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Last Update[H27]2015/8/17

小野不由美 Ono Fuyumi
生没年月日 昭和35年/1960年~
経歴 大分県生まれ。大谷大学文学部仏教学科卒。在学中には、京都大学ミステリ研究会在籍。卒業後の昭和63年/1988年、『バースデイ・イブは眠れない』で作家デビュー。
受賞歴・候補歴



しき
屍鬼』(上)(下)(平成10年/1998年9月・新潮社刊)
書誌
>>(1)-(2)=平成14年/2002年2月、(3)-(5)=平成14年/2002年3月・新潮社/新潮文庫『屍鬼』
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他文学賞 山本周五郎賞 12回候補 一覧へ
候補者 小野不由美 女38歳
選考委員 評価 行数 評言
阿刀田高
男64歳
36 3点「私はこれからしばらくの間、ただ小説が長いということだけで、選考会では〇・五点引くという方針を採用しようと思っております。」「やはり小説としての基本的なルールに欠けるものがあるように思います。人物の造形も、みな一様ですしね。」「明らかに神の視点で書いてきていながら、最後にこれは室井の小説だったんだということになってしまうのは、ずいぶんむちゃな話ではないでしょうか。」
井上ひさし
男64歳
65 3点「作者の馬力に脱帽します。けれども、読者側に立つと、大変読みにくい。一番困るのは、この物語に対する読者の興味と愛情が読み進むにつれてどんどん冷めてくることです。」「滑稽とおどろのギャップを埋めるために、屍鬼は人間に対して言い訳ばかりしている。」「これだけたくさん読んだのに、印象に残る人物が一人もいない。これは作者の敗北です。」
逢坂剛
男55歳
54 3.5点「致命的な欠点として、この小説はホラー小説らしいんですが、一向に怖くないんです。」「ワープロ時代の功罪のうち、罪のほうがここのところひどくなってきたんじゃないか、と思います。これは、その顕著な例ではないでしょうか。」「この小説は非常に視点が乱れていて、横滑りが甚だしい。(引用者中略)これが、感情移入できない最大のポイントだ、と思います。」
長部日出雄
男64歳
36 4点「私はこの小説に取柄があるとすれば長さだと思います(笑)。」「この作者はリフレインということを、方法的に意識していたと思うんです。」「同じメロディを何度も何度も繰り返していくことによって、なにか大型の弦楽器を弓で弾いているような、非常に沈痛で荘重な調子の響きが聴こえてくるように私は感じました。」
山田太一
男64歳
28 3.5点「省略がないということにとても疲れました。けれども神楽の夜の場面からラストまでは、充実していたと思います。」「ただ吸血鬼については、物語のスタートが民俗学風の味わいだったので、日本独特の吸血鬼が出てくるのかなと期待したんですが、読んでいくと結局ルーツは外国なんですね。」「もう一つ、バンパイアが生きていくために、必ずしも人を殺さなくてすむという設定はひっかかります。」
選評出典:『小説新潮』平成11年/1999年7月号
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ざんえ
残穢』(平成24年/2012年7月・新潮社刊)
書誌
>>平成27年/2015年8月・新潮社/新潮文庫『残穢』
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他文学賞 山本周五郎賞 26受賞 一覧へ
候補者 小野不由美 女52歳
選考委員 評価 行数 評言
石田衣良
男53歳
69 「重ねてきたキャリアが違うせいか、初めて安心して読める文体に出会えたというのが、こちらの第一印象だ。」「小野さんの筆は高ぶることなく、昼食の献立でも語るように恐るべき怪異を描いていく。上品だなと思ったね。」「ひとつ残念なのは、「死に触れた人は穢れる」という公式を一方通行でなぞらえてしまうところかな。死の穢れへの忌避が生む差別が、この国の歴史には頑として存在して、今もそれで苦しむ人々がいる。そのあたりへの配慮があったら、さらによかったかもしれない。」
角田光代
女46歳
78 「第一級のホラー小説でありながら、こわがらせるだけにとどまっていない。ただ地面というだけではない、人の住む、暮らす場所としての「土地」と、元来日本人はどのようにつきあってきたのかということをしみじみと考えさせられる。」「読み終えて、私は茫漠とした場所に立たされたような心持ちだった。まさに、異界と現実との、中間のような場所である。」
佐々木譲
男63歳
44 「たしかに怖い作品ではあるが、この怖さは、ある意味で社会科学的な恐怖である。」「舞台が九州に移ってからの展開には前半ほどの恐怖はなく、むしろ近代日本の社会が生んだ因果を読み解く面白さが続く。どんでん返しのような小説的結構はないが、先に書いたように社会科学的ホラーとして、かつフェイク・ドキュメンタリーとして楽しむことができた。」
白石一文
男54歳
43 「私はこの作品を推さなかったが、他委員は消極的な賛成も含めて全員が肯定的だった。」「私が辛口になったのは、この作品がすでにある怪談、怪異譚の域をいまひとつ出ていない気がしたからだ。」「おおもとで設定されたはずの、なぜ怪異は残り、伝染するのか、さらには人はどうしてこうした恐怖に魅せられるのかという疑問に作者はほとんど答えていない。」
唯川恵
女58歳
46 「メタフィクションという手法を使われたのは非常に効果的だったと思う。小説的企みを排除したことで、現実味が深まり、いっそう恐怖が色濃くなった。」「実は今、この本を手元に置いておくことすら怖い。どうしたらいいものかと悩んでいる。もちろん、これは最上の褒め言葉である。」
選評出典:『小説新潮』平成25年/2013年7月号
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