直木賞のすべて
第76回
候補作家の群像 トップページ
直木賞・芥川賞受賞作一覧
受賞作・候補作一覧
受賞作家の群像
選考委員の群像
選評の概要
小研究
大衆選考会
マップ

候補作家の一覧へ
前の回へ後の回へ
Last Update[H26]2014/6/20

三浦浩
Miura Hiroshi
生没年月日【注】 昭和5年/1930年10月19日~平成10年/1998年3月24日
経歴 東京生まれ。京都帝国大学文学部卒。サンケイ新聞社入社。社会部、文化部記者から、文化面編集部長、論説委員を歴任。ノースウェスタン大学、オックスフォード大学に留学経験もある。退職後に作家へ。
受賞歴・候補歴
  • 第5回オール讀物推理小説新人賞[佳作](昭和41年/1966年)「霧の国で」
  • |候補| 第5回作家賞(昭和43年/1968年)「林檎」
  • |候補| 第76回直木賞(昭和51年/1976年下期)『さらば静かなる時』
  • |候補| 第78回直木賞(昭和52年/1977年下期)『優しい滞在』
  • |候補| 第31回日本推理作家協会賞[長編部門](昭和53年/1978年)『優しい滞在』
  • |候補| 第97回直木賞(昭和62年/1987年上期)『津和野物語』
  • |候補| 第98回直木賞(昭和62年/1987年下期)『海外特派員―消されたスクープ』
サイト内リンク 小研究-ミステリーと直木賞
備考
  - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -


直木賞 第76回候補  一覧へ

しず とき
『さらば 静かなる 時』(昭和51年/1976年7月・河出書房新社刊)
媒体・作品情報
作品名 別表記 扉・奥付 「さらば 静かなる時」
印刷/発行年月日 印刷 昭和51年/1976年7月10日(初版) 発行 昭和51年/1976年7月15日(初版)
発行者等 発行者 佐藤晧三 印刷所 暁印刷 製本所 小高製本工業
発行所 株式会社河出書房新社(東京都) 形態 四六判 上製
装幀/装画等 装幀者 竹内宏一
総ページ数 242 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
44字
×17行
×1段
本文ページ 3~242
(計240頁)
測定枚数 406
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
書誌
>>書下ろし
>>昭和56年/1981年3月・角川書店/角川文庫『さらば静かなる時』
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
候補者 三浦浩 男46歳
選考委員 評価 行数 評言
水上勉
男57歳
9 「私には、主人公がどんな顔つきの人なのかさっぱりわからなかった。舞台は新しいが、人間が通念にたよって描かれている。そうなると、つくり話が急に色あせる頁がある。」
川口松太郎
男77歳
6 「ロンドン、パリも推理小説としては幼稚の感をまぬかれない。舞台装置と人物とがととのっていて、肝心のストオリイがつまらない。」
今日出海
男73歳
0  
村上元三
男66歳
8 「こんどの候補作七篇のうち、ただ一つ直木賞に値する作品だと思った。不自然な箇所はあるが、読みやすいし、最後のひねりも効いている。しかし、賛成者が少いのは残念であった。」
柴田錬三郎
男59歳
11 「このスリラー小説には、現代の息吹きがある。ロンドン・パリ・京都を舞台にして、その視点を、今日の地球上の情勢の無気味な陰の世界へ置いている。」「リアリティがない、という批判もあったが、はじめから作りものに、リアリティがあるはずがない。」
司馬遼太郎
男53歳
31 「事件が、ナチの残党の再建への欲望というひどく古典的な核によって成立しているのもおもしろい。」「(引用者注:このような)小説は子供っぽい想像性から創造されるだけに、高い知性と文章力が必要とされる」「私は(引用者注:「子育てごっこ」と「さらば静かなる時」の)両作品を推したのだが、「さらば……」は多くの賛成は得なかった。」
源氏鶏太
男64歳
7 「残念ながら私の好みでなかったというの他はない。が、そういう癖のある作品を書いた作者の今後は、寧ろ嘱望されるのかも知れない。」
石坂洋次郎
男76歳
0  
松本清張
男67歳
9 「ナチスの匿し物をめぐるといういささか陳腐なアイデア、航空機利用の描写もリアル感なく、殺人、誘拐の筋立もありきたりなので感心しなかった。」
選評出典:『オール讀物』昭和52年/1977年4月号
        - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
文量
長篇
章立て
「I」~「XVI」
時代設定 場所設定
[同時代]  イギリス・オックスフォード~ロンドン~パリ~京都~東京等
登場人物
松田五郎(セント・アントニーズ・カレッジ客員教授、元・海軍士官、旧姓・宍谷)
松田敦子(五郎の妻)
各務荘介(K新聞海外特派員)
ビル・ジェンキンズ(アメリカ人、自称セント・アントニーズ学生)
フォン・リッフェン(西ドイツ海軍武官、准将)
リヒアルト・ワイゼン(第二次大戦当時のドイツ軍大尉)




直木賞 第78回候補  一覧へ

やさ たいざい
優しい 滞在』(昭和52年/1977年11月・光文社刊)
媒体・作品情報
印刷/発行年月日 発行 昭和52年/1977年11月25日(初版1刷)
発行者等 発行者 小保方宇三郎 印刷者 鈴木貞三郎 公和印刷(東京都)   榎本製本
発行所 株式会社光文社(東京都) 形態 四六判 上製
装幀/装画等 装幀 司 修
総ページ数 227 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
43字
×19行
×1段
本文ページ 3~227
(計225頁)
測定枚数 418
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
書誌
>>書下ろし
>>昭和61年/1986年2月・光文社/光文社文庫『優しい滞在』
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
候補者 三浦浩 男47歳
選考委員 評価 行数 評言
水上勉
男58歳
0  
司馬遼太郎
男54歳
6 「他の候補作にくらべきわだって文章が卓れている。構成も堅牢で、人間描写もそつがなく、作りごとを読む楽しみを堪能させてくれた。」
柴田錬三郎
男60歳
13 「受賞に、さいごまで執着した。これは、前作「さらば静かなる時」とあわせて考えて、この作者が、将来一方のリーダーとなる力量の持主と確信したからである。前作に比べて、犯罪の設定にいささか無理があるが、文章のスマートさ、テンポの快調は申し分なかった。」
源氏鶏太
男65歳
6 「私は、二回読んで前作よりいいと思った。文章がうまいし、格調が高いが、今すこし盛り上げて欲しかった。」
村上元三
男67歳
8 「こんどの候補作の中で一ばん読みやすかったが、残念ながら前作「さらば静かなる時」よりはおちる。結末をアメリカへ持って行って、あわてて終らせてしまった感があり、どんでん返しもあまり効いていない。」
川口松太郎
男78歳
  「候補作家の経験を持っているのだし、その他の新人群も含めて次回は是非委員たちを喜ばせるような作品を書いて貰いたい。」
今日出海
男74歳
11 「面白く読んだ。」「何れも特色があって、その一つを選出するのに逡巡せざるを得なかった。」「世間に通用する水準を越えた作品と言えるだろう。」
石坂洋次郎
男77歳
0  
選評出典:『オール讀物』昭和53年/1978年4月号
        - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
文量
長篇
章立て
「序章」「I」~「XV」
時代設定 場所設定
[同時代] 東京~アメリカ・エバンストン
登場人物
垣花魁(アメリカ在のカメラマン、日系二世)
鳥飼美矢子(Tホテルのルームサービス係)
滑川律子(魁の従妹)
垣花剛(魁の従兄)
垣花道子(故人、魁の伯母、アスレチッククラブ経営者)
川波三郎(中野の垣花家の隣人)




直木賞 第97回候補  一覧へ

つわのものがたり
津和野物語』(昭和62年/1987年4月・文藝春秋刊)
媒体・作品情報
作品名 別表記 扉・奥付 ルビ有り「つわのものがたり」
印刷/発行年月日 発行 昭和62年/1987年4月25日(第1刷)
発行者等 発行者 西永達夫 印刷 凸版印刷 製本 加藤製本
発行所 株式会社文藝春秋(東京都) 形態 四六判 上製
装幀/装画等 装画・挿絵 加賀羅 聰
総ページ数 183 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
40字
×15行
×1段
本文ページ 5~183
(計179頁)
測定枚数 230
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
書誌
>>初出『COOK』昭和61年/1986年1月号~12月号
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
候補者 三浦浩 男56歳
選考委員 評価 行数 評言
陳舜臣
男63歳
9 「現代ではめずらしくリリシズムにつらぬかれた好篇である。会話のとり方の妙は、ときに久保田万太郎をおもわせるものがあった。思ったほど支持が得られなかったのは、連作のためか、各章の格調に差があったためかもしれない。」
藤沢周平
男59歳
15 「この作家のうまい文章が逆に小説の深まりを妨げている印象を受けた。読みながら終始、文章が十分に人間にとどかないままに筆が流れていくような、あるもどかしさを拭えなかったということである。」「物足りなさは最後まで残った。」
黒岩重吾
男63歳
3 「素直な文章とムードは買うが登場人物の実在感が稀薄である。」
田辺聖子
女59歳
10 「氏の才能の幅を感じさせたが、一方、抑制が利きすぎてどこか洗い曝されすぎたという感がなきにしもあらず、そのときに同時に小説の旨味も洗い落されてしまった気もする。」
井上ひさし
男52歳
0  
渡辺淳一
男53歳
7 「好感のもてる連作だが、趣向に走りすぎて人間の印象が淡すぎる。」「この作家はまだまだいいものを書けるはずである。」
山口瞳
男60歳
5 「書ける人だと思う。この小説は、媒体に合わせて故意に調子を落として書いたものではないか。」
村上元三
男77歳
5 「小味で線が細いが、後味のよさを買いたい。この作者は、この線を守って行けば、大成するのではなかろうか。」
平岩弓枝
女55歳
4 「静かな作風には惹かれるものがあったが、人間の描き方が淡すぎて損をしているようであった。」
五木寛之
男54歳
12 「現役作家として活躍している安定した力量は、この連作長篇からも充分にうかがえる」「作者の遊び心を楽しんで読ませてもらった、というのが感想である。」
選評出典:『オール讀物』昭和62年/1987年10月号
        - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
文量
連作長篇〔6篇〕
章立て
「亜津子の章」「加津子の章」「早津子の章」「田津子の章」「Natsuの章」「葉津子の章」
時代設定 場所設定
[同時代] 島根県津和野~東京など
登場人物
小早川亜津子(造り酒屋の娘)
高畠加津子(喫茶店店主)
鳥飼早津子(加津子の旧友)
務台田津子(女子大生、母親が戦時中に津和野へ疎開)
マリア・ナツ・イシヅカ(ロサンゼルスの高校生、交換留学中)
新田葉津子(高校の教師、亜津子の旧友)




直木賞 第98回候補  一覧へ

かいがいとくはいん
海外特派員― 消されたスクープ』(昭和62年/1987年8月・集英社刊)
媒体・作品情報
作品名 別表記 奥付 ルビ有り「かいがいとくはいん」 表紙・背 「KILLED SCOOP」併記
副題等 表紙・背・扉・奥付 「海外特派員 消されたスクープ
印刷/発行年月日 発行 昭和62年/1987年8月25日(第1刷)
発行者等 発行者 堀内末男 印刷所 共同印刷株式会社
発行所 株式会社集英社(東京都) 形態 四六判 上製
装幀/装画等 カバー写真 植村正春 装丁 三村 淳
総ページ数 310 表記上の枚数 基本の文字組
(1ページ当り)
45字
×21行
×1段
本文ページ 3~310
(計308頁)
測定枚数 656
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
書誌
>>平成2年/1990年1月・集英社/集英社文庫『消されたスクープ』
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
候補者 三浦浩 男57歳
選考委員 評価 行数 評言
山口瞳
男61歳
10 「スピードのある文章で、構成にも才気が感じられた。」「しかし、事実関係で不明かつ唐突な所があって、読んでいてイライラさせられる。」
黒岩重吾
男63歳
23 「翻訳調の読み易い文章で読者を一気に小説の世界に引き込んで行く。」「前半はこの種の小説としてはリアリティがあった。」「核が登場するにおよび「007」を連想してしまった。」「折角の力作も核を出すことによって絵空事になってしまった。残念である。」
村上元三
男77歳
22 「これを推したら、ほかの選考委員から反対される、と思いながら『海外特派員』に票を入れたが、果して落ちた。それでも七票を得た」「こういう種類の外国の作家のものは、面白がって読むのに、結局は日本の作家が扱うのは無理なのではないか、と思った。」
陳舜臣
男63歳
41 「私たちが生きている時代を、奇抜に角度をかえることによって、まばゆいほどの光量で照らし出してくれた。」「細部の欠点は、設定作業の困難をおもえば、許容限度をこえていないようにおもう。筋が錯綜してわかりにくいところもあるが、そもそも事件にまきこまれた主人公自身、状況がよくわからずにもがいているのだ。」「このような良質の小説が登場してきたことをよろこびたい。」
藤沢周平
男60歳
40 「私には政治に対する根強い不信感があって、政治、ことに国際政治においては、裏にどんな取引や密約があるか知れたものではないという気持もある。したがって「海外特派員」もあり得べき悪夢として読んだ。」「第一級の国際謀略小説だと思う。」「受賞圏内の作品だった。」
平岩弓枝
女55歳
13 「荒唐無稽を百も承知の上で読者を虚構の世界へ誘い込もうとするものでしょう。この場合、(引用者中略)一ヶ所でも、こんなことは可笑しいと指摘されたら、作者のねらいは挫折してしまいます。」
井上ひさし
男53歳
17 「大人の観賞に充分耐えうるスパイ小説をつくりだそうとした(引用者中略)意気は壮とすべきであるが、しかし事件は結末に近づくにつれてわかりにくくなり、小説の謎が読者の実生活を侵犯してしまう。」「この作品にあまりなじめなかった。」
田辺聖子
女59歳
31 「私としては「長蛇を逸した」という気になった作品」「私はとてもよくできた娯楽小説だと思う。」「ただこれはごくデリケートな味わいの小説なので、いわば酒盗とかこのわた(原文傍点)とか、ホヤ(原文傍点)とかいったような、好きな人にはたまらなく好ましいが、受けつけない人にははな(原文傍点)からダメ、という所があるかもしれない。」「受賞作に比べて絶対に遜色なかったと思う。」
渡辺淳一
男54歳
10 「新聞記者が特ダネを追い詰めていく部分は迫力がある。しかし現実の日本の首相が、ある謀略に巻きこまれて遭難するという、ショッキングな事件を描きながら、いまのわれわれに、なんの不安も戦慄も感じさせないのでは、やはりもの足りない。」
五木寛之
男55歳
6 「冒頭の一節の読みづらさを通りすぎれば、これまでの氏のどの作品よりも力感のある長篇だ。」
選評出典:『オール讀物』昭和63年/1988年4月号
        - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
文量
長篇
章立て
「I(各務の章)」「II(花村の章)」「III(再び各務の章)」「IV(敦子の章)」「V」~「VIII」「IX(終章)」
時代設定 場所設定
[同時代] イギリス・ロンドン~ヒースロー~ウイローサイド~東京~イスラエル等
登場人物
各務荘介(P新聞ロンドン特派員)
木山修(警視庁から出向の首相秘書官)
花村克彦(P新聞政治部記者)
河野敦子(大学非常勤講師、各務の元恋人)
リチャード・ヘンリック(サンデートリビューン記者)
土方正史(首相)
渕副基(官房長官)
ゼンダ(イスラエル首相)




ページの先頭へ

トップページ直木賞・芥川賞受賞作一覧受賞作・候補作一覧受賞作家の群像選考委員の群像
選評の概要小研究大衆選考会マップ || 候補作家の一覧へ前の回へ次の回へ