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第130回
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平成15年/2003年下半期
(平成16年/2004年1月15日決定発表/『オール讀物』平成16年/2004年3月号選評掲載)
選考委員  北方謙三
男56歳
五木寛之
男71歳
田辺聖子
女75歳
林真理子
女49歳
津本陽
男74歳
阿刀田高
男69歳
渡辺淳一
男70歳
平岩弓枝
女71歳
宮城谷昌光
男58歳
井上ひさし
男69歳
選評総行数  92 83 54 90 66 98 97 91 87 153
候補作 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数
江國香織 『号泣する準備はできていた』
268
女39歳
17 36 12 21 25 22 57 28 6 45
京極夏彦 『後巷説百物語』
1309
男40歳
15 21 14 11 23 31 25 49 17 41
朱川湊人 『都市伝説セピア』
458
男41歳
10 9 5 10 9 12 4 14 56 24
馳星周 『生誕祭』
1855
男38歳
24 14 12 36 7 16 8 0 4 27
姫野カオルコ 『ツ、イ、ラ、ク』
830
女45歳
21 11 11 18 10 17 4 0 6 25
                   
年齢/枚数の説明   見方・注意点

このページの選評出典:『オール讀物』平成16年/2004年3月号
1行当たりの文字数:13字


選考委員
北方謙三男56歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
さまざまな個性 総行数92 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
江國香織
女39歳
17 「音程がはずれそうではずれない、というような危うい文体が魅力だった。」「この独自の手法はすでに確立されていて、デリケートに描かれた日常から、不意に非日常が顔を出すさまは、圧巻ですらある。」
京極夏彦
男40歳
15 「京極夏彦の世界を認めるか認めないかに尽きると思う。とうに受賞のラインはクリアしている作家という認識が、私にはあった。大多数の支持を得たのは、実力の然らしむるところである。」
朱川湊人
男41歳
10 「才筆である。「昨日公園」一本の秀逸さだけでも、高く評価できる。」「ただいくつか作品が並ぶと、ばらつきが気になり、もう一回見てみたいという気持になる。」
馳星周
男38歳
24 「バブルという、現実に社会や人を狂わせた時代を、象徴的に描ききっていると思った。」「そこにある感傷や情感などは、しっかりと作品に内包されたままで、行間からすら立ちのぼってこない。ハードボイルドは、もともとそういうものであった。時代の狂気を背景にすることによって、ノワールとも呼ぶべき、新しいジャンルを主張できるものに仕上がっている。」
姫野カオルコ
女45歳
21 「小学生、中学生のころからの登場人物の性格が書き分けられていて、引きこまれた。ただ、成長してからのそれぞれの姿が、どこか繊細さを欠く。」「ありふれた日常の営為を捉える眼が、やや類型に流れたためではないかと感じた。」「力作であるが、もう少し刈り込みをして、二人の男女を際立たせて欲しかった、と惜しい思いで本を閉じた。」
  「今回の五作は、その持つ個性から作風まですべて異っていて、私は自分の好みがストレートに評価に繋がってしまうことを、警戒しながら読んだ。」
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五木寛之
田辺聖子
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阿刀田高
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宮城谷昌光
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選考委員
五木寛之男71歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
二作拮抗の受賞をよろこぶ 総行数83 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
江國香織
女39歳
36 「(引用者注:「号泣する準備はできていた」「後巷説百物語」の)二作を推した。」「江國香織さんは見事に小説家として離陸した。」「牛どんとバグダッドカフェとを、まったく同じトーンで文章のなかにはさんでみせる手際は大したものだ。小説家は剣術つかい(原文傍点)と同じように、言葉つかい(原文傍点)でなくてはならないのだから、この人の日本語感覚は貴重である。」
京極夏彦
男40歳
21 「(引用者注:「号泣する準備はできていた」「後巷説百物語」の)二作を推した。」「すこぶる批評的な作家である。」「前近代を造型的に駆使して近代を超えようとする姿勢には、外野席から声援を送らずにはいられないような気分になってくる。」
朱川湊人
男41歳
9 「昭和初期の新興芸術派の作風を連想させる独特の才気を感じた。古いようで新しく、新しいようで古風なところのある作品だ。」
馳星周
男38歳
14 「力作ではあるが、『不夜城』を抜いていないというのが正直な感想だった。いろんな場面でたびたび登場するブランド名に、いまひとひねり欲しいと思うのは贅沢だろうか。」「鮮烈な処女作をひっさげて登場した作家の辛さというものを、ふと思った。」
姫野カオルコ
女45歳
11 「才能を感じさせる作品だった。しかし、以前、直木賞候補になった『受難』の印象がつよかったせいか、こんどの作品に幾分、物足りなさをおぼえたことも事実である。」
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他の選考委員
北方謙三
田辺聖子
林真理子
津本陽
阿刀田高
渡辺淳一
平岩弓枝
宮城谷昌光
井上ひさし
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選考委員
田辺聖子女75歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
世に物語のタネは尽きまじ 総行数54 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
江國香織
女39歳
12 「文章は平易だが滋味あり、ただごとの世界のようにみえつつ、人生の怖い深淵を示唆する。小説的風景を構築する力量もたしか。」「私は、特に「溝」の怖さを推す。」
京極夏彦
男40歳
14 「文章からたち昇る怪異の瘴気は、当今、珍重すべき怪才である。今回は殊に、時代設定、登場人物のたたずまいに趣向が凝らされている。」「氏の作品に接すると、〈世に物語のタネは尽きまじ〉という気がするから愉快だ。」
朱川湊人
男41歳
5 「ホラーと詩情が品よく両立した作品。文章も美しい。もう一作、拝見したいと思う有望作家。」
馳星周
男38歳
12 「量的、内容的にも十分、よみごたえがあるが、私は細部が気になった。〈祖父の十字架〉の文学的処置、それと登場人物の名に異和感あり。」「ただ、バブルの時期という、遠大な時代背景を扱われた壮図に敬服。」
姫野カオルコ
女45歳
11 「私はこの作も推したが、今回は惜しくも賞を逸した。野趣と生気ある方言が効果的、輝きにみちた青春小説であった。」「本年度の収穫の一つと私は確信する。」
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北方謙三
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津本陽
阿刀田高
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平岩弓枝
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選考委員
林真理子女49歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
当代の人気作家の受賞 総行数90 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
江國香織
女39歳
21 「印象に残った。」「洗練されたタッチで、主人公たちの心は実にデリケートに表現されている。けれども私はこの江國ワールドに今回ぬぐいがたい異和感を持った。」「人生の真実の毒を描くというより、うまくツジツマを合わせたという感じがするのである。」
京極夏彦
男40歳
11 「読みやすくなった分だけ京極色が薄れた感もあるが、読者を物語の世界に誘うテクニックは、いつもながらぞくぞくするほど魅力的だ。」
朱川湊人
男41歳
10 「不思議な作品であった。ホラーを一歩越えた強い物語性が欲しい、などという理由で私の中でそう点数は高くなかったが、後々まで印象に残る作品だ。」
馳星周
男38歳
36 「いっきに読めたというものの欠点が目につく。」「これをマネーゲーム、スパイゲームというのならば、どんでん返しがなくてはおかしいのではないか。」「いたるところに当時の風俗の間違いがある。」「些末な事と言われそうであるが、バブルという時代はブランドが記号となり、多くのイメージと記憶を喚起していく。ブランドこそバブルの時代のキーワードなのだ。」
姫野カオルコ
女45歳
18 「印象に残った。」「過剰なまでに毒を追い求めていく。前半はここまでしつこく長くなくてもよいと思うし、アフォリズムが時として決まらない時もある。けれども私はこの姫野さんのたくましいモチベーションに圧倒された。」
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五木寛之
田辺聖子
津本陽
阿刀田高
渡辺淳一
平岩弓枝
宮城谷昌光
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選考委員
津本陽男74歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
詩人と語り部 総行数66 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
江國香織
女39歳
25 「時間をインスタントカメラで切りとって幾枚もアルバムに張ったような作品である。」「うまく生きてゆけない主人公に、読者は心に涙をいっぱい溜めて震えている人間像を見るがそのうえのひろがりはない。」「受賞を無条件に支持したわけではないが、(引用者中略)将来を期待できるすぐれた素質があることを認めた。」
京極夏彦
男40歳
23 「本来であればおもしろいはずの話が、登場人物たちのいわずもがなの合の手がはいることによって、雅味の乏しいものになっているという結果になったのは惜しい。」「受賞を無条件に支持したわけではないが、(引用者中略)将来を期待できるすぐれた素質があることを認めた。」
朱川湊人
男41歳
9 「力量のある短篇集であるが、現在と昔のあいだを泳いでいる恐怖小説は、眼前におこっていることとしての迫真力を読者に与えるに足る、現実感に乏しい。」
馳星周
男38歳
7 「その力量を認めた。話の運びやまとめかたに、目新らしくないと思える点もあるが、長篇を読ませる腕力はなかなかのものである。」
姫野カオルコ
女45歳
10 「巧みな筆運びに好感を持った。」「だが、登場人物が都合よく設定されていて、話のつくりかたが強引に思える点があるのは、一考を要するのではないか。」
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林真理子
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渡辺淳一
平岩弓枝
宮城谷昌光
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選考委員
阿刀田高男69歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
これほどちがう受賞作二つ 総行数98 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
江國香織
女39歳
22 「人間心理の微細な揺れ動き……。微細ではあるけれど、実際的には人間を動かす動機ともなりうるもの。そんな気配を的確に捕らえることにおいて江國香織さんは舌を巻くほど巧みな書き手である。」「――もう少しストーリー性があってほしいのだが――という望蜀の思いがないでもないが、それもこの作家らしい才気の中で、遠からず“なるほど”と果されるにちがいない。」
京極夏彦
男40歳
31 「京極夏彦さんの世界は、長いあいだ、私にとってわかりにくいものであった。」「しかし“後巷説百物語”を読み始めて、おおいに変わった。」「“赤えいの魚”のイマジネーションには本当に圧倒された。他の作品は、これに比べれば、少し月並かな、という感触がないでもない。」「力量を認めないわけにいかなかった。」
朱川湊人
男41歳
12 「とてもしなやかなよい筆致だ。」「恐怖の背後から人生が滲み出てくるようなところが……私見を述べれば恐怖を小説たらしめる重要な要素が若干乏しいように感じられた。」
馳星周
男38歳
16 「馳星周さんの特徴であるヒリヒリするような緊張感が、従来の作品に比べると弱く、登場人物の造形、筋の運びにも、それが感じられた。私としては、――馳さんの力はこんなものじゃないでしょう――という思いでいっぱいである。」
姫野カオルコ
女45歳
17 「触手が動いた。ちょっと型やぶりの小説……。姿のいい小説ではない。しかし、到るところにパチパチと弾けるものがある。」「未完成ながら真実驚かされるサムシングを含んでいる。」
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選考委員
渡辺淳一男70歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
江國作品の魅力 総行数97 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
江國香織
女39歳
57 「かなりの議論がたたかわされた。」「小説の表現を、ある意味で合目的的で、それなりの論理性を必要と考える人には、この種の小説は曖昧でまとまりがない、ということになるのかもしれない。」「小説は条理や論理を描くものではない。むしろその裏に潜む、非論理のリアリティを描くもの」「今回の江國作品は、この微妙で難しいテーマに果敢に挑み、前回よりさらなる進歩を見せている。」
京極夏彦
男40歳
25 「比較的すんなり決った」「「嗤う伊右衛門」と比べるとやや劣る。」「わかり易くなった分だけ妖しさが失われたようである。」「最初の「赤えいの魚」がもっとも不気味で現代文明批評としても鋭いが、他はいささかつくりすぎて迫力に欠ける。しかしこれだけのものを再び書き上げ、さらに秀れた前作と重ねてみると、受賞は当然といわざるをえない。」
朱川湊人
男41歳
4 「文章のセンスはいいが、怖い話を無理につくりすぎて興を殺ぐ。」
馳星周
男38歳
8 「テーマも人物も明晰で、エネルギッシュな作品ではあるが、その裏にふくらむものに欠ける。その意味で、「号泣する……」のあおりをくらった、といえるかもしれない。」
姫野カオルコ
女45歳
4 「部分的に鋭く斬新なところはあるが、小説の構成という点で問題があり、」
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五木寛之
田辺聖子
林真理子
津本陽
阿刀田高
平岩弓枝
宮城谷昌光
井上ひさし
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選考委員
平岩弓枝女71歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
受賞二作品について 総行数91 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
江國香織
女39歳
28 「感受性の鋭い、都会的ないい作品であった。」「時折出て来る省略がスパイスの役目をしている。この節、今回の作品と似たような小説を書く人が増えて来ているような印象を持っているが、江國さんの感性は真似をしようと思っても容易に真似の出来るものではない。」
京極夏彦
男40歳
49 「最初の「赤えいの魚」が一番、面白かった。」「ただ、この構成は数を重ねて行くにつれて、読者がどうしても手品の種を先読みしてしまうので、毎度、話の裏が老人(引用者中略)と、その昔の知り合い達の仕掛けによるものとなると読者は少々、しらけて来る。とはいえ六篇に各々、異る趣向をちりばめ、博識の裏打ちをしてのけるのは、やはり、この作者の力倆ならでは」
朱川湊人
男41歳
14 「受賞二作の他で心に残った」「ひょっとするとダークホースで受賞になってもいいと考えていたが、やはり候補作が作者にとって初めての単行本ということで、次まで待とうといった声が出てしまった。いささか残念に思っている。」
馳星周
男38歳
0  
姫野カオルコ
女45歳
0  
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他の選考委員
北方謙三
五木寛之
田辺聖子
林真理子
津本陽
阿刀田高
渡辺淳一
宮城谷昌光
井上ひさし
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選考委員
宮城谷昌光男58歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
文体について 総行数87 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
江國香織
女39歳
6 「京極氏が立っている土俵にのぼる力をもっておらず、私は京極氏の不戦勝だ、とおもった。」
京極夏彦
男40歳
17 「文体とは言語の生活形態であり、そこに特徴がないのは、創作力の肥沃さにつながりにくい。(引用者中略)「後巷説百物語」には、ぬきさしならない文体があり、小説というものはそこまできてはじめて良否を問うことができるのである。」「(引用者注:他の候補作は)京極氏が立っている土俵にのぼる力をもっておらず、私は京極氏の不戦勝だ、とおもった。」
朱川湊人
男41歳
56 「もっとも強い好感をもった。」「最初の「アイスマン」を読みはじめたとき、サキの才能に似たものを感じた。とはいえ、言語の内的課題が未消化であるようにおもわれた。」「強く推せなかったのは、作品に強さが不足しているせいである。氏の文体にくせがないというのは、褒めることも貶すこともできないわけで、けっしてよいことではない。」
馳星周
男38歳
4 「京極氏が立っている土俵にのぼる力をもっておらず、私は京極氏の不戦勝だ、とおもった。」
姫野カオルコ
女45歳
6 「京極氏が立っている土俵にのぼる力をもっておらず、私は京極氏の不戦勝だ、とおもった。」
  「小説は平面に文字を置いてゆく作業によって完成されるが、全象は構築物のようでなければならず、しかしながら今回の作品は平面にとどまっているものが多いことに不満をおぼえた。」
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選考委員
井上ひさし男69歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
巨大と堅緻と 総行数153 (1行=13字)
候補 評価 行数 評言
江國香織
女39歳
45 「十二の短編には、すみずみにまで巧緻な工夫がほどこされている。」「作者はあなたの恋愛物語(個人的で絶対的な真実)の爆発に点火するだけですよと。これまであまり例のなかった〈読者参加の恋愛小説〉が、作者の緻密な言葉遣いによって、ここにみごとに成就した。」
京極夏彦
男40歳
41 「もう多言を弄する愚は犯すまい、言葉だけでこれほど不思議な世界を、同時に明快な世界観を創り出した事業に拍手を送るばかりである。」「(引用者注:作者独特の文体が生み出す)リズムが読者を自然に作中へ導き入れてくれるが、まさにこのとき、読者は、物語が自分の中で発生していることを発見するにちがいない。」
朱川湊人
男41歳
24 「「昨日公園」はうまくできている。(引用者中略)これは佳品だった。」「一人称の語りそのものの中に小説の〈落ち〉を忍び込ませておく手口も鮮やかだ。ただし、いくら鮮やかでも、同じ手口がいくつも続くと、やはり読者に見破られてしまう。」
馳星周
男38歳
27 「小説の構造とバブル期の狂気を巧みに重ね合わせながら、短い文を連射してきびきびと緊張した人間関係を築き上げて行く。みごとな力業で、ここまでは感嘆に値いする。けれども後半の、世界崩壊の過程が少しばかり単調にすぎた憾みがあって、それが残念だ。」
姫野カオルコ
女45歳
25 「全体の五分の四をすぎて、中学時代の美術教師の小山内先生の葬式の場面あたりから、ようやく傑作の光を放ちはじめる。」「けれども、そこへくるまでの文章に文学的ケレン味が氾濫し(引用者中略)読者には邪魔だったかもしれない。」
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津本陽
阿刀田高
渡辺淳一
平岩弓枝
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受賞者・作品
江國香織女39歳×各選考委員 
『号泣する準備はできていた』
短篇集12篇 268
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
北方謙三
男56歳
17 「音程がはずれそうではずれない、というような危うい文体が魅力だった。」「この独自の手法はすでに確立されていて、デリケートに描かれた日常から、不意に非日常が顔を出すさまは、圧巻ですらある。」
五木寛之
男71歳
36 「(引用者注:「号泣する準備はできていた」「後巷説百物語」の)二作を推した。」「江國香織さんは見事に小説家として離陸した。」「牛どんとバグダッドカフェとを、まったく同じトーンで文章のなかにはさんでみせる手際は大したものだ。小説家は剣術つかい(原文傍点)と同じように、言葉つかい(原文傍点)でなくてはならないのだから、この人の日本語感覚は貴重である。」
田辺聖子
女75歳
12 「文章は平易だが滋味あり、ただごとの世界のようにみえつつ、人生の怖い深淵を示唆する。小説的風景を構築する力量もたしか。」「私は、特に「溝」の怖さを推す。」
林真理子
女49歳
21 「印象に残った。」「洗練されたタッチで、主人公たちの心は実にデリケートに表現されている。けれども私はこの江國ワールドに今回ぬぐいがたい異和感を持った。」「人生の真実の毒を描くというより、うまくツジツマを合わせたという感じがするのである。」
津本陽
男74歳
25 「時間をインスタントカメラで切りとって幾枚もアルバムに張ったような作品である。」「うまく生きてゆけない主人公に、読者は心に涙をいっぱい溜めて震えている人間像を見るがそのうえのひろがりはない。」「受賞を無条件に支持したわけではないが、(引用者中略)将来を期待できるすぐれた素質があることを認めた。」
阿刀田高
男69歳
22 「人間心理の微細な揺れ動き……。微細ではあるけれど、実際的には人間を動かす動機ともなりうるもの。そんな気配を的確に捕らえることにおいて江國香織さんは舌を巻くほど巧みな書き手である。」「――もう少しストーリー性があってほしいのだが――という望蜀の思いがないでもないが、それもこの作家らしい才気の中で、遠からず“なるほど”と果されるにちがいない。」
渡辺淳一
男70歳
57 「かなりの議論がたたかわされた。」「小説の表現を、ある意味で合目的的で、それなりの論理性を必要と考える人には、この種の小説は曖昧でまとまりがない、ということになるのかもしれない。」「小説は条理や論理を描くものではない。むしろその裏に潜む、非論理のリアリティを描くもの」「今回の江國作品は、この微妙で難しいテーマに果敢に挑み、前回よりさらなる進歩を見せている。」
平岩弓枝
女71歳
28 「感受性の鋭い、都会的ないい作品であった。」「時折出て来る省略がスパイスの役目をしている。この節、今回の作品と似たような小説を書く人が増えて来ているような印象を持っているが、江國さんの感性は真似をしようと思っても容易に真似の出来るものではない。」
宮城谷昌光
男58歳
6 「京極氏が立っている土俵にのぼる力をもっておらず、私は京極氏の不戦勝だ、とおもった。」
井上ひさし
男69歳
45 「十二の短編には、すみずみにまで巧緻な工夫がほどこされている。」「作者はあなたの恋愛物語(個人的で絶対的な真実)の爆発に点火するだけですよと。これまであまり例のなかった〈読者参加の恋愛小説〉が、作者の緻密な言葉遣いによって、ここにみごとに成就した。」
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他の候補作
京極夏彦
『後巷説百物語』
朱川湊人
『都市伝説セピア』
馳星周
『生誕祭』
姫野カオルコ
『ツ、イ、ラ、ク』
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受賞者・作品
京極夏彦男40歳×各選考委員 
『後巷説百物語』
連作6篇 1309
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
北方謙三
男56歳
15 「京極夏彦の世界を認めるか認めないかに尽きると思う。とうに受賞のラインはクリアしている作家という認識が、私にはあった。大多数の支持を得たのは、実力の然らしむるところである。」
五木寛之
男71歳
21 「(引用者注:「号泣する準備はできていた」「後巷説百物語」の)二作を推した。」「すこぶる批評的な作家である。」「前近代を造型的に駆使して近代を超えようとする姿勢には、外野席から声援を送らずにはいられないような気分になってくる。」
田辺聖子
女75歳
14 「文章からたち昇る怪異の瘴気は、当今、珍重すべき怪才である。今回は殊に、時代設定、登場人物のたたずまいに趣向が凝らされている。」「氏の作品に接すると、〈世に物語のタネは尽きまじ〉という気がするから愉快だ。」
林真理子
女49歳
11 「読みやすくなった分だけ京極色が薄れた感もあるが、読者を物語の世界に誘うテクニックは、いつもながらぞくぞくするほど魅力的だ。」
津本陽
男74歳
23 「本来であればおもしろいはずの話が、登場人物たちのいわずもがなの合の手がはいることによって、雅味の乏しいものになっているという結果になったのは惜しい。」「受賞を無条件に支持したわけではないが、(引用者中略)将来を期待できるすぐれた素質があることを認めた。」
阿刀田高
男69歳
31 「京極夏彦さんの世界は、長いあいだ、私にとってわかりにくいものであった。」「しかし“後巷説百物語”を読み始めて、おおいに変わった。」「“赤えいの魚”のイマジネーションには本当に圧倒された。他の作品は、これに比べれば、少し月並かな、という感触がないでもない。」「力量を認めないわけにいかなかった。」
渡辺淳一
男70歳
25 「比較的すんなり決った」「「嗤う伊右衛門」と比べるとやや劣る。」「わかり易くなった分だけ妖しさが失われたようである。」「最初の「赤えいの魚」がもっとも不気味で現代文明批評としても鋭いが、他はいささかつくりすぎて迫力に欠ける。しかしこれだけのものを再び書き上げ、さらに秀れた前作と重ねてみると、受賞は当然といわざるをえない。」
平岩弓枝
女71歳
49 「最初の「赤えいの魚」が一番、面白かった。」「ただ、この構成は数を重ねて行くにつれて、読者がどうしても手品の種を先読みしてしまうので、毎度、話の裏が老人(引用者中略)と、その昔の知り合い達の仕掛けによるものとなると読者は少々、しらけて来る。とはいえ六篇に各々、異る趣向をちりばめ、博識の裏打ちをしてのけるのは、やはり、この作者の力倆ならでは」
宮城谷昌光
男58歳
17 「文体とは言語の生活形態であり、そこに特徴がないのは、創作力の肥沃さにつながりにくい。(引用者中略)「後巷説百物語」には、ぬきさしならない文体があり、小説というものはそこまできてはじめて良否を問うことができるのである。」「(引用者注:他の候補作は)京極氏が立っている土俵にのぼる力をもっておらず、私は京極氏の不戦勝だ、とおもった。」
井上ひさし
男69歳
41 「もう多言を弄する愚は犯すまい、言葉だけでこれほど不思議な世界を、同時に明快な世界観を創り出した事業に拍手を送るばかりである。」「(引用者注:作者独特の文体が生み出す)リズムが読者を自然に作中へ導き入れてくれるが、まさにこのとき、読者は、物語が自分の中で発生していることを発見するにちがいない。」
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他の候補作
江國香織
『号泣する準備はできていた』
朱川湊人
『都市伝説セピア』
馳星周
『生誕祭』
姫野カオルコ
『ツ、イ、ラ、ク』
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候補者・作品
朱川湊人男41歳×各選考委員 
『都市伝説セピア』
短篇集5篇 458
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
北方謙三
男56歳
10 「才筆である。「昨日公園」一本の秀逸さだけでも、高く評価できる。」「ただいくつか作品が並ぶと、ばらつきが気になり、もう一回見てみたいという気持になる。」
五木寛之
男71歳
9 「昭和初期の新興芸術派の作風を連想させる独特の才気を感じた。古いようで新しく、新しいようで古風なところのある作品だ。」
田辺聖子
女75歳
5 「ホラーと詩情が品よく両立した作品。文章も美しい。もう一作、拝見したいと思う有望作家。」
林真理子
女49歳
10 「不思議な作品であった。ホラーを一歩越えた強い物語性が欲しい、などという理由で私の中でそう点数は高くなかったが、後々まで印象に残る作品だ。」
津本陽
男74歳
9 「力量のある短篇集であるが、現在と昔のあいだを泳いでいる恐怖小説は、眼前におこっていることとしての迫真力を読者に与えるに足る、現実感に乏しい。」
阿刀田高
男69歳
12 「とてもしなやかなよい筆致だ。」「恐怖の背後から人生が滲み出てくるようなところが……私見を述べれば恐怖を小説たらしめる重要な要素が若干乏しいように感じられた。」
渡辺淳一
男70歳
4 「文章のセンスはいいが、怖い話を無理につくりすぎて興を殺ぐ。」
平岩弓枝
女71歳
14 「受賞二作の他で心に残った」「ひょっとするとダークホースで受賞になってもいいと考えていたが、やはり候補作が作者にとって初めての単行本ということで、次まで待とうといった声が出てしまった。いささか残念に思っている。」
宮城谷昌光
男58歳
56 「もっとも強い好感をもった。」「最初の「アイスマン」を読みはじめたとき、サキの才能に似たものを感じた。とはいえ、言語の内的課題が未消化であるようにおもわれた。」「強く推せなかったのは、作品に強さが不足しているせいである。氏の文体にくせがないというのは、褒めることも貶すこともできないわけで、けっしてよいことではない。」
井上ひさし
男69歳
24 「「昨日公園」はうまくできている。(引用者中略)これは佳品だった。」「一人称の語りそのものの中に小説の〈落ち〉を忍び込ませておく手口も鮮やかだ。ただし、いくら鮮やかでも、同じ手口がいくつも続くと、やはり読者に見破られてしまう。」
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他の候補作
江國香織
『号泣する準備はできていた』
京極夏彦
『後巷説百物語』
馳星周
『生誕祭』
姫野カオルコ
『ツ、イ、ラ、ク』
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候補者・作品
馳星周男38歳×各選考委員 
『生誕祭』
長篇 1855
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
北方謙三
男56歳
24 「バブルという、現実に社会や人を狂わせた時代を、象徴的に描ききっていると思った。」「そこにある感傷や情感などは、しっかりと作品に内包されたままで、行間からすら立ちのぼってこない。ハードボイルドは、もともとそういうものであった。時代の狂気を背景にすることによって、ノワールとも呼ぶべき、新しいジャンルを主張できるものに仕上がっている。」
五木寛之
男71歳
14 「力作ではあるが、『不夜城』を抜いていないというのが正直な感想だった。いろんな場面でたびたび登場するブランド名に、いまひとひねり欲しいと思うのは贅沢だろうか。」「鮮烈な処女作をひっさげて登場した作家の辛さというものを、ふと思った。」
田辺聖子
女75歳
12 「量的、内容的にも十分、よみごたえがあるが、私は細部が気になった。〈祖父の十字架〉の文学的処置、それと登場人物の名に異和感あり。」「ただ、バブルの時期という、遠大な時代背景を扱われた壮図に敬服。」
林真理子
女49歳
36 「いっきに読めたというものの欠点が目につく。」「これをマネーゲーム、スパイゲームというのならば、どんでん返しがなくてはおかしいのではないか。」「いたるところに当時の風俗の間違いがある。」「些末な事と言われそうであるが、バブルという時代はブランドが記号となり、多くのイメージと記憶を喚起していく。ブランドこそバブルの時代のキーワードなのだ。」
津本陽
男74歳
7 「その力量を認めた。話の運びやまとめかたに、目新らしくないと思える点もあるが、長篇を読ませる腕力はなかなかのものである。」
阿刀田高
男69歳
16 「馳星周さんの特徴であるヒリヒリするような緊張感が、従来の作品に比べると弱く、登場人物の造形、筋の運びにも、それが感じられた。私としては、――馳さんの力はこんなものじゃないでしょう――という思いでいっぱいである。」
渡辺淳一
男70歳
8 「テーマも人物も明晰で、エネルギッシュな作品ではあるが、その裏にふくらむものに欠ける。その意味で、「号泣する……」のあおりをくらった、といえるかもしれない。」
平岩弓枝
女71歳
0  
宮城谷昌光
男58歳
4 「京極氏が立っている土俵にのぼる力をもっておらず、私は京極氏の不戦勝だ、とおもった。」
井上ひさし
男69歳
27 「小説の構造とバブル期の狂気を巧みに重ね合わせながら、短い文を連射してきびきびと緊張した人間関係を築き上げて行く。みごとな力業で、ここまでは感嘆に値いする。けれども後半の、世界崩壊の過程が少しばかり単調にすぎた憾みがあって、それが残念だ。」
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他の候補作
江國香織
『号泣する準備はできていた』
京極夏彦
『後巷説百物語』
朱川湊人
『都市伝説セピア』
姫野カオルコ
『ツ、イ、ラ、ク』
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候補者・作品
姫野カオルコ女45歳×各選考委員 
『ツ、イ、ラ、ク』
長篇 830
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
北方謙三
男56歳
21 「小学生、中学生のころからの登場人物の性格が書き分けられていて、引きこまれた。ただ、成長してからのそれぞれの姿が、どこか繊細さを欠く。」「ありふれた日常の営為を捉える眼が、やや類型に流れたためではないかと感じた。」「力作であるが、もう少し刈り込みをして、二人の男女を際立たせて欲しかった、と惜しい思いで本を閉じた。」
五木寛之
男71歳
11 「才能を感じさせる作品だった。しかし、以前、直木賞候補になった『受難』の印象がつよかったせいか、こんどの作品に幾分、物足りなさをおぼえたことも事実である。」
田辺聖子
女75歳
11 「私はこの作も推したが、今回は惜しくも賞を逸した。野趣と生気ある方言が効果的、輝きにみちた青春小説であった。」「本年度の収穫の一つと私は確信する。」
林真理子
女49歳
18 「印象に残った。」「過剰なまでに毒を追い求めていく。前半はここまでしつこく長くなくてもよいと思うし、アフォリズムが時として決まらない時もある。けれども私はこの姫野さんのたくましいモチベーションに圧倒された。」
津本陽
男74歳
10 「巧みな筆運びに好感を持った。」「だが、登場人物が都合よく設定されていて、話のつくりかたが強引に思える点があるのは、一考を要するのではないか。」
阿刀田高
男69歳
17 「触手が動いた。ちょっと型やぶりの小説……。姿のいい小説ではない。しかし、到るところにパチパチと弾けるものがある。」「未完成ながら真実驚かされるサムシングを含んでいる。」
渡辺淳一
男70歳
4 「部分的に鋭く斬新なところはあるが、小説の構成という点で問題があり、」
平岩弓枝
女71歳
0  
宮城谷昌光
男58歳
6 「京極氏が立っている土俵にのぼる力をもっておらず、私は京極氏の不戦勝だ、とおもった。」
井上ひさし
男69歳
25 「全体の五分の四をすぎて、中学時代の美術教師の小山内先生の葬式の場面あたりから、ようやく傑作の光を放ちはじめる。」「けれども、そこへくるまでの文章に文学的ケレン味が氾濫し(引用者中略)読者には邪魔だったかもしれない。」
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他の候補作
江國香織
『号泣する準備はできていた』
京極夏彦
『後巷説百物語』
朱川湊人
『都市伝説セピア』
馳星周
『生誕祭』
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