直木賞のすべて
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[R6]2024/6/23
荒木あかね
Araki Akane
生没年月日
平成10年/1998年~
経歴
福岡県生まれ。九州大学文学部卒。
令和4年/2022年「此の世の果ての殺人」で江戸川乱歩賞を受賞、作家デビューする。
受賞歴・候補歴
第68回
江戸川乱歩賞
(令和4年/2022年)「此の世の果ての殺人」
|候補|
第45回
吉川英治文学新人賞
(令和5年/2023年度)『ちぎれた鎖と光の切れ端』
サブサイトリンク
文学賞の世界
▼
全
4
件
『ちぎれた
鎖
(
くさり
)
と
光
(
ひかり
)
の
切
(
き
)
れ
端
(
はし
)
』
(令和5年/2023年8月・講談社刊)
吉川英治文学新人賞
第
45
回候補
選評の概要
この回の全概要
見方・注意点
候補者
荒木あかね
25歳
選考委員
評価
行数
評言
朝井まかて
64歳
■
15
「復讐行為の連鎖、虚しさと酷さを描こうとした。が、その企てを小説にするのにこの構造、手法がふさわしかっただろうか。」「とくに第一部は主人公の一人称で語られるだけに、復讐の理由にはもっと掘り下げが欲しかった。」「刑事が捜査情報を喋り過ぎる点には首を傾げたが、紀田先輩と主人公との関係性は好もしい。」
大沢在昌
67歳
■
18
「孤島と大都市で起こる連続殺人を、容疑者と刑事の視点から描いた物語には、作者の意気込みがこもっていた。」「が、その構想に作者の筆力が追いついていない。ために、物語冒頭で、犯人はこの中にいる、とか、密室殺人だ、と登場人物(作者)が断定してしまい、物語は近視眼的に動く。」
京極夏彦
60歳
■
15
「本作は小説として良く書けているが故に、謎解き小説以外の読み方をも引き入れてしまう。一人称の地の文は語り手の内面思考として諒解されるが、語り手の行動やセリフと地の文の間には微妙な齟齬や乖離が生じている。結果、動機などが不具合として露呈してしまうのではないか。小説の技巧がトリックに貢献していないように思う。」
辻村深月
44歳
■
22
「前半の濃密なクローズドサークルの殺人事件もいい意味での徒労感に襲われつつ、面白く読んだ。」「私はこの小説の魅力は、狙いが著者の中でまだ定まりきっていない、その未成熟さにあると感じる。書きたいものが溢れているけれど、自覚的でないからこそストーリーがあがくような筆運びは、まとまりとしては混乱して見えても、今、この著者でなければ書けない、もどかしいまでの情熱ゆえだろう。」
村山由佳
59歳
■
13
「いかんせん前半の殺人計画も実際の殺人も、ともに動機が弱い。前半の語り手と先輩との間に、あるいは後半の兄と妹の間に、犯行の動機となるくらい強く情の通い合う場面があらかじめ描かれてあったならずいぶん違っていただろう。」
選評出典:『小説現代』令和6年/2024年5・6月合併号
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