第6回

第5回第7回

昭和59年/1984年度 昭和60年/1985年3月8日決定発表

選考委員　 井上ひさし 50歳 尾崎秀樹 56歳 佐野洋 56歳 野坂昭如 54歳 半村良 51歳 選評総行数　 33 26 29 30 20 評 評 評 評 評 候補作 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 船戸与一　『山猫の夏』 41歳 評 ◎ 8 ◎ 26 △ 29 ◎ 30 ◎ 20 島田荘司　『漱石と倫敦ミイラ殺人事件』 36歳 評 ◎ 4 ― 0 ― 0 ― 0 ― 0 志水辰夫　『散る花もあり』 48歳 評 ■ 7 ― 0 ― 0 ― 0 ― 0 林真理子　『星に願いを』 30歳 評 ■ 11 ― 0 ― 0 ― 0 ― 0 夢枕獏　『悪夢喰らい』 34歳 評 △ 7 ― 0 ― 0 ― 0 ― 0           年齢の説明   見方・注意点

井上ひさし50歳×各候補作

年齢の説明 見方・注意点

題才能が揃った　総行数33　（1行=20字） 候補 評価 行数 評言 船戸与一 41歳 全 ◎ 8 「言葉のもつ力を十二分に駆使して南米大陸に壮大な冒険王国を構築する。」「船戸作品と島田作品とをわたしは推したが、結果はまことに読みでのある船戸作品が選ばれた。読みでがあるとは小説という形式に誠実であるということと同義だ。」 島田荘司 36歳 全 ◎ 4 「知的な大法螺（これは褒め言葉）を吹く。」「船戸作品と島田作品とをわたしは推した」 志水辰夫 48歳 全 ■ 7 「青春をすぎた男たちの、苦い心情を独得のユーモア感覚で鋭く照射する。」「陸の上だけでは物語のはずみ方が小さく、愛読者としては多少、物足りぬ思いがした。」 林真理子 30歳 全 ■ 11 「自己劇画化によって自分の青春をいつくしむ。」「自己劇画化をさらに推し進めていただければとねがっている。劇画化＝自己批判の徹底は、作品の自立を保証する。」 夢枕獏 34歳 全 △ 7 「筆をメスにして人間の意識と無意識のなかに踏み込み、思いがけない物語をつむぎだす。」「候補作は長篇だとよかった。むろんこれは氏の責任ではない。」   「才能が揃った、というのが候補作を読んでの素朴な感想である。」

他の選考委員 尾崎秀樹 佐野洋 野坂昭如 半村良

尾崎秀樹56歳×各候補作

年齢の説明 見方・注意点

題物語性の回復　総行数26　（1行=20字） 候補 評価 行数 評言 船戸与一 41歳 全 ◎ 26 「候補作のうちで一番強烈な印象を受けた」「パンチのきいたややバタくさい表現のほかに、作者なりの物語性への肉迫が感じられ、ストーリーテラーとしての資質も群を抜いている。」「私は“山猫”の軌跡の中に、船戸与一の反権力思考を読む思いであった。」 島田荘司 36歳 全 ― 0   志水辰夫 48歳 全 ― 0   林真理子 30歳 全 ― 0   夢枕獏 34歳 全 ― 0	他の選考委員 井上ひさし 佐野洋 野坂昭如 半村良

佐野洋56歳×各候補作

年齢の説明 見方・注意点

題敢えて一言　総行数29　（1行=20字） 候補 評価 行数 評言 船戸与一 41歳 全 △ 29 「私自身は、こういうタイプの小説は嫌いなのだが、一歩退いて客観的に見てみると、なにしろ、力作感があり、波乱万丈のストーリーにも取り立てて破綻や矛盾がない。」「しかし、もし、選考委員という立場を離れて、この作品を読んだら、恐らく、私は最後まで読み通さなかっただろう。」「感情移入できる登場人物がいない。」 島田荘司 36歳 全 ― 0   志水辰夫 48歳 全 ― 0   林真理子 30歳 全 ― 0   夢枕獏 34歳 全 ― 0     「候補作五編」	他の選考委員 井上ひさし 尾崎秀樹 野坂昭如 半村良

野坂昭如54歳×各候補作

年齢の説明 見方・注意点

題選評　総行数30　（1行=20字） 候補 評価 行数 評言 船戸与一 41歳 全 ◎ 30 「アラ探ししてやろうと、意地悪い眼で読みつづけたのだが、ついついひきこまれてしまった。」「荒っぽいけれど、たいへんな腕力である。波乱万丈奇想天外の小説は、近頃少ない。もっとも吉川英治の名を戴く賞にふさわしく、しかもその新人としての名乗りは、作者の本懐であろう。」 島田荘司 36歳 全 ― 0   志水辰夫 48歳 全 ― 0   林真理子 30歳 全 ― 0   夢枕獏 34歳 全 ― 0	他の選考委員 井上ひさし 尾崎秀樹 佐野洋 半村良

半村良51歳×各候補作

年齢の説明 見方・注意点

題選評　総行数20　（1行=20字） 候補 評価 行数 評言 船戸与一 41歳 全 ◎ 20 「「山猫の夏」一本槍で行くことにきめ、選考の席に臨んだ。」「膂力において群を抜いているのだ。」「船戸さんに受賞のお祝いを申しあげるとともに、こういう作家を持った冒険小説ファンにもお祝いを言いたい。」 島田荘司 36歳 全 ― 0   志水辰夫 48歳 全 ― 0   林真理子 30歳 全 ― 0   夢枕獏 34歳 全 ― 0	他の選考委員 井上ひさし 尾崎秀樹 佐野洋 野坂昭如

船戸与一41歳×各選考委員　 『山猫の夏』

年齢の説明 見方・注意点

選考委員 評価 行数 評言 井上ひさし 50歳 全 ◎ 8 「言葉のもつ力を十二分に駆使して南米大陸に壮大な冒険王国を構築する。」「船戸作品と島田作品とをわたしは推したが、結果はまことに読みでのある船戸作品が選ばれた。読みでがあるとは小説という形式に誠実であるということと同義だ。」 尾崎秀樹 56歳 全 ◎ 26 「候補作のうちで一番強烈な印象を受けた」「パンチのきいたややバタくさい表現のほかに、作者なりの物語性への肉迫が感じられ、ストーリーテラーとしての資質も群を抜いている。」「私は“山猫”の軌跡の中に、船戸与一の反権力思考を読む思いであった。」 佐野洋 56歳 全 △ 29 「私自身は、こういうタイプの小説は嫌いなのだが、一歩退いて客観的に見てみると、なにしろ、力作感があり、波乱万丈のストーリーにも取り立てて破綻や矛盾がない。」「しかし、もし、選考委員という立場を離れて、この作品を読んだら、恐らく、私は最後まで読み通さなかっただろう。」「感情移入できる登場人物がいない。」 野坂昭如 54歳 全 ◎ 30 「アラ探ししてやろうと、意地悪い眼で読みつづけたのだが、ついついひきこまれてしまった。」「荒っぽいけれど、たいへんな腕力である。波乱万丈奇想天外の小説は、近頃少ない。もっとも吉川英治の名を戴く賞にふさわしく、しかもその新人としての名乗りは、作者の本懐であろう。」 半村良 51歳 全 ◎ 20 「「山猫の夏」一本槍で行くことにきめ、選考の席に臨んだ。」「膂力において群を抜いているのだ。」「船戸さんに受賞のお祝いを申しあげるとともに、こういう作家を持った冒険小説ファンにもお祝いを言いたい。」

他の候補作 島田荘司 『漱石と倫敦ミイラ殺人事件』 志水辰夫 『散る花もあり』 林真理子 『星に願いを』 夢枕獏 『悪夢喰らい』

島田荘司36歳×各選考委員　 『漱石と倫敦ミイラ殺人事件』

年齢の説明 見方・注意点

選考委員 評価 行数 評言 井上ひさし 50歳 全 ◎ 4 「知的な大法螺（これは褒め言葉）を吹く。」「船戸作品と島田作品とをわたしは推した」 尾崎秀樹 56歳 全 ― 0   佐野洋 56歳 全 ― 0   野坂昭如 54歳 全 ― 0   半村良 51歳 全 ― 0	他の候補作 船戸与一 『山猫の夏』 志水辰夫 『散る花もあり』 林真理子 『星に願いを』 夢枕獏 『悪夢喰らい』

志水辰夫48歳×各選考委員　 『散る花もあり』

年齢の説明 見方・注意点

選考委員 評価 行数 評言 井上ひさし 50歳 全 ■ 7 「青春をすぎた男たちの、苦い心情を独得のユーモア感覚で鋭く照射する。」「陸の上だけでは物語のはずみ方が小さく、愛読者としては多少、物足りぬ思いがした。」 尾崎秀樹 56歳 全 ― 0   佐野洋 56歳 全 ― 0   野坂昭如 54歳 全 ― 0   半村良 51歳 全 ― 0	他の候補作 船戸与一 『山猫の夏』 島田荘司 『漱石と倫敦ミイラ殺人事件』 林真理子 『星に願いを』 夢枕獏 『悪夢喰らい』

林真理子30歳×各選考委員　 『星に願いを』

年齢の説明 見方・注意点

選考委員 評価 行数 評言 井上ひさし 50歳 全 ■ 11 「自己劇画化によって自分の青春をいつくしむ。」「自己劇画化をさらに推し進めていただければとねがっている。劇画化＝自己批判の徹底は、作品の自立を保証する。」 尾崎秀樹 56歳 全 ― 0   佐野洋 56歳 全 ― 0   野坂昭如 54歳 全 ― 0   半村良 51歳 全 ― 0	他の候補作 船戸与一 『山猫の夏』 島田荘司 『漱石と倫敦ミイラ殺人事件』 志水辰夫 『散る花もあり』 夢枕獏 『悪夢喰らい』

夢枕獏34歳×各選考委員　 『悪夢喰らい』

年齢の説明 見方・注意点

選考委員 評価 行数 評言 井上ひさし 50歳 全 △ 7 「筆をメスにして人間の意識と無意識のなかに踏み込み、思いがけない物語をつむぎだす。」「候補作は長篇だとよかった。むろんこれは氏の責任ではない。」 尾崎秀樹 56歳 全 ― 0   佐野洋 56歳 全 ― 0   野坂昭如 54歳 全 ― 0   半村良 51歳 全 ― 0	他の候補作 船戸与一 『山猫の夏』 島田荘司 『漱石と倫敦ミイラ殺人事件』 志水辰夫 『散る花もあり』 林真理子 『星に願いを』