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Last Update[H29]2017/7/18

相場英雄 Aiba Hideo
生没年月日 昭和42年/1967年~
経歴 新潟県三条市生まれ。時事通信社経済部記者として活動するかたわら、
平成17年/2005年にダイヤモンド経済小説大賞を受賞し作家デビュー。
平成18年/2006年に同通信社退社。
受賞歴・候補歴



わだち
血の 轍』(平成25年/2013年1月・幻冬舎刊)
書誌
>>平成25年/2013年11月・幻冬舎/幻冬舎文庫『血の轍』
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他文学賞 山本周五郎賞 26回候補 一覧へ
候補者 相場英雄 男45歳
選考委員 評価 行数 評言
石田衣良
男53歳
23 「警察小説というより、捜査技法小説という新機軸だった。」「だけど、後半になって宿敵であるふたりの警察官の対立動機がわかってくると、とたんに弱くなった。妻の浮気とか子どもの白血病なんてベタな設定はいらなかったんじゃないかな。」
角田光代
女46歳
24 「事件の核心へと迫る過程がスピード感、臨場感にあふれ、みごとである。」「「刑事VS公安」のやりとりや、事件の真相に迫る勢いに比べると、(ラストも含め)志水と兎沢の関係、兎沢とその妻の関係など、人の心理が絡むと小説が失速してしまうように思う。説得する力が弱まる。その都度、小説世界から醒めてしまう。」
佐々木譲
男63歳
30 「わたしも警察小説を多く書いてきたせいで点が辛くなったかもしれない。」「読後になんとはなしの既視感が生まれたことはしかたのないところだろう。」「「業界」の隠語、符牒の使い過ぎが逆に興を削ぐ。それは作品世界の「雰囲気」や情報性を表現しているというよりは、作品の容量を小さくする要素になっていると思う。」
白石一文
男54歳
31 「緻密な取材に基づいて刑事、公安両部門の内実が詳細に描き出されている。そのあたりを読むだけでも十分にたのしめるし、ことに公安の捜査手法のすさまじさには一度ならず度肝を抜かれた。」「この小説の課題は、物語を引っ張る二人のライバル刑事のそもそもの確執に多少無理がある点だ。一人は刑事部に、一人は公安部へとたもとを分かつのだが、その原因となった事件が私にはいまひとつ納得がいかなかった。」
唯川恵
女58歳
45 「資料の読み込みの深さと、知識と経験が存分に発揮された作品である。」「そこは興味惹かれる部分ではあるのだが、逆にそれが裏目に出て、肝心の人物が浮かび上がって来ないというまどろっこしさもあった。」「兎沢と志水はそれぞれに悲劇を背負っていて、そこが大きなポイントでもあるのだが、私にはその理由がどうしても納得できなかった。」
選評出典:『小説新潮』平成25年/2013年7月号
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『ガラパゴス』(上)(下)(平成28年/2016年1月・小学館刊)
他文学賞 山本周五郎賞 29回候補 一覧へ
候補者 相場英雄 男48歳
選考委員 評価 行数 評言
石田衣良
男56歳
30 「この小説の弱点は悪役サイドにある。(引用者中略)新型車の設計ミスに気づいた非正規の青年ひとりを、巨大自動車メーカーや人材派遣会社の社長が殺す必要があるのかな。」「だけど上下巻でこれだけの大作を描く筆力はたいしたものだ。」
角田光代
女49歳
36 「力強い迫力のある小説で、もっとも読み応えがあった。」「メモ魔の捜査員、田川の執拗な取材で、事件のあらたな面がひとピースずつ埋まっていくのは、読んでいて快感でもあったのだが、しかし、そのピースがすべて同じものであることに途中から疑問を覚えた。」
佐々木譲
男66歳
35 「タイトルから想像すれば、相場さんは本作を警察小説としてではなく、むしろ経済小説として構想したのではないかとも想像する。だとすると叙述のために採用した警察小説の枠組みが、題材に適合していない。」「また、主人公がときおり漏らす道徳観、正義観が、現場警察官のものとしてナイーブ過ぎる印象がある。」「達者、とは思いつつ、受賞作として積極的には推せなかった。」
白石一文
男57歳
16 「(引用者注:「ユートピア」と共に)△とする方針で選考会に臨んだ。」「手堅くしっかりと作品に込めるべき作者の思いを書き綴っている。ただ、そうやって訴えるべきものが外側だけでなくいま少し自らの内側にも入ってくれば、この人の小説は見違えるような進歩を果たすのではないかと思う。」
唯川恵
女61歳
56 「迫力ある展開に圧倒された。」「派遣という立場がどんなに厳しい状況であるか、それは十分に理解できた。読んで息苦しくなるほどだ。ただ、書き方が一方向過ぎやしないかとも思えてしまう。」「相場さんはどんどん腕をあげられている。と同時に、小説に風格が出て来られたように思う。私は湊さんの作品と共に本作を推したのだが、残念ながら賛同を得ることはできなかった。」
選評出典:『小説新潮』平成28年/2016年7月号
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ふはつだん
不発弾』(平成29年/2017年2月・新潮社刊)
他文学賞 山本周五郎賞 30回候補 一覧へ
候補者 相場英雄 男49歳
選考委員 評価 行数 評言
石田衣良
男57歳
37 「前作よりもぐっと腕をあげた印象だ。」「魅力的なのは高卒から叩きあげた金融屋のほうで、ページ数のバランスも8対2くらいになっている。この作品は金融界のライバル同士の知力を尽くした凌ぎあいにしたほうがよかったな。」
荻原浩
男60歳
37 「実在のモデルがうじゃうじゃいる。ここに書かれているのは、かつて日本で実際に起きていたこと、その裏であったかもしれないこと、なのだ。」「作者がリスクを背負ってきちんと矢面に立っていることを評価したい、というか見習いたい。」「ただし、小説として読むと、アラが目立つように思えた。」「登場人物一人一人の顔が見えない。単に容貌の描写が少ないというだけでなく「ああ、この人はこういう人ね」という人間としての特徴や心の動きが見えてこないのだ。」
角田光代
女50歳
40 「現実に大手企業による粉飾決算の問題が明るみとなった後では、なぜドキュメンタリーではなく小説なのだろう? と思ってしまう。」「たとえば、杉本が古賀に仕組債やオプション取引について説明するときに、どうしても小説としてのスピードが減速してしまうように思う。」「そして最後の最後で古賀がこのような勝ち方をしてしまうことで、私はもっと混乱してしまった。現実の社会がこうなのだとしても、だ。「小説」がどこを目指したのかがわからなくなってしまった。」
佐々木譲
男67歳
52 「相場英雄さんの作品を本賞の候補作として読むのはこれが三作目だと思うが、この作品がもっとも読み進めにくかった。基本的な「劇的対立」の構図に乗ることができず、結末には途方に暮れたというのが正直なところだ。」「そもそも東芝の粉飾決算を題材とし、片側に警視庁捜査員の主人公をおいて、警察捜査小説の様式を使ってこのストーリーを語るならば、その主人公が摘発の対象とする相手は、粉飾決算の実行犯というか主犯たち、つまりその大企業の役員たちであるべきだろう。」
唯川恵
女62歳
42 「企業の粉飾決算、不適切な会計処理、ファンド取引など、実在と推測できる企業や人物を登場させ、フィクションとノンフィクションのぎりぎりのラインで書き切った熱意に敬服する。」「ただ、専門用語と共に複雑なシステムが説明されるに従って、その分野に詳しい方なら一気に読み進められるだろうが、疎い私は徐々に置いてきぼりにされてしまった。」「今回の作品は、小説として膨らませるべきところを膨らませていないように思えた。」
選評出典:『小説新潮』平成29年/2017年7月号
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