直木賞のすべて

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Last Update●[H29]2017/12/23

真梨幸子 Mari Yukiko

生没年月日	昭和39年/1964年～
経歴	宮崎県生まれ。多摩芸術学園映画科卒。平成17年/2005年に第32回メフィスト賞を受賞し作家デビュー。
受賞歴・候補歴	第32回メフィスト賞（平成17年/2005年）『孤虫症』 \|候補\| 第28回山本周五郎賞（平成26年/2014年度）『人生相談。』
サブサイトリンク	文学賞の世界▼全10件

『人生相談(じんせいそうだん)。』（平成26年/2014年4月・講談社刊）

書誌

初出『小説現代』平成25年/2013年5月号～平成26年/2014年1月号/単行本化にあたり大幅加筆修正

平成29年/2017年7月・講談社／講談社文庫『人生相談。』

山本周五郎賞 第28回候補

選評の概要

この回の全概要　見方・注意点

候補者　真梨幸子　51歳
選考委員		評価	行数	評言
石田衣良	55歳	■	42	「善人の愚かさを探し、悪人の気高さを描くというのが、クラシカルな小説の造りかただよね。この作品の登場人物は作者の掌のうえで踊るグロテスクな人形のようだった。ほんとうの驚きからは遠いんじゃないかな。」「ぼくはこの本、予選委員からの警告と受けとった。（引用者中略）経済文化双方の大格差社会のなかで、これまで出版界が無視していた新しい読者が多数生まれているんだぞ、とね。」
角田光代	48歳	■	24	「あまりにも多くの人、関係、できごとが登場しすぎて、細かいつじつまが合わないのではないか、と引っかかってしまう。そして、どのようなちいさな事件であれ、起こるには、だれかしらの感情が大きくうねるはずなのだが、登場人物たちの心理がそのように書かれていないのではないかとも思った。」
佐々木譲	65歳	△	17	「わたしは面白く読んだ。言葉によるスラップスティック作品とも言える小説であるが、叙述トリックのミステリ風味もある。」「全体の構成はきわめて技巧的で、騙されるものかとメモを取りながら読んでいたはずなのに、たしかに帯にあるように、何度かページを戻して読み直してしまった。」
白石一文	56歳	■	20	「候補作中で一番楽しめたのはこの作品だったかもしれない。」「余計なひと言として加えれば、真梨さんには、今まで使っていた筋肉と別種の筋肉を使った作品を一度書いてみることを勧めたい。もっとも、これは、あくまで文学賞に照準を合わせるならばの話で、「そんなもの、私はどうでもいいわ」というのであれば、今まで通りでまったく構わないと思う。」
唯川恵	60歳	■	37	「私には登場人物が多過ぎた。（引用者中略）物語そのものになかなか没頭できなかった。」「登場人物全てでなくていい、重要な人物が確固たる存在感を持っていてくれたら、付随する人間も個性を持って記憶に刻まれる。そこから頭の中で相関図が自然と組み立てられて、更に研ぎ澄まされた作品になったように思う。」
選評出典：『小説新潮』平成27年/2015年7月号

文量
長篇
章立て
「居候している女性が出て行ってくれません」「職場のお客が苦手で仕方ありません」「隣の人がうるさくて、ノイローゼになりそうです」「セクハラに時効はありますか？」「大金を拾いました。どうしたらいいでしょうか」「西城秀樹が好きでたまりません」「口座からお金を勝手に引き出されました」「占いは当たりますか？」「助けてください」
時代設定	場所設定
［同時代］～1990年代	東京～静岡～相模原
登場人物
●小坂井剛（キャバクラに通う派遣社員） ●原田和子（小坂井一家と同居していた女） ●武蔵野寛治（ベストセラー作家） ●岡部康（出版社〈福善舎〉の文芸編集者） ●佐野山美穂（岡部の部下） ●緒方友恵（〈福善舎〉編集者） ●樋口義一（ミステリー作家） ●川口寿々子（大洋新聞社文化部「よろず相談室」担当） ●ガーネット・サクヤ（占い師） ●葛西健人（大手電機メーカー営業部員） ●米田美里（高層ビルコンシェルジュデスク勤務の派遣社員）

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