直木賞のすべて
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[H30]2018/10/8
新井素子
Arai Motoko
生没年月日
昭和35年/1960年8月8日~
経歴
本名=手嶋素子。東京都練馬区生まれ。立教大学文学部独文科卒。高校時代に「あたしの中の…」が奇想天外SF新人賞佳作に選ばれて作家デビュー。
受賞歴・候補歴
第1回
奇想天外SF新人賞
[佳作](昭和52年/1977年)「あたしの中の…」
第12回
星雲賞
[日本短編部門](昭和56年/1981年)「グリーン・レクイエム」
第13回
星雲賞
[日本短編部門](昭和57年/1982年)「ネプチューン」
|候補|
第12回
山本周五郎賞
(平成10年/1998年度)『チグリスとユーフラテス』
第20回
日本SF大賞
(平成11年/1999年)『チグリスとユーフラテス』
|候補|
第18回
センス・オブ・ジェンダー賞
(平成29年/2017年度)「お片づけロボット」
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文学賞の世界
▼
全
15
件
『チグリスとユーフラテス』
(平成11年/1999年2月・集英社刊)
書誌
平成14年/2002年5月・集英社/集英社文庫『チグリスとユーフラテス』(上)(下)
山本周五郎賞
第
12
回候補
選評の概要
この回の全概要
見方・注意点
候補者
新井素子
38歳
選考委員
評価
行数
評言
阿刀田高
64歳
■
58
3.5点「SF小説というのは、どんなに時空を超えて飛んでいっても、必ず現代のわれわれの文明とか生活に関わってくるものでなければならないと私は思っています。」「この作品にはその意図がはっきりと表れています。」「四章、これが一番長くて一番大事なところなんですが、この章に入った途端に少し崩れはじめる。」「作者が勝手につくった設計図にあてはめていくだけになってしまった。」
井上ひさし
64歳
□
52
4.5点「三章までは非常に雑然としている小説なんですが、四章に入るとすべてがプラスに変わっていくという仕掛けがしてあって、見事だと思います。」「なによりすごいのは、これまでどんな宗教もどんな大哲学者も取り組んで答えが出せなかった、人生、世界、宇宙に意味があるのかという大問題に迫っていくところです。」「文体、文章に関しては、この人は本当にルーズだと思います。」
逢坂剛
55歳
△
68
4点「結局SFというのは、いかに想像力を働かせるかで勝負が決まる、と思うんです。ところが、この小説に出てくる自動食料供給システムなどは、具体的なイメージが浮かんでこない。」「私は、この人の小説の忠実なる読者ではないんですが、瞥見したところでは、デビュー当時からこの文体は変わっていない、と思います。(引用者中略)今の若い人には受けると思うんだけど、果たしてあらゆる世代に通用するかというと、はなはだ疑問です。」
長部日出雄
64歳
■
32
3.5点「私は、第四章が一番面白かったです。」「成熟を拒否して、自分ほど不幸なものはないという自己憐憫――。この叫びが、今の若い人たちの中にある重要なポイントを象徴していると思いました。」「これがシュールレアリスムの絵画だとすると、ディテールがどれほど本当らしく書けているかが、全体の謎を保証するものになる。だから視覚的なディテールをもう少し重視してほしかった。」
山田太一
64歳
■
31
4点「現実には今の若い人たちは、もっと雑多な曖昧さを悩んでいるわけでしょう。それがあんまりきれいに整理された問題になっているために、ここで語られる人生論は言葉にすぎないという味気なさを感じました。」「作品の中では筋道が立っているんだけれども、現実を振り返ってみると、なに言ってるのってことになってしまう。」
選評出典:『小説新潮』平成11年/1999年7月号
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