直木賞のすべて

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Last Update●[R6]2024/1/27

伊岡瞬 Ioka Shun

生没年月日	昭和35年/1960年～
経歴	東京都武蔵野市生まれ。日本大学法学部卒。広告会社勤務を経て、平成17年/2005年「約束」（受賞後『いつか、虹の向こうへ』に改題）で横溝正史ミステリ大賞（大賞およびテレビ東京賞）を受賞、作家デビューする。
受賞歴・候補歴	第25回横溝正史ミステリ大賞［大賞＆テレビ東京賞］（平成17年/2005年）「約束」（受賞後『いつか、虹の向こうへ』に改題） \|候補\| 第63回日本推理作家協会賞［短編部門］（平成22年/2010年）「ミスファイア」 \|候補\| 第64回日本推理作家協会賞［長編および連作短編集部門］（平成23年/2011年）『明日の雨は。』 \|候補\| 第5回山田風太郎賞（平成26年/2014年）『代償』第10回啓文堂大賞［文庫大賞］（平成28年/2016年）『代償』 \|候補\| 第20回大藪春彦賞（平成29年/2017年度）『痣』第13回啓文堂大賞［文庫大賞］（令和1年/2019年）『悪寒』 \|候補\| 第41回吉川英治文学新人賞（令和1年/2019年度）『不審者』
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『不審者(ふしんしゃ)』（令和1年/2019年9月・集英社刊）

書誌

令和3年/2021年9月・集英社／集英社文庫『不審者』

吉川英治文学新人賞 第41回候補

選評の概要

この回の全概要　見方・注意点

候補者　伊岡瞬　(60歳)
選考委員		評価	行数	評言
伊集院静	70歳	■	11	「義兄に扮した男が刑事であった点に、私は何も言いようのない脱力感を覚えた。」「作品の三分の二を読むまでに疲れてしまったので、脱力と言うより倒れそうになった。」
大沢在昌	63歳	■	6	「内容に比して長すぎる。ていねいに書こうと思われたのだろうが、思わせぶりな場面ばかりに嘆息させられた。ミステリとしてのアンフェアさも気になった。」
恩田陸	55歳	■	9	「要は誰が「不審者」なのか、というのが主題で、その不穏な雰囲気を楽しんだが、途中で真相が分かってしまうのと、この当初「不審者」と目された人物が実は立場が逆であり、いくら自分の兄弟が関わっているとはいえ、あまりにもその捜査のやり口に無理があるので、そこのところが納得できなかった。」
京極夏彦	56歳	■	18	「（引用者注：「medium　霊媒探偵城塚翡翠」と共に）ミステリとして読み解くならば同じタイプの構造を採用しているということになるだろう。」「日常の描写を地道に積み重ねることで（引用者中略）隠された事実を韜晦するスタイル」「ただ、ミステリとして捉えてしまった場合、それは本質ではなく技巧、目的ではなく手段として機能してしまうことになる。そうした観点から読み解いた時、本来瑕疵としてカウントされるはずのない微細なパーツが不備や齟齬として浮き上がってしまうことになる。」
重松清	56歳	●	8	「読みながら、評者は幾度となくもどかしい思いにさいなまれた。登場人物の背景がことごとく後付けで、かつ「じつは彼／彼女は……」といった形で示されるのだ。」
選評出典：『小説現代』令和2年/2020年5月号

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