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第14回
山本周五郎賞
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平成12年/2000年度
(平成13年/2001年5月17日決定発表/『小説新潮』平成13年/2001年7月号選評掲載)
選考委員  長部日出雄
男66歳
北原亞以子
女63歳
久世光彦
男66歳
花村萬月
男46歳
山田詠美
女42歳
選評総行数  268 140 153 167 131
候補作 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数
乙川優三郎 『五年の梅』
男48歳
65 71 72 47 28
中山可穂 『白い薔薇の淵まで』
女40歳
123 24 32 56 41
恩田陸 『ライオンハート』
女36歳
51 22 29 35 39
白川道 『天国への階段』
男55歳
30 24 16 26 25
         
年齢の説明   見方・注意点

このページの選評出典:『小説新潮』平成13年/2001年7月号
1行当たりの文字数:19字


選考委員
長部日出雄男66歳×各候補作  年齢の説明
見方・注意点
総行数268 (1行=19字)
候補 評価 行数 評言
乙川優三郎
男48歳
65 4点「この短篇集は、わりとコンスタントに一定の水準が保たれていると思いました。」「表題作よりも、あまり大した事件の起きない話のほうが、むしろ出来がいいというふうに思いました。」
中山可穂
女40歳
123 5点「自分が平凡な人間であるからなのかもしれませんけど、ここに書かれている女性同士の愛の生活というのは、私にとっては非常に新鮮でしたね。」「無駄なことがほとんど書いてない。ほぼ全部の文章が生きている。イメージがまことに鮮明です。」「「破滅型」というのを最近これほどヴィヴィッドに描いた小説はないというような気がしました。」「日常的なこと、ディテールがちゃんと書かれているものは、僕は小説として面白いというふうに思うわけですよ。」
恩田陸
女36歳
51 4.5点「読んでいくと、どれがエリザベスで、だれがエドワードなのかなというふうに、一種独得なミステリーのおもしろさというのが醸成されてくるように感じました。」「最後の場面で、女性の新聞記者が恋人の待つカフェに向かって行くところが、とても希望に満ちていて、一切答えが出ないような話でありながら、なおかつ最後にロマンチックな余韻を残したところが気に入りまして、私は四・五点といたしました。」
白川道
男55歳
30 3.5点「読み終わったあとの感想を一つだけにしぼって言えば、殺される及川広美(引用者中略)これだけの文章(引用者注:及川の書いた遺書の文章)を書ける人だったら、あんな怪しまれるような呼び出し方をして、しかもなんか誤解されるようなことを言う必要はないと思うんです。」「きちんと情理を兼ね備えた手紙を書けば済むことであって、僕の疑問というのはこの点に尽きるんです。」
  「一作受賞が確かに正道ではあると思うんですけど、私は今回は、乙川さんと中山さんと二人だったらいいなと、内心思っています。」
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他の選考委員
北原亞以子
久世光彦
花村萬月
山田詠美
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選考委員
北原亞以子女63歳×各候補作  年齢の説明
見方・注意点
総行数140 (1行=19字)
候補 評価 行数 評言
乙川優三郎
男48歳
71 4.5点「実は私、この作品に五点つけたかったんです。ただ、私が時代物を書いているものですから、幾つかのミスに気がついてしまったんですね。非常に端整な作品ですし、登場する女性も男性も、皆いやみがなく好感が持てます。」
中山可穂
女40歳
24 3.5点「この方は大変うまい、したたかな手腕の持ち主だと思いました。」「おしまいがどうしても納得できないんです。」「白日夢の中にいるような、こちらも酔っているような気分で読んでいるのに、そこで目が醒めてしまうんです。」
恩田陸
女36歳
22 2.5点「素晴しい着想だとは思うんですけれども、その素晴しさ、面白さが読み手に伝わってこないような気がします。」「その一つの原因が、擬音語の多さです。」「それともう一つ、いろいろな外国の土地を書くのであれば、行っていない人間にも、その土地の風土、光景を空想させてもらいたいんですけれども、ロンドンもシェルブールも同じところであるような感じがいたしました。」
白川道
男55歳
24 3点「面白いし、迫力もあるし、気持ちよく読むことはできたんですけれども、読み終わった後の手応えが少し軽かったんです。」「ヒロインに共感できないのは、読んでいてつらくなります」
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他の選考委員
長部日出雄
久世光彦
花村萬月
山田詠美
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選考委員
久世光彦男66歳×各候補作  年齢の説明
見方・注意点
総行数153 (1行=19字)
候補 評価 行数 評言
乙川優三郎
男48歳
72 4点「欠点がないという意味では、四作のうちで、これが一番ないのかなという気がします。」「ただ、テーマというのか、回り道してきた人間や人生みたいなものの関わり、それがちょっと生っぽいかなあ、と感じました。」「雰囲気という点では、かなり気は使っていると思うんですが、ときおり他の言葉に置き換えたほうがいいんじゃないかというのが出てくる。」
中山可穂
女40歳
32 4点→4.5点「おしまいのあれがなんで必要なんだろうかなと思いました。」「少し尺と短くして、百枚ぐらい削ってもいいから、女と女だけをこのタッチで書けば、もっと素敵だったんじゃないかな。」「結末の部分がレズと言いますか、女と女の間のこととの有機的な関わりがないように思えるんですね。」
恩田陸
女36歳
29 4点「僕は「志や良し」という感じがするんですね。ものすごく大きなフィクションに挑んでいて、欠点も多々あるんですけれども、フィクションのスケール、仕掛け、企み――この人の行く先には大きな楽しみがあります。」「いろんなものをちりばめて、仕掛け作って、辻褄合わせてみたいな。それがちょっと自分勝手すぎる遊びになっているのが問題なんです。」
白川道
男55歳
16 3点「白川さんの作品の魅力だった無頼っぽいとか、ダークな匂いがするとか、そういうものが嘘みたいにここにないんですね。」「常套句みたいなのがちょっと多すぎますね、いろんな些細な点がひっかかり過ぎるというのは、大きな力がそもそも欠けているんじゃないかなと、読んでてちょっと僕はつらくなりまして、」
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他の選考委員
長部日出雄
北原亞以子
花村萬月
山田詠美
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選考委員
花村萬月男46歳×各候補作  年齢の説明
見方・注意点
総行数167 (1行=19字)
候補 評価 行数 評言
乙川優三郎
男48歳
47 4点「俺は時代小説のことはあんまりよく分からないんですが、悪い意味じゃなくて定型的な、落ちるとこに落ちるお話の楽しさのようなものを非常に感じました。抑制もきいていて、かなりいいと思います。」「人間には悪い人間がいない、そういう小説ですね。それが、じつに素晴らしい味になっていると思うんです。」「もし順当なら、この作品だと思います。」
中山可穂
女40歳
56 4点「俺はかなり楽しく読みました。」「ただし、これだけの話を作るには、あまりにも枚数が少なかったのか、(印象者中略)非常な無理があるというか納得できないものを感じました。」「俺はこの作品を心底から推したいと思います。」「ただ、エイズとか、そういうものに頼るなって言いたいんだよね。」
恩田陸
女36歳
35 3点「細かいところで意図がよく分からないという部分が気になりました。」「ちょっと古いレコードで「ヘンリー八世と六人の妻」というのがあったので、それをわざわざ引っ張り出して、聴きながら雰囲気にひたる努力をして読みましたが、俺が年を取ったのかなという感じがしました。」
白川道
男55歳
26 2.5点「長すぎると思います。」「手垢のついた比喩や表現がひっかかりました。」「気合いを入れているのはよく分かりましたが、お話自体がテレビの二時間ドラマを見ているような印象は拭えず、これは二・五点です。」
  「一番楽しめたのは乙川さんの作品集なんです。ただし、中山さんに才能のきらめきを感じたのも事実なんです。それは同じ天秤で測れないですよ。」
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他の選考委員
長部日出雄
北原亞以子
久世光彦
山田詠美
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選考委員
山田詠美女42歳×各候補作  年齢の説明
見方・注意点
総行数131 (1行=19字)
候補 評価 行数 評言
乙川優三郎
男48歳
28 3点→3.5点「(引用者注:表題作の)「五年の梅」っていうのを、もしも現代に置き換えて、サラリーマン社会なんかに置き換えたら、とても小説として成り立たない。時代背景とかにすごく頼っている部分があるんですね。」
中山可穂
女40歳
41 2.5点「都合が悪くなると外国に移動して、それでその逃げた恋人を外国に追っていくっていうのはあまりにもありきたりだし、もしも、そこの部分がなくて、すっぱりその前で切っていたら、たぶんこれを推したんじゃないかなと思うんですけど、あの最後で、全部を台無しにしてしまっています。」「もっと完璧に近いものを書いて賞を取ったほうが、私はいいと思うんだけどな。」
恩田陸
女36歳
39 2点「時空を超える話って、ある種の作家にとっては書きたいテーマの一つだと思うんですけど、それに挑戦するには、ちょっと文章力がついていかないかなという感じ。」「一行ごとに改行するのは、どういう意図なんでしょう。特にこの作品、そのことによってすかすかしてる。」「私は知ってましたけど、ケイト・ブッシュを知らなかったら読めないんじゃ、ちょっと困ると思いますね。」
白川道
男55歳
25 3点「話としては、成功した人が過去に復讐される話って結構ありがちなんですよね。」「ただ、家に帰って、この本の続きがあると、「ああ、続き、残ってるんだ」と思える、そのページターナーという意味を考えると、やっぱりエンターテイメントって、そういう人を夢中にさせる何かがあるということが基本だと思う」「FBIに手紙持っていきたくなるよね、最後のとこなんか。やっぱ、無理あるなあ。」
  「私、今回は受賞作なしだと思っていたのですが、他の方々の(引用者注:二作授賞という)御意見ももっともですね。」
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他の選考委員
長部日出雄
北原亞以子
久世光彦
花村萬月
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受賞者・作品
乙川優三郎男48歳×各選考委員 
『五年の梅』
年齢の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
長部日出雄
男66歳
65 4点「この短篇集は、わりとコンスタントに一定の水準が保たれていると思いました。」「表題作よりも、あまり大した事件の起きない話のほうが、むしろ出来がいいというふうに思いました。」
北原亞以子
女63歳
71 4.5点「実は私、この作品に五点つけたかったんです。ただ、私が時代物を書いているものですから、幾つかのミスに気がついてしまったんですね。非常に端整な作品ですし、登場する女性も男性も、皆いやみがなく好感が持てます。」
久世光彦
男66歳
72 4点「欠点がないという意味では、四作のうちで、これが一番ないのかなという気がします。」「ただ、テーマというのか、回り道してきた人間や人生みたいなものの関わり、それがちょっと生っぽいかなあ、と感じました。」「雰囲気という点では、かなり気は使っていると思うんですが、ときおり他の言葉に置き換えたほうがいいんじゃないかというのが出てくる。」
花村萬月
男46歳
47 4点「俺は時代小説のことはあんまりよく分からないんですが、悪い意味じゃなくて定型的な、落ちるとこに落ちるお話の楽しさのようなものを非常に感じました。抑制もきいていて、かなりいいと思います。」「人間には悪い人間がいない、そういう小説ですね。それが、じつに素晴らしい味になっていると思うんです。」「もし順当なら、この作品だと思います。」
山田詠美
女42歳
28 3点→3.5点「(引用者注:表題作の)「五年の梅」っていうのを、もしも現代に置き換えて、サラリーマン社会なんかに置き換えたら、とても小説として成り立たない。時代背景とかにすごく頼っている部分があるんですね。」
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他の候補作
中山可穂
『白い薔薇の淵まで』
恩田陸
『ライオンハート』
白川道
『天国への階段』
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受賞者・作品
中山可穂女40歳×各選考委員 
『白い薔薇の淵まで』
年齢の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
長部日出雄
男66歳
123 5点「自分が平凡な人間であるからなのかもしれませんけど、ここに書かれている女性同士の愛の生活というのは、私にとっては非常に新鮮でしたね。」「無駄なことがほとんど書いてない。ほぼ全部の文章が生きている。イメージがまことに鮮明です。」「「破滅型」というのを最近これほどヴィヴィッドに描いた小説はないというような気がしました。」「日常的なこと、ディテールがちゃんと書かれているものは、僕は小説として面白いというふうに思うわけですよ。」
北原亞以子
女63歳
24 3.5点「この方は大変うまい、したたかな手腕の持ち主だと思いました。」「おしまいがどうしても納得できないんです。」「白日夢の中にいるような、こちらも酔っているような気分で読んでいるのに、そこで目が醒めてしまうんです。」
久世光彦
男66歳
32 4点→4.5点「おしまいのあれがなんで必要なんだろうかなと思いました。」「少し尺と短くして、百枚ぐらい削ってもいいから、女と女だけをこのタッチで書けば、もっと素敵だったんじゃないかな。」「結末の部分がレズと言いますか、女と女の間のこととの有機的な関わりがないように思えるんですね。」
花村萬月
男46歳
56 4点「俺はかなり楽しく読みました。」「ただし、これだけの話を作るには、あまりにも枚数が少なかったのか、(印象者中略)非常な無理があるというか納得できないものを感じました。」「俺はこの作品を心底から推したいと思います。」「ただ、エイズとか、そういうものに頼るなって言いたいんだよね。」
山田詠美
女42歳
41 2.5点「都合が悪くなると外国に移動して、それでその逃げた恋人を外国に追っていくっていうのはあまりにもありきたりだし、もしも、そこの部分がなくて、すっぱりその前で切っていたら、たぶんこれを推したんじゃないかなと思うんですけど、あの最後で、全部を台無しにしてしまっています。」「もっと完璧に近いものを書いて賞を取ったほうが、私はいいと思うんだけどな。」
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他の候補作
乙川優三郎
『五年の梅』
恩田陸
『ライオンハート』
白川道
『天国への階段』
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候補者・作品
恩田陸女36歳×各選考委員 
『ライオンハート』
年齢の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
長部日出雄
男66歳
51 4.5点「読んでいくと、どれがエリザベスで、だれがエドワードなのかなというふうに、一種独得なミステリーのおもしろさというのが醸成されてくるように感じました。」「最後の場面で、女性の新聞記者が恋人の待つカフェに向かって行くところが、とても希望に満ちていて、一切答えが出ないような話でありながら、なおかつ最後にロマンチックな余韻を残したところが気に入りまして、私は四・五点といたしました。」
北原亞以子
女63歳
22 2.5点「素晴しい着想だとは思うんですけれども、その素晴しさ、面白さが読み手に伝わってこないような気がします。」「その一つの原因が、擬音語の多さです。」「それともう一つ、いろいろな外国の土地を書くのであれば、行っていない人間にも、その土地の風土、光景を空想させてもらいたいんですけれども、ロンドンもシェルブールも同じところであるような感じがいたしました。」
久世光彦
男66歳
29 4点「僕は「志や良し」という感じがするんですね。ものすごく大きなフィクションに挑んでいて、欠点も多々あるんですけれども、フィクションのスケール、仕掛け、企み――この人の行く先には大きな楽しみがあります。」「いろんなものをちりばめて、仕掛け作って、辻褄合わせてみたいな。それがちょっと自分勝手すぎる遊びになっているのが問題なんです。」
花村萬月
男46歳
35 3点「細かいところで意図がよく分からないという部分が気になりました。」「ちょっと古いレコードで「ヘンリー八世と六人の妻」というのがあったので、それをわざわざ引っ張り出して、聴きながら雰囲気にひたる努力をして読みましたが、俺が年を取ったのかなという感じがしました。」
山田詠美
女42歳
39 2点「時空を超える話って、ある種の作家にとっては書きたいテーマの一つだと思うんですけど、それに挑戦するには、ちょっと文章力がついていかないかなという感じ。」「一行ごとに改行するのは、どういう意図なんでしょう。特にこの作品、そのことによってすかすかしてる。」「私は知ってましたけど、ケイト・ブッシュを知らなかったら読めないんじゃ、ちょっと困ると思いますね。」
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他の候補作
乙川優三郎
『五年の梅』
中山可穂
『白い薔薇の淵まで』
白川道
『天国への階段』
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候補者・作品
白川道男55歳×各選考委員 
『天国への階段』
年齢の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
長部日出雄
男66歳
30 3.5点「読み終わったあとの感想を一つだけにしぼって言えば、殺される及川広美(引用者中略)これだけの文章(引用者注:及川の書いた遺書の文章)を書ける人だったら、あんな怪しまれるような呼び出し方をして、しかもなんか誤解されるようなことを言う必要はないと思うんです。」「きちんと情理を兼ね備えた手紙を書けば済むことであって、僕の疑問というのはこの点に尽きるんです。」
北原亞以子
女63歳
24 3点「面白いし、迫力もあるし、気持ちよく読むことはできたんですけれども、読み終わった後の手応えが少し軽かったんです。」「ヒロインに共感できないのは、読んでいてつらくなります」
久世光彦
男66歳
16 3点「白川さんの作品の魅力だった無頼っぽいとか、ダークな匂いがするとか、そういうものが嘘みたいにここにないんですね。」「常套句みたいなのがちょっと多すぎますね、いろんな些細な点がひっかかり過ぎるというのは、大きな力がそもそも欠けているんじゃないかなと、読んでてちょっと僕はつらくなりまして、」
花村萬月
男46歳
26 2.5点「長すぎると思います。」「手垢のついた比喩や表現がひっかかりました。」「気合いを入れているのはよく分かりましたが、お話自体がテレビの二時間ドラマを見ているような印象は拭えず、これは二・五点です。」
山田詠美
女42歳
25 3点「話としては、成功した人が過去に復讐される話って結構ありがちなんですよね。」「ただ、家に帰って、この本の続きがあると、「ああ、続き、残ってるんだ」と思える、そのページターナーという意味を考えると、やっぱりエンターテイメントって、そういう人を夢中にさせる何かがあるということが基本だと思う」「FBIに手紙持っていきたくなるよね、最後のとこなんか。やっぱ、無理あるなあ。」
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他の候補作
乙川優三郎
『五年の梅』
中山可穂
『白い薔薇の淵まで』
恩田陸
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