当サイトで扱うまでにはまとまっていない直木賞関連情報を、だいたい週イチでアップする「直木賞のすべて 余聞と余分」を平成19年/2007年5月から始めました。こっちの本サイトの更新を怠らないように、心してやっていきたいものです。
 直木賞は毎回のように注目されます。何が候補になるのか、だれが受賞するのか。社会や経済がどんな状態であろうともお構いなし、戦後から平成、令和と、おおよそ直木賞は毎回毎回、懲りずに注目されてきた、と言ってしまいたいと思います。  で、注目されているから何なのか。オレはおめえみてえなゴシップ厨じゃねえんだ、そんなチャラチャラした世界に興味はないよ。と背中を向けるのも全然アリでしょう。「多くの人が注目...
 昭和46年/1971年・上半期、第65回の直木賞も、該当作なしで終わったたくさんある回のうちの一つです。いまから約54年まえの昔のハナシです。  候補のなかには、押しも押されもしない人気作家、笹沢左保さんの股旅モノが入っていました。これを推す人もいましたが、断固として否定する人の声も大きく、こんなの西部劇か「ひとり狼」そのまんまじゃないか、と結構ボロクソ言う選考委員もいたらしいです。笹沢さんへ...
 世の中には「司馬遼太郎信者」みたいな人がいます。いや、いまとなっては「いました」と過去形で表現したほうがいいかもしれません。  別にワタクシも司馬さんのことが嫌いなわけじゃないんですが、生きているときは、国民作家だと持てはやされ、司馬史観なる単語まで登場し、ひとたび誰かが司馬さんの小説を否定しようものなら、うるせえ、シバリョウほどの学識もないくせに、てめえは黙っとけ、とさんざんに叩かれ、ボロク...
 いまの直木賞の特徴といえば何でしょう。  さかしらげに「コレだ!」と断言できるようことは、ワタクシには思いつきませんけど、何となく感じるのは、やたらと全国各地、地域性に密着した盛り上がりがたくさん出てきたな、ということです。  受賞者の会見などが顕著ですけど、その作家がどこで生まれたのか、どこで育ったのか、どこの学校に通った、どこで働いていた、どこに住んでいる、あるいは受賞作の舞台がどこなの...
 選考とは直接的な関係がない選評を書きがちな直木賞委員、というのはいつの時代にも見当たります。  久米正雄さんとか小島政二郎さんとか今日出海さんとか、そのあたりが一般によく知られている……のかどうなのか、ワタクシも全然知らないんですけど、そんな直木賞の歴史のなかでも燦然と輝く「どーでもいいことを選評に書く」トップ・オブ・トップというと、いったい誰でしょうか。これはもう、石坂洋次郎さんをおいて他に...