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[H25]2013/11/22
橘玲
Tachibana Akira
生没年月日
昭和34年/1959年~
経歴
早稲田大学卒。「海外投資を楽しむ会」創設のメンバーとなる。平成14年/2002年に小説『マネーロンダリング』で作家デビュー。
受賞歴・候補歴
|候補|
第19回
山本周五郎賞
(平成17年/2005年度)『永遠の旅行者』
『
永遠
(
えいえん
)
の
旅行者
(
りょこうしゃ
)
』(上)(下)
(平成17年/2005年7月・幻冬舎刊)
書誌
平成20年/2008年8月・幻冬舎/幻冬舎文庫『永遠の旅行者』(上)(下)
山本周五郎賞
第
19
回候補
選評の概要
この回の全概要
見方・注意点
候補者
橘玲
47歳
選考委員
評価
行数
評言
浅田次郎
54歳
○
29
「正直のところ、読み始めてたちまち鼻白んだ。」「何だかガイドブックみたいだなと思いながら上巻のなかばまで。」「これをいわゆる時事教養小説として読めば、実に面白くかつためになるのである。」「文章はことのほか読みやすく、清潔感がある。」「ただし、いかにもサスペンス・ドラマのように手早くまとめ上げたストーリーはいただけない。」
北村薫
56歳
■
5
「魅力的な部分を幾つも持ってはいたが、最終章で、あまりにも性急に、全てをまとめにかかってしまった。そのため無理が生じたことは否めない。」
小池真理子
53歳
●
41
「雑多なテーマをこれでもか、これでもか、と盛り込みすぎていた。」「どうもここのところ、比較的年齢の若い作家の中には、専門的に勉強し、研究したことをすべて、いっしょくたにした小説に盛り込んでしまおうとする傾向がある。」「知識として得たことをどのようにシャッフルし、選別し、作品化するか。作家の力が問われる。」
重松清
43歳
■
35
「相対的な評価では×をつけざるをえなかった本作を、じつを言うと、最も期待して読み始めたのだ。」「読み進めるにつれて、物語の重心はヒロインのまゆをめぐる謎解きとサスペンスに傾いていく。そこが残念でしかたないのだ。」「もっとも、本作に抱いた残念な思いは、「『永遠の旅行者』の物語」はまだ描かれていない、という次作以降への期待にもつながる。」
篠田節子
50歳
△
34
「多くの欠点と大きな魅力を合わせ持つ作品だった。多くの欠点を一口に言えば、小説技法の稚拙さである。」「テーマの大きさ、題材、物語の骨子、設定のユニークさは賞讃に値する。」「他の選考委員が全員×をつけても、私はこの作品には○印をつけるつもりでいた。最終章を読むまでは……。」「私は作者に問いたい。本当に、この結末を意図していたのですか、と。大罪を犯した天使ではいけませんか?」
選評出典:『小説新潮』平成18年/2006年7月号
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