直木賞のすべて

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Last Update●[R6]2024/1/13

吉川永青 Yoshikawa Nagaharu

生没年月日	昭和43年/1968年～
経歴	東京都生まれ。横浜国立大学経営学部卒。会社員として勤めながら小説を書き、平成22年/2010年に小説現代長編新人賞奨励賞を受賞して作家デビュー。
受賞歴・候補歴	第5回小説現代長編新人賞［奨励賞］（平成22年/2010年）「我が糸は誰を操る」 \|候補\| 第33回吉川英治文学新人賞（平成23年/2011年度）『戯史三國志―我が槍は覇道の翼』 \|候補\| 第19回中山義秀文学賞（平成25年/2013年）『時限の幻』 \|候補\| 第36回吉川英治文学新人賞（平成26年/2014年度）『誉れの赤』 \|候補\| 第4回歴史時代作家クラブ賞［作品賞］（平成27年/2015年）『誉れの赤』第4回野村胡堂文学賞（平成28年/2016年度）『闘鬼　斎藤一』 \|候補\| 第23回中山義秀文学賞（平成29年/2017年）『裏関ヶ原』第11回日本歴史時代作家協会賞［作品賞］（令和4年/2022年）『高く翔べ――快商・紀伊國屋文左衛門』
サブサイトリンク	文学賞の世界▼全12件

『戯史三國志(ぎしさんごくし)―我(わ)が槍(やり)は覇道(はどう)の翼(つばさ)』（平成23年/2011年9月・講談社刊）

書誌

平成25年/2013年9月・講談社／講談社文庫『戯史三國志―我が槍は覇道の翼』

吉川英治文学新人賞 第33回候補

選評の概要

この回の全概要　見方・注意点

候補者　吉川永青　(44歳)
選考委員		評価	行数	評言
浅田次郎	60歳	■	6	「私は面白く読んだひとりなのだが、さて一般の読者を魅了するだけの普遍性があるかと問えば、やはりそこまでには至るまいと思えた。」
伊集院静	62歳	―	0
大沢在昌	55歳	■	10	「三国志の世界に興味をもたない私にとって、評価の難しい作品だった。」「物語の流れはなめらかで、読むのを苦に感じる瞬間はなかったが、読後、何か、あるいは誰かが強烈に胸に残る、という印象をもてなかった。それが作品のせいなのか、読者のせいなのか、私にはいまだに判断ができずにいる。」
高橋克彦	64歳	―	0
宮部みゆき	51歳	■	14	「最初に登場人物一覧表を見たとき、「このページ数でこれだけの有名どころを全員出すの？」と驚きました。読んでみたら、本当に孫呉三代とそれを支えた人々の生き様が一冊のなかに収まっていたので、二度びっくりでした。それだけに、人物像の新たな発見や作り込みはできなかったようですが、最初からそのつもりで書かれた三国志入門書だと思えば、大変良質な仕事です。」
選評出典：『小説現代』平成24年/2012年5月号

『誉(ほま)れの赤(あか)』（平成26年/2014年6月・講談社刊）

書誌

書下ろし

平成28年/2016年6月・講談社／講談社文庫『誉れの赤』

吉川英治文学新人賞 第36回候補

選評の概要

この回の全概要　見方・注意点

候補者　吉川永青　(47歳)
選考委員		評価	行数	評言
伊集院静	65歳	■	12	「前候補作より格段に腕が上がり、作品冒頭の“赤備え”の戦さ場での登場の迫力はたいしたものだ。これから、と期待を持って読み進めたが、冒頭以上の興奮は残念ながら最後まで得られなかった。」
大沢在昌	58歳	■	9	「勘五郎も藤太も、どこか時代に対し「受け身」である。それでも物語が成立してしまう背景なだけに、もっと強い信念を主人公たちに抱かせてほしかった。」
恩田陸	50歳	■	5	「作品を重ねる度にうまくなっているので、まだまだ伸びそうだが、こちらはテーマが割れてしまって、読者をどこに連れていくのか、作者がどこに行きたいのか絞りきれていないように感じた。」
京極夏彦	51歳	■	11	「浮かび上がる筈のテーマは、筋運びの巧みさに埋没してしまっている。優れた可読性も相俟って最終的に明確にならない。残念である。」
高橋克彦	67歳	―	0
選評出典：『小説現代』平成27年/2015年5月号

文量
長篇
章立て
「第一部　友と見た空」（「一　長篠」「二　朋友」「三　万千代」「四　主家」「五　新生」「六　赤鬼」「七　赤心」）「第二部　天下取り」（「一　ふたり」「二　交差」「三　君臣」「四　変転」「五　赤の魂」）
時代設定	場所設定
戦国［永禄年間］～江戸初期［慶長年間］	長篠～甲斐～駿河～遠江～浜松～尾張～足柄～小田原～美濃～箕輪～肥前名護屋～豊前～大坂～関ヶ原など
登場人物
●成島勘五郎（甲斐「赤備え」の一員、甲斐国人の子） ●飯沼藤太（勘五郎の友、百姓の子） ●井伊直政（幼名・万千代、徳川家康の小姓から旗本先手組） ●孕石備前（勘五郎・藤太の上役） ●石川数正（徳川家老） ●芳（石川同心の三河衆・高田喜三郎の娘） ●初（相模の山裾に住む女）

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