当サイトで扱うまでにはまとまっていない直木賞関連情報を、だいたい週イチでアップする「直木賞のすべて 余聞と余分」を平成19年/2007年5月から始めました。こっちの本サイトの更新を怠らないように、心してやっていきたいものです。
 映画のことやスポーツのことを書くうちに、やがて独特な小説世界を開花させた虫明亜呂無さんは、東京生まれの東京育ち、生粋の江戸っ子です。  しかし彼の文章のまわりには、せまい日本を覆う窮屈な感覚を飛び越えて、ワールドワイドな風合いが明らかに漂っています。何といっても、名前が名前です。亜呂無(あろむ)。相当、日本人離れしています。  本人によると、この本名は父親がつけたものだそうで、父は二科会、円鳥...
 つい先日、令和1年/2019年11月11日のことです。岡山県宇野と香川県高松を結ぶ、いわゆる宇高航路のフェリーが今年の12月で定期運航をやめる、というニュースが流れてきました。人間の暮らしや社会の基盤はめまぐるしく変化しますから、瀬戸内を渡る方法がこの何十年間で劇的に変わるのも、当然といえば当然です。そう考えると、いまだに80ン年前の仕組みにしがみつき、いつまでもえんえんとやっている我らが直木...
 村松梢風という作家がいます。白井喬二さんたちの大衆文芸の輪には参加しなかったけど、読み物の書き手として活躍したことでは、広義の大衆文芸を考えるときに、まず外せない名前です。  大正後期、『中央公論』お抱えの情話作家だったころには、情話作家ごときが「創作」欄に作品を載せるとは何ごとだと、芥川龍之介さんたちがキャンキャン吠え立てたという、もの哀しい逸話も引き起こします。情話のような読み物は文芸じゃ...
 今年のブログは、これまで取り上げた候補者のことはなるべく避けよう。と思って始めたんですけど、今週の古川薫さんは、もはや何度も触れてきた人です。しつこいぐらいです。ただ古川さん自身、10回も候補になった歴史的な人物ですから、直木賞にからむ話題が多いのは仕方ありません。  といった言い訳はまあどうでもよくて、古川薫さんという人も海外には何かと縁のある作家でした。  ようやく直木賞をとった『漂泊者の...
 『万葉集』の歌は、古代の朝鮮語で解読できる。しかも、従来の解釈とはまったく違う意味だったこともわかってしまう。  ……というハナシを、いまでも真剣に信じている人はいるんでしょうか。いるかもしれません。いてもいなくても、正直どちらでもいいんですが、少なくともこの有名な(?)説が広まる発端に、直木賞が関係していたことは間違いありません。せっかくなので取り上げておこうと思います。  第90回(昭和5...