当サイトで扱うまでにはまとまっていない直木賞関連情報を、だいたい週イチでアップする「
直木賞のすべて 余聞と余分」を平成19年/2007年5月から始めました。こっちの本サイトの更新を怠らないように、心してやっていきたいものです。
先週、第89回(昭和58年/1983年・上半期)で城山三郎さんが放った選考委員退陣の弁を紹介しました。
このとき、選考会のなかでは「直木賞は年一回でいい」と言っている委員がいたと、城山さんが暴露しました。当時の委員というと、城山さんを除いて7人います。池波正太郎さん、五木寛之さん、井上ひさしさん、源氏鶏太さん、水上勉さん、村上元三さん、山口瞳さんです。
じゃあ、いったい、そんなことを主張...
人間の思考を4種類に分けると、おそらく以下のとおりになると思います。
直木賞が年二回なのは多いから、年一回でいい。
直木賞はこのままでいい。
直木賞なんてやめちまえ。
直木賞がどうなろうが知ったこっちゃない。
可能性だけでいえば「年二回は少なすぎるから、年三回とか、年四回とか、もっと回数を増やすべきだ」という流派の人がいたっていいはずです。それを入れれば「5種類」ということになりま...
文学賞の審査というのは、候補者が審査される。しかし、決してそれだけのものではない。何をどのように評価して受賞させるか、という意味では実は審査員のほうが審査されているのだ……という、いかにも使い古された考え方があります。
あまりに使い古されすぎていて、いまさらドヤ顔で言ったところで仕方ないんですが、本屋大賞のランキングが発表されるたびに、作品そのものより、それを選んだ書店員たちの批評眼ってどう...
ワタクシは生粋の直木賞ファンです。世のなかにもきっと、たくさんの直木賞ファンがいることと思います。
それぞれに「好きな直木賞の時代」というものがあるはずですが、ワタクシの場合、しいて挙げるとするならば、昭和50年代前半、1970年代ごろの直木賞が一、二位を争うほど大好きです。なぜか。受賞作が全然出なかったからです。
直木賞が好きなくせして、受賞作が出なかった時代が好きとは、よっぽどコイツ...
直木賞は毎回のように注目されます。何が候補になるのか、だれが受賞するのか。社会や経済がどんな状態であろうともお構いなし、戦後から平成、令和と、おおよそ直木賞は毎回毎回、懲りずに注目されてきた、と言ってしまいたいと思います。
で、注目されているから何なのか。オレはおめえみてえなゴシップ厨じゃねえんだ、そんなチャラチャラした世界に興味はないよ。と背中を向けるのも全然アリでしょう。「多くの人が注目...