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第32回
吉川英治文学新人賞
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平成22年/2010年度
(平成23年/2011年3月3日決定発表)
選考委員  浅田次郎
男59歳
伊集院静
男61歳
大沢在昌
男54歳
高橋克彦
男63歳
宮部みゆき
女50歳
選評総行数  55 62 52 50 76
候補作 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数
辻村深月 『ツナグ』
女31歳
14 31 8 21 15
伊東潤 『戦国鬼譚 惨』
男50歳
6 3 9 0 17
海堂尊 『ブレイズメス1990』
男49歳
6 3 10 0 11
貴志祐介 『悪の教典』
男52歳
5 14 8 0 16
富樫倫太郎 『早雲の軍配者』
男(50歳)
3 3 9 0 10
百田尚樹 『錨を上げよ』
男55歳
21 12 8 0 7
         
年齢の説明   見方・注意点

このページの選評出典:『小説現代』平成23年/2011年5月号
1行当たりの文字数:20字


選考委員
浅田次郎男59歳×各候補作  年齢の説明
見方・注意点
格段の飛躍 総行数55 (1行=20字)
候補 評価 行数 評言
辻村深月
女31歳
14 「これまでの作品に比して格段の飛躍をした。小説の素材となるほどの苦悩が見出しづらい現代社会にあって、生と死をあからさまに対峙させ、人それぞれの苦悩を描き出した。」「しかし、最終章についてはいささか疑問を抱いた。(引用者中略)鏡の存在やミステリーふうの種明かしには、物語全体の神秘性を損なわせる蛇足を感じた。」
伊東潤
男50歳
6 「実に垢抜けた作品であった。」「あえて苦言を呈するなら、登場する武将の個性を今少し明確にする工夫がほしかった。」
海堂尊
男49歳
6 「受賞作と同様に、格段の飛躍を感じた作品」「しかし連作の一部というのは、いかにも不利であった。」
貴志祐介
男52歳
5 「直木賞の選評と同様である。「悪」を文学として成立せしめるためには、「悪の美学」もしくは「悪の論理」が不可欠であろうと思う。」
富樫倫太郎
男(50歳)
3 「読み口のよい作品ではあるが、歴史を舞台とした現代劇という作風がどうにも得心できなかった。」
百田尚樹
男55歳
21 「私が強く推した作品」「自伝的作品とはいえ、私小説の範疇に甘んずることなく、たくましい想像力を忌憚なくストーリーに変えてゆくエネルギーは、徒らに長いばかりで中味の空疎な今日の作品傾向に一槌を揮う観があった。」「長すぎるという意見もけだし人情であるが、私見では省く部分が見当たらなかった。」
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他の選考委員
伊集院静
大沢在昌
高橋克彦
宮部みゆき
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選考委員
伊集院静男61歳×各候補作  年齢の説明
見方・注意点
サクラサク 総行数62 (1行=20字)
候補 評価 行数 評言
辻村深月
女31歳
31 「辻村さんの新しい作品は登場する度に新鮮で、着実に力をつけてこられた。」「小説は同時代に生きる人々の感情と共振するものであり、逆に対立することで黙示を与える力を担っている。未曾有の大災害を経験した日本人にとって、この作品は人間の生と死について再考させる力と、再生すべき希望を内在している。」「ようやく律儀で可愛い娘が嫁に行くことになった気分である。」
伊東潤
男50歳
3 「(引用者注:富樫倫太郎とともに)力量のある作家で今後を期待したい。」
海堂尊
男49歳
3 「多忙な作家であろうが、小説の文章を見つめ直して欲しい気がした。」
貴志祐介
男52歳
14 「選考する者として小説の在り方を考えさせられた作品だった。」「何十年後かにこの作品を新しい人が手に取り、そこに光のようなものを易々と見い出してしまうかもしれない。ただ今の私にはその光が見つけられなかった。」
富樫倫太郎
男(50歳)
3 「(引用者注:伊東潤とともに)力量のある作家で今後を期待したい。」
百田尚樹
男55歳
12 「冒頭から物語に引きこまれた。作者の力量は並大抵のものではない。」「しかし後半に入って物語がやや性急になり、それが長編小説の全体像を稀薄にしたように思えた。もう一巻必要だったのではなかろうか。」
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他の選考委員
浅田次郎
大沢在昌
高橋克彦
宮部みゆき
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選考委員
大沢在昌男54歳×各候補作  年齢の説明
見方・注意点
ひとつの到達点 総行数52 (1行=20字)
候補 評価 行数 評言
辻村深月
女31歳
8 「作者がずっとこだわってこられた「死者と生者」というテーマを、一見危く見える手法を使いながらも、堂々と描き切った傑作であると思う。」「見事な成長ぶりで、全選考委員が認めた受賞だった。」
伊東潤
男50歳
9 「重厚な小説群ではあるが、いかんせん登場人物を姓名だけで区別するのに苦労した。また、武将の死生観が決められている時代の、意思決定、覚悟は、どこか既視感を覚えてしまう。」
海堂尊
男49歳
10 「スピード感はすばらしい。とはいえ、主人公世良に、天城が最後まで肩入れする理由が、冒頭のカジノのシーンだけでは弱いように思った。」「著者には、日本の医学界に思うところが相当あるのだろう。天城と佐伯のあいだにある「密約」めいたものがもっと露になれば、そのあたりに迫力が増したと思ったのは、私の考えすぎだろうか。」
貴志祐介
男52歳
8 「読ませる力、おもしろさという点では、候補作中随一だった。が、下巻に入って、(引用者中略)殺人のための殺人は、サイコパス蓮実の恐ろしさよりも、作者の苦心のあげくの着地点としか読めなくなってしまった。」
富樫倫太郎
男(50歳)
9 「失礼だが、登場人物の天真爛漫ぶりについていけなかった。」「小太郎は、善人には見えても、狡猾な軍配者にはとうてい思えない。」
百田尚樹
男55歳
8 「百田さんには、物語る才能がふんだんにあって、とてつもない書き手になる予感を、私はずっと抱いている。であるがゆえに、この作品ではない、と感じざるをえなかった。」「錨はラストに至るも、上がっていなかった。」
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他の選考委員
浅田次郎
伊集院静
高橋克彦
宮部みゆき
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選考委員
高橋克彦男63歳×各候補作  年齢の説明
見方・注意点
今こそ小説ができること 総行数50 (1行=20字)
候補 評価 行数 評言
辻村深月
女31歳
21 「正直に言うと私は辻村さんの『ツナグ』を彼女の最上の作品とは見ていなかった。」「エンディングには首を捻った。」「それゆえ辛口の評価を下したのだが、今は文句なし、どころか深い感動とともに内容を思い返している。生きることと死ぬことの意味。これこそ我々が「書くとはなにか」と問われたときに返す正しい答えの一つだ。」「あなたの紡ぐ物語は多くの人々に優しさと心の強さを与えてくれる。」
伊東潤
男50歳
0  
海堂尊
男49歳
0  
貴志祐介
男52歳
0  
富樫倫太郎
男(50歳)
0  
百田尚樹
男55歳
0  
  「私はこれを東日本大震災から一週間ほど過ぎた時点で書いている。その間に小説という存在の無力さや無意味さをつくづくと考えさせられた。」「牛乳やガソリンが足りないと大騒ぎしている中、書店の休業にはだれ一人として不満の声を上げない。芸術などしょせん暇潰しでしかなかったのだ。」「一日も早い復興を願わなくてはならないのは、他ならぬ我々なのだ。そして、文芸の存在理由をあらためて自身に問い直す必要がある。」
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他の選考委員
浅田次郎
伊集院静
大沢在昌
宮部みゆき
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選考委員
宮部みゆき女50歳×各候補作  年齢の説明
見方・注意点
新鮮で明快なルール 総行数76 (1行=20字)
候補 評価 行数 評言
辻村深月
女31歳
15 「読み始めたとき、〈一人の死者に一度しか会うことができない〉のは何故なのか、そのルールがどのように定められているのか、そこが大きなポイントだと思いました。読み進めたらすぐに、シンプルで明快で新鮮な、見事なルールが登場しました。」「霊魂や死後の世界という既存の概念に頼らず、物語だからこそ実現できる〈死者との再会〉をしっかりと現実に繋ぎ止め、現実のなかですべてを語り切るための、これは素晴らしい発明です。」
伊東潤
男50歳
17 「私は深く感じ入りました。」「歴史のその場を生きている人間には、そのときその時点で精一杯のことをするしかない。(引用者中略)どれほど知恵と心を費やしても空しいこともある。誰がそれを嗤えるだろう。軽んじたり、哀れむことなどできるだろう。読み終えたとき、そんな気持ちで胸がいっぱいになりました。」
海堂尊
男49歳
11 「海堂サーガの一部であるこの作品をひとつだけ切り離して評価するのはもったいない。ここが文学賞の不自由なところです。」「このあたりで一度はサーガから離れた作品を書いていただきたいと願うのは、わがままでしょうか。」
貴志祐介
男52歳
16 「(引用者注:この作品が)これほどの反響を巻き起こしたのは、この上下巻の小説世界のなかに、人の営みの善悪や、罪と罰の根源に触れる〈何か〉があったからだと、私は思います。選考委員として、その〈何か〉を的確に訴える言葉を持ち得なかった自分の非力が歯がゆく、じくじく悩んでしまったことも情けないのですが、一人の同業者としては、貴志さんのこのお仕事に羨望の念を覚えています。」
富樫倫太郎
男(50歳)
10 「小太郎があまりにも素直でいい子なので、結果として物語の幅を欠いた感もありますが、三人三様の軍配者の生き方を見渡してみて初めて、彼の人物像も際だつのでしょう。そこが惜しいし悔しいなあ、と思いました。」
百田尚樹
男55歳
7 「主人公の体当たりの生き方が巻き起こす驚きと笑いから冷静に(あるいは冷酷に)目をそらすと、実は非常に読者を選ぶ小説であり、残念ながら私は選ばれませんでした。」
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他の選考委員
浅田次郎
伊集院静
大沢在昌
高橋克彦
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受賞者・作品
辻村深月女31歳×各選考委員 
『ツナグ』
年齢の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎
男59歳
14 「これまでの作品に比して格段の飛躍をした。小説の素材となるほどの苦悩が見出しづらい現代社会にあって、生と死をあからさまに対峙させ、人それぞれの苦悩を描き出した。」「しかし、最終章についてはいささか疑問を抱いた。(引用者中略)鏡の存在やミステリーふうの種明かしには、物語全体の神秘性を損なわせる蛇足を感じた。」
伊集院静
男61歳
31 「辻村さんの新しい作品は登場する度に新鮮で、着実に力をつけてこられた。」「小説は同時代に生きる人々の感情と共振するものであり、逆に対立することで黙示を与える力を担っている。未曾有の大災害を経験した日本人にとって、この作品は人間の生と死について再考させる力と、再生すべき希望を内在している。」「ようやく律儀で可愛い娘が嫁に行くことになった気分である。」
大沢在昌
男54歳
8 「作者がずっとこだわってこられた「死者と生者」というテーマを、一見危く見える手法を使いながらも、堂々と描き切った傑作であると思う。」「見事な成長ぶりで、全選考委員が認めた受賞だった。」
高橋克彦
男63歳
21 「正直に言うと私は辻村さんの『ツナグ』を彼女の最上の作品とは見ていなかった。」「エンディングには首を捻った。」「それゆえ辛口の評価を下したのだが、今は文句なし、どころか深い感動とともに内容を思い返している。生きることと死ぬことの意味。これこそ我々が「書くとはなにか」と問われたときに返す正しい答えの一つだ。」「あなたの紡ぐ物語は多くの人々に優しさと心の強さを与えてくれる。」
宮部みゆき
女50歳
15 「読み始めたとき、〈一人の死者に一度しか会うことができない〉のは何故なのか、そのルールがどのように定められているのか、そこが大きなポイントだと思いました。読み進めたらすぐに、シンプルで明快で新鮮な、見事なルールが登場しました。」「霊魂や死後の世界という既存の概念に頼らず、物語だからこそ実現できる〈死者との再会〉をしっかりと現実に繋ぎ止め、現実のなかですべてを語り切るための、これは素晴らしい発明です。」
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他の候補作
伊東潤
『戦国鬼譚 惨』
海堂尊
『ブレイズメス1990』
貴志祐介
『悪の教典』
富樫倫太郎
『早雲の軍配者』
百田尚樹
『錨を上げよ』
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候補者・作品
伊東潤男50歳×各選考委員 
『戦国鬼譚 惨』
年齢の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎
男59歳
6 「実に垢抜けた作品であった。」「あえて苦言を呈するなら、登場する武将の個性を今少し明確にする工夫がほしかった。」
伊集院静
男61歳
3 「(引用者注:富樫倫太郎とともに)力量のある作家で今後を期待したい。」
大沢在昌
男54歳
9 「重厚な小説群ではあるが、いかんせん登場人物を姓名だけで区別するのに苦労した。また、武将の死生観が決められている時代の、意思決定、覚悟は、どこか既視感を覚えてしまう。」
高橋克彦
男63歳
0  
宮部みゆき
女50歳
17 「私は深く感じ入りました。」「歴史のその場を生きている人間には、そのときその時点で精一杯のことをするしかない。(引用者中略)どれほど知恵と心を費やしても空しいこともある。誰がそれを嗤えるだろう。軽んじたり、哀れむことなどできるだろう。読み終えたとき、そんな気持ちで胸がいっぱいになりました。」
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他の候補作
辻村深月
『ツナグ』
海堂尊
『ブレイズメス1990』
貴志祐介
『悪の教典』
富樫倫太郎
『早雲の軍配者』
百田尚樹
『錨を上げよ』
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候補者・作品
海堂尊男49歳×各選考委員 
『ブレイズメス1990』
年齢の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎
男59歳
6 「受賞作と同様に、格段の飛躍を感じた作品」「しかし連作の一部というのは、いかにも不利であった。」
伊集院静
男61歳
3 「多忙な作家であろうが、小説の文章を見つめ直して欲しい気がした。」
大沢在昌
男54歳
10 「スピード感はすばらしい。とはいえ、主人公世良に、天城が最後まで肩入れする理由が、冒頭のカジノのシーンだけでは弱いように思った。」「著者には、日本の医学界に思うところが相当あるのだろう。天城と佐伯のあいだにある「密約」めいたものがもっと露になれば、そのあたりに迫力が増したと思ったのは、私の考えすぎだろうか。」
高橋克彦
男63歳
0  
宮部みゆき
女50歳
11 「海堂サーガの一部であるこの作品をひとつだけ切り離して評価するのはもったいない。ここが文学賞の不自由なところです。」「このあたりで一度はサーガから離れた作品を書いていただきたいと願うのは、わがままでしょうか。」
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他の候補作
辻村深月
『ツナグ』
伊東潤
『戦国鬼譚 惨』
貴志祐介
『悪の教典』
富樫倫太郎
『早雲の軍配者』
百田尚樹
『錨を上げよ』
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候補者・作品
貴志祐介男52歳×各選考委員 
『悪の教典』
年齢の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎
男59歳
5 「直木賞の選評と同様である。「悪」を文学として成立せしめるためには、「悪の美学」もしくは「悪の論理」が不可欠であろうと思う。」
伊集院静
男61歳
14 「選考する者として小説の在り方を考えさせられた作品だった。」「何十年後かにこの作品を新しい人が手に取り、そこに光のようなものを易々と見い出してしまうかもしれない。ただ今の私にはその光が見つけられなかった。」
大沢在昌
男54歳
8 「読ませる力、おもしろさという点では、候補作中随一だった。が、下巻に入って、(引用者中略)殺人のための殺人は、サイコパス蓮実の恐ろしさよりも、作者の苦心のあげくの着地点としか読めなくなってしまった。」
高橋克彦
男63歳
0  
宮部みゆき
女50歳
16 「(引用者注:この作品が)これほどの反響を巻き起こしたのは、この上下巻の小説世界のなかに、人の営みの善悪や、罪と罰の根源に触れる〈何か〉があったからだと、私は思います。選考委員として、その〈何か〉を的確に訴える言葉を持ち得なかった自分の非力が歯がゆく、じくじく悩んでしまったことも情けないのですが、一人の同業者としては、貴志さんのこのお仕事に羨望の念を覚えています。」
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他の候補作
辻村深月
『ツナグ』
伊東潤
『戦国鬼譚 惨』
海堂尊
『ブレイズメス1990』
富樫倫太郎
『早雲の軍配者』
百田尚樹
『錨を上げよ』
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候補者・作品
富樫倫太郎男(50歳)×各選考委員 
『早雲の軍配者』
年齢の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎
男59歳
3 「読み口のよい作品ではあるが、歴史を舞台とした現代劇という作風がどうにも得心できなかった。」
伊集院静
男61歳
3 「(引用者注:伊東潤とともに)力量のある作家で今後を期待したい。」
大沢在昌
男54歳
9 「失礼だが、登場人物の天真爛漫ぶりについていけなかった。」「小太郎は、善人には見えても、狡猾な軍配者にはとうてい思えない。」
高橋克彦
男63歳
0  
宮部みゆき
女50歳
10 「小太郎があまりにも素直でいい子なので、結果として物語の幅を欠いた感もありますが、三人三様の軍配者の生き方を見渡してみて初めて、彼の人物像も際だつのでしょう。そこが惜しいし悔しいなあ、と思いました。」
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他の候補作
辻村深月
『ツナグ』
伊東潤
『戦国鬼譚 惨』
海堂尊
『ブレイズメス1990』
貴志祐介
『悪の教典』
百田尚樹
『錨を上げよ』
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候補者・作品
百田尚樹男55歳×各選考委員 
『錨を上げよ』
年齢の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
浅田次郎
男59歳
21 「私が強く推した作品」「自伝的作品とはいえ、私小説の範疇に甘んずることなく、たくましい想像力を忌憚なくストーリーに変えてゆくエネルギーは、徒らに長いばかりで中味の空疎な今日の作品傾向に一槌を揮う観があった。」「長すぎるという意見もけだし人情であるが、私見では省く部分が見当たらなかった。」
伊集院静
男61歳
12 「冒頭から物語に引きこまれた。作者の力量は並大抵のものではない。」「しかし後半に入って物語がやや性急になり、それが長編小説の全体像を稀薄にしたように思えた。もう一巻必要だったのではなかろうか。」
大沢在昌
男54歳
8 「百田さんには、物語る才能がふんだんにあって、とてつもない書き手になる予感を、私はずっと抱いている。であるがゆえに、この作品ではない、と感じざるをえなかった。」「錨はラストに至るも、上がっていなかった。」
高橋克彦
男63歳
0  
宮部みゆき
女50歳
7 「主人公の体当たりの生き方が巻き起こす驚きと笑いから冷静に(あるいは冷酷に)目をそらすと、実は非常に読者を選ぶ小説であり、残念ながら私は選ばれませんでした。」
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他の候補作
辻村深月
『ツナグ』
伊東潤
『戦国鬼譚 惨』
海堂尊
『ブレイズメス1990』
貴志祐介
『悪の教典』
富樫倫太郎
『早雲の軍配者』
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