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[R6]2024/9/8
武内涼
Takeuchi Ry
o
生没年月日
昭和53年/1978年~
経歴
群馬県高崎市生まれ。早稲田大学第一文学部卒。
映画・テレビ制作ののち、平成23年/2011年『忍びの森』で作家デビュー。
受賞歴・候補歴
|候補|
第17回
日本ホラー小説大賞
[長編部門](平成22年/2010年)「青と妖」寺澤祐介名義
第1回徳間文庫大賞[書下ろし部門](平成27年/2015年)『妖草師』
|候補|
第7回
本屋が選ぶ時代小説大賞
(平成29年/2017年)『駒姫 三条河原異聞』
|候補|
第7回
歴史時代作家クラブ賞
[作品賞](平成30年/2018年)『駒姫 三条河原異聞』
第24回
大藪春彦賞
(令和3年/2021年度)『阿修羅草紙』
|候補|
第13回
本屋が選ぶ時代小説大賞
(令和5年/2023年)『厳島』
|候補|
第45回
吉川英治文学新人賞
(令和5年/2023年度)『厳島』
|候補|
第14回
広島本大賞
(令和6年/2024年)『厳島』
|候補|
第30回
中山義秀文学賞
(令和5年/2023年)『厳島』
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文学賞の世界
▼
全
9
件
『
厳島
(
いつくしま
)
』
(令和5年/2023年4月・新潮社刊)
吉川英治文学新人賞
第
45
回候補
選評の概要
この回の全概要
見方・注意点
候補者
武内涼
46歳
選考委員
評価
行数
評言
朝井まかて
64歳
■
14
「武将それぞれに戦わざるを得ない逼迫した事情があり、ゆえに作者はいずかたにも肩入れし過ぎず、歴史を活写せんとする姿勢を貫いた。ただ、歴史を忠実に伝えたいという熱が小説としての膨らみを削いでしまったように思う。」「本作はエネルギー配分が歴史解説に偏り過ぎたのではあるまいか。」
大沢在昌
67歳
■
15
「多くの人物が登場するが、その描き分けにも成功していて、筆力に疑いはない。」「が、チャンバラではなく歴史を描くことにこだわりすぎたのか、物語から躍動感が失われてしまった。『阿修羅草紙』にあった血湧き肉躍る興奮が本作にはなく、かわりにていねいすぎる人物描写が、物語への没入を阻害した。」
京極夏彦
60歳
■
19
「モチーフとなる合戦は人口に膾炙したものだが、その背景はそれなりに複雑である。(引用者中略)本作はそれを智将×忠臣という構図に落とし込み、単層化することで物語化に成功している。」「作者視点=地の文に典拠となるデータを逐次挿入する様式は歴史小説ならではのものでもあるのだろうが、ただこの構造にそのスタイルは見合っていただろうか。」「情報処理の工夫が必要だったのではないか。」
辻村深月
44歳
■
11
「史実に裏打ちされた構成が見事である一方、たとえば、伝わっていないという弘中隆兼が妻子に書いた十月一日付けの最後の手紙をこの著者が小説内のリアリティで考えたならどういった言葉になったろうか――といったことが知りたくなってしまう。ただそれは小説の中に持ち込まれた史実への忠実さに水を差すのかもしれず、そうした点が悩ましかった。」
村山由佳
59歳
△
22
「迷いに迷いながらこの作品にも○をつけて臨んだのだが、選考会の席上で、「×に近い○」という迷言を口にしてしまったことは告白しておかねばならない。」「数の上ではるかにまさっていた陶晴賢の軍勢が破れてゆく道筋も非常によく調べられていて説得力に満ちている。では何が不満で推しきれなかったかといえば、悲劇の武将・弘中隆兼に対して、肝腎の毛利元就の描き方が薄かったことだ。」
選評出典:『小説現代』令和6年/2024年5・6月合併号
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