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第78回
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昭和52年/1977年下半期
(昭和53年/1978年1月17日決定発表/『オール讀物』昭和53年/1978年4月号選評掲載)
選考委員  水上勉
男58歳
司馬遼太郎
男54歳
柴田錬三郎
男60歳
源氏鶏太
男65歳
村上元三
男67歳
川口松太郎
男78歳
今日出海
男74歳
石坂洋次郎
男77歳
松本清張
男68歳
選評総行数  61 70 51 49 54 54 44 49  
選評なし
候補作 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数
三浦浩 『優しい滞在』
418
男47歳
0 6 13 6 8   11 0    
山田正紀 『火神を盗め』
550
男28歳
0 8 18 4 4 0 0 0    
難波利三 「大阪希望館」
142
男41歳
0 15 0 5 5 3 11 0    
古川薫 『十三人の修羅』
466
男52歳
23 11 7 13 4 9 0 7    
上西晴治 「ニシパの歌」
109
男53歳
0 10 0 3 5 0 0 0    
高橋昌男 『巷塵』
429
男42歳
19 8 9 10 6 8 10 0    
谷克二 「スペインの短い夏」等
237
男36歳
0 5 0 4 5 0 0 0    
小関智弘 「錆色の町」
94
男44歳
19 8 9 6 6 0 11 10    
          欠席
書面回答
    欠席
年齢/枚数の説明   見方・注意点

このページの選評出典:『オール讀物』昭和53年/1978年4月号
1行当たりの文字数:14字


選考委員
水上勉男58歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
人間を描く 総行数61 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
三浦浩
男47歳
0  
山田正紀
男28歳
0  
難波利三
男41歳
0  
古川薫
男52歳
23 「直木賞作品らしい小説世界がある。しかし、二作(引用者注:「錆色の町」「巷塵」)に比べると古くもある。」「文章も濶達でいいのだが、材料に無理があるらしい。」「だまし方が足りない気がするのだった。だが、力量はある。」
上西晴治
男53歳
0  
高橋昌男
男42歳
19 「私も敗戦前後、新宿かいわいで暮してもいたから、よくその雰囲気が出ていると思った。また女性がよく描けていると思った。」「やや小粒な感じもしないではない。」
谷克二
男36歳
0  
小関智弘
男44歳
19 「そこで暮した人のつよみがあり、町工場の内部の人間模様がよくわかるように書かれてある。主人公の心理も、時々光る一行で確かに表現されているところがあって、全候補の中で、もっとも小説らしい、人間を描くことに集中している視線を感じた。」「やや小粒な感じもしないではない。」
  「今回はどの作品もいちおうは書けているがずばぬけてという作ではなかった。」
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他の選考委員
司馬遼太郎
柴田錬三郎
源氏鶏太
村上元三
川口松太郎
今日出海
石坂洋次郎
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選考委員
司馬遼太郎男54歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
読後感 総行数70 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
三浦浩
男47歳
6 「他の候補作にくらべきわだって文章が卓れている。構成も堅牢で、人間描写もそつがなく、作りごとを読む楽しみを堪能させてくれた。」
山田正紀
男28歳
8 「力作だが、読み手を架空の世界に連れて行ってくれるには擬似的な現実性を一層緻密に創りあげる必要があるのではないか。」
難波利三
男41歳
15 「そういう(引用者注:世間が大阪に対して持っている)既成イメージや方言を人間造形に援用させることをできるだけ抑止して人間そのものを見つめ直せば、このしたたかな作家はおなじ素材でももっといいものを書くのではないか。」
古川薫
男52歳
11 「古川氏は作家としてすでに名があり、また長州藩史に通暁した人として知られているが、そのせいでもないだろうが、作中の人間たちへの初々しい作者の驚きや感動が読む側に伝わりにくかった。」
上西晴治
男53歳
10 「人も物も事もありうるはずの設定だが、より以上に生きものとしての粘膜のぬめりが読み手に伝わればいい作品になったにちがいない。」
高橋昌男
男42歳
8 「市井の人間と人生を平淡な態度で描いている」「好意を持った」
谷克二
男36歳
5 「海外を舞台にしたスリリングな小説だが、作品としての濃密さがあればよかったように思われる。」
小関智弘
男44歳
8 「市井の人間と人生を平淡な態度で描いている」「好意を持った」「(引用者注:「巷塵」にくらべると)世阿弥の用語での花があるように思われた。」
  「どの作品についても推す委員が不足で、推すといってもとくにこれを受賞作にという発言がなかった。」
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他の選考委員
水上勉
柴田錬三郎
源氏鶏太
村上元三
川口松太郎
今日出海
石坂洋次郎
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選考委員
柴田錬三郎男60歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
三浦氏に執着する 総行数51 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
三浦浩
男47歳
13 「受賞に、さいごまで執着した。これは、前作「さらば静かなる時」とあわせて考えて、この作者が、将来一方のリーダーとなる力量の持主と確信したからである。前作に比べて、犯罪の設定にいささか無理があるが、文章のスマートさ、テンポの快調は申し分なかった。」
山田正紀
男28歳
18 「一読者として面白く読んだ」「ストーリイは、突飛だが、それなりに、苦心がはらわれていた。」「ただし、この作品も、最近流行りの推理小説と同様、文章の粗雑さが、ひどすぎた。」「日本語そのものをまちがえているのは、どうにも閉口なのである。」
難波利三
男41歳
0  
古川薫
男52歳
7 「歴史小説めかした結構をととのえようとして、逆に、仏師について今日的解釈をした欠陥を露呈した。前半の維新の史実の記述はなくもがなである。」
上西晴治
男53歳
0  
高橋昌男
男42歳
9 「私は、自分の好みからいえば、(引用者中略)ストーリイらしいストーリイのない風俗小説を、直木賞のために、採らない。いかに、達者に、人物たちが描かれていても、私には、こういう小説が、古くさく感じられる。」
谷克二
男36歳
0  
小関智弘
男44歳
9 「私は、自分の好みからいえば、(引用者中略)ストーリイらしいストーリイのない風俗小説を、直木賞のために、採らない。いかに、達者に、人物たちが描かれていても、私には、こういう小説が、古くさく感じられる。」
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他の選考委員
水上勉
司馬遼太郎
源氏鶏太
村上元三
川口松太郎
今日出海
石坂洋次郎
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選考委員
源氏鶏太男65歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考の難かしさ 総行数49 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
三浦浩
男47歳
6 「私は、二回読んで前作よりいいと思った。文章がうまいし、格調が高いが、今すこし盛り上げて欲しかった。」
山田正紀
男28歳
4 「強過ぎて、私の考えているのとは別の世界の小説になっていた。」
難波利三
男41歳
5 「サワリが多過ぎて、却ってパンチを失っていた。ここらで八方破れをお考えになってはいかがであろうか。」
古川薫
男52歳
13 「高点をつけて出席した。」「力作だし、よく調べて、丹念に仕上げてあった。ただ選考委員の中に仏像の解釈に異論が出たりして見送られることになった。」
上西晴治
男53歳
3 「この程度では何んとしても弱かった」
高橋昌男
男42歳
10 「高点をつけて出席した。」「よく出来た作品であるが、果して直木賞作品であろうかとの疑問を持った。」「欲をいえばもうすこしある種の華やかさが欲しかった。」
谷克二
男36歳
4 「手法に工夫がしてあるのだが、それがマイナスになっていて心を打たなかった。」
小関智弘
男44歳
6 「題材はやや「巷塵」に似ているのだが、「巷塵」に欠けていたと思われる華やかさが漂うていて、登場人物もそれぞれ好感が持てた。」
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他の選考委員
水上勉
司馬遼太郎
柴田錬三郎
村上元三
川口松太郎
今日出海
石坂洋次郎
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選考委員
村上元三男67歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
面白い小説を 総行数54 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
三浦浩
男47歳
8 「こんどの候補作の中で一ばん読みやすかったが、残念ながら前作「さらば静かなる時」よりはおちる。結末をアメリカへ持って行って、あわてて終らせてしまった感があり、どんでん返しもあまり効いていない。」
山田正紀
男28歳
4 「どうもこういう種類の作品に日本人が出てくると、かえって現実感が失せてしまう。」
難波利三
男41歳
5 「題材が面白いのに、水ましになっている。もっと短い枚数で、無駄をはぶくべきだったと思う。」
古川薫
男52歳
4 「しばらく時代小説が出ていないので、推してはみたが、やはりいろんな欠点が目立った。」
上西晴治
男53歳
5 「間違って予選を通過した、としか考えられないし、これは初めから直木賞の作品ではなかった。」
高橋昌男
男42歳
6 「この程度の作品なら地方の同人雑誌に、いくらもある。」「わたしは買わない。」
谷克二
男36歳
5 「「スペインの短い夏」は、もっと票が集るかと思っていたが、もう一作の「越境線」が面白くないので、損をしている。」
小関智弘
男44歳
6 「この程度の作品なら地方の同人雑誌に、いくらもある。」「わたしは買わない。」
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他の選考委員
水上勉
司馬遼太郎
柴田錬三郎
源氏鶏太
川口松太郎
今日出海
石坂洋次郎
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選考委員
川口松太郎男78歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
受賞作のない淋しさ 総行数54 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
三浦浩
男47歳
  「候補作家の経験を持っているのだし、その他の新人群も含めて次回は是非委員たちを喜ばせるような作品を書いて貰いたい。」
山田正紀
男28歳
0  
難波利三
男41歳
3 「楽しく読んだがこれも同じこと(引用者注:「巷塵」評の、仕組みに苦労して人間を描く点を忘れていること)がいえる。」
古川薫
男52歳
9 「私は(引用者中略)推したが、筋を欲張りすぎてやや散漫になった嫌いがある。中心を絞って仏師修業一本にテーマを置けばよかったのではないか。幕末騒動の背景がもっと役立つ工夫がある筈なのに残念だと思う。」
上西晴治
男53歳
0  
高橋昌男
男42歳
8 「面白かったが底の浅さは如何ともし難い。仕組みに苦労して人間を描く肝心の点を忘れている。」
谷克二
男36歳
0  
小関智弘
男44歳
0  
  「作品的には粒が揃って水準に達していると思ったが、決定打のないのが不幸だった。」
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他の選考委員
水上勉
司馬遼太郎
柴田錬三郎
源氏鶏太
村上元三
今日出海
石坂洋次郎
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選考委員
今日出海男74歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
一長一短 総行数44 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
三浦浩
男47歳
11 「面白く読んだ。」「何れも特色があって、その一つを選出するのに逡巡せざるを得なかった。」「世間に通用する水準を越えた作品と言えるだろう。」
山田正紀
男28歳
0  
難波利三
男41歳
11 「面白く読んだ。」「何れも特色があって、その一つを選出するのに逡巡せざるを得なかった。」「世間に通用する水準を越えた作品と言えるだろう。」
古川薫
男52歳
0  
上西晴治
男53歳
0  
高橋昌男
男42歳
10 「面白く読んだ。」「何れも特色があって、その一つを選出するのに逡巡せざるを得なかった。」「世間に通用する水準を越えた作品と言えるだろう。」
谷克二
男36歳
0  
小関智弘
男44歳
11 「面白く読んだ。」「何れも特色があって、その一つを選出するのに逡巡せざるを得なかった。」「世間に通用する水準を越えた作品と言えるだろう。」
  「詮衡者の採点の点が割れて、要するに半数以上の賛成を得られず、已むなく受賞作品なしという場合もある。(引用者注:今回がそれだった)」
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他の選考委員
水上勉
司馬遼太郎
柴田錬三郎
源氏鶏太
村上元三
川口松太郎
石坂洋次郎
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選考委員
石坂洋次郎男77歳×各候補作  年齢/枚数の説明
見方・注意点
辞任の弁 総行数49 (1行=14字)
候補 評価 行数 評言
三浦浩
男47歳
0  
山田正紀
男28歳
0  
難波利三
男41歳
0  
古川薫
男52歳
7 「わりあいに面白かったが、直木賞に選ぶほどの実力は感じられなかった。」「私は(引用者注:「錆色の町」よりも)「十三人の修羅」の方にひかれた」
上西晴治
男53歳
0  
高橋昌男
男42歳
0  
谷克二
男36歳
0  
小関智弘
男44歳
10 「わりあいに面白かったが、直木賞に選ぶほどの実力は感じられなかった。」
  「私は今回かぎりで直木賞の選者をやめさせていただくことにした。率直に言って、私自身が老衰して、たくさんの作品を読みきれなくなったからである。」「別な面から考えると、「直木三十五」というのはどういう作家だったのか、そういう知識もあやふやになっている。「芥川龍之介」となると、そういうおそれもないのだが……。」
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他の選考委員
水上勉
司馬遼太郎
柴田錬三郎
源氏鶏太
村上元三
川口松太郎
今日出海
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候補者・作品
三浦浩男47歳×各選考委員 
『優しい滞在』
長篇 418
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
水上勉
男58歳
0  
司馬遼太郎
男54歳
6 「他の候補作にくらべきわだって文章が卓れている。構成も堅牢で、人間描写もそつがなく、作りごとを読む楽しみを堪能させてくれた。」
柴田錬三郎
男60歳
13 「受賞に、さいごまで執着した。これは、前作「さらば静かなる時」とあわせて考えて、この作者が、将来一方のリーダーとなる力量の持主と確信したからである。前作に比べて、犯罪の設定にいささか無理があるが、文章のスマートさ、テンポの快調は申し分なかった。」
源氏鶏太
男65歳
6 「私は、二回読んで前作よりいいと思った。文章がうまいし、格調が高いが、今すこし盛り上げて欲しかった。」
村上元三
男67歳
8 「こんどの候補作の中で一ばん読みやすかったが、残念ながら前作「さらば静かなる時」よりはおちる。結末をアメリカへ持って行って、あわてて終らせてしまった感があり、どんでん返しもあまり効いていない。」
川口松太郎
男78歳
  「候補作家の経験を持っているのだし、その他の新人群も含めて次回は是非委員たちを喜ばせるような作品を書いて貰いたい。」
今日出海
男74歳
11 「面白く読んだ。」「何れも特色があって、その一つを選出するのに逡巡せざるを得なかった。」「世間に通用する水準を越えた作品と言えるだろう。」
石坂洋次郎
男77歳
0  
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他の候補作
山田正紀
『火神を盗め』
難波利三
「大阪希望館」
古川薫
『十三人の修羅』
上西晴治
「ニシパの歌」
高橋昌男
『巷塵』
谷克二
「スペインの短い夏」等
小関智弘
「錆色の町」
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候補者・作品
山田正紀男28歳×各選考委員 
『火神を盗め』
長篇 550
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
水上勉
男58歳
0  
司馬遼太郎
男54歳
8 「力作だが、読み手を架空の世界に連れて行ってくれるには擬似的な現実性を一層緻密に創りあげる必要があるのではないか。」
柴田錬三郎
男60歳
18 「一読者として面白く読んだ」「ストーリイは、突飛だが、それなりに、苦心がはらわれていた。」「ただし、この作品も、最近流行りの推理小説と同様、文章の粗雑さが、ひどすぎた。」「日本語そのものをまちがえているのは、どうにも閉口なのである。」
源氏鶏太
男65歳
4 「強過ぎて、私の考えているのとは別の世界の小説になっていた。」
村上元三
男67歳
4 「どうもこういう種類の作品に日本人が出てくると、かえって現実感が失せてしまう。」
川口松太郎
男78歳
0  
今日出海
男74歳
0  
石坂洋次郎
男77歳
0  
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他の候補作
三浦浩
『優しい滞在』
難波利三
「大阪希望館」
古川薫
『十三人の修羅』
上西晴治
「ニシパの歌」
高橋昌男
『巷塵』
谷克二
「スペインの短い夏」等
小関智弘
「錆色の町」
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候補者・作品
難波利三男41歳×各選考委員 
「大阪希望館」
短篇 142
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
水上勉
男58歳
0  
司馬遼太郎
男54歳
15 「そういう(引用者注:世間が大阪に対して持っている)既成イメージや方言を人間造形に援用させることをできるだけ抑止して人間そのものを見つめ直せば、このしたたかな作家はおなじ素材でももっといいものを書くのではないか。」
柴田錬三郎
男60歳
0  
源氏鶏太
男65歳
5 「サワリが多過ぎて、却ってパンチを失っていた。ここらで八方破れをお考えになってはいかがであろうか。」
村上元三
男67歳
5 「題材が面白いのに、水ましになっている。もっと短い枚数で、無駄をはぶくべきだったと思う。」
川口松太郎
男78歳
3 「楽しく読んだがこれも同じこと(引用者注:「巷塵」評の、仕組みに苦労して人間を描く点を忘れていること)がいえる。」
今日出海
男74歳
11 「面白く読んだ。」「何れも特色があって、その一つを選出するのに逡巡せざるを得なかった。」「世間に通用する水準を越えた作品と言えるだろう。」
石坂洋次郎
男77歳
0  
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他の候補作
三浦浩
『優しい滞在』
山田正紀
『火神を盗め』
古川薫
『十三人の修羅』
上西晴治
「ニシパの歌」
高橋昌男
『巷塵』
谷克二
「スペインの短い夏」等
小関智弘
「錆色の町」
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候補者・作品
古川薫男52歳×各選考委員 
『十三人の修羅』
長篇 466
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
水上勉
男58歳
23 「直木賞作品らしい小説世界がある。しかし、二作(引用者注:「錆色の町」「巷塵」)に比べると古くもある。」「文章も濶達でいいのだが、材料に無理があるらしい。」「だまし方が足りない気がするのだった。だが、力量はある。」
司馬遼太郎
男54歳
11 「古川氏は作家としてすでに名があり、また長州藩史に通暁した人として知られているが、そのせいでもないだろうが、作中の人間たちへの初々しい作者の驚きや感動が読む側に伝わりにくかった。」
柴田錬三郎
男60歳
7 「歴史小説めかした結構をととのえようとして、逆に、仏師について今日的解釈をした欠陥を露呈した。前半の維新の史実の記述はなくもがなである。」
源氏鶏太
男65歳
13 「高点をつけて出席した。」「力作だし、よく調べて、丹念に仕上げてあった。ただ選考委員の中に仏像の解釈に異論が出たりして見送られることになった。」
村上元三
男67歳
4 「しばらく時代小説が出ていないので、推してはみたが、やはりいろんな欠点が目立った。」
川口松太郎
男78歳
9 「私は(引用者中略)推したが、筋を欲張りすぎてやや散漫になった嫌いがある。中心を絞って仏師修業一本にテーマを置けばよかったのではないか。幕末騒動の背景がもっと役立つ工夫がある筈なのに残念だと思う。」
今日出海
男74歳
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石坂洋次郎
男77歳
7 「わりあいに面白かったが、直木賞に選ぶほどの実力は感じられなかった。」「私は(引用者注:「錆色の町」よりも)「十三人の修羅」の方にひかれた」
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他の候補作
三浦浩
『優しい滞在』
山田正紀
『火神を盗め』
難波利三
「大阪希望館」
上西晴治
「ニシパの歌」
高橋昌男
『巷塵』
谷克二
「スペインの短い夏」等
小関智弘
「錆色の町」
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候補者・作品
上西晴治男53歳×各選考委員 
「ニシパの歌」
短篇 109
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
水上勉
男58歳
0  
司馬遼太郎
男54歳
10 「人も物も事もありうるはずの設定だが、より以上に生きものとしての粘膜のぬめりが読み手に伝わればいい作品になったにちがいない。」
柴田錬三郎
男60歳
0  
源氏鶏太
男65歳
3 「この程度では何んとしても弱かった」
村上元三
男67歳
5 「間違って予選を通過した、としか考えられないし、これは初めから直木賞の作品ではなかった。」
川口松太郎
男78歳
0  
今日出海
男74歳
0  
石坂洋次郎
男77歳
0  
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他の候補作
三浦浩
『優しい滞在』
山田正紀
『火神を盗め』
難波利三
「大阪希望館」
古川薫
『十三人の修羅』
高橋昌男
『巷塵』
谷克二
「スペインの短い夏」等
小関智弘
「錆色の町」
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候補者・作品
高橋昌男男42歳×各選考委員 
『巷塵』
短篇集4篇 429
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
水上勉
男58歳
19 「私も敗戦前後、新宿かいわいで暮してもいたから、よくその雰囲気が出ていると思った。また女性がよく描けていると思った。」「やや小粒な感じもしないではない。」
司馬遼太郎
男54歳
8 「市井の人間と人生を平淡な態度で描いている」「好意を持った」
柴田錬三郎
男60歳
9 「私は、自分の好みからいえば、(引用者中略)ストーリイらしいストーリイのない風俗小説を、直木賞のために、採らない。いかに、達者に、人物たちが描かれていても、私には、こういう小説が、古くさく感じられる。」
源氏鶏太
男65歳
10 「高点をつけて出席した。」「よく出来た作品であるが、果して直木賞作品であろうかとの疑問を持った。」「欲をいえばもうすこしある種の華やかさが欲しかった。」
村上元三
男67歳
6 「この程度の作品なら地方の同人雑誌に、いくらもある。」「わたしは買わない。」
川口松太郎
男78歳
8 「面白かったが底の浅さは如何ともし難い。仕組みに苦労して人間を描く肝心の点を忘れている。」
今日出海
男74歳
10 「面白く読んだ。」「何れも特色があって、その一つを選出するのに逡巡せざるを得なかった。」「世間に通用する水準を越えた作品と言えるだろう。」
石坂洋次郎
男77歳
0  
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他の候補作
三浦浩
『優しい滞在』
山田正紀
『火神を盗め』
難波利三
「大阪希望館」
古川薫
『十三人の修羅』
上西晴治
「ニシパの歌」
谷克二
「スペインの短い夏」等
小関智弘
「錆色の町」
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候補者・作品
谷克二男36歳×各選考委員 
「スペインの短い夏」等
短篇集(一部)2篇 237
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
水上勉
男58歳
0  
司馬遼太郎
男54歳
5 「海外を舞台にしたスリリングな小説だが、作品としての濃密さがあればよかったように思われる。」
柴田錬三郎
男60歳
0  
源氏鶏太
男65歳
4 「手法に工夫がしてあるのだが、それがマイナスになっていて心を打たなかった。」
村上元三
男67歳
5 「「スペインの短い夏」は、もっと票が集るかと思っていたが、もう一作の「越境線」が面白くないので、損をしている。」
川口松太郎
男78歳
0  
今日出海
男74歳
0  
石坂洋次郎
男77歳
0  
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他の候補作
三浦浩
『優しい滞在』
山田正紀
『火神を盗め』
難波利三
「大阪希望館」
古川薫
『十三人の修羅』
上西晴治
「ニシパの歌」
高橋昌男
『巷塵』
小関智弘
「錆色の町」
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候補者・作品
小関智弘男44歳×各選考委員 
「錆色の町」
短篇 94
年齢/枚数の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
水上勉
男58歳
19 「そこで暮した人のつよみがあり、町工場の内部の人間模様がよくわかるように書かれてある。主人公の心理も、時々光る一行で確かに表現されているところがあって、全候補の中で、もっとも小説らしい、人間を描くことに集中している視線を感じた。」「やや小粒な感じもしないではない。」
司馬遼太郎
男54歳
8 「市井の人間と人生を平淡な態度で描いている」「好意を持った」「(引用者注:「巷塵」にくらべると)世阿弥の用語での花があるように思われた。」
柴田錬三郎
男60歳
9 「私は、自分の好みからいえば、(引用者中略)ストーリイらしいストーリイのない風俗小説を、直木賞のために、採らない。いかに、達者に、人物たちが描かれていても、私には、こういう小説が、古くさく感じられる。」
源氏鶏太
男65歳
6 「題材はやや「巷塵」に似ているのだが、「巷塵」に欠けていたと思われる華やかさが漂うていて、登場人物もそれぞれ好感が持てた。」
村上元三
男67歳
6 「この程度の作品なら地方の同人雑誌に、いくらもある。」「わたしは買わない。」
川口松太郎
男78歳
0  
今日出海
男74歳
11 「面白く読んだ。」「何れも特色があって、その一つを選出するのに逡巡せざるを得なかった。」「世間に通用する水準を越えた作品と言えるだろう。」
石坂洋次郎
男77歳
10 「わりあいに面白かったが、直木賞に選ぶほどの実力は感じられなかった。」
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他の候補作
三浦浩
『優しい滞在』
山田正紀
『火神を盗め』
難波利三
「大阪希望館」
古川薫
『十三人の修羅』
上西晴治
「ニシパの歌」
高橋昌男
『巷塵』
谷克二
「スペインの短い夏」等
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