直木賞のすべて
第106回
候補作家の群像 トップページ
直木賞・芥川賞受賞作一覧
受賞作・候補作一覧
受賞作家の群像
選考委員の群像
選評の概要
小研究
大衆選考会
マップ

候補作家の一覧へ
前の回へ後の回へ
Last Update[H28]2016/10/17

中島らも
Nakajima Ramo
生没年月日【注】 昭和27年/1952年4月3日~平成16年/2004年7月26日
経歴 本名=中島裕之(ナカジマ・ユウシ)。兵庫県尼崎市生まれ。大阪芸術大学放送学科卒。印刷会社、広告代理店・日広エージェンシー勤務ののち、中島らも事務所設立。テレビ番組の構成・出演、雑誌のエッセイなどで幅広く活躍。
受賞歴・候補歴
  • TCC賞準新人賞(昭和58年/1983年)
  • |候補| 第4回山本周五郎賞(平成2年/1990年度)『今夜、すべてのバーで』
  • |候補| 第106回直木賞(平成3年/1991年下期)『人体模型の夜』
  • |候補| 第36回岸田國士戯曲賞(平成4年/1992年)『人体模型の夜』《戯曲》
  • 第13回吉川英治文学新人賞(平成3年/1991年度)『今夜、すべてのバーで』
  • 第10回日本冒険小説協会大賞[特別大賞](平成3年/1991年度)『今夜、すべてのバーで』
  • |候補| 第6回山本周五郎賞(平成4年/1992年度)『ガダラの豚』
  • |候補| 第109回直木賞(平成5年/1993年上期)『ガダラの豚』
  • 第47回日本推理作家協会賞[長編部門](平成6年/1994年)『ガダラの豚』
  • |候補| 第112回直木賞(平成6年/1994年下期)『永遠も半ばを過ぎて』
サイト内リンク 小研究-ミステリーと直木賞
備考
  - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -



こんや
今夜、すべてのバーで』(平成3年/1991年3月・講談社刊)
書誌
>>平成6年/1994年3月・講談社/講談社文庫『今夜、すべてのバーで』
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他文学賞 山本周五郎賞 4回候補 一覧へ
候補者 中島らも 男39歳
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし
男56歳
32 4.5点「飲まなきゃいいがなあとか、飲んでもいいんじゃないかとか、読者のほうが主人公になって、主人公よりもはらはらする。これを自然に仕掛けているところなど、大変な才能だと思いました。」「主治医の赤河先生は、赤ひげみたいだし、みんなパターンなんですけど、その先へ行っている。」
田辺聖子
女63歳
39 5点「いやあこれは、痛快な作品、痛快な才能だと思った。本当に現代的な才能ですね。文章のセンスがとっても垢抜けてるし、それぞれの登場人物も、実によく出来ています。」「夢のお話というのは、小説に使うとあまり成功しないんですけど、この小説では、アメフラシの気持ちの悪い夢が、とってもよく効いていました。」「文章センスからいうと、やっぱり中島さんは新しいですよ。切り口がとっても新鮮。」
野坂昭如
男60歳
38 5点「これはもう、当たり前で五なんですね。」「言うことは何もない。」「山本賞に一番ふさわしいと思う。」「井上さん、ほんとにあなたは口うるさいね。(引用者中略)あなたが黙って、中島らもは五、それだけいっときゃよかったんだよ(笑)。」「(引用者注:稲見一良への授賞は)手堅いには違いないけど、中島のほうが先がある。」「こういう賞を上げれば、彼、ほんとに伸びていくよ。」
藤沢周平
男63歳
38 4.5点「らもさんという人、私は初めて読んだんですが、実に新鮮な才能だと思いますね。」「難点をいえば、いささか理屈くさいんですね。」「生の資料を、無造作に小説の中に投げ込んでいいものかどうか、私にはその疑問がありましてね。」
山口瞳
男64歳
56 4点「今回の五篇の中で、断然読みやすいのはこの人ですね。これは天性のものです。疑いもなく才能がありますね、この作家は。」「これ、小説といえるかどうか、私は疑問に思います。特に最後が、論文になってしまって、小説としての首尾結構を失っていると思います。」「中島さんというのは、ちょっと危なっかしい才能でもあるね。」
最終投票     ○2票
選評出典:『小説新潮』平成3年/1991年7月号
        - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他文学賞 吉川英治文学新人賞 13受賞 一覧へ
候補者 中島らも 男39歳
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし
男57歳
17 「結尾における主人公の台詞「きみがおれのアルコールだ」に粋で、洒落ていて、温かで、この一行を読むだけでも、作者の才能が並のものでないことは歴然としている。」「以前読んだときは、いいところがしばしば資料の引用であることが気にかかったが、今度読み返してみて、なにをどこへ引用するかもやはり作家の才能の一つだろうとすっかり得心した。」
尾崎秀樹
男63歳
15 「退薬症状から禁断症状と、文字どおりの地獄図を冷静に客観化しており、しかもこの重い素材を、いかにも軽妙に語っている。主人公のおかれた状況から、周辺の登場人物の生態まで確かな眼でとらえられており、一個の人生ドラマでもある。そのしたたかな造型力を買いたい。」
佐野洋
男63歳
0  
野坂昭如
男61歳
16 「幕があくと、そこにアル中がいる、ひたすらアル中なのだ。」「軽快な文体、イキのいい会話、だが人まじわりかなわぬ者の、醒めた眼玉のゴロリところがっている凄さが、この小説にはある。ボクがアル中だから、むやみに感心してるのかと、心配だったのだが、満票で入選、よかった。」
半村良
男58歳
12 「入院中に候補作を読む羽目になったせいで、(引用者中略)一番面白く読んだ。」「担当医や同室の患者などは、たしかにこうした作品によくある、類型的な人物と言えるかも知れないが、私には受賞が当然という感じだった。」
選評出典:『現代』平成4年/1992年5月号
        - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -



直木賞 第106回候補  一覧へ

じんたいもけい よる
人体模型の 夜』(平成3年/1991年11月・集英社刊)
媒体・作品情報
作品名 別表記 奥付 ルビ有り「じんたいもけい」「よる」
印刷/発行年月日 発行 平成3年/1991年11月10日(第1刷)
発行者等 発行者 若菜 正 印刷所 大日本印刷株式会社
発行所 株式会社集英社(東京都) 形態 四六判 上製
装幀/装画等 装画 ひさうちみちお 意匠 岡邦彦
総ページ数 261 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
42字
×18行
×1段
本文ページ 7~261
(計255頁)
測定枚数 406
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
書誌
>>平成7年/1995年11月・集英社/集英社文庫『人体模型の夜』
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
収録作品の書誌
プロローグ
>>書き下ろし
邪眼
>>初出『青春と読書』平成2年/1990年7月号
セルフィネの血
>>初出『青春と読書』平成2年/1990年8月号
>>平成28年/2016年4月・集英社刊『冒険の森へ 傑作小説大全15』所収
はなびえ
>>初出『青春と読書』平成3年/1991年1月号
耳飢え
>>初出『青春と読書』平成2年/1990年9月号、10月号
健脚行――43号線の怪
>>初出『青春と読書』平成2年/1990年11月号
>>初出『青春と読書』平成2年/1990年2月号
ピラミッドのヘソ
>>初出『青春と読書』平成2年/1990年5月号、6月号
EIGHT ARMS TO HOLD YOU
>>初出『青春と読書』平成3年/1991年2月号
骨喰う調べ
>>初出『問題小説』平成2年/1990年7月号「骨を喰う人」
貴子の胃袋
>>初出『週刊小説』平成2年/1990年6月「胃の中の殺意」
乳房
>>初出『青春と読書』平成3年/1991年5月号
翼と性器
>>初出『青春と読書』平成3年/1991年4月号
エピローグ
>>書き下ろし
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
候補者 中島らも 男39歳
選考委員 評価 行数 評言
陳舜臣
男67歳
16 「文章とストーリー構成力は相当なもので、私はそれを高く評価した。」「オカルトとグロの角度から、なにをのぞかせようとするのだろうか。これは読者のほうも、読む技術を要求される小説である。非凡とはおもうが、三十数年前の星新一氏の登場のときほどのショックはなかった。」
平岩弓枝
女59歳
15 「才気煥発の小説とでもいったらよいだろうか。」「同じ傾向の短篇を並べると、どうしても無理に創った作品が出て来る。技巧で勝負しようとするとそれがマイナスに働いて損をすることがある。」
五木寛之
男59歳
11 「中島らもさんの才気は、今回の「人体模型の夜」では十分に開花していないと思う。」「文中にはさまれるペダントリイの底の浅いのも気になった。小説を書くには、鋭い感覚の背後に鈍重な何かが必要な気がする。」
田辺聖子
女63歳
26 「私はこの毒性の強い才気に生理的快感をおぼえ、ぜひこういう作品にも受賞してもらいたいと思ったが、票を集めるに至らなかった。」「作品の方が賞をえらぶ躰のものであろう。されば賞を貰えないのがこの手の作品の栄光という場合もある。」
黒岩重吾
男67歳
30 「三作(引用者注:「狼奉行」「緋い記憶」「人体模型の夜」)を受賞圏内の作品とし、選考会に出席した。」「短い枚数で、これだけ面白い短篇を揃えた作者の才筆には、なみなみならぬものがある。」「ただこの作品集が受賞を逸したのは、この種の小説に必要な無気味な鬼が存在せず、人間が持つ本質的な謎に迫るものがなかったせいであろう。」
渡辺淳一
男58歳
8 「才気は認めるが、いささか知識だけが先行して、小器用なこけおどしに終ってしまった。なによりも、わたしが医師であったせいか、恐怖をまったく感じなかったことに当惑した。」
井上ひさし
男57歳
18 「「邪眼」や「EIGHT ARMS TO HOLD YOU」は展開の巧みさや落ちの鋭さで読む者の度肝を抜く。ただ、どのコントもどこかで人間を信用していないところがあって、それが読者を常に不安に陥れる。もちろんそれは欠点ではない、むしろ長所でさえあるのだが、しかしなにか空しく、感心するが愛せない。」
山口瞳
男65歳
58 「才気だか才能だかわからないが、それのあるのは中島さんが一番だと思った。」「この明るい厭世主義、無手勝流の虚無主義は間違いなく新しい文学の行方を示唆しているように思われる。」「好い加減に書いているように見えるが作者は背景や小道具にも細心の注意を払っていて、それも快い。」
藤沢周平
男64歳
28 「びっくりさせられるのはこの作家の才気煥発ぶり。」「ただこうした博識の部分をのぞくと小説の底は意外に浅く、こういう軽快なつくりの小説の魅力を認めながらも、賞という形で称揚すべきほどのものかどうか、私には疑問に思われた。」
選評出典:『オール讀物』平成4年/1992年3月号
        - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
文量
連作短篇集〔14篇〕
プロローグ
時代設定 場所設定
[同時代]  ある屋敷
登場人物
少年
邪眼
時代設定 場所設定
[同時代]  スリランカ
登場人物
私(語り手、商社勤務)
沙也加(私の妻、妊婦)
アレックス(アメリカ人、商社勤務)
ハーリティ(私のメイド)
セルフィネの血
時代設定 場所設定
[同時代]  セルフィネ島
登場人物
私(語り手、楽園を求める旅人)
ナオミ(私の恋人)
はなびえ
時代設定 場所設定
[同時代]  都内
登場人物
梨恵子(独身の調香師)
泉(不動産会社の二代目)
耳飢え
時代設定 場所設定
[同時代]  ある町
登場人物
俺(語り手、盗聴マニア)
森美奈子(俺の隣人)
健脚行――43号線の怪
時代設定 場所設定
[同時代]  西宮周辺
登場人物
私(語り手、柳沢、元レーサー)
里志(私の知り合いの中学生)
時代設定 場所設定
[同時代]  ある町
登場人物
私(語り手、梨木保、金利生活者)
男(人面瘡の持ち主)
ピラミッドのヘソ
時代設定 場所設定
[同時代]  新宿
登場人物
若松光彦(建築工学の学者)
若松一政(老実業家、光彦の義父)
EIGHT ARMS TO HOLD YOU
時代設定 場所設定
[同時代]  クルーザー船内~東京~カリフォルニア
登場人物
族永作(ミュージシャン)
男(族にジョン・レノン未発表曲を売った男)
骨喰う調べ
時代設定 場所設定
[同時代]  都内
登場人物
俺(語り手、大久保、墓地営業マン)
式沢(老人)
貴子の胃袋
時代設定 場所設定
[同時代]  私の家
登場人物
私(語り手)
貴子(私の娘、食事を拒否)
乳房
時代設定 場所設定
1990年  ニューヨーク州
登場人物
福永(大脳生理学教授)
アンソニー・ジャーニ(教授、福永の共同研究者)
翼と性器
時代設定 場所設定
[同時代]  東京
登場人物
吉岡保(産婦人科医)
エピローグ
時代設定 場所設定
[同時代]  ある屋敷
登場人物
少年




直木賞 第109回候補  一覧へ

ぶた
『ガダラの 豚』(平成5年/1993年3月・実業之日本社刊)
媒体・作品情報
印刷/発行年月日 発行 平成5年/1993年3月25日(初版第1刷)
測定媒体発行年月日 発行 平成7年/1995年3月25日(初版第16刷)
発行者等 発行者 増田義和 印刷 大日本印刷 製本 石毛製本所
発行所 実業之日本社(東京都) 形態 四六判 上製
装幀/装画等 装幀 北見 隆 フォト 大滝吉春 カット 赤坂徹朗
総ページ数 598 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
25字
×20行
×2段
本文ページ 5~598
(計594頁)
測定枚数 1470
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
書誌
>>初出『週刊小説』平成3年/1991年4月12日号~平成4年/1992年9月25日号
>>平成8年/1996年5月・集英社/集英社文庫『ガダラの豚』(1)~(3)
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
候補者 中島らも 男41歳
選考委員 評価 行数 評言
田辺聖子
女65歳
4 「興趣横溢という点では、受賞作二作に決して劣らない。次作に期待。」
黒岩重吾
男69歳
0  
井上ひさし
男58歳
18 「作者の才筆は今回も読者を堪能させてくれる。」「その手腕に喝采を惜しむものではないが、今回は物語の勘どころに破綻があったようだ。」「それでもこの作品に合格点をつけたのはおもしろさでは際立っていたからであるが、やはり支持する声は少なかった。」
陳舜臣
男69歳
12 「冒頭が面白く、期待して読み進んだが、やがてそれは裏切られた。このような反現実世界をえがくには、現実世界と薄い膜ひとつはなれたところに構築し、そこから逆に現実世界を照らし出さねばならない。なによりも長すぎる。よけいなだじゃれは省略して、もっと緊迫した世界をえがき出してほしい。」
藤沢周平
男65歳
22 「おもしろい小説だった。」「らもさんの小説のおもしろさは、真の呪術はわれわれの日常と不即不離の関係で現在も存在するという事実を大テーマに据え、文明の暗黒面に触手をのばしている点にある。ただらもさんは頭脳明晰に過ぎるのか、不思議を不思議としておけずにただちに解説を加えるので興ざめするところがあった。」
五木寛之
男60歳
32 「読みはじめてしばらくは、こいつは凄い小説になりそうだぞ、と、ぞくぞくしながらページをめくったのだが、後がいけない。」「肩すかしをくらったような気分だった。」「また、これだけの小説を書くためには、参考文献の読みかたが足りないような気もしないではない。」「どう考えても、この三分の一の長さで十分な題材である。」
山口瞳
男66歳
20 「票が集まらなかったのには驚いた。とにかく読ませる。特に前半のインチキ新興宗教を暴くあたりの調子がいい。しかし、三部にわかれている第二部のアフリカに到着する頃からダレてくる。何といっても長すぎる。」「中島さんはキチンと枠組を組んでから書いたほうがいいように思う。」
渡辺淳一
男59歳
5 「知識やお喋りは相当なものだが、本当の実はあまり入っていないようである。」
平岩弓枝
女61歳
9 「作者の大智識はともかく、肝腎の呪術に対して、作者は信じるのか、否定するのか、腹がきまっていないのがいけない。読者の判断にまかせるといっても、作者はどう考えているのかと訊かれて返事が出来なくては無責任であろう。」
選評出典:『オール讀物』平成5年/1993年9月号
        - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
他文学賞 山本周五郎賞 6回候補 一覧へ
候補者 中島らも 男41歳
選考委員 評価 行数 評言
阿刀田高
男58歳
40 4.5点「とても読みやすく、面白く、血沸き肉躍るという感じで、最後まで引っ張っていかれるエンターテインメントです。」「ただこの人は、あまり一生懸命書いていない(笑)。(引用者中略)緻密な部分と、すかすかの部分とが、平然と渾然一体をなしています。」「こんなに雑なものをすいすいと書いて、それである時間を楽しく読者と著者とが共有できるようにするというのも、間違いなく小説家の才能ですね。」
井上ひさし
男58歳
66 4点「とにかく、さまざまな情報解説を、これほど素直に読ませられる小説というのはなかなか珍しい。」「志織が日本語を喋るかスワヒリ語に戻ってしまうかということは大事なことなのですが、こういう大事な、物語の結節点のようなところを意外にぞんざいに扱う。」「ただ、たいへん面白い。それから、本当に読者を面白がらせようとして必死になっている。」「すごい穴を平気で乗り越えるという楽天性、これはすばらしい。」「ただ、計算して書いているところは、それほど面白くない。」
逢坂剛
男49歳
49 4.5点「まったく話のとおりに読んでいけばいい、わかりやすい小説です。」「文章上の問題なのですが、視点が未整理になっているところが気になりました。」「全体的に、この小説に対する作者のスタンスがちょっと不明確だな、と感じました。」
長部日出雄
男58歳
56 5点「エンターテインメントとして非常に新しいタイプの快作だと思います。」「途中いろいろウルトラC級の展開があって、最後にピタリと着地する。途中まで何度も出てきた台詞が最後にもう一回出てきて、それまでの伏線がいきてくるわけですが、見事にきまっているという感じを受けました。」
山田太一
男58歳
53 3.5点「とても楽しく読み、才能のある人だと思いました。欠点を修正したら、面白さも半減してしまう種類の作品だとは思いますが、やはり惜しい、もっといい作品を書く人のはずだという気持ちがあって減点しました。」「とりわけ前半ですが、たとえば大宅壮一文庫へ行って週刊誌などで取り上げている材料を集めてきて、才気でまとめて面白く読ませるということを、そんなに評価していいのだろうかという気も少ししますが。」
最終投票     1回目○2票、2回目○2票
選評出典:『小説新潮』平成5年/1993年7月号
        - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
文量
長篇
章立て
「プロローグ」「第I部」【「一」~「六」】「第II部」【「一」~「七」】「第III部」【「一」~「五」】「エピローグ」
時代設定 場所設定
[同時代]  東京~ケニア・クミナタトゥ村
登場人物
大生部多一郎(民族学者)
大生部逸美(多一郎の妻)
大生部志織(多一郎の娘、東アフリカで転落死)
大生部納(多一郎の息子、中学生)
道満光彦(多一郎の助手)
秋山ルイ(サイコセラピスト)
清川慎二(スプーン曲げ少年)
Mrミラクル(奇術師)
沢井心玉尊師(新興宗教教祖)
バキリ(クミナタトゥの呪術師)
ムアンギ(通訳)
馬飼(テレビプロデューサー)
水野(ディレクター)




直木賞 第112回候補  一覧へ

とわ なか
永遠も 半ばを 過ぎて』(平成6年/1994年9月・文藝春秋刊)
媒体・作品情報
作品名 別表記 背・扉 ルビ有り「とわ」「なか」 奥付 ルビ有り「とわ」「なか」「す」
印刷/発行年月日 発行 平成6年/1994年9月15日(1刷)
測定媒体発行年月日 発行 平成9年/1997年11月10日(10刷)
発行者等 発行者 和田 宏 印刷 凸版印刷 製本所 加藤製本
発行所 株式会社文藝春秋(東京都) 形態 四六判 上製
装幀/装画等 写真 飯村昭彦 装丁 日下潤一
総ページ数 312 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
40字
×16行
×1段
本文ページ 3~312
(計310頁)
測定枚数 457
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
書誌
>>初出『オール讀物』平成5年/1993年12月号~平成6年/1994年2月号
>>平成9年/1997年9月・文藝春秋/文春文庫『永遠も半ばを過ぎて』
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
候補者 中島らも 男42歳
選考委員 評価 行数 評言
藤沢周平
男67歳
18 「小説のおもしろさということでは、(引用者中略)ずば抜けていた。」「やや才気が鼻につく個所があり、また勉強のあとが正直に出ているところもあるが、この作者の才能は疑いの余地がないものだ。図抜けたおもしろさも直木賞の守備範囲にきちんとおさまり、十分に受賞水準に達した作品と思われた。」
渡辺淳一
男61歳
8 「相変らずの博識で前半は読ませるが、後半の人間模様にいたると途端にくずれる。ここまで書いてきて作者はなにを訴えたかったのか、その主題が浮き出てこない。」
田辺聖子
女66歳
21 「作者独走の気味がやや強いと思った。」「視点を「おれ」と「相川」にひんぱんに変え、読者を翻弄し韜晦する。読者はたえず梯子をはずされて混乱する。――昔のフランス映画みたい。」
黒岩重吾
男70歳
5 「前の候補作と同じく才気にまかせ描いているといった感じで、造型力が足りない。」
山口瞳
男68歳
9 「らもさんに言いたいのは、小説はこんなに凝りに凝って捻りに捻って書くものではないということだ。『人体模型の夜』はとてもよかったのに――。」
平岩弓枝
女62歳
12 「「永遠も半ばを過ぎて」を推すつもりで選考会に出た。」「この作者独特の巧緻のちりばめ方も見事で嫌味がなく、大変に楽しく読んだ。案に相違したのは、それほど票がまとまらなかったことで、これは今でも意外に思っている。」
井上ひさし
男60歳
12 「前半は「大」の字の付く傑作である。ところが、そこから先に、この才能豊かな書き手の、おそらく唯一の弱点と思われる「資料に頼りすぎる癖」が出てしまったようだ。資料をもう一ト噛みしないと、中島らもの魅力がその分だけ薄れてしまう。」
五木寛之
男62歳
0  
選評出典:『オール讀物』平成7年/1995年3月号
        - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
文量
長篇
章立て
「1」~「14」
時代設定 場所設定
[同時代]  東京
登場人物
波多野善二(写植職人)
相川真(波多野の旧友、詐欺師)
宇井美咲(出版社の編集者)
一休(波多野の電算写植機)
千頭キキ(暴力団長の娘)
四谷(印刷会社の若社長)




ページの先頭へ

トップページ直木賞・芥川賞受賞作一覧受賞作・候補作一覧受賞作家の群像選考委員の群像
選評の概要小研究大衆選考会マップ || 候補作家の一覧へ前の回へ次の回へ