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第10回
吉川英治文学新人賞
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昭和63年/1988年度
(平成1年/1989年3月6日決定発表)
選考委員  井上ひさし
男54歳
尾崎秀樹
男60歳
佐野洋
男60歳
野坂昭如
男58歳
半村良
男55歳
選評総行数  31 27 27 30 20
候補作 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数 評価 行数
椎名誠 『犬の系譜』
男44歳
11 13 17 19 9
岡嶋二人 『99%の誘拐』
男男38歳(46歳)
20 14 18 13 7
         
年齢の説明   見方・注意点

このページの選評出典:『群像』平成1年/1989年5月号
1行当たりの文字数:20字


選考委員
井上ひさし男54歳×各候補作  年齢の説明
見方・注意点
選評 総行数31 (1行=20字)
候補 評価 行数 評言
椎名誠
男44歳
11 「宮沢賢治ばりの質と品のよい文章で綴られた、ある「ついていない家」の記録である。だがこれは柔な記録ではない。」「作品が仕掛けてくる喚起力も相当なものだ。読者は少年の語る「ついていない家」の物語を読みながら、それぞれが生れ育った家への考察をこころよく強制されるだろう。」
岡嶋二人
男男38歳(46歳)
20 「出るべくして出た傑作である。」「評者のようなパソコン音痴にも理解可能に書かれているところが凄腕だ。」「しかもさらに旧い読者のために作者はもうひとつ古い形の誘拐をも用意する。」「マイッタ、マイッタを連発しながら一気に読みました。これでユーモアがあったら一〇〇%のエンタテインメントだった。」
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他の選考委員
尾崎秀樹
佐野洋
野坂昭如
半村良
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選考委員
尾崎秀樹男60歳×各候補作  年齢の説明
見方・注意点
新人賞の三人 総行数27 (1行=20字)
候補 評価 行数 評言
椎名誠
男44歳
13 「年中行事や四季の移りかわりを海辺の風物とともに点描し、子どもたちの生態をさりげない筆致でとらえているが、デテールの真実味が全体をあたたかく包んでいる。椎名誠は現代のさまざまな素材を、いろいろな角度から描いてほしい。」
岡嶋二人
男男38歳(46歳)
14 「「犬の系譜」とは対極に位置するような作品だ。」「ハイ・テク技術を縦横に駆使したアイデアのおもしろさを満喫させてくれる犯罪小説として評価する。」
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他の選考委員
井上ひさし
佐野洋
野坂昭如
半村良
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選考委員
佐野洋男60歳×各候補作  年齢の説明
見方・注意点
選評 総行数27 (1行=20字)
候補 評価 行数 評言
椎名誠
男44歳
17 「両作品(引用者注:「犬の系譜」と「99%の誘拐」)が群を抜いており、これを無視することはできなかった。」「何よりも文章がいい。」「少々淡彩に過ぎる点が、物足りないようにも思うが、これが椎名氏の持ち味なのだろうか。もっと変わった味の作品も書ける方だと思う。」
岡嶋二人
男男38歳(46歳)
18 「両作品(引用者注:「犬の系譜」と「99%の誘拐」)が群を抜いており、これを無視することはできなかった。」「「決して読者を落胆させない作家」と一部で言われているのも故なしとしない。」「岡嶋氏の集大成とも言えるもので、二つの誘拐事件についてのアイデアの妙、全体の構成の見事さなど、共作の長所が最大限に出ていると言えよう。」
  「(引用者注:椎名誠、岡嶋二人といった多くの著書を持つ作家に)いまさら新人賞を贈らなくてもいいのではないか。候補作六編を手にしたとき、そんなことを考えた。」
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井上ひさし
尾崎秀樹
野坂昭如
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選考委員
野坂昭如男58歳×各候補作  年齢の説明
見方・注意点
選評 総行数30 (1行=20字)
候補 評価 行数 評言
椎名誠
男44歳
19 「読み終って、しみじみ思いかえし、さらにまた、とりまぎれる日々のうちに、ふとよみがえる、つまり、心に残る人々が、何人も登場する。」「犬の眼からすれば、うつし世すべて面妖不可思議、だがそのすべてを信頼し、悪意を抱かず、見たままを素直に描く。故に、さりげなく漂うユーモアが、人間の営みの暗い部分を浮き上らせ、片言隻句また、人間の複雑なつながりを、きわ立たせる。」「もっと歳をとってから書いても良かったような気もする」
岡嶋二人
男男38歳(46歳)
13 「コンピュータがらみに弱いなどと公言するのは、今やシャレにならない。(引用者中略)そういった当節のヤボテンを、徹頭徹尾、コンピュータを主役としたお話に、ひっぱりこんだのだから、テキながら天晴れ。」「このてのお話につきものの、ことさらな残酷さのないこともけっこう。」「二人であるために、少しひねり過ぎたきらいがある。」
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井上ひさし
尾崎秀樹
佐野洋
半村良
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選考委員
半村良男55歳×各候補作  年齢の説明
見方・注意点
ビバ・吉川新人賞 総行数20 (1行=20字)
候補 評価 行数 評言
椎名誠
男44歳
9 「少年の視点が確保されていて、私にはこころよい作品だった。」「ただ、これだけ力のある人なのだから、もっとにぎやかな領域にも手をのばしてはもらえないものだろうか。これ、読者の一人としてのお願いです。」
岡嶋二人
男男38歳(46歳)
7 「構成にも文体にも疾走感があり、選者の一人として読んでいるうちに、読者の一人にさせられてしまった。」「コンピューターを使ったミステリーは、今後も増え続けるに違いないが、この作品はそれをはかる尺度のひとつになるだろう。」
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井上ひさし
尾崎秀樹
佐野洋
野坂昭如
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受賞者・作品
椎名誠男44歳×各選考委員 
『犬の系譜』
年齢の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし
男54歳
11 「宮沢賢治ばりの質と品のよい文章で綴られた、ある「ついていない家」の記録である。だがこれは柔な記録ではない。」「作品が仕掛けてくる喚起力も相当なものだ。読者は少年の語る「ついていない家」の物語を読みながら、それぞれが生れ育った家への考察をこころよく強制されるだろう。」
尾崎秀樹
男60歳
13 「年中行事や四季の移りかわりを海辺の風物とともに点描し、子どもたちの生態をさりげない筆致でとらえているが、デテールの真実味が全体をあたたかく包んでいる。椎名誠は現代のさまざまな素材を、いろいろな角度から描いてほしい。」
佐野洋
男60歳
17 「両作品(引用者注:「犬の系譜」と「99%の誘拐」)が群を抜いており、これを無視することはできなかった。」「何よりも文章がいい。」「少々淡彩に過ぎる点が、物足りないようにも思うが、これが椎名氏の持ち味なのだろうか。もっと変わった味の作品も書ける方だと思う。」
野坂昭如
男58歳
19 「読み終って、しみじみ思いかえし、さらにまた、とりまぎれる日々のうちに、ふとよみがえる、つまり、心に残る人々が、何人も登場する。」「犬の眼からすれば、うつし世すべて面妖不可思議、だがそのすべてを信頼し、悪意を抱かず、見たままを素直に描く。故に、さりげなく漂うユーモアが、人間の営みの暗い部分を浮き上らせ、片言隻句また、人間の複雑なつながりを、きわ立たせる。」「もっと歳をとってから書いても良かったような気もする」
半村良
男55歳
9 「少年の視点が確保されていて、私にはこころよい作品だった。」「ただ、これだけ力のある人なのだから、もっとにぎやかな領域にも手をのばしてはもらえないものだろうか。これ、読者の一人としてのお願いです。」
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他の候補作
岡嶋二人
『99%の誘拐』
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受賞者・作品
岡嶋二人男男38歳(46歳)×各選考委員 
『99%の誘拐』
年齢の説明
見方・注意点
選考委員 評価 行数 評言
井上ひさし
男54歳
20 「出るべくして出た傑作である。」「評者のようなパソコン音痴にも理解可能に書かれているところが凄腕だ。」「しかもさらに旧い読者のために作者はもうひとつ古い形の誘拐をも用意する。」「マイッタ、マイッタを連発しながら一気に読みました。これでユーモアがあったら一〇〇%のエンタテインメントだった。」
尾崎秀樹
男60歳
14 「「犬の系譜」とは対極に位置するような作品だ。」「ハイ・テク技術を縦横に駆使したアイデアのおもしろさを満喫させてくれる犯罪小説として評価する。」
佐野洋
男60歳
18 「両作品(引用者注:「犬の系譜」と「99%の誘拐」)が群を抜いており、これを無視することはできなかった。」「「決して読者を落胆させない作家」と一部で言われているのも故なしとしない。」「岡嶋氏の集大成とも言えるもので、二つの誘拐事件についてのアイデアの妙、全体の構成の見事さなど、共作の長所が最大限に出ていると言えよう。」
野坂昭如
男58歳
13 「コンピュータがらみに弱いなどと公言するのは、今やシャレにならない。(引用者中略)そういった当節のヤボテンを、徹頭徹尾、コンピュータを主役としたお話に、ひっぱりこんだのだから、テキながら天晴れ。」「このてのお話につきものの、ことさらな残酷さのないこともけっこう。」「二人であるために、少しひねり過ぎたきらいがある。」
半村良
男55歳
7 「構成にも文体にも疾走感があり、選者の一人として読んでいるうちに、読者の一人にさせられてしまった。」「コンピューターを使ったミステリーは、今後も増え続けるに違いないが、この作品はそれをはかる尺度のひとつになるだろう。」
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他の候補作
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『犬の系譜』
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