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第150回
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Last Update[H28]2016/1/25

千早茜
Chihaya Akane
生没年月日【注】 昭和54年/1979年☆月☆日~
経歴 北海道江別市生まれ。立命館大学文学部卒。医療事務などさまざまな職に就くかたわら創作を続け、平成20年/2008年に小説すばる新人賞を受賞して、作家デビュー。
受賞歴・候補歴
備考
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直木賞 第150回候補  一覧へ
『あとかた』(平成25年/2013年6月・新潮社刊)
媒体・作品情報
印刷/発行年月日 発行 平成25年/2013年6月20日
発行者等 発行者 佐藤隆信 印刷所 二光印刷株式会社 製本所 加藤製本株式会社
発行所 株式会社新潮社(東京都) 形態 四六判 上製
装幀/装画等 装画 岩渕華林 装幀 新潮社装幀室
総ページ数 186 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
43字
×19行
×1段
本文ページ 7~186
(計180頁)
測定枚数 307
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書誌
>>平成28年/2016年1月・新潮社/新潮文庫『あとかた』
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収録作品の書誌
ほむら
>>初出『小説新潮』平成23年/2011年2月号「あとかた」
てがた
>>初出『小説新潮』平成24年/2012年1月号
ゆびわ
>>初出『小説新潮』平成24年/2012年4月号
やけど
>>初出『小説新潮』平成24年/2012年7月号
うろこ
>>初出『小説新潮』平成24年/2012年10月号
ねいろ
>>初出『小説新潮』平成25年/2013年1月号
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候補者 千早茜 女34歳
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎
男62歳
6 「文章に蹉跌がなく、余分な描写を重ねない。時制の転換が鮮かで、現実と追想が自然に交叉する。しかし如何せん、肝心の物語に印象が薄かった。」
阿刀田高
男79歳
7 「きっと優れた小説家に育つ才能だろう。しかし弱さも感じてしまう。文字通り典型的な、――次作を見たい――というタイプである。一作では点としてしか見えなかったものが二作を読むことにより線となって力量がはっきりと見えてくる。」
伊集院静
男63歳
4 「小説の筋が良い人だと感じたし、特に人物描写がこの人にしかないものがあるので今後に期待したい。」
北方謙三
男66歳
8 「作者が描き出そうとしたのは、情念のあとかたなのであろうか。しかし、読後の印象に、なぜか希薄なものしか残っていない。死があてどなくたゆたうような独特の雰囲気を、物語の核にまで昇華できれば、この世界はスリリングなものを孕んでいる、と私は感じた。」
桐野夏生
女62歳
6 「失礼ながら、まだ熟成されているとは言えない。だが、この作者には「奥行き」がある。論理で割り切るのではなく、言葉からこぼれ落ちてしまう曖昧なものを、しっかり掴んで書いていこうという遺志が感じられる。」
高村薫
女60歳
9 「現代の若い男女の心象風景の点描だとしても、曇った鏡を見ているような不全感が残った。視点をもつ女も男も、自分自身の生理や心理に執着している反面、他者や世界を観察するということをしていない。」「仮にこれが作者を含めた現代の心象だというのであれば、逆に自身をもっと徹底して解剖する私小説的な眼や策略が必須ではないか。」
林真理子
女59歳
8 「文体が美しく独得の魅力がある。しかしまだ頭で書いたものという印象が残った。」
東野圭吾
男55歳
6 「(引用者注:「伊藤くんA to E」と共に)小説を書くには何かテーマがなくては、とか考えておられるのではないか。連作であることを意識して、無理に各話に繋がりを持たせようとした形跡もある。まとまりなんて気にせず、もっと直感だけで書いちゃってください。」
宮城谷昌光
男68歳
17 「(引用者注:「伊藤くんA to E」と共に)ひとつの章を終えると、次の章は、前章に登場させたある人物を曳きずりながら、ちがう人間関係に接続するという手法(引用者中略)は、ややもすると作品内の空間がおなじ明度を保ちつづけるがゆえに、単調さを産む、と気づいた。ストーリーの変化や発展は、その連続する明るさのなかでは、特異性をもたない。陰翳をつくる必要がある。」
宮部みゆき
女53歳
14 「(引用者注:「伊藤くんA to E」と共に)登場人物同士がゆるく繋がった連作短編集というのは、(引用者中略)構成しやすいタイプの作品なのです。ちょうとフィギュアスケートの季節ですからそれに喩えますと、トリプル・トゥループ・ジャンプみたいなもので、比較的跳びやすいから出来映え勝負になる。出来映え勝負には選考する側の嗜好が反映されやすいので、(引用者中略)『あとかた』に漂う淡くおぼろな印象をイエスとするかノーとするかで、評価が割れるのでしょう。」
選評出典:『オール讀物』平成26年/2014年3月臨時増刊号
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文量
連作短篇集〔6篇〕
ほむら
章立て
なし
時代設定 場所設定
[同時代]  ある街~関西の街
登場人物
私(語り手、結婚間近の女、デザイン会社勤務)
男(知人の紹介で出会った男)
てがた
章立て
なし
時代設定 場所設定
[同時代]  都会~郊外の街
登場人物
俺(語り手、木田、家電製品の販売企画部勤務)
明美(俺の妻)
黒崎(俺の上司、会社の屋上から飛び降り自殺)
ゆびわ
章立て
なし
時代設定 場所設定
[同時代]  ある街
登場人物
私(語り手、明美、短大出身、一児の母)
洋平(私の夫)
イナダ(私の年下の愛人)
やけど
章立て
なし
時代設定 場所設定
[同時代]  ある街
登場人物
あたし(語り手、サキ、大学休学中)
松本(あたしの高校時代の同級生、居候先)
千影(フィドル奏者)
うろこ
章立て
なし
時代設定 場所設定
[同時代]  ある街
登場人物
僕(語り手、松本、国立大学の学生)
藤森(僕の高校時代の同級生、居候)
ねいろ
章立て
なし
時代設定 場所設定
[同時代]  ある街
登場人物
わたし(語り手、千影、フィドル奏者)
立川(千影の恋人、NGO団体所属の医師)
水草くん(熱帯魚屋)




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おとこ
男ともだち』(平成26年/2014年5月・文藝春秋刊)
媒体・作品情報
作品名 別表記 奥付 ルビ有り「おとこ」
印刷/発行年月日 発行 平成26年/2014年5月25日(第1刷)
発行者等 発行者 吉安 章 印刷所 凸版印刷 製本所 加藤製本
発行所 株式会社文藝春秋(東京都) 形態 四六判 上製
装幀/装画等 写真 松尾 哲 装丁 関口聖司
総ページ数 237 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
43字
×21行
×1段
本文ページ 7~237
(計231頁)
測定枚数 460
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書誌
>>初出『別冊文藝春秋』平成25年/2013年1月号~11月号
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候補者 千早茜 女34歳
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎
男62歳
14 「一人称で人間関係を描くことは難しいのだが、視点を変えずに三人の男性との関係を書き切ったのは、力のある証拠であろう。しかし、この作品でよかろうと思いつつ、どうしても最終章のまとめ方に納得がゆかなかった。」
東野圭吾
男56歳
16 「まず、この題名で小説を書こうとした度胸に拍手を送りたい。ただしハセオという人物には、やや魅力が足りなかったように思う。」「作者は自分なりに、懸命に考察を続けたのだと思う。とうとう答えを出せずに幕を閉じた印象だが、この挑戦には意味がある。」
宮部みゆき
女53歳
21 「(引用者注:「ミッドナイト・バス」「本屋さんのダイアナ」と共に)もっとびっくりさせてほしかったと願うのは、作品世界を壊してしまうリスクをとれと要求することであり、そんな冒険は読者にも歓迎されないかもしれません。でも、私は読んでみたかった。」
宮城谷昌光
男69歳
6 「(引用者注:「私に似た人」「本屋さんのダイアナ」と共に)言及するゆとりをもてなくなった。宥赦してもらいたい。」
桐野夏生
女62歳
18 「同棲相手、不倫相手、そして肉体関係はないけれども魂が呼応する相手。書き分けながら、肉体関係によって失われるものは何か、と考えている。だが、魂が呼応する相手ハセオだけはリアリティがない。」「自分たち世代の恋愛と性を書こうとする真摯な姿勢に好感が持てる。」
北方謙三
男66歳
14 「「私」やハセオの、ほかの異性関係は、情事であって恋愛ではない。二人とも、汚れても、決してほんとうには汚れないなにかを、大事に守っているのではないのか。そう読めば、現代に成立し得た、稀な純愛小説である。評価は、丸であった。」
高村薫
女61歳
14 「評者はもとより本作を女性の妄想――こんな男がいたらいいのに――の物語として読んだが、妄想を抱く身体のリアリティが、いかにもというステレオタイプに留まっており、登場する男たちに小説的な魅力がない。」
林真理子
女60歳
17 「頭で書いた印象がぬぐえない。」「この男友だちのくだらなさにまるで共感出来ない。若い女の子と適当に遊ぶ医者は、イヤらしいリアリティに溢れているのに、肝心の男友だちはつまらない絵空ごとのようなのである。」
伊集院静
男64歳
12 「新しい小説に挑戦する作者の意欲を感じた。登場人物が都合良過ぎるのではという他選考委員の声があったが、私はそれは作者の意図の中にあるのではと捉えた。」
選評出典:『オール讀物』平成26年/2014年9月号
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他文学賞 吉川英治文学新人賞 36回候補 一覧へ
候補者 千早茜 女35歳
選考委員 評価 行数 評言
伊集院静
男65歳
0  
大沢在昌
男58歳
18 「終盤まで実におもしろく読めた。」「それが真司に「爆弾」をぶちこんだ瞬間、私は物語から脱落した。これほど上手に遊ぶ男が、自ら責任を負う羽目になりかねない暴走をする筈がない。」「御都合主義ではないかという指摘もあり、それはそれで、いけないのか? という反論も胸中にある。次は千早さんに説き伏せられたい、と願っている。」
恩田陸
女50歳
10 「読者と作者の欲望が完全に一致しているのも気まずいものなのだ。これはこれで需要を満たしているのかもしれないが、一歩引いて客観性を持てば、作者も読者ももっと幸せになれるのにと考えずにはいられなかった。」
京極夏彦
男51歳
14 「主人公の持つ光と闇は、読者がシンクロすることでより明確になるだろう。」「如何ともしがたい暗部は最後まで残るのだが、温存されたそれは読後様相を一変させる。かなりテクニカルな計算ずくの構成ではあるのだが、それだけにハードルが上がってしまったかもしれない。」
高橋克彦
男67歳
0  
選評出典:『小説現代』平成27年/2015年5月号
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大衆選考会 151回推薦候補 一覧へ
大衆選考会での推薦
推薦者 推薦日 推薦文
しょう 平成26年/2014年7月16日 (同時推薦=>黒川博行)千早さんは前回文章力を評価されてるのが大きい。
なんとなく伊集院静さん系というか、村山由佳さん系というか。
ムズカシイ言葉を使ってナイのに格調を感じさせる文章はシロウト目にもスゴいと思います。

米澤さんもこういうタイプのミステリー短編はここ最近の直木賞の候補にあまりなかったので好感持たれそう。
ただ今回ミステリー系が他にも2作品、しかも黒川さん、貫井さんというベテランとカブったのはちょっとめぐり合わせ的に微妙カモ。
山周賞の時みたいに他のジャンルの中にポツンとあった方が有利だったかなぁ、という気はしマス。

貫井さんは「小口テロ」という独特の設定が受け入れてもらえるかどうかで決まりそう。

伊吹さんは山周賞でけっこうキビシイ評を受けてましたが、『下町ロケット』みたく山周賞で落とされた泣ける話は直木賞で復活してたりもするのでソコに期待。

柚木さんは前回よりは評価上がりそうな気がしますが、勝手な予想ですが林真理子さんや道尾秀介さんみたいに何回か立て続けに候補に上がった後に取りそうな気も(笑)

結果としては黒川さん、千早さんの2作受賞と予想しマス。
黒川さん単独とも迷ったんですが
148回みたく方向性が違う分2作になるんじゃないカナ~、と。
黒川さんとの票差が離れすぎない限りイケるんじゃナイかと。
qw 平成26年/2014年7月17日 なし
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文量
長篇
章立て
「第一章」~「第六章」「終章」
時代設定 場所設定
[同時代]  京都~富山~大阪~広島~東京
登場人物
私(語り手、神名茜、イラストレーター)
長谷雄(「ハセオ」、私の男ともだち、大学時代の先輩)
彰人(私の同棲相手、恋人)
真司(大学付属病院の勤務医、妻帯者、私の愛人)
露月(バーのママ、元SMクラブ女王様)
美穂(私の大学時代の同級生、専業主婦)




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