つ、受賞作のなかでも、最近では珍しい例外があって、それが第109回受賞の高村薫氏『マークスの山』です。

単行本は平成5年/1993年の発行、以来、いまだ文庫になっていません。今後も文庫にならないのかどうかは、早川書房にきいてみなければわかりません(きっと、きいてもわからない)。

この作家の場合は、文庫になるときには、また筆を大幅に入れたりするので、おそらく「直木賞受賞作を読む」という意味では、単行本で読んでおくしかないでしょう。


ちなみに、左の8作品のうち、サイト管理者(P.L.B.)が独断と偏見で、お勧めを選ぶとするなら、佐藤賢一氏『王妃の離婚』。最初は少し、とっつきにくい文体かもしれませんが、慣れてくるうちに、ストーリーの盛り上げ方やユーモアの妙につられて、面白く読めます。勧善懲悪のお話には違いありませんが、ヒロインたる王妃が、決して可憐でも乙女でも美人でもないところが、またいいんです。
Part2は、初級者篇「ちょっと前の受賞作を、文庫本で読む」です。
[H12]2000/8/26にUploadしました。
->Part2

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