当サイトで扱うまでにはまとまっていない直木賞関連情報を、だいたい週イチでアップする「直木賞のすべて 余聞と余分」を平成19年/2007年5月から始めました。こっちの本サイトの更新を怠らないように、心してやっていきたいものです。
 20何年もサイトを運営していると、たまーに、ごくごくたまーに、見知らぬ方からメールをもらうことがあります。  くそっ、死ね。といった幼稚な罵倒雑言もあれば、わたしがとった地方の文学賞のこともサイトに載せていただけないでしょうか、という丁寧な懇願もあります。メールの内容は種々雑多に散っているんですけど、ときどき、直木賞や文学賞のことで、候補作の出版情報、掲載情報など、大変ありがたいデータを教えて...
 今週も前週につづいて、該当作がなかった回のことを取り上げます。  まあ、直木賞に該当作があろうがなかろうが、人間は特別何の影響も受けずにそれぞれ生きていくもんですし、ひょっとしたら(いや、十中八九の確率で)もはや日本で暮らす人たちのほとんどが、こないだの直木賞の結果のことなんか、とっくのとうに忘れているんじゃないかと思います。まったく健全な世の中です。  いつまでも「該当作なし」のハナシで引...
 「該当作なし」。この陶酔的な言葉の響き。直木賞のファンなら誰しも、ひとつやふたつ、大好きな「該当作なし」の回があると思います。  ほんとにあるかどうかは別にして、こないだ決まった第173回(令和7年/2025年・上半期)の直木賞が、たまさか受賞作なしとなったもんですから、これまで直木賞はどういうふうに「なし」と付き合ってきたんだろう、と妙に考える機会が増えました。何つったって、直木賞にはこれま...
 小説を読むとき何を評価するか。それは人それぞれです。  書かれている内容、人物描写、活きのいい会話、斬新な発想力。あるいは、書いている人がカッコいいとかカワいいとか、そういう理由で小説のよしあしの判断基準を左右する人がいるかもしれません。そんなことは、読む人にとっての自由です。  読む人にとっての自由なので、文学賞にとっても自由です。とくに直木賞なんてものになると、業界ズブズブの編集者たちが...
 直木賞の決定は、いつの時代も一過性です。  結果が発表された瞬間はワッと盛り上がり、なんだかんだとそれに対して意見を表明する声も増えますが、長くて1、2か月、短ければ数時間、数分レベルでササッと話題の渦は引いていき、多くの人はすぐに直木賞のことなんか忘れます。そんな無益無害なことがえんえんと何十年も繰り返されてきたのですから、ほんとうに直木賞っていうのは面白い行事です。  で、今週の水曜日に...