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第1回
吉川英治文学新人賞
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昭和54年/1979年度
(昭和55年/1980年3月13日決定発表)
選考委員  井上ひさし
男45歳
尾崎秀樹
男51歳
佐野洋
男51歳
野坂昭如
男49歳
半村良
男46歳
選評総行数  32 31 24 30 28
候補作 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数
加堂秀三 『涸瀧』
男39歳
16 14 3 10 7
田中光二 『黄金の罠』
男39歳
16 12 21 10 5
伴野朗 『九頭の龍』
男43歳
0 0 12 4 0
南原幹雄 『修羅の絵師』
男41歳
0 0 0 3 0
山田智彦 『クレムリン銀行』
男43歳
0 0 0 3 4
山田正紀 『竜の眠る浜辺』
男30歳
0 0 0 5 3
         
年齢の説明   見方・注意点

このページの選評出典:『群像』昭和55年/1980年5月号
1行当たりの文字数:20字


選考委員
井上ひさし男45歳×各候補作  年齢の説明
見方・注意点
物語の構造と大なる器 総行数32 (1行=20字)
候補 評価 行数 評言
加堂秀三
男39歳
16 「まず物語の構造がしっかりしている。」「土台がかっちりしているので、作者はのびのびとさまざまな小説技法を駆使しており、読者にしてみれば安心して加堂氏の世界に遊ぶことができる。」
田中光二
男39歳
16 「才能についてはすでに折紙つきであり、ここで改めて喋々する必要もあるまいが、しかしあえていえば、『黄金の罠』は、氏としては必ずしも快心の作ではなかったのではないか。」「読者は「おかしい。なぜこうも簡単に見つかるのだろう?」と首をひねるが、登場人物は「おかしいな?」とは思わない。これでは折角のドンデン返しの効果もうすれよう。」
伴野朗
男43歳
0  
南原幹雄
男41歳
0  
山田智彦
男43歳
0  
山田正紀
男30歳
0  
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他の選考委員
尾崎秀樹
佐野洋
野坂昭如
半村良
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選考委員
尾崎秀樹男51歳×各候補作  年齢の説明
見方・注意点
エンターティンメントのひろがり 総行数31 (1行=20字)
候補 評価 行数 評言
加堂秀三
男39歳
14 「彼は独特なロマンティシズムとエロチシズムの世界を、華麗な文体で描いてきたが、この作品には新しい次元をひらく可能性が感じられる。」「加堂秀三は「涸瀧」を書いたことで、殻を一枚はいだのではないだろうか。」
田中光二
男39歳
12 「意外性に富み、作者のエンターティンナーとしての力量をしめすものだった。彼の作品をいろいろ読んできた目には、必ずしも最高作とはうつらず、状況設定にも無理があるようだが、これまでのトータルな評価から受賞に賛成した。」
伴野朗
男43歳
0  
南原幹雄
男41歳
0  
山田智彦
男43歳
0  
山田正紀
男30歳
0  
  「この新人賞は第一回だけに、その方向づけまで考えて選考に苦慮した。」
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他の選考委員
井上ひさし
佐野洋
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選考委員
佐野洋男51歳×各候補作  年齢の説明
見方・注意点
選後所感 総行数24 (1行=20字)
候補 評価 行数 評言
加堂秀三
男39歳
3 「完成度という面からは、候補作中、最初に指を折る作品であり、賞を贈呈することに異議はなかった。」
田中光二
男39歳
21 「強く推した。」「私自身は、冒険小説は好きではないのだが、このジャンルのものが、日本の読書界に、もっと受け入れられてもいいのではないか、とは日ごろから思っていた。」「構成の緊密度、個々の場面の描写力などにおいて(引用者注:「九頭の龍」と比べて)『黄金の罠』に軍配が上がるか、と秘かに考えていたところ、他の委員諸氏の評価も同様であった。」「二つの政治勢力の一方の側にコミットしている――と受取られかねない箇所があり、その点が気になった。」
伴野朗
男43歳
12 「強く推した。」「私自身は、冒険小説は好きではないのだが、このジャンルのものが、日本の読書界に、もっと受け入れられてもいいのではないか、とは日ごろから思っていた。」
南原幹雄
男41歳
0  
山田智彦
男43歳
0  
山田正紀
男30歳
0  
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選考委員
野坂昭如男49歳×各候補作  年齢の説明
見方・注意点
初回の緊張 総行数30 (1行=20字)
候補 評価 行数 評言
加堂秀三
男39歳
10 「加堂秀三の作品はよく読んでいる、つまり文章に馴染んでいて、つい評価が高くなる。これでいいのではないか、作家の実績、先き行きをも加味して選考するのだから。」「まだ、自己陶酔が目立つように思った、そういった欠点にみえる部分も、芸によっちゃ個性、魅力たり得るのだ。」
田中光二
男39歳
10 「田中光二(引用者中略)の作品はよく読んでいる、つまり文章に馴染んでいて、つい評価が高くなる。これでいいのではないか、作家の実績、先き行きをも加味して選考するのだから。」「少し荒っぽい、(引用者中略)そういった欠点にみえる部分も、芸によっちゃ個性、魅力たり得るのだ。」
伴野朗
男43歳
4 「波乱万丈、気宇壮大、吉川英治の名をいただく新人賞にもっともふさわしい題材構想だけれど、人物にまるで血が通っていない。」
南原幹雄
男41歳
3 「候補作唯一つの時代物だが、いかにも花にも香りにも乏しい。」
山田智彦
男43歳
3 「あえて文体とはいわないが、(引用者中略)ぼくにとって、とっつきの悪い小説、」
山田正紀
男30歳
5 「S・F小説の、どうやら活気に満ちているらしい新しい波に、馴染みがないのだが、へへえこんなもんなんですかという印象、ただし読み易くはあった。」
  「懸賞小説応募作品の審査は、経験があるけれど、新人賞と銘打たれていても、夙にきこえた作家の出版された作品に老眼を利かせ、ふさわしい一作をえらぶ、しかもこれが初回とあって、少し緊張した。」
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他の選考委員
井上ひさし
尾崎秀樹
佐野洋
半村良
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選考委員
半村良男46歳×各候補作  年齢の説明
見方・注意点
ジャンルへの期待 総行数28 (1行=20字)
候補 評価 行数 評言
加堂秀三
男39歳
7 「候補作の中で一番好きな作品だったから、加堂さんにきまったときはうれしかった。このジャンルに手をつける人がだんだん少くなって行くような気がして心細い感じを持っていたが、「涸瀧」あたりがきっかけになって、またにぎやかになってくれればいいと思う。」
田中光二
男39歳
5 「「黄金の罠」以外にも、たくさん受賞に価する作品がある。二人受賞になったのはそうした過去の作品を比較した場合、ややオクターブがさがっていたからだと思う。だが、それでも充分にいい作品だ。」
伴野朗
男43歳
0  
南原幹雄
男41歳
0  
山田智彦
男43歳
4 「最初のころの作品と随分違ってしまったなあと感じた。背景は大きいのに登場人物がみな凄味を欠いていた。」
山田正紀
男30歳
3 「不運だったと思う。これが候補作にあがって来たことを、私ははじめから不満に思っていたのだ。まったく残念。」
  「人さまが一生懸命書いたものに点をつけるなんてふしあわせな目には、一生あいたくないものだ……ずっとそう思っていたのに、いつの間にか選考委員の席について、候補作を一読者の立場としてでなく読んでいる。人間なんて、はじめとおわりじゃ随分違っちゃうものなんですな。」
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他の選考委員
井上ひさし
尾崎秀樹
佐野洋
野坂昭如
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受賞者・作品
加堂秀三男39歳×各選考委員 
『涸瀧』
年齢の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし
男45歳
16 「まず物語の構造がしっかりしている。」「土台がかっちりしているので、作者はのびのびとさまざまな小説技法を駆使しており、読者にしてみれば安心して加堂氏の世界に遊ぶことができる。」
尾崎秀樹
男51歳
14 「彼は独特なロマンティシズムとエロチシズムの世界を、華麗な文体で描いてきたが、この作品には新しい次元をひらく可能性が感じられる。」「加堂秀三は「涸瀧」を書いたことで、殻を一枚はいだのではないだろうか。」
佐野洋
男51歳
3 「完成度という面からは、候補作中、最初に指を折る作品であり、賞を贈呈することに異議はなかった。」
野坂昭如
男49歳
10 「加堂秀三の作品はよく読んでいる、つまり文章に馴染んでいて、つい評価が高くなる。これでいいのではないか、作家の実績、先き行きをも加味して選考するのだから。」「まだ、自己陶酔が目立つように思った、そういった欠点にみえる部分も、芸によっちゃ個性、魅力たり得るのだ。」
半村良
男46歳
7 「候補作の中で一番好きな作品だったから、加堂さんにきまったときはうれしかった。このジャンルに手をつける人がだんだん少くなって行くような気がして心細い感じを持っていたが、「涸瀧」あたりがきっかけになって、またにぎやかになってくれればいいと思う。」
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他の候補作
田中光二
『黄金の罠』
伴野朗
『九頭の龍』
南原幹雄
『修羅の絵師』
山田智彦
『クレムリン銀行』
山田正紀
『竜の眠る浜辺』
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受賞者・作品
田中光二男39歳×各選考委員 
『黄金の罠』
年齢の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし
男45歳
16 「才能についてはすでに折紙つきであり、ここで改めて喋々する必要もあるまいが、しかしあえていえば、『黄金の罠』は、氏としては必ずしも快心の作ではなかったのではないか。」「読者は「おかしい。なぜこうも簡単に見つかるのだろう?」と首をひねるが、登場人物は「おかしいな?」とは思わない。これでは折角のドンデン返しの効果もうすれよう。」
尾崎秀樹
男51歳
12 「意外性に富み、作者のエンターティンナーとしての力量をしめすものだった。彼の作品をいろいろ読んできた目には、必ずしも最高作とはうつらず、状況設定にも無理があるようだが、これまでのトータルな評価から受賞に賛成した。」
佐野洋
男51歳
21 「強く推した。」「私自身は、冒険小説は好きではないのだが、このジャンルのものが、日本の読書界に、もっと受け入れられてもいいのではないか、とは日ごろから思っていた。」「構成の緊密度、個々の場面の描写力などにおいて(引用者注:「九頭の龍」と比べて)『黄金の罠』に軍配が上がるか、と秘かに考えていたところ、他の委員諸氏の評価も同様であった。」「二つの政治勢力の一方の側にコミットしている――と受取られかねない箇所があり、その点が気になった。」
野坂昭如
男49歳
10 「田中光二(引用者中略)の作品はよく読んでいる、つまり文章に馴染んでいて、つい評価が高くなる。これでいいのではないか、作家の実績、先き行きをも加味して選考するのだから。」「少し荒っぽい、(引用者中略)そういった欠点にみえる部分も、芸によっちゃ個性、魅力たり得るのだ。」
半村良
男46歳
5 「「黄金の罠」以外にも、たくさん受賞に価する作品がある。二人受賞になったのはそうした過去の作品を比較した場合、ややオクターブがさがっていたからだと思う。だが、それでも充分にいい作品だ。」
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他の候補作
加堂秀三
『涸瀧』
伴野朗
『九頭の龍』
南原幹雄
『修羅の絵師』
山田智彦
『クレムリン銀行』
山田正紀
『竜の眠る浜辺』
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候補者・作品
伴野朗男43歳×各選考委員 
『九頭の龍』
年齢の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし
男45歳
0  
尾崎秀樹
男51歳
0  
佐野洋
男51歳
12 「強く推した。」「私自身は、冒険小説は好きではないのだが、このジャンルのものが、日本の読書界に、もっと受け入れられてもいいのではないか、とは日ごろから思っていた。」
野坂昭如
男49歳
4 「波乱万丈、気宇壮大、吉川英治の名をいただく新人賞にもっともふさわしい題材構想だけれど、人物にまるで血が通っていない。」
半村良
男46歳
0  
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他の候補作
加堂秀三
『涸瀧』
田中光二
『黄金の罠』
南原幹雄
『修羅の絵師』
山田智彦
『クレムリン銀行』
山田正紀
『竜の眠る浜辺』
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候補者・作品
南原幹雄男41歳×各選考委員 
『修羅の絵師』
年齢の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし
男45歳
0  
尾崎秀樹
男51歳
0  
佐野洋
男51歳
0  
野坂昭如
男49歳
3 「候補作唯一つの時代物だが、いかにも花にも香りにも乏しい。」
半村良
男46歳
0  
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他の候補作
加堂秀三
『涸瀧』
田中光二
『黄金の罠』
伴野朗
『九頭の龍』
山田智彦
『クレムリン銀行』
山田正紀
『竜の眠る浜辺』
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候補者・作品
山田智彦男43歳×各選考委員 
『クレムリン銀行』
年齢の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし
男45歳
0  
尾崎秀樹
男51歳
0  
佐野洋
男51歳
0  
野坂昭如
男49歳
3 「あえて文体とはいわないが、(引用者中略)ぼくにとって、とっつきの悪い小説、」
半村良
男46歳
4 「最初のころの作品と随分違ってしまったなあと感じた。背景は大きいのに登場人物がみな凄味を欠いていた。」
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他の候補作
加堂秀三
『涸瀧』
田中光二
『黄金の罠』
伴野朗
『九頭の龍』
南原幹雄
『修羅の絵師』
山田正紀
『竜の眠る浜辺』
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候補者・作品
山田正紀男30歳×各選考委員 
『竜の眠る浜辺』
年齢の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし
男45歳
0  
尾崎秀樹
男51歳
0  
佐野洋
男51歳
0  
野坂昭如
男49歳
5 「S・F小説の、どうやら活気に満ちているらしい新しい波に、馴染みがないのだが、へへえこんなもんなんですかという印象、ただし読み易くはあった。」
半村良
男46歳
3 「不運だったと思う。これが候補作にあがって来たことを、私ははじめから不満に思っていたのだ。まったく残念。」
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他の候補作
加堂秀三
『涸瀧』
田中光二
『黄金の罠』
伴野朗
『九頭の龍』
南原幹雄
『修羅の絵師』
山田智彦
『クレムリン銀行』
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