直木賞のすべて

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Last Update●[R7]2025/6/24

藤岡陽子 Fujioka Yoko

生没年月日	昭和46年/1971年～
経歴	京都府京都市生まれ。同志社大学文学部卒。スポーツ記者、タンザニア留学等を経て帰国後に小説の投稿を続け、平成21年/2009年『いつまでも白い羽根』で作家デビューする。
受賞歴・候補歴	\|候補\| 第81回オール讀物新人賞（平成13年/2001年）「鬼灯」 \|候補\| 第82回オール讀物新人賞（平成14年/2002年）「秋螢」第40回北日本文学賞［選奨］（平成18年/2006年）「結い言」 \|候補\| 第1回小説宝石新人賞（平成19年/2007年）「波風」 \|候補\| 第2回小説宝石新人賞（平成20年/2008年）「海路」第9回京都本大賞（令和3年/2021年）『メイド・イン京都』第7回未来屋小説大賞（令和5年/2023年）『リラの花咲くけものみち』第45回吉川英治文学新人賞（令和5年/2023年度）『リラの花咲くけものみち』
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『リラの花咲(はなさ)くけものみち』（令和5年/2023年7月・光文社刊）

吉川英治文学新人賞 第45回受賞

選評の概要

この回の全概要　見方・注意点

候補者　藤岡陽子　52歳
選考委員		評価	行数	評言
朝井まかて	64歳	□	23	「人と動物の命、その関係性に向けたまなざしは寸分も揺るがず、だからこそ温かい。が、真面目にまとめ過ぎているようにも感じた。」「第七章の父とのやりとりで、ほっとした。小説としての破調、妙味があり、こうでなくちゃ！　と安堵したのである。ラストについては結婚がゴールのようにも読めてしまうので、現代の小説としてはもう一考欲しかった。」「とはいえ、一人の少女の成長物語が佳き小説としてまっすぐに評価されたことに私はある種の感動を覚え、心から受賞に賛同した。」
大沢在昌	67歳	○	13	「いやみのない、実にいい小説である。」「悲しみや失望はあっても、絶望はなく、主人公の成長が一歩一歩、確かに読む者の胸に伝わってくる。各章を花言葉になぞらえるその手腕は、あざといほど見事で、作者は熟練のプロフェッショナルといえる。」
京極夏彦	60歳	△	20	「取材に裏付けられた日常の描写は細やかで、かつリアルである。リアルであるが故に、それは読者の疑似的な経験として受容されるだろう。」「ラストの早急さや多少あざとく思えるガジェットなど気になる点もないではないが、劇的な展開を小説の外に追い出し読者に委ねるという手法は、容易に成し遂げられるものではないだろう。」
辻村深月	44歳	○	15	「誰かが用意した悪意や衝突といったものではない、理不尽だけど起こりうる、もっと大きく、でも確かにあって避けられないものと静かに強く、正面から対峙していく。これこそが藤岡さんの小説の魅力であり、今回、受賞の場に立ち会えたことをとても光栄に思う。」
村山由佳	59歳	○	23	「獣医という職業を〈物言えぬ動物たちに寄り添う素晴らしい仕事〉と称えることをしない。そのつど命の選別をしなくてはならない過酷さや、飼い主の都合で運命が決まってしまうペットの悲哀、経済動物と呼ばれる牛たちと共に生きる酪農家の辛苦に至るまで逃げずに描く。手つきには容赦がないが、背後にはこの世のよきものを肯定しようとする作者の信念がある。」
選評出典：『小説現代』令和6年/2024年5・6月合併号

『森(もり)にあかりが灯(とも)るとき』（令和6年/2024年10月・ＰＨＰ研究所刊）

第172回推薦候補

大衆選考会での推薦

推薦者	推薦日	推薦文
菅野等	令和6年/2024年12月11日	なし

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