当サイトで扱うまでにはまとまっていない直木賞関連情報を、だいたい週イチでアップする「直木賞のすべて 余聞と余分」を平成19年/2007年5月から始めました。こっちの本サイトの更新を怠らないように、心してやっていきたいものです。
 前回は、文化学院と直木賞の結びつきに目を奪われて、昭和も後半、大沢在昌さんのことにまで触れてしまいました。先走りすぎたので、もう一度、時間を巻き戻します。昭和ヒトケタ台、直木賞ができる直前の状況についてです。  大正10年/1921年創立の文化学院が、創作の実技をとりいれた文学部をつくったのが昭和5年/1930年です。なぜか創立から10年近くもたって誕生しています。これが時代のムーブメントとい...
 先週、令和2年/2020年6月16日に、新しい直木賞の候補作が発表されました。  そのなかに京都の淡交社から出た、能楽に縁深い作品が入っています。能と直木賞。これまでも濃密に交わってきた組み合わせだと思いますけど、パッと思いつくのが第48回(昭和37年/1962年・下半期)の受賞者、杉本苑子さんのことです。  淡交社といったら今東光さんだ。……というよく知られたトリビアを、ここでストレートに...
 世に菊池寛ファンというのは意外と多くて、先週取り上げた文春初期の名企画「文藝講座」なども、いろんな人が褒めています。たとえば松本清張さんは、あの時代に「講義録」じゃなく「講座」と名づけたネーミングセンス、キクチカンすげえぜ(昭和57年/1982年10月・文藝春秋刊『形影 菊池寛と佐佐木茂索』)とか何とか賞賛しているんですが、そもそも出版物に「講座」とつけた先例はいくつもあるのに、どうしてそこまで...
 直木賞が創設されたのは昭和9年/1934年です。芥川賞も同じです。その当時、出版事業の一角には「懸賞小説」という制度がすでに存在していましたが、既成文壇の人たちから、懸賞なんかからホンモノの文学が生まれるわけねーだろ、と冷めた目で見られていました。いまでも、そういう偏見を持っている人はいるかもしれません。  直木賞も芥川賞も、新人を発掘する目的で始められた事業です。始めるに当たって、懸賞の制度...
 ブログ形式で書きはじめて14年になります。どんなにくだらないことでも、14年もやっていると、いろいろな考えが頭をよぎるものです。  たまさか直木賞という文学賞のたたずまいに興味を持ってしまい、その受賞作、候補作、周辺の本を読んだりしながら、受賞者、候補者、選考委員、裏で支える人たち、まわりでワーワー言っているだけの野次馬のことなどを、手当たり次第に調べてきました。まだ手始めも手始めで、ぜんぜん...