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第151回
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Last Update[H28]2016/8/25

伊吹有喜
Ibuki Yuki
生没年月日【注】 昭和44年/1969年☆月☆日~
経歴 三重県生まれ。中央大学法学部法律学科卒。出版社勤務を経てフリーライター。平成20年/2008年に第3回ポプラ社小説大賞特別賞を受賞、翌年デビュー。
受賞歴・候補歴
  • 第3回ポプラ社小説大賞[特別賞](平成20年/2008年)「夏の終わりのトラヴィアータ」
    (『風待ちのひと』に改題)永島順子名義
  • |候補| 第27回山本周五郎賞(平成25年/2013年度)『ミッドナイト・バス』
  • |候補| 第151回直木賞(平成26年/2014年上期)『ミッドナイト・バス』
備考
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直木賞 第151回候補  一覧へ
『ミッドナイト・バス』(平成26年/2014年1月・文藝春秋刊)
媒体・作品情報
印刷/発行年月日 発行 平成26年/2014年1月25日(第1刷)
発行者等 発行者 吉安 章 印刷所 萩原印刷 製本所 大口製本 組版 萩原印刷
発行所 株式会社文藝春秋(東京都) 形態 四六判 上製
装幀/装画等 装画 小林万希子 装丁 大久保明子
総ページ数 445 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
43字
×19行
×1段
本文ページ 5~445
(計441頁)
測定枚数 819
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書誌
>>初出『別冊文藝春秋』297号[平成24年/2012年1月]~305号[平成25年/2013年5月]
>>平成28年/2016年8月・文藝春秋/文春文庫『ミッドナイト・バス』
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候補者 伊吹有喜 女45歳
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎
男62歳
17 「いい小説の基礎条件をすべて満たした佳品であった。ただし、あくまで基礎条件であって、満ち足りて咲かずの感がある。登場人物の心理は読みごたえがあるのだが、彼らの苦悩はどれも過去の出来事に起因しており、それを一元的に現在に押しこめてしまったがゆえに、せっかくのストーリーが平坦になった。」
東野圭吾
男56歳
10 「小説で扱う心の傷が小さくてはいけないというルールはない。どんなに小さな傷でも、その人にとって重要な場合もあるからだ。だが今回描かれたものは、どうしてもそんなふうには思えなかった。」
宮部みゆき
女53歳
32 「(引用者注:「男ともだち」「本屋さんのダイアナ」と共に)もっとびっくりさせてほしかったと願うのは、作品世界を壊してしまうリスクをとれと要求することであり、そんな冒険は読者にも歓迎されないかもしれません。でも、私は読んでみたかった。」「〈断ち切れない過去〉というテーマから必然的に回想の多い構成になるところに、さらに現在パートにも「○日前」「一週間前のことだ」などの短期の回想が入り込み、読んでいてときどき混乱してしまうことが気になりました。」
宮城谷昌光
男69歳
47 「ストーリー優先主義の小説では、風景描写はよけいなもの、小説のながれを阻害するものであるとおもわれがちだが、その考えは小説世界の幅をせばめ、奥ゆきを失わせる、と私はおもっている。(引用者中略)その風景描写が的確におこなわれている」「文章も浸潤性をもっており、その文章が解体されて、ことばに還ったとしても、生色を失わないであろう。」
桐野夏生
女62歳
17 「魅力的な始まりと不思議な間に、この小説は面白いのではないか、と胸が高鳴った。しかも、ディテールが、今時のリアルに満ちている。」「が、中盤から家族幻想が、霧のように物語を覆い始めると、たちまちありきたりな話に終わってしまった感がある。」
北方謙三
男66歳
27 「冗長から逃れるためには、主人公をもっと書きこむべきであった。無彩色の存在感であり、強いものがひとつ欠けている。」「周辺の取材が丁寧で、肝心なものを見落している。そのあたりの、運転手の視界などが、描写の質を決定づける。」
高村薫
女61歳
18 「家族の再生の物語というメルヘンだが、メルヘンにもメルヘンのリアリティがあろう。長距離バスの運転手である主人公の、きつい仕事をこなしている身体のリアリティなくしてこのメルヘンは成立しない。」「本作の薄味は、登場人物たちの身体のリアリティの希薄さから来ているのである。」
林真理子
女60歳
14 「古風さが目立つ。まるでひと昔前の映画を見ているようだ。」「ラストの話になるが、このように結ばれる恋人をいったんは傷つけ、まわり道する理由もよくわからない。よって最後のカタルシスが読者は得られないのだ。」
伊集院静
男64歳
10 「古風な小説の作りにこの作者の小説家としての気骨を感じるという意見を聞き、この作品が持つ静かな魅力が理解できた。そうであっても受賞にいたる力量には届いていないというのが結論だ。」
選評出典:『オール讀物』平成26年/2014年9月号
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他文学賞 山本周五郎賞 27回候補 一覧へ
候補者 伊吹有喜 女45歳
選考委員 評価 行数 評言
石田衣良
男54歳
28 「これだけの長篇なのに、発生するイベントがすくなすぎないか。山も谷も低いんだ。利一は若い頃の高倉健みたいに無口で不器用だし、若くて可憐な恋人は小料理屋の女将。あまりに類型で、ちょっとびっくりしたよ。」「小説としての誠実さと物語のうねりをどう両立させるか、それがつぎの課題になるかもしれない。」
角田光代
女47歳
34 「仕事を辞めて帰ってきた長男と、インターネットで珍妙な仕事をはじめた長女の存在(引用者中略)この二人のありようが私には新鮮だった。」「ちらりとしか登場しない人たちのほうが印象的で、彼らのエピソードのほうが胸に残るのは、なんとももったいないようにも思う。」「新潟と東京という場所が出てくるが、その(景色ではなく)空気の違いなども、もっと感じられたらよかったとも思った。」
佐々木譲
男64歳
27 「減点するところの少ない作品ではあるが、勝手なことを言うなら、もっと小説的な誇張があってもよかったろうか。飛び抜けて魅力的なキャラクターがいるか、あるいは強烈な印象を与える「課題とその克服」があるとよかったのかもしれない。減点部分は少ないけれども、何が何でもここが好きなので推したい、という部分も薄めの作品であったことが惜しまれる。」
白石一文
男55歳
84 「(引用者注:「昨夜のカレー、明日のパン」「わたしをみつけて」「村上海賊の娘」と共に)まだまだ小説の手ごわさ、困難さには手が届いていないという印象が強かった。」「こう書いたら、きっとこう伝わる――という言葉選びだけで何かを書こうとしているのではないかという不安がどの作品からも抜けなかった。」「本来、表現不可能と思われるものを無理にでも表現しようと努力し、そうやって努力して紡ぎ出されたあくまで不全な文章をどうにかして読者の側が読み取ろうと努力する――そうした作家と読者の交渉事を省いてしまうと、小説はどこまでもありきたりで通俗的な読み物に落ちていく。」
唯川恵
女59歳
41 「文章は著者ならではの艶やかさがあり、会話のセンスもいい。」「特に魅力的なのは、主人公の子供たちだ。(引用者中略)ところが、大人たちが登場すると、とたんに淀んだ気配に包まれてしまう。」「もし、彼らをもう少し魅力的に描けることができたなら、きっと印象は変わっていたに違いない。」
選評出典:『小説新潮』平成26年/2014年7月号
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大衆選考会での推薦
推薦者 推薦日 推薦文
Y.M.O. 平成26年/2014年7月17日 本命『ミッドナイト・バス』、対抗『破門』、大穴『満願』でどうでしょうか。
普通に考えると、『破門』を本命とすべきでしょうが、あえて『ミッドナイト・バス』を推します。
渡辺淳一先生の重圧を解かれた(前回も欠席でしたが)選考委員の意見が気になるところです。
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文量
長篇
章立て
「第一章」~「第九章」
時代設定 場所設定
[同時代]  東京~新潟県美越市~新潟市など
登場人物
高宮利一(白鳥交通高速バス運転手)
美雪(利一の元妻)
怜司(利一と美雪の息子)
彩菜(利一と美雪の娘)
古井志穂(定食屋の女主人、利一の恋人)
江崎大輔(ミュージシャン)
敬三(美雪の父、入院中)




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