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[R3]2021/12/31
澤村伊智
Sawamura Ichi
生没年月日
昭和54年/1979年~
経歴
大阪府生まれ、兵庫県出身。
平成27年/2015年に「ぼぎわん」(刊行時『ぼぎわんが、来る』)で日本ホラー小説大賞を受賞してデビュー。
受賞歴・候補歴
第22回
日本ホラー小説大賞
(平成27年/2015年)「ぼぎわん」(刊行時『ぼぎわんが、来る』)
|候補|
第30回
山本周五郎賞
(平成28年/2016年度)『ずうのめ人形』
第72回
日本推理作家協会賞
[短編部門](平成31年/2019年)「学校は死の匂い」
第19回
センス・オブ・ジェンダー賞
[特別賞](令和1年/2019年度)『ファミリーランド』
サブサイトリンク
文学賞の世界
▼
全
14
件
『ずうのめ
人形
(
にんぎょう
)
』
(平成28年/2016年7月・KADOKAWA刊)
書誌
平成30年/2018年7月・KADOKAWA/角川ホラー文庫『ずうのめ人形』
山本周五郎賞
第
30
回候補
選評の概要
この回の全概要
見方・注意点
候補者
澤村伊智
37歳
選考委員
評価
行数
評言
石田衣良
57歳
○
32
「ぼくは推したんだけど、支持は広がらなかった。残念だよ。」「これまでホラー小説でつかわれたあらゆる手を総動員してつくりあげた佳作だと思うよ。よくこんなに複雑な構成を書きあげたものだ。」「惜しいのは、あまりに手記の登場人物と実際の人間がつながりすぎてるところだね。偶然でも多すぎる。」
荻原浩
60歳
△
36
「リーダビリティという点ではいちばんだった。」「登場人物も、数が多いのに一人一人キャラクターが立っている。あちこちに仕掛けられたサプライズにも本当に驚かされた。」「小説の中の奇蹟は一度だけにすべきだと思う。映像作品などでさくっと観せられれば気にならなくても、小説は頭がいちいち立ち止まるから。」「とはいえ、読んでるあいだは本当に楽しかった。僕の中では、次点です。」
角田光代
50歳
■
28
「ホラー・怪奇小説というものへの愛と尊敬が、端々からにじみ出ている小説だ。」「なぜ呪いの力を持った原稿が出まわったのかという点においてはミステリー小説としてたのしめるのだが、その「なぜ」が弱いように思う。自身の過去を、世の中を憎む人間が、その強烈な憎しみによって、現実に複数の人の死を引き起こすという説得力に欠ける気がした。」
佐々木譲
67歳
■
32
「登場人物たちの多くが、オカルト雑誌の編集者やオカルトもののライターであるという設定なので、彼らには超常現象や、関係者の異様な自殺さえ解釈可能な現実であるらしい。この部分が、まずすんなりと受け入れられないのだ。」「ただ、本作品からホラーとしての意匠の部分を除いた物語の核の部分は、印象深い。」
唯川恵
62歳
■
37
「序盤のスローな展開に、少々焦れったさを感じたが、徐々に迫力を増し、読者の気持ちをコントロールしつつ作者の世界に引きずり込んでゆく展開は、澤村さん独自の持ち味だと思う。」「ただ読み進めてゆくうちに、いくつか納得できない点が出て来た。里穂の強い憎しみが、ずうのめ人形となって人を殺すのはわかる。けれども、狂気が生み出される過程に説得力が足りず、そうまでなってしまう現象を受け入れることができない。」
選評出典:『小説新潮』平成29年/2017年7月号
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