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平成6年/1994年上半期
(平成6年/1994年7月13日決定発表/『オール讀物』平成6年/1994年9月号選評掲載)
選考委員  黒岩重吾
男70歳
井上ひさし
男59歳
山口瞳
男67歳
平岩弓枝
女62歳
藤沢周平
男66歳
田辺聖子
女66歳
五木寛之
男61歳
渡辺淳一
男60歳
選評総行数  85 175 75 89 145 145 146 83
候補作 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数
中村彰彦 「二つの山河」
120
男45歳
18 52 10 31 30 15 14 20
海老沢泰久 『帰郷』
416
男44歳
34 21 31 9 51 27 39 24
久世光彦 『一九三四年冬―乱歩』
547
男59歳
31 18 30 7 24 53 48 18
安部龍太郎 『彷徨える帝』
1214
男39歳
0 23 0 16 11 29 4 8
東郷隆 『終りみだれぬ』
411
男42歳
7 20 0 11 24 11 11 9
坂東眞砂子 『蛇鏡』
528
女36歳
0 36 0 15 5 10 13 4
               
年齢/枚数の説明   見方・注意点

このページの選評出典:『オール讀物』平成6年/1994年9月号
1行当たりの文字数:13字


選考委員
黒岩重吾男70歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
優れた三作 総行数85 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
中村彰彦
男45歳
18 「受賞圏に入ると感じた。」「松江豊寿の人間像が、爽やかな魅力を放っている。」「戊辰戦争や斗南での飢餓が主人公の反軍的な行動の裏打となっており、良い資料を選び出すのも、作者の眼力であることを示している。」
海老沢泰久
男44歳
34 「受賞圏に入ると感じた。」「“夏の終りの風”と“帰郷”がとくに優れていた。」「ただ右の二作品以外の作品は、既成作家の手の内のものという感がしないでもない。その点やや物足りなかったが、作者の才能は間違いないと思い受賞に賛成した。」
久世光彦
男59歳
31 「受賞圏に入ると感じた。」「私は酔った。ただこの作品の評価は酔うか酔わないかによって分かれる。」「平林初之輔まで登場させた作者の該博な知識には驚かされた。ただこの作品は私のように酔わないと夾雑物が喉につかえるかもしれない。」「私は推したが、受賞に到らなかった理由も何となく分るような気がする。」
安部龍太郎
男39歳
0  
東郷隆
男42歳
7 「“絵師合戦”が面白く読めた。ただこの短篇集には、文献の引用と解釈が多過ぎ、読み続けるのに苦労する。作者はもっと大勢の読者を意識すべきであろう。」
坂東眞砂子
女36歳
0  
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他の選考委員
井上ひさし
山口瞳
平岩弓枝
藤沢周平
田辺聖子
五木寛之
渡辺淳一
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選考委員
井上ひさし男59歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
俊英、勢揃い 総行数175 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
中村彰彦
男45歳
52 「六作中、もっとも感心した」「たとえ会津物に抵抗がある読者でもここまで巧みに仕組まれれば文句のつけようがあるまい。」「なによりもめざましいのは、氏が会津という固有の土地を掘っているうちに日本人の普遍的な行動原理に突き当たったこと。」
海老沢泰久
男44歳
21 「二千語か三千語程度の平易な言葉だけで人生の真実を描き出そうとする氏の文体改革の熱意に深い敬意を抱いている。」「しかし登場人物たち、とくに女性に対する作者の甘い媚びに抵抗がある。もちろんこれは趣味の問題であって、評者の女性観の方がかえって歪んでいるのかもしれないが。」
久世光彦
男59歳
18 「文章のすばらしさについてはすでに定評がある。」「大正期に生まれて昭和初期に都市大衆のものとなった「文化」生活の微細な陰影、それを文章としてここまでしっかりと取り出した氏の力量はだれもが認めるところであろう。この一点だけでも充分、受賞に価すると考えたのだが……。」
安部龍太郎
男39歳
23 「後醍醐帝像について疑問がある。」「荒唐無稽なものであれなんであれ、「かくかくしかじかであるから作者はこう考える。どうだ、まいったか」という理由づけが要るはずだが、この作品ではそこのところがきわめて弱い。」「互いに敵対しながら狂言回しを兼ねている二人の主人公がうまく噛み合っていない。」
東郷隆
男42歳
20 「またも確実に前進したと思う。」「考証や現代語訳を地の文へ溶かし込んだ独特の文体も手に入ってきて、テンポとユーモアとが生まれてきている。だから文句をつけては罰が当たるようなものだが、読み手が小説に常に求めている基本的な描写力に少しばかり欠けるところがあるような気がしないでもない。」
坂東眞砂子
女36歳
36 「堅固に構成した物語を巧みな形容をちりばめた安定感のある文章でしっかりと語り進めて行く力がデビュー作から備わっていた。」「いくつか読みついでくると、やはり話の先が見えてしまう。」「それにないものねだりを承知で言えば、「人の営みとはなにか、その営みを積み重ねてつくられていく歴史とはなにか」を書きながら、この主題についての、肝心かなめの作者の考えが希薄だ。」
  「今回の予選通過作品を見て、「俊英たちが今ここに勢揃いしている」という戦慄にも似た思いを抱き、すこぶる緊張した。」
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他の選考委員
黒岩重吾
山口瞳
平岩弓枝
藤沢周平
田辺聖子
五木寛之
渡辺淳一
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選考委員
山口瞳男67歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
海老沢さんの文章 総行数75 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
中村彰彦
男45歳
10 「稀に見る清々しい小説で好感度百パーセント。これはおそらくは作者の人柄によるものだと思われる。」「松江豊寿の美挙は大いに顕彰されてしかるべきだと思うが、私には、やや小説的結構に乏しいという憾みが残った。」
海老沢泰久
男44歳
31 「海老沢さんの文章が好きだ。」「気取らない、大仰に騒ぎたてない、文学臭のある言い廻しを排除する、手垢のついた言葉を使わない剛直な文章で、つまりはこれがハードボイルドなのだが、私はすぐにヘミングウェイを連想する。」「表題作の「帰郷」が断然優れている。F1の描写はほとんど一行もなくて、それでいてF1の豪奢、爽快、純粋、緊張、恐怖を深く読者の心に刻みこむ。」
久世光彦
男59歳
30 「麻布の六本木の裏あたりにある怪しげなホテルという舞台がいい。」「作中の「梔子姫」は江戸川乱歩より巧い。変なことを言うようだが巧過ぎるので最後には少しモタレてくる。」「久世さんの乱歩についての思い込みがどれほど燃焼しているのか。私には、それが空転していて考証に逃れてしまっているように思われる。」
安部龍太郎
男39歳
0  
東郷隆
男42歳
0  
坂東眞砂子
女36歳
0  
  「今回の候補作は、私の知るかぎり、もっとも程度の高いものであったという感想を附記しておく。」
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他の選考委員
黒岩重吾
井上ひさし
平岩弓枝
藤沢周平
田辺聖子
五木寛之
渡辺淳一
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選考委員
平岩弓枝女62歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
好材料に応えた筆力 総行数89 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
中村彰彦
男45歳
31 「六篇の候補作の中、まず「二つの山河」に心惹かれた。」「中村さんは良い素材を、極めて中村さんらしい素朴な語り口で、じっくり読ませる作品に仕立て上げた。この力量は大きく評価されるべきだと思う。」
海老沢泰久
男44歳
9 「落ちついたいい作品であった。六つの短篇はどれもさりげない口調で語られているが、さりげないだけではない余情を持っている。とりわけ、好きだったのは表題になっている「帰郷」と「夏の終りの風」の二篇であった。」
久世光彦
男59歳
7 「才気という点では(引用者中略)突出していた。才気の羅列、才気の遊びといった感じである。難をいえば、連載で書かれたものだけに一冊にまとめると重複が多く、冗漫にみえることだ。」
安部龍太郎
男39歳
16 「対立する二人の主人公のイメージが似たりよったりだったことで随分、損をしている。」「外見も性格も生い立ちも全く正反対のインパクトの強い人間を描き切らないと、これだけ複雑で登場人物の多い物語をひきずって行くのは困難であろう。」
東郷隆
男42歳
11 「東郷さんの、もうすっかり安定した世界という感じで、それはそれですばらしいことではあるけれども、フレッシュな感動が薄くなって来る部分をどう補って行くかが今後の課題になりそうである。」
坂東眞砂子
女36歳
15 「同じ作者の「狗神」という作品のほうが強烈なイメージがあったという意見が出て不利になった。」「怪奇をテーマにする作品は同じ筆法で何度も書いて行くと、どうしても二番煎じとみられがちである。私としては、あまり「雨月物語風」にこだわらないで、作品の間口を広げることをお勧めしたい。」
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他の選考委員
黒岩重吾
井上ひさし
山口瞳
藤沢周平
田辺聖子
五木寛之
渡辺淳一
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選考委員
藤沢周平男66歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
虚構の奥深さ 総行数145 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
中村彰彦
男45歳
30 「直球でストライクを取ったような、単純だが気持よく読める作品だった。」「読者を作品世界の中にひきこむのはヒューマニズムである。」「中村さんの従来の小説にみられた資料からくるわずらわしい感じがなかった。」「受賞に値いする長足の進歩と思われた。」
海老沢泰久
男44歳
51 「この二篇(引用者注:「帰郷」と「夏の終りの風」)にくらべてほかの四篇は総じて物語にふくらみを欠き、二篇との落差が大きすぎた。」「私はこの作品をいまひとつ積極的に推奨しかねたのだが、議論を重ねるうちに「帰郷」が持つ虚構性のなつかしさ、奥行きの深さが胸の中にどんどんふくらんで来て、(引用者中略)最後の評価の段階では躊躇なく受賞賛成に回った次第だった。」
久世光彦
男59歳
24 「才気縦横といった趣がある作品だった。」「肝心の失踪中の乱歩の物語の方は破綻が多くて、二、三見事な表現が目につくものの、これだけでは仕方ない。要約すれば絢爛たる才能ばかりが目立って、中身はいささかまとまりを欠いた作品だった。」
安部龍太郎
男39歳
11 「大部の物語をまとめた意欲と構想力は今後楽しみだが、細部のつくりが雑だ。三つの能面の出し入れの整理がわるく、また人物設定に難があるので、読んでいてどっちが南朝方か幕府方かわからなくなったりする。」
東郷隆
男42歳
24 「前作の「人造記」、「打てや叩けや」などにくらべると、イメージが鮮明で文章もくどさが消え、急にうまくなったような感じをあたえる。」「「絵師合戦」、「熊谷往生」の二篇が秀逸で、「開眼」は前半の人物造型はすぐれているのに肝心の後半がよくなかった。しかしこれも相当の作品だった。」「受賞の水準に達した作品だった。」
坂東眞砂子
女36歳
5 「古い怪異譚を現代に甦らせる試みはおもしろいけれども、文章に無駄が多くて、せっかくの興趣が殺がれてしまう。」
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他の選考委員
黒岩重吾
井上ひさし
山口瞳
平岩弓枝
田辺聖子
五木寛之
渡辺淳一
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選考委員
田辺聖子女66歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
選評 総行数145 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
中村彰彦
男45歳
15 「良質な材料の助走を得て一気にゴールへ入ったという感じの作品、読者の共感をよぶ。ただ私としては小説的技巧の点で、ある部分、無作為すぎるのが残念だった。」「しかしこんな形での会津発掘があるのかと快い衝撃と示唆を与えられた秀作。」
海老沢泰久
男44歳
27 「「帰郷」「夏の終りの風」はことにいい。しかしこの二作と、他の作品は微妙にかさなり、おのずと一つのハーモニイを作っているので、差別することはできない。簡潔で硬質な文体は、新しく冷たい清冽な文学的潮流を使嗾しているようである。」「現代の切り口はあざやかで犀利である。」
久世光彦
男59歳
53 「実に楽しく読めた。」「今年度の収穫の一つ――と私は個人的に思うのだが……ではこの作品が直木賞に、ということになると、「土俵が違う」という気がする。といったとて作者に失礼ではないし、作品を貶めることでないのは無論だ。」「これこそオトナの鑑賞に堪える、好事家文学だ。」「しかし栄光もいささかの瑕疵もそこにある。」
安部龍太郎
男39歳
29 「主人公にもっと魅力があればと惜しい。これだけの長篇に読者を引っぱってゆくには、〈いい男だなあ〉と思わせる強烈な魅力がないと。……それから時代小説の楽しさは、いかにもその時代らしい雰囲気に眩惑を強いられることだが、ここではちょっとその幻戯の呪力が不足していないだろうか。」
東郷隆
男42歳
11 「東郷氏の今までのお作の中では最も好調のお仕事という印象を受けた。文章・会話、細部に至るまで凝りに凝って時代小説を読む楽しみを満喫できた。ことに「熊谷往生」がいい。」「この作品は受賞作と同じレベルと感じた。」
坂東眞砂子
女36歳
10 「旧い土俗の世界に新しい戦慄を開拓された氏のお仕事を、私はかねてより見守っている。今回の作品は構成上、やや捻子の締め方が緩い、という気がするし、蛇のもつエロスがもっと出れば、と思った」
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他の選考委員
黒岩重吾
井上ひさし
山口瞳
平岩弓枝
藤沢周平
五木寛之
渡辺淳一
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選考委員
五木寛之男61歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
複雑な感慨 総行数146 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
中村彰彦
男45歳
14 「私も気分よく読んだが、その自分の感覚にどこか素直になれないかすかな軋みをおぼえたことも事実である。小説としては、いささかひよわな面があるとも思った。」
海老沢泰久
男44歳
39 「これらの諸作品がすべて「オール讀物」という読物雑誌に発表されていることに私は感嘆した。表題作の『帰郷』をはじめ、いずれもチェホフの短篇を連想させる作風だったからだ。」「十九世紀の小説を思わせる作品が読物雑誌に載り、それが直木賞の候補として挙げられるということは、とりもなおさず小説が老成への道をあゆみつつある何よりの証拠だ」
久世光彦
男59歳
48 「この作家は今さら直木賞をうんぬんすることがおかしい位の書き手である。」「乱歩を描くより久世さん自身が乱歩になればいいのに、と、正直そう思った。私が今回の候補作のなかでもっとも強い印象を受けた作品であるにもかかわらず、(引用者中略)まっ先に推すことができなかった理由の一つがそこにある。もう一つは、久世さんの書くものが過度に文学的(原文傍点)に傾きがちな点にひっかかった。」
安部龍太郎
男39歳
4 「意あって何かが足りないという印象をおぼえたのが残念だった。」
東郷隆
男42歳
11 「小説の運命に果敢に挑戦しようという野心を感じた」「この二作(引用者注:「蛇鏡」と「終りみだれぬ」)のうちのどちらかが受賞してもおかしくないと思ったのだが、少数意見であったようだ。」
坂東眞砂子
女36歳
13 「小説の運命に果敢に挑戦しようという野心を感じた」「この二作(引用者注:「蛇鏡」と「終りみだれぬ」)のうちのどちらかが受賞してもおかしくないと思ったのだが、少数意見であったようだ。」
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他の選考委員
黒岩重吾
井上ひさし
山口瞳
平岩弓枝
藤沢周平
田辺聖子
渡辺淳一
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選考委員
渡辺淳一男60歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
「化ける」ということ 総行数83 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
中村彰彦
男45歳
20 「氏が追い求めてきた会津藩のなかから、松江豊寿という魅力的な人物を探し出してきたことが、第一の手柄であった。その主人公を、よく整理された資料をもとに、安定した文章で適確に描き出し、姿のいい小説に仕上っている。」「その姿のよさが、ときに優等生を見るようなもの足りなさに変ることもあるが、この主人公の魅力と読後感の爽やかさは、それを補って余りある。」
海老沢泰久
男44歳
24 「この作者の以前の候補作やスポーツ小説は、意気込みのわりに内容が浮いて不満だったが、今回の「帰郷」はそこから抜けでて鮮やかな変身を遂げている。」「一見、拙そうな文章を意図的に積み重ねながら、男女のいわくいいがたい、非論理の論理とでもいうべきところを巧みに描き出している。」
久世光彦
男59歳
18 「氏の乱歩への思い入れはよくわかるが、それが小説として成功しているか否かというと別の問題になる。」「ホテルのシーンや、解説というか評論風の部分になると、作者のペダンティックな知識がおしつけがましくて興を殺ぐ。」「「梔子姫」だけを、最後の冗長さを狩りこんで短篇にしたら、それこそ乱歩を凌ぐ名作になったろうに。」
安部龍太郎
男39歳
8 「なかなかの力作で、文章もそれなりにでき上っているが、いわゆる読物的すぎて、新味に欠ける。この古い感覚から一歩抜け出なければ、化けることは難しそうである。」
東郷隆
男42歳
9 「文章は大分こなれてきたが、史実的な部分はともかく、人間そのものの描写になると途端に、ありきたりな表現が目立ってくる。例によって博識だが、それが小説的に収斂していかないもどかしさが残る。」
坂東眞砂子
女36歳
4 「今回の作品にかぎっていえば、いささかご都合主義が先行して荒すぎたようである。」
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他の選考委員
黒岩重吾
井上ひさし
山口瞳
平岩弓枝
藤沢周平
田辺聖子
五木寛之
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受賞者・作品
中村彰彦男45歳×各選考委員 
「二つの山河」
短篇 120
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
黒岩重吾
男70歳
18 「受賞圏に入ると感じた。」「松江豊寿の人間像が、爽やかな魅力を放っている。」「戊辰戦争や斗南での飢餓が主人公の反軍的な行動の裏打となっており、良い資料を選び出すのも、作者の眼力であることを示している。」
井上ひさし
男59歳
52 「六作中、もっとも感心した」「たとえ会津物に抵抗がある読者でもここまで巧みに仕組まれれば文句のつけようがあるまい。」「なによりもめざましいのは、氏が会津という固有の土地を掘っているうちに日本人の普遍的な行動原理に突き当たったこと。」
山口瞳
男67歳
10 「稀に見る清々しい小説で好感度百パーセント。これはおそらくは作者の人柄によるものだと思われる。」「松江豊寿の美挙は大いに顕彰されてしかるべきだと思うが、私には、やや小説的結構に乏しいという憾みが残った。」
平岩弓枝
女62歳
31 「六篇の候補作の中、まず「二つの山河」に心惹かれた。」「中村さんは良い素材を、極めて中村さんらしい素朴な語り口で、じっくり読ませる作品に仕立て上げた。この力量は大きく評価されるべきだと思う。」
藤沢周平
男66歳
30 「直球でストライクを取ったような、単純だが気持よく読める作品だった。」「読者を作品世界の中にひきこむのはヒューマニズムである。」「中村さんの従来の小説にみられた資料からくるわずらわしい感じがなかった。」「受賞に値いする長足の進歩と思われた。」
田辺聖子
女66歳
15 「良質な材料の助走を得て一気にゴールへ入ったという感じの作品、読者の共感をよぶ。ただ私としては小説的技巧の点で、ある部分、無作為すぎるのが残念だった。」「しかしこんな形での会津発掘があるのかと快い衝撃と示唆を与えられた秀作。」
五木寛之
男61歳
14 「私も気分よく読んだが、その自分の感覚にどこか素直になれないかすかな軋みをおぼえたことも事実である。小説としては、いささかひよわな面があるとも思った。」
渡辺淳一
男60歳
20 「氏が追い求めてきた会津藩のなかから、松江豊寿という魅力的な人物を探し出してきたことが、第一の手柄であった。その主人公を、よく整理された資料をもとに、安定した文章で適確に描き出し、姿のいい小説に仕上っている。」「その姿のよさが、ときに優等生を見るようなもの足りなさに変ることもあるが、この主人公の魅力と読後感の爽やかさは、それを補って余りある。」
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他の候補作
海老沢泰久
『帰郷』
久世光彦
『一九三四年冬―乱歩』
安部龍太郎
『彷徨える帝』
東郷隆
『終りみだれぬ』
坂東眞砂子
『蛇鏡』
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受賞者・作品
海老沢泰久男44歳×各選考委員 
『帰郷』
短篇集6篇 416
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
黒岩重吾
男70歳
34 「受賞圏に入ると感じた。」「“夏の終りの風”と“帰郷”がとくに優れていた。」「ただ右の二作品以外の作品は、既成作家の手の内のものという感がしないでもない。その点やや物足りなかったが、作者の才能は間違いないと思い受賞に賛成した。」
井上ひさし
男59歳
21 「二千語か三千語程度の平易な言葉だけで人生の真実を描き出そうとする氏の文体改革の熱意に深い敬意を抱いている。」「しかし登場人物たち、とくに女性に対する作者の甘い媚びに抵抗がある。もちろんこれは趣味の問題であって、評者の女性観の方がかえって歪んでいるのかもしれないが。」
山口瞳
男67歳
31 「海老沢さんの文章が好きだ。」「気取らない、大仰に騒ぎたてない、文学臭のある言い廻しを排除する、手垢のついた言葉を使わない剛直な文章で、つまりはこれがハードボイルドなのだが、私はすぐにヘミングウェイを連想する。」「表題作の「帰郷」が断然優れている。F1の描写はほとんど一行もなくて、それでいてF1の豪奢、爽快、純粋、緊張、恐怖を深く読者の心に刻みこむ。」
平岩弓枝
女62歳
9 「落ちついたいい作品であった。六つの短篇はどれもさりげない口調で語られているが、さりげないだけではない余情を持っている。とりわけ、好きだったのは表題になっている「帰郷」と「夏の終りの風」の二篇であった。」
藤沢周平
男66歳
51 「この二篇(引用者注:「帰郷」と「夏の終りの風」)にくらべてほかの四篇は総じて物語にふくらみを欠き、二篇との落差が大きすぎた。」「私はこの作品をいまひとつ積極的に推奨しかねたのだが、議論を重ねるうちに「帰郷」が持つ虚構性のなつかしさ、奥行きの深さが胸の中にどんどんふくらんで来て、(引用者中略)最後の評価の段階では躊躇なく受賞賛成に回った次第だった。」
田辺聖子
女66歳
27 「「帰郷」「夏の終りの風」はことにいい。しかしこの二作と、他の作品は微妙にかさなり、おのずと一つのハーモニイを作っているので、差別することはできない。簡潔で硬質な文体は、新しく冷たい清冽な文学的潮流を使嗾しているようである。」「現代の切り口はあざやかで犀利である。」
五木寛之
男61歳
39 「これらの諸作品がすべて「オール讀物」という読物雑誌に発表されていることに私は感嘆した。表題作の『帰郷』をはじめ、いずれもチェホフの短篇を連想させる作風だったからだ。」「十九世紀の小説を思わせる作品が読物雑誌に載り、それが直木賞の候補として挙げられるということは、とりもなおさず小説が老成への道をあゆみつつある何よりの証拠だ」
渡辺淳一
男60歳
24 「この作者の以前の候補作やスポーツ小説は、意気込みのわりに内容が浮いて不満だったが、今回の「帰郷」はそこから抜けでて鮮やかな変身を遂げている。」「一見、拙そうな文章を意図的に積み重ねながら、男女のいわくいいがたい、非論理の論理とでもいうべきところを巧みに描き出している。」
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他の候補作
中村彰彦
「二つの山河」
久世光彦
『一九三四年冬―乱歩』
安部龍太郎
『彷徨える帝』
東郷隆
『終りみだれぬ』
坂東眞砂子
『蛇鏡』
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候補者・作品
久世光彦男59歳×各選考委員 
『一九三四年冬―乱歩』
長篇 547
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
黒岩重吾
男70歳
31 「受賞圏に入ると感じた。」「私は酔った。ただこの作品の評価は酔うか酔わないかによって分かれる。」「平林初之輔まで登場させた作者の該博な知識には驚かされた。ただこの作品は私のように酔わないと夾雑物が喉につかえるかもしれない。」「私は推したが、受賞に到らなかった理由も何となく分るような気がする。」
井上ひさし
男59歳
18 「文章のすばらしさについてはすでに定評がある。」「大正期に生まれて昭和初期に都市大衆のものとなった「文化」生活の微細な陰影、それを文章としてここまでしっかりと取り出した氏の力量はだれもが認めるところであろう。この一点だけでも充分、受賞に価すると考えたのだが……。」
山口瞳
男67歳
30 「麻布の六本木の裏あたりにある怪しげなホテルという舞台がいい。」「作中の「梔子姫」は江戸川乱歩より巧い。変なことを言うようだが巧過ぎるので最後には少しモタレてくる。」「久世さんの乱歩についての思い込みがどれほど燃焼しているのか。私には、それが空転していて考証に逃れてしまっているように思われる。」
平岩弓枝
女62歳
7 「才気という点では(引用者中略)突出していた。才気の羅列、才気の遊びといった感じである。難をいえば、連載で書かれたものだけに一冊にまとめると重複が多く、冗漫にみえることだ。」
藤沢周平
男66歳
24 「才気縦横といった趣がある作品だった。」「肝心の失踪中の乱歩の物語の方は破綻が多くて、二、三見事な表現が目につくものの、これだけでは仕方ない。要約すれば絢爛たる才能ばかりが目立って、中身はいささかまとまりを欠いた作品だった。」
田辺聖子
女66歳
53 「実に楽しく読めた。」「今年度の収穫の一つ――と私は個人的に思うのだが……ではこの作品が直木賞に、ということになると、「土俵が違う」という気がする。といったとて作者に失礼ではないし、作品を貶めることでないのは無論だ。」「これこそオトナの鑑賞に堪える、好事家文学だ。」「しかし栄光もいささかの瑕疵もそこにある。」
五木寛之
男61歳
48 「この作家は今さら直木賞をうんぬんすることがおかしい位の書き手である。」「乱歩を描くより久世さん自身が乱歩になればいいのに、と、正直そう思った。私が今回の候補作のなかでもっとも強い印象を受けた作品であるにもかかわらず、(引用者中略)まっ先に推すことができなかった理由の一つがそこにある。もう一つは、久世さんの書くものが過度に文学的(原文傍点)に傾きがちな点にひっかかった。」
渡辺淳一
男60歳
18 「氏の乱歩への思い入れはよくわかるが、それが小説として成功しているか否かというと別の問題になる。」「ホテルのシーンや、解説というか評論風の部分になると、作者のペダンティックな知識がおしつけがましくて興を殺ぐ。」「「梔子姫」だけを、最後の冗長さを狩りこんで短篇にしたら、それこそ乱歩を凌ぐ名作になったろうに。」
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他の候補作
中村彰彦
「二つの山河」
海老沢泰久
『帰郷』
安部龍太郎
『彷徨える帝』
東郷隆
『終りみだれぬ』
坂東眞砂子
『蛇鏡』
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候補者・作品
安部龍太郎男39歳×各選考委員 
『彷徨える帝』
長篇 1214
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
黒岩重吾
男70歳
0  
井上ひさし
男59歳
23 「後醍醐帝像について疑問がある。」「荒唐無稽なものであれなんであれ、「かくかくしかじかであるから作者はこう考える。どうだ、まいったか」という理由づけが要るはずだが、この作品ではそこのところがきわめて弱い。」「互いに敵対しながら狂言回しを兼ねている二人の主人公がうまく噛み合っていない。」
山口瞳
男67歳
0  
平岩弓枝
女62歳
16 「対立する二人の主人公のイメージが似たりよったりだったことで随分、損をしている。」「外見も性格も生い立ちも全く正反対のインパクトの強い人間を描き切らないと、これだけ複雑で登場人物の多い物語をひきずって行くのは困難であろう。」
藤沢周平
男66歳
11 「大部の物語をまとめた意欲と構想力は今後楽しみだが、細部のつくりが雑だ。三つの能面の出し入れの整理がわるく、また人物設定に難があるので、読んでいてどっちが南朝方か幕府方かわからなくなったりする。」
田辺聖子
女66歳
29 「主人公にもっと魅力があればと惜しい。これだけの長篇に読者を引っぱってゆくには、〈いい男だなあ〉と思わせる強烈な魅力がないと。……それから時代小説の楽しさは、いかにもその時代らしい雰囲気に眩惑を強いられることだが、ここではちょっとその幻戯の呪力が不足していないだろうか。」
五木寛之
男61歳
4 「意あって何かが足りないという印象をおぼえたのが残念だった。」
渡辺淳一
男60歳
8 「なかなかの力作で、文章もそれなりにでき上っているが、いわゆる読物的すぎて、新味に欠ける。この古い感覚から一歩抜け出なければ、化けることは難しそうである。」
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他の候補作
中村彰彦
「二つの山河」
海老沢泰久
『帰郷』
久世光彦
『一九三四年冬―乱歩』
東郷隆
『終りみだれぬ』
坂東眞砂子
『蛇鏡』
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候補者・作品
東郷隆男42歳×各選考委員 
『終りみだれぬ』
短篇集4篇 411
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
黒岩重吾
男70歳
7 「“絵師合戦”が面白く読めた。ただこの短篇集には、文献の引用と解釈が多過ぎ、読み続けるのに苦労する。作者はもっと大勢の読者を意識すべきであろう。」
井上ひさし
男59歳
20 「またも確実に前進したと思う。」「考証や現代語訳を地の文へ溶かし込んだ独特の文体も手に入ってきて、テンポとユーモアとが生まれてきている。だから文句をつけては罰が当たるようなものだが、読み手が小説に常に求めている基本的な描写力に少しばかり欠けるところがあるような気がしないでもない。」
山口瞳
男67歳
0  
平岩弓枝
女62歳
11 「東郷さんの、もうすっかり安定した世界という感じで、それはそれですばらしいことではあるけれども、フレッシュな感動が薄くなって来る部分をどう補って行くかが今後の課題になりそうである。」
藤沢周平
男66歳
24 「前作の「人造記」、「打てや叩けや」などにくらべると、イメージが鮮明で文章もくどさが消え、急にうまくなったような感じをあたえる。」「「絵師合戦」、「熊谷往生」の二篇が秀逸で、「開眼」は前半の人物造型はすぐれているのに肝心の後半がよくなかった。しかしこれも相当の作品だった。」「受賞の水準に達した作品だった。」
田辺聖子
女66歳
11 「東郷氏の今までのお作の中では最も好調のお仕事という印象を受けた。文章・会話、細部に至るまで凝りに凝って時代小説を読む楽しみを満喫できた。ことに「熊谷往生」がいい。」「この作品は受賞作と同じレベルと感じた。」
五木寛之
男61歳
11 「小説の運命に果敢に挑戦しようという野心を感じた」「この二作(引用者注:「蛇鏡」と「終りみだれぬ」)のうちのどちらかが受賞してもおかしくないと思ったのだが、少数意見であったようだ。」
渡辺淳一
男60歳
9 「文章は大分こなれてきたが、史実的な部分はともかく、人間そのものの描写になると途端に、ありきたりな表現が目立ってくる。例によって博識だが、それが小説的に収斂していかないもどかしさが残る。」
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他の候補作
中村彰彦
「二つの山河」
海老沢泰久
『帰郷』
久世光彦
『一九三四年冬―乱歩』
安部龍太郎
『彷徨える帝』
坂東眞砂子
『蛇鏡』
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候補者・作品
坂東眞砂子女36歳×各選考委員 
『蛇鏡』
長篇 528
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
黒岩重吾
男70歳
0  
井上ひさし
男59歳
36 「堅固に構成した物語を巧みな形容をちりばめた安定感のある文章でしっかりと語り進めて行く力がデビュー作から備わっていた。」「いくつか読みついでくると、やはり話の先が見えてしまう。」「それにないものねだりを承知で言えば、「人の営みとはなにか、その営みを積み重ねてつくられていく歴史とはなにか」を書きながら、この主題についての、肝心かなめの作者の考えが希薄だ。」
山口瞳
男67歳
0  
平岩弓枝
女62歳
15 「同じ作者の「狗神」という作品のほうが強烈なイメージがあったという意見が出て不利になった。」「怪奇をテーマにする作品は同じ筆法で何度も書いて行くと、どうしても二番煎じとみられがちである。私としては、あまり「雨月物語風」にこだわらないで、作品の間口を広げることをお勧めしたい。」
藤沢周平
男66歳
5 「古い怪異譚を現代に甦らせる試みはおもしろいけれども、文章に無駄が多くて、せっかくの興趣が殺がれてしまう。」
田辺聖子
女66歳
10 「旧い土俗の世界に新しい戦慄を開拓された氏のお仕事を、私はかねてより見守っている。今回の作品は構成上、やや捻子の締め方が緩い、という気がするし、蛇のもつエロスがもっと出れば、と思った」
五木寛之
男61歳
13 「小説の運命に果敢に挑戦しようという野心を感じた」「この二作(引用者注:「蛇鏡」と「終りみだれぬ」)のうちのどちらかが受賞してもおかしくないと思ったのだが、少数意見であったようだ。」
渡辺淳一
男60歳
4 「今回の作品にかぎっていえば、いささかご都合主義が先行して荒すぎたようである。」
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他の候補作
中村彰彦
「二つの山河」
海老沢泰久
『帰郷』
久世光彦
『一九三四年冬―乱歩』
安部龍太郎
『彷徨える帝』
東郷隆
『終りみだれぬ』
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